【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた 作:種再燃祭
「ねぇ、姉さん」
姉の膝の上で優しく髪を撫でられ、蕩けそうな顔でご満悦なキラは、
「アスラン、次の戦いから参戦させるの?」
割とガチなネタを投げる。
「いんや」
だがカガリはあっさり首を横に振り、
「アスラン・ザラは、戦力ではなくパトリック・ザラとその一党のみを『抹消すべき悪』と結論付けるのに必然な”政治的
「という事は、”ヤキン・ドゥーエ”……”ジェネシス”攻略戦だね?」
今度はカガリは頷き、
「そうなるな」
カガリ、いやオーブと大西洋連邦の総意としてプラントに攻め込むこと自体が戦争目的から考えて論外なので、ヤキン・ドゥーエをこの戦争における最初の戦場にすべく動いていた。
「そういえば次の作戦は”新星”、じゃなくて今は”ボアズ”だっけ?になりそうなんだよね?」
L5宙域にあるザフト宇宙要塞”ボアズ”は、かつては東アジア共和国が保有する資源採掘用小惑星”新星”と呼ばれていた。
「順当にいけばな。もっとも、ボアズ攻略も”ヤキン・ドゥーエ”攻略の布石と言えば、それまでなんだが」
「姉さんってアスランにあれだけ言っておいて、実は”ジェネシス”を脅威と見なしてないでしょ?」
カガリは端末を置き、横向きで微睡んでいたキラの頬に手をよせてそっと上を向かせ、
「ところで、どうしてそう思った?」
「表情、かな? もう色々計算に入れてるよね?」
「よくできました、だな」
「姉さんに褒められた♪」
無邪気に喜ぶキラに、
「フェイズシフト装甲で全体を覆い、なおかつミラージュコロイドでその存在を隠蔽している……まあ、普通に考えれば、ジェネシスは人類殲滅用の凶悪兵器なんだが……」
カガリはさして面白くもなさそうに、
「だが、どれほど威力が高かろうと所詮は戦時急造品。兵器としてのブラッシュアップが不十分、構造的な欠陥をいくつも抱えてるのさ」
例えば、発射するたびにレーザーに巻き込まれて溶解する一次反射ミラーを交換しなくてはならない。
また、この交換には最低でも数時間を要する。
一次反射も二次反射も、あの手のコヒーレント変換する兵器は収束ミラーが壊れただけでアウトだ。
「他にも元がプロパルジョン・ビーム照射装置だったせいで、”ジェネシス”本体の管制室だけでは本来の用途以外の使い方には対応できてない。射撃統制には”ヤキン・ドゥーエ”からのダイレクト・コントロールが必須だ。まったく別の使い道なんだから外付けの制御ユニットは必然なんだろうさ。しかも、ニュートロンジャマー自体の影響で、遠距離からの遠隔操作は不可能。いや、確実性を求めるなら……決戦兵器であればこそ最悪、有線接続もできる距離に置いておきたいだろう」
「多分、そうだと思う」
「ならば必ず”ヤキン・ドゥーエ”の近辺に必ず”ジェネシス”は存在する。ジェネシスが見えてなくともヤキン・ドゥーエなら常に見えている。キラ、実行するかどうかは別にして、奪取した”ボアズ”を加速させてヤキン・ドゥーエにぶつけるってのはどうだ?」
例えば、小惑星ほどの巨大質量をほぼ同じ質量の小惑星に秒速数十㎞まで加速させて衝突させたらどうなるか?
「それ、意外と成功率高そうだね?」
キラは頭の中で素早く計算する。
宇宙の広さを考えれば、パチンコ玉にパチンコ玉をぶつけるようなものだが、可能不可能で言えば、十分に可能だ。
少なくとも、宇宙空間でモビルスーツ同士を衝突させるよりはよっぽど難易度は低い。
的は大きく、動かないのだから。
「もっとも、”投石”なんて奇策に頼らんでも、正攻法で十分どうにかなるんだよなぁ」
ジェネシスは頑丈なだけで別に無限の耐久性を持っているわけではない。
結局のところ、カガリにとってジェネシスは、「その存在が知られてなければ脅威になる代物」という事だった。
例えば原作ですらも、アズラエルが核ミサイル部隊をプラント本国に向けるのではなくジェネシス破壊に集中投入していたら、結果は全く変わっていただろう。
(ネタも場所も割れているなら、どうにもでもなる)
「そしていきなり地球に向けて発砲するのでなければ、正直、オーブに実害のない方向に一度はジェネシスを撃たせ、パトリック・ザラとその取り巻きを言い訳できない状況に追い込んでおきたいところだ」
(まあ、そう都合よくいくかはさておき……)
「いや、存外にそういう状況へ誘導するようにはできなくもない、か?」
何やらカガリは、またしても悪巧みを思いついたようだが……
「ところで姉さん、アスランの機体はどうするの?」
最近、色々と身辺状況の変化が重なり、それに応じた心境の変化で二人きりの時は(特に甘えん坊モードの時は)臆面なく姉さん呼びするようになったキラである。
「ん? ああ、フラガ少佐の乗機が正式に”ドレッドノート
”イージス”は現在、『第65話 ”エンデュミオンの鷹”の新たなる翼』でお目見えしオーブ本土防衛戦やパナマでも活躍したGAT-X303EC”イージス・エンデュミオン”仕様を叩き台に、パワープラントをキラが開発した”NBSCハイブリッド・パワーパック”へ換装する核動力化が急がれている。
ちなみに同話で「あと1回は変身(?)を残している」、「本来の活躍の場である
また、『第84話 ”合同性能評価部隊” ~カガリと七人の機動サムライ~』の冒頭で開発が示唆されていたムウの新たな愛機は、既に試運転が始まっているようだ。また、ペットネームも無事に”ドレッドノートΧ”に決定したらしい。
由来は明らかに有線電源供給のドラグーン”χユニット”からだろう。χもΧも元は同じ22番目のギリシャ文字で小文字と大文字の関係だ。
どうでもよいが、ムウは新たな愛機が”ドレッドノート・エンデュミオン”になるのをなんとか阻止成功したようで幸いである。
「それに元々アスラン・ザラがヘリオポリスで強奪しようとしていたのが”イージス”だろ? それが回り回って”パトリック・ザラへの反旗の象徴”として正規パイロットになるんだ。ドラマ性も皮肉も十分だろう?」
「そうすると、アスラン用のセッティングが必要だね?」
「キラ、何かアイデアはあるか?」
「パッと考えつくのは、核動力化の余剰出力の大きさを活かして、両腕にアルミューレリュミエール・バックラーを装着するダブルバックラー仕様に変更。出来れば両足、膝の部分とかに同じくモノフェーズ光波発生器を搭載して、モビルスーツ時にはシールド状の平面展開だけど、モビルアーマー形態では手足4か所のモノフェーズ光波を収束して機体前方に円錐状のモノフェーズ光波防護フィールドとして展開できるようにしたいかな?」
「ほう。差し詰め、”アルミューレリュミエール・バリアコーン”ってところか?」
キラは頷き、
「うん。ビームライフルは、バランスも考えて片手1丁ずつの2丁持ちで。アスランなら使いこなせるだろうし。それと大気圏内飛行用の空力翼とかは不要だし、受電アンテナは背部フレキシブルバインダーに組み込めるから、高機動スラスターユニットとかに変更したいよ。エールストライカーのユニットとか流用できそうだし、どうせなら撃ち終わったら切り離せるマイクロミサイル・ポッドとかも付けたいかな?」
「何となく発想が”バルキリー”のスーパーパックっぽいな」
前にも触れたが、この世界線のオーブではガンダム・シリーズはないが”マクロス”がC.E年間に入ってから再構成リメイクされ、国民的アニメ作品として認知されていた。
ちょっと興味深いのは、マクロス落着に起因する統合戦争を描いた本編のプレストーリー”マクロス・ゼロ”からTVシリーズ本編に劇場版のエッセンスを加えた物を”第1シリーズ”として製作されており、合計6クール76話、空白期を含む足掛け4年に及ぶ大作として放映された。
ゼントラーディ人は劇場版準拠のデザインで、特筆すべきは「ロイ・フォッカーが生存」するシナリオに変更されている点だ。
蛇足ながらVF-1も設定変更が行われていて、VF-0を原型に開発されている点は同じだが、機体が大型化しており、おまけに”ゼロ”のライバル機だったSV51が熱核反応エンジンに換装を初め各種強化が行われた”SV52”として準主役機として登場しており、フォッカーが半死半生ながら生還できたのも「性能向上型SV52の実戦テスト中に一条輝の事件に遭遇したから」という理由付けになっていたりする。
その後、フォッカーは一命はとりとめたが、パイロットとして復帰するのは時間がかかると判断され、フォッカーのVF-1Sは輝に受け継がれるという演出があり、第1シリーズの最終話では、輝と早瀬美沙が乗る”メガロード”を教官(実は教官時代の最後の教え子がイサムやガルドという事になっている)として再び空飛ぶフォッカーがコックピットから『長い新婚旅行になりそうだな』と笑顔で見送るシーンがある。
数年の冷却期間を置いて始まった”第2シリーズ”は新型機開発/コンペの”マクロス・プラス”から”マクロス7”をフォローする内容で、現在、戦時下につき”プラス”のシャロン・アップル事件が終わった導入部1クールちょっとで製作が中断しているが、最終的には第1シリーズに匹敵する長編になる予定だ。
加えて制作時期は第2期終了後としか発表されていないが、いわゆる”マクロスフロンティア”も”ゼロ”の鳥の人から始まる因果やオズマとランカの出会いを描いたプレ&トレーラー部分が大幅に追加される”第3シリーズ”の制作もアナウンスされているようだ。
また、西暦時代のいわゆる”旧版”もリマスタリングでアーカイブ化されている。
実は、カガリもキラも子供頃からリメイク版をよく視ていていて、何気に旧版もコンプリートしてるクチだったりする。
そして、オーブが早くから可変機の開発に他国より熱心な理由、実は……というところだ。現在、オーブでモビルスーツを開発してる者は新旧問わずにマクロスを見て育ったという技術者が少なくない。
「あっ、わかる? 発想はそこからだよ」
「だと思ったよ」
「あと、アスランの機体ならカラーはムウさんのパーソナルカラー(オレンジ)から原型の赤に戻した方がいいかも。そっちのほうが似合いそうだし」
地味にキラの新たな愛機となる”ジャスティス(の改造機)”とお揃いのカラーリングだ。
どうやら相変わらずアスランへの好感度が高止まりしていることを驚くべきだろうか?
少なくとも、親友が未来を繋ぎ止める為、(下半身的な意味以外で)起つ事は疑ってないようだ。
「それは何か納得できるな。それにしても、モビルアーマーではバリアコーンを展開しつつ、雑魚はビームライフルとマイクロミサイルで牽制しながら高速で防衛線を突破。必要なら曲射弾道ができる”スキュラ”で進撃路を切り開きつつ強襲か……」
何となくだが、そのコンセプトはガンダム・センチネル」という宇宙世紀外伝に出てくる”ディープストライカー”を連想させる。
「その戦術が基本でいいかも。うん。理に適ってる」
カガリは腕を組みつつ、
「強いて言うなら”Nイージス・アサルト”ってところか?」
”N”は当然、核動力機を意味するのだろうが、
「!! 姉さん、そのネーミング良いよ♪ 少なくとも、”イージス・アスラン”とかよりもずっといいと思う!」
無論、これはアスラン・ザラが覚悟を”決められた”場合を前提とするが……
どうやら因果は流転し、”イージス”は原作と異なる経緯と形で同じくアスラン・ザラの愛機という因果が結ばれるのかもしれない。
どことなくこの世界線ではキラ自身が改造案をまとめた”強化型ジャスティス”はともかく、原作のジャスティスに勝るとも劣らない……むしろ防御力と突破力なら勝ってるような気もするが、無事に戦場から帰ってくる事を祈るのみである。
「譲渡ではなく、あくまで貸し出し扱いだからな」
「当然、そうなるよね」
実は、カガリにとって”ジェネシス”は「知らなければ確かに脅威だが、ネタが割れてる以上、手はいくらでもある」程度のもんです。
だから、一番の脅威は「初撃で地球を撃たれること」ですが……
カガリ:「特に根拠は無いんだが、地球やヘリオポリスに向けた途端、筒先がプラント本国に方向転換しそうな気がするんだよな~。いや、なんとなくな」
まあ、どこぞの”師匠”は本当にヤベー状況になったら介入躊躇わんでしょうしw
さて、”イージス”がノーマル仕様、エンデュミオン仕様に続いて3度目、C.E71年の最後の変身である”Nイージス・アサルト”仕様になるようですよ?
書いている間、ついこの世界線のキラについて思ってしまったんですが、
「愛情(恋愛)も親愛も友愛も重めだけど、普通にエエ子やなぁ~」
とw
いや、最近、姉と(自称)姉の嫁の影響で少しづつ腹黒くなってきてる気がしないでもないですが、趣味が入ってるとはいえ、割とちゃんと(あの状態)アスランのこと考えて機体を練り上げようとしてるんだから。
アスランがもし日和っても、あんまり見捨てる構図が思い浮かばないという。
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