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第1話

 アビドス高等学校。約26年前に発生した大災厄によって学区の大半が喪失。復旧作業のために多額の資金を投入するも事態は好転せず、膨らみ続ける借金のせいで学園の経営は悪化し、人口の流出にも歯止めがかからないまま地区全体の衰退を招いてしまう。

 この事態を引き起こした災厄の名、それは――

 

「約26年前、この学区の郊外にある砂漠に、突如として謎の物体が現れたのです。大地に突き立つようにして現れたそれは、砂漠に現れるや否やその地点を中心に大地の全てを侵食、塩に変えていきました。『塩化』と称される侵食現象が収まるまでの三日間は手が出せず、結局、この間にアビドスは学区の大半が塩の固まりとなってしまいました」

 

「当然、人的被害も相当の規模にのぼっている」

 

「連邦生徒会は、この『杭』を『塩の杭』と呼称しています」

 

 ◇ ◇ ◇

 

 零の至宝。伝承に伝わる《七の至宝》の一つであり、古の時代に自らの意思で失われた『幻』の至宝《虚ろなる神》を『名もなき神』を崇拝する者たちが再現した人造の至宝。

 世界の理や歴史に干渉することで時空間を自由に書き換えることができる『因果律の操作』の能力を持つこの至宝は、現代では『名もなき神々の王女』の名で一部の者に伝えられる。

 世界の滅亡。正しくその願いを叶えるために、『王女』は『零の至宝』の玉座を戴冠する。

 

「コード名『碧の虚神(デミウルゴス)』起動プロセスを開始します」

 

 ◇ ◇ ◇

 

 補習授業部。落第に匹敵する程の成績不振者が現れた為に特例として編成され、その名の通り補習を受けさせて成績を向上させることを目的としている。

 トリニティ総合学園の別館で合宿をすることになった彼女たちは、掃除の最中に謎の地下室を発見することになる。そこで、彼女たちが見つけたのは、トリニティ総合学園に伝わる『巨いなる騎士』の正体である自我を持つ機動兵器――《騎神》の一柱だった。

 

「まあ簡単に言うと、黒幕登場☆ってところかな?」

 

「そ、そんな……」

 

「……私たちの攻撃がぜんぶ通じない……?」

 

「来い――《灰の騎神》ヴァリマール!」

 

 ◇ ◇ ◇

 

「……私のミスでした」

 

 空色の長髪の少女が口を開く。

 

「私の選択、そしてそれによって招かれたこの全ての状況」

 

 塩の杭。

 

 零の至宝。

 

 相克。

 

 大破壊。

 

 そして、外の理。

 

「結局、この結果に辿り着いて初めて、あなたの方が正しかったことを悟るだなんて……」

 

 胸を貫かれ、死に向かいつつある彼女の名は連邦生徒会長。

 

「……今更図々しいですが、お願いします」

 

 またの名を、盟主。

 

「リィン先生」


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