転生菅原道真「うちの梅から女の子が!!」   作:鳩胸な鴨

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こっちじゃ久しぶり。最初のじゃれ合いしか書いてないよ


全盛期宿儺vs転生菅原道真 〜夢オチを添えて〜

「……何ここ?」

 

目の前に広がる更地を前に、虎杖が惚けた声を漏らす。

確か、先ほどまでヒメたちと夜通しゲームをやり通し、眠りについたはず。

先ほどまで感じていた眠気がすっかり消えてることを不思議に思いつつ、虎杖はあたりを見渡す。

 

「あれ…?」

 

と。更地の中にぽつんと残る小屋と見覚えのある梅の木を見つけ、眉を顰める虎杖。

もしあれが飛梅だとして、社や街はどこに行った?

そんな疑問を覚えるより先、凄まじい威圧感が肌を撫ぜた。

 

「私の術式は『魂魄創術』。

文字通り魂を生み出し、それに付随して無限の生得領域と術式を生み出す」

「っ!?!?」

 

響いた声に冷や汗が噴き出る。

存在としての格が違う。心胆を丸ごと氷に突っ込んだかのような怖気。

虎杖が声の方向へと目をやると、見窄らしい服装に身を包んだ男が両手を広げ、構えを取る。

自分へと構えているのか。

いや、違う。視線が合っていない。

虎杖は彼の視線に沿うように、後ろを振り返る。

そこに立っていたのは、印を結ぶ両面宿儺。

ぼたぼたと冷や汗を垂らすその様を前に、虎杖は愕然と目を見開いた。

 

「宿儺…!?え、なんで…!?」

 

宿儺は今、この体に閉じ込めているはず。

ヒメたちとの縛りでより強固に封じ込められていたというのに、どうして目の前に立っているのか。

その疑問の答えに辿り着くより先、男の声が虎杖の思考を切る。

 

「故に、理論上は無限の領域展開が可能なわけだが…、私は意図的にこれを縛った。

両面宿儺。その対価として何を得たか、貴様にはもうわかるだろう?」

「………バケモノめ」

「互いにだろう」

 

─────『領域展開』

 

互いに口を震わせる。

広がるのは、頭骨が並ぶ絶死の空間。

両面宿儺の領域展開『伏魔御廚子』。

そこにある全てを細切れにする、両面宿儺を象徴する奥義。

対する男は印を結ぶことなく、唇を震わせた。

 

─────『天満大自在天』

 

宿儺の領域と競り合うように、白が広がる。

巻き込まれた虎杖が咄嗟に身を守る。

が、しかし。数秒経っても自分の体に痛みが走らないことに疑問を覚え、両者を見比べた。

 

「え?えっと…、え?

も、もしかして、見えてない…ってか、夢かなにか…?」

 

これ、あれだ。精神だけが過去の世界へと放り込まれたとかいう、よくあるやつだ。

サブカルチャーに染まり切った虎杖が俗に塗れた感想を抱くより先、白と赤が砕け散る。

それを前にして、宿儺は凄絶な笑みを浮かべ、叫んだ。

 

「呪詞と印の完全省略…!

俺に並ぶか、菅原道真!!」

 

宿儺の言葉に、虎杖が男へと目を向ける。

アレが菅原道真。

呪いの才に愛されながら、呪いの世を否定した男。

貴き人とは思えぬ程に薄汚れた出立ちなれど、纏う威圧は正しく強者。

道真は笑みを浮かべる宿儺に対し、ひどく冷めた顔で吐き捨てた。

 

「誰がお前みたいな話の通じん(けだもの)と同列に落ちるか。

獣は獣らしく、蹲って死ね」

「……雑魚に蹴落とされた落伍者が、随分と減らず口を叩くなぁ?」

「その落伍者が生み出した精霊相手に痛手を負ったのはどこのどいつだ?」

 

煽り合うと同時に領域がぶつかり合い、砕け散る。

虎杖の常軌を逸した身体能力で感知できただけでも、この一瞬で三度は領域がぶつかり、消えている。

呪術の秘奥を弱パンチ感覚で使うな。

この場に伏黒恵が居たならば、卒倒しそうなストレスを耐えながらそうこぼしたことだろう。

この世の終わりのような攻防が続くこと、5秒。

既に15回もの激突を終えた2人は構えを解き、その手に炎を宿した。

 

「『(カミノ)』、【(フーガ)】」

「【火雷(ほのいかづち)】」

 

ばら撒いた呪力を着火剤として爆炎を巻き起こす宿儺の絶技。

そうして放たれた爆炎を前に、道真は手元に二つの光を顕現させ、練り上げる。

ばちばち、と迸る火花が周囲の大地を削る。

迫る爆炎に向け、道真は練り上げた光を叩きつけた。

 

「うぉおおっ…!?」

 

害はないと分かっていても戦慄する炎のぶつかり合いを前に、虎杖の体から滝のような冷や汗が垂れる。

出鱈目同士のぶつかり合い。

しかも、どちらも遊び感覚でしかない。

改めて実感する実力差を前に、ごくり、と生唾を飲み込む。

 

「『龍鱗』、『反発』、『番の流星』」

 

爆炎に包まれる中で、宿儺の声が響く。

呪詞。詠唱、溜めを作ることにより、次の一撃の威力を底上げする技術。

爆炎を手で薙いだ宿儺は、その指を爆炎に包まれた道真の影へと向けた。

 

「『解』」

 

世界を断つまでは行かずとも、当たれば即死は免れぬ斬撃が迫る。

と同時に、凛、と聞き慣れた二つの声が響いた。

 

「『朽ちた桜』。『果てた松』」

「『紡ぐ梅』。『智慧の天神』」

 

道真の指に光が灯る。

そこに宿るは、無尽蔵に押し込められた魂。

生まれた術式さえも呪力へと変換し、それを反転させる。

その権能は、呪いの否定。

迫る斬撃が呪術である以上、この光に敵うことはない。

道真は指に宿る光を斬撃に向け、口を開いた。

 

「魂魄創術、極ノ番」

 

────『梅花無尽蔵』

 

斬撃と光が触れ合おうとした、まさにその時だった。

 

「虎杖くーーーん!ごはーーーーん!!」

 

そんな間抜けな声に景色がかき消されたのは。

 

♦︎♦︎♦︎♦︎

 

「…んごっ」

「いーたーどーりーくーん!おーきーてー!

もうお昼の1時だよー!一蘭行くよー!」

 

ゆさゆさと体が揺れ、目が覚める。

ああ、やっぱり夢だったか。

寝ぼけ眼を擦りつつ、「起きた、起きたから」と体を揺らすヒメを宥め、起き上がった。




転生菅原道真…結構なんでもありな人。後世の呪術界では一時期、弱点が「口が二つないこと」、「腕が四つないこと」とか言われていたが、それをヒメミコでカバーしてた。宿儺とガチでぶつかった3日後に没して神様になった。

梅花無尽蔵…要約すると呪い絶対殺すビーム。宿儺みたいなアホ呪力を持ち合わせていない呪術師はこいつに触れるだけで呪力すっからかんになるし、呪霊は跡形もなく消し飛ぶ。受肉も呪い扱いなので、受肉した術師のみが消滅する程の大ダメージを喰らう。尚、1番効いてほしいランキングトップに輝く羂索には効かない模様

両面宿儺…無限に術式作れるバケモンと真正面からぶつかれる猛者。小僧の中にいる状態で梅花無尽蔵食らったら致命傷喰らう模様。
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