【完結】 種(CE)世界に00(西暦)要素をぶち込んで、死亡フラグを圧し折りながらイージーモードにしてみた   作:種再燃祭

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という訳で第82話(https://syosetu.org/novel/335614/82.html)で登場フラグがそそり立ったぎっちょん教官ことサーシェスの旦那の新たな愛機の登場です。

あとお久しぶりのジャンク屋の名物男もw






第114話 ジャンク屋と教官。ぎっちょんさんは全力で振り回しても壊れないエモノを手に入れたようですよ?

 

 

 

 最近、ジャンク屋組合の有名人、顔役の一人として認識されてる美丈夫”ロウ・ギュール”は、笑いが止まらない日々が続いていた。

 仕事が上手くいっているからか?

 

 それもある。

 原作と違い、ヘリオポリスも崩壊してないし、オーブも陥落していない。

 確かにユン・セファンがジャンク屋組合に合流もしなければ、もしかしたら”レイスタ”は生まれないのかもしれない。

 しかし、だからこそ享受できた利益も確実に存在する。

 

 現在、ロウは相棒であり、最近、恋人関係に発展したらしい山吹樹里を連れ立って、他の組合所属のジャンク屋共々、ヘリオポリス近海に来ていた。

 そう、ヘリオポリス周辺はGAT-X強奪事件に端を発する”第一次ヘリオポリス防衛戦”、続いてオペレーション・スピットブレイクの一環として勃発した”第二次ヘリオポリス防衛戦”の二度の渡る大規模戦で返り討ちにしたザフトの戦闘艦やモビルスーツの残骸が、かなりの密度で散乱していたのだ。

 

 当然のようにそれは防衛側のオーブ・ヘリオポリス駐留軍にとって面白い状況ではない。

 確かにデブリ帯での戦闘訓練を行うには都合の良い環境だし、実際、訓練に使っていたのも確かだ。

 無論、デブリを隠れ蓑にザフトが侵入を試みる可能性もあったが、それを見越した上での警戒と哨戒を兼ねた訓練スケジュールだった。

 

 だが、ここからは当然、ロウだけでなくジャンク屋組合が知らない話だが……

 諸事情(『第106話 カガリちゃんは、(自分に損がない方向に)撃たせたい!』参照)により、大西洋連邦・プトレマイオス基地駐留艦隊の一部をヘリオポリスで受け入れることになりそうなのだ。

 まさか、彼らに「接触事故上等で濃密なデブリベルトを突っ切ってこい」と受け入れ側として言えるわけがない。

 

 そしており悪く、「オーブ単独によるボアズ攻略」が決定した以上、その準備のために多忙であり、機種転換訓練中のパイロットもいるのにモビルスーツ隊を動員するにも問題があった。

 

 そこで白羽の矢が立ったのが、デブリ回収のプロフェッショナル集団、ジャンク屋組合だ。

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 彼らに委託された作業はいたってシンプルだ。

 漂う主にプラント産のデブリを回収して、接着剤や溶接でそれを固めて、大体戦闘艦1隻ぐらいの質量になったら、その上から高強度モノフィラメント・ワイヤーを巻き再度ばらけないように補強するという作業だった。

 何というか、ザフトの戦闘艦や船舶の成れの果てや、ちぎれたモビルスーツの部品を繋ぎ合わせて一塊とした代物は、”宇宙版の船幽霊”というか……何やら妙なコズミック・ホラー臭さがある。

 加えて、仕上がったデブリ塊に工兵隊が何やら仕掛けているような気もするが……

 

(なんか、またどこかで”弾丸”に使われそうな気はするんだよなぁ~)

 

 とロウは内心で思うが、それは自分達ジャンク屋が詮索する事でも、詮索して良い物でもないことは心得ていた。

 ”デブリ玉”を拵える所までがジャンク屋の仕事であり、そこから先は関知しない。正しくプロの仕事である。

 

 オーブ軍という公的機関の依頼であり、提示された依頼料も悪くなく、ケチられることも土壇場で値切られることもとりっぱぐれることもない、未だよく言ってアングラ商売、普通は火事場の泥棒扱いのジャンク屋にとっては珍しい安定案件の商売相手だ。

 

 そして、何よりロウにとって喜ばしいのは……

 

「うひょっ! そっちもこっちも新型機のオンパレードだぜえっ♪」

 

『ロウ、仕事中よ?』

 

 通信機越しの樹里にもなんのその、自らレッドフレームを操る自他共に認める生粋のメカ好きだるロウにとって、現在のヘリオポリス周辺は天国に限りなく近い職場だ。

 いや、物理的、というかリスク的にも天国に近い気はするが……それはともかく、現行機のストライク・タオツーやイナクトだけでなく、未だに資料のない詳細不明の新型機(GN-X)まで慣熟訓練でよく飛んでいるのだ。

 

「特にあのピンク、いい動きするなぁ」

 

 なんて十中八九ピーリスが乗ってるだろう”ジンクス・タオツー”の慣らし戦闘機動(シェイクダウン)に感心していると、

 

『おい、見るのは構わんが、間違っても撮影記録残したりデータ取りすんなよ?』

 

 と、通信に割り込んで釘を刺しに来る、最近になって聞き覚えが出てきた濁声。

 

「わかってますよ”サーシェス”さん。そんな無粋はしませんて」

 

『頼むぜ? ホント。下手にデータを敵対勢力に流そうもんなら、流石に”始末”せんとならなくなる』

 

 そう軽く警告するオーブ国営傭兵組織”カタロン”、モビルスーツ隊総隊長のアリー・アル・サーシェス。

 ジャンク屋組合、というかロウ・ギュールという男に馴染みがある傭兵組織といえば”サーペントテール”だが、今回はオーブの宇宙施設近辺の任務という事で、「新型機の調整と性能確認も兼ねて」、カタロンが現場の保守(作業の護衛)に出張ってきてるらしい。

 

(登録機体名、”スローネ・フィーア”ね……)

 

 ロウに限らずツウならよく知る、此処近年では比較的露出の多いスローネ・シリーズの1機、

 

4番目(フィーア)のスローネって事は追加制作機かな? それが国営とはいえ傭兵団に回されてるって事になにやら事情(ワケ)ありっぽいが)

 

 意外に聞こえるかもしれないがスローネ・シリーズに限らず、ソレスタルビーイング保有のガンダム・タイプをはじめとするモビルスーツは存外に露出が多い。

 それもそのはずで、本来は軌道エレベーター”アメノミハシラ”に接近する危険なデブリや太陽光発電設備をガードするのはソレスタルビーイングの重要な役目であり、その活躍……迫力満点に撮影されている「ビームによるデブリの破壊シーン」などは、広報ページに動画がいくつもアップされているし、なんなら該当の施設のご近所宙域で働く者なら、実際に目にする機会まであるほどだ。

 むしろ非公開なのはテロリスト相手の対モビルスーツ、対人戦闘などの「国防に直結する”戦闘”の模様」くらいだろう。

 

「怖い怖い」

 

 そう苦笑するロウに、サーシェスはニヤリと笑い、

 

『実際にオーブは敵に回すと怖いぜぇ~。特にソレスタルビーイングのボスは、おっかねぇ女傑サマときたもんだ。アレを殺せるのはこの世に五人といねぇだろうし、アレが殺せないのもこの世に五人くらいしかいねぇんじゃねえのか? 無論、俺はその五人の中には入ってねえよ』

 

「アンタほどの凄腕がそこまで言うのか?」

 

 それとどういう訳か、ロウとサーシェスもまたウマが合うようだ。

 まだ短い付き合いなのに、心の壁が薄めな気がする。

 

『あの女オヤブン、なかなかに”異質”だからな。それを言うなら、アレの(イロ)も同類か』

 

 大した面識はないはずだが、ラクスのサーシェスに対する好感度が少し上がった気がする。

 

『”坊主”、お前の趣味には理解は示してやるが、この世は深入りしない方が身の為ってもんが確かに存在するんだぜ?』

 

「りょ、了解」

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 ”スローネ・フィーア”

 『第82話 穏やかな日常の中における次なる戦いへの準備(虎と傭兵)』のラストで名前の出てきた機体だ。

 基本はスローネ・シリーズの予備機にGN-X(ジンクス)の両腕を組み合わせた追加試験機という立ち位置だ。

 

 武装は、GNバスターソードにGNファング×8と兄弟機の”スローネ・ツヴァイ”を基本としているが、GNハンドガンは持たずに左腕にはGNシールド、右腕には”ジャスティス・ソーディアン”と共通のエグナーウィップを内蔵した耐ビームコーティングとTP装甲材で組み上げたバックラーを装備する。

 実はこのエグナーーウィップ・バックラーは忙しい合間を縫ってキラ自身がサーシェスとフィーア用に調整して贈った物だ。

 相変わらず、キラのサーシェスに対する好感度は高止まりらしい。

 あるいは「強者に憧れる少年らしい」、キラらしい歳相応の憧憬なのかもしれない。

 

 また、GN-Xと腕が共通なので、フェイズシフトGNクローは標準装備であり、加えてツヴァイのGNハンドガンを非搭載(オミット)した代わりに、GN-X用のGNマルチモード・ビームライフルを装備する。

 

 右手にGNバスターソード、左手にGNマルチモード・ビームライフルがサーシェスの基本戦闘スタイルだ。

 また、これを忘れてはならないのは、ビームサーベルを持たない代わりに両足の爪先にGNビームサーベルを一種の隠し武器、”トゥ・サーベル”として仕込んである。

 

 GNマルチモード・ビームライフルの多様で正確な射撃で牽制、GNファングやエグナーウィップで敵の群れを攪乱/分断し、肉薄し本命のGNバスターソードとGNトゥ・ビームサーベルで切り伏せてゆく……直系の弟子ともいえるキラに正しく継承された近接必殺の戦闘スタイル。

 正しく、「サーシェスが使うために仕立て直されたスローネ」がフィーアの本質である。

 これが基本となり、後の「人類が使うために再設計されたGNZ(”ガ”)シリーズ」と謳われた”アルケー・シリーズ”の最初の1機、”アルケー・サーシェス”へと繋がってゆく。

 それも2年ほど未来の話であるが。

 

「カナード、”新型”には慣れたか?」

 

『それなりに』

 

「そいつぁ、結構」

 

 現在、僚機(バディ)を組む”Nストライクカスタム・カナード”に返すと、

 

『そういえば、”ライル”を見ないが、今回のミッションから外されたのか?』

 

「外されたというか……別件でソレスタルビーイングにな。どうやら兄貴がらみの案件らしいな」

 

『ふーん』

 

「なあ、カナード」

 

『ん?』

 

「もしかして、キラのガーデンパーティーに参加したかったのか?」

 

『……そんなわけあるか』

 

 少し返答に間があったカナード。

 

「こりゃオジサン、悪いことしちゃったか?」

 

(まあ、どいつもこいつも生き残りゃ、次の機会もあんだろう)

 

 部下を生き残らせるのも給料の内だなと思い直すサーシェスであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




という訳で、ある意味原作設定準拠で「スローネ・シリーズとGN-Xのハイブリッド+追加装備」で完成した”第4のスローネ(スローネ・フィーア)”の登場です。

そして、ブレないロウでしたw
まあ、この世界線のサーシェス、物騒なのは物騒なんですが、警告なしでいきなり”ぴちゅん”する人ではないのが救いです。
意外と線引きとかには厳格。もっとも、そうでなければ傭兵団の隊長(カシラ)なんてやっていられないでしょうが。
そして、キラから「サーシェス教官、マヂリスペクトっす!」と言いたげな相変わらずの好感度の高さw
カナードへのリアクションから考えて、こりゃサーシェスが「お父さん(ひろし)」になる日も近いか?
奥さんとの仲も良好みたいだし。(第37話参照:https://syosetu.org/novel/335614/37.html

あと、サーシェスからもそう評されてしまうカガリの人物像ェ
次の”Nアストレイ・ハイペリオン”でとりあえず新型機ラッシュは終わりかな?

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