え?OFA?何それ……   作:南亭骨帯

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原作介入編最終回です。
だいぶアッサリ目な仕上がりですが対戦よろしくお願いします。







エピローグ……?

 

 

 

 6月。例年通りであれば気温と湿度にうんざりし始める夏のはじまり。

 

 

 オール・フォー・ワンらとの最終決戦やダツゴクによる被害の為に留め置かれていた雄英高校三年生達の卒業式が行われた。

 出会いと別れの季節と言うには時間が経ちすぎていたけれど、卒業式という日を迎えられただけでも喜ばしいことだと誰もが受け入れた。

 

 間飛からすれば既視感の塊でしかない行事も、あんな事が起こったあとであることを思えばまた違ったものに感じられた。

 もう自分にとっては過去の思い出のひとつでしかない光景なのに、酷く感慨深いものに見えていた。

 

 

 そして三年生が卒業したということは、1、2年生が進級するという事でもある。

 

 巨悪との決戦で最前線に居続けた彼らもまだまだ未熟。残る2年間…厳密には1年とちょっとしかない時間をかけてヒーローを目指す。

 

 【ワン・フォー・オール】と【オール・フォー・ワン】の戦いは終わった。彼らは再びこの超常社会の日常へと戻れたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──それはそれとして。

 

 

 

「よォし!!ぶっ殺す!!!」

「その言動プロになっても続けてるとランキング落とすぞー」*1

 

 

 有言実行の鬼ことストイック爆発さん太郎。卒業式が終わった後にキッチリ間飛に殴り込みをかけていた。それもヒーローコスチューム付きで。

 

 爆豪という人間を理解している間飛は素知らぬ顔で訓練場──という名の荒れ地──で爆豪を待ち受け、豪快な爆発をヌルリと回避してみせた。でも爆豪さん?当たらなかったとはいえ後頭部に掌底はアウトだと思うよ?

 

 【クラスター】と【全身爆破】を習得した爆豪は間飛の知る平行世界と同等…より少し下の威力を出力しており、如何に間飛と言えども食らえば大ダメージになりかねない。

 ポンポンと気軽に連射していい威力ではない猛攻を前に、それでも間飛の表情は涼しげなままだ。

 

「チィッ……!ヒラヒラ避けやがって……うざってェ!!」

「向こうのお前もそんな感じだよ基本は」

「ンなら先に俺がテメェをぶっ飛ばしたるわ!!」

(既に結構負けてるって言ったら怒るだろうなあ……)

 

 何せ比較対象は平行世界の育ちきった爆豪。目の前で暴れ回る少年よりもずっと成長した爆豪なのだからそれより実力が下回っているのは当然の話だ。

 ちなみに平行世界の爆豪と間飛の一対一(タイマン)成績は53戦39勝で間飛が勝ち越し中。コレに勝てる爆豪も大概である。

 

 

「うわあ……かっちゃん殺す気じゃないかなアレ」

「……一応着いてきてよかったよ本当に」

「終わったら説教だね」

 

 その二人の戦いを少し離れた所から見ているのは爆豪と同じく殴り込み(穏便)をかけにきた緑谷と、絶対ろくな事にならないという確信を持って監視しに来た相澤とリカバリーガール。怪我人とお年寄りに無茶させるんじゃない。

 

 そのうち爆豪もヒートアップが加速していき、とうとう【榴弾砲着弾(ハウザーインパクト)】や【A.P.ショット】を使い始めたものだからため息の数も増えてくる。

 最早一周まわってギャグみたいにドカーンだのボカーンだのと聞こえてくるものだから怒りを通り越して呆れるほかない。

 

 最後には強引に攻撃を当てようとしたのか【クラスター】と【全身爆破】の合わせ技で超広範囲攻撃を敢行。さすがにまずいか!?と思ったら割と余裕そうな顔で間飛が爆豪を担ぎあげていた。

 

「……ノーダメージ、かよ」

「そもそも当たってないからな。何回も戦ってたら多分癖読みされて数発食らってただろうし、こればっかりは俺がズルしてるようなもんだから気にすんな」

「………………ちっ」

 

 片や度重なる対戦で癖を理解しきっているのに、爆豪にとっての間飛は未知の塊でしかない。この結果はある意味当然と言えば当然なのだ。

 このまま何度も対戦を重ねていけば平行世界の爆豪のように『【瞬間移動】先を読んで回避できないタイミングでぶち込む』とかいう意味☆不明な対処法を編み出したかもしれない。*2

 

 意外にもあっさりと引き下がった爆豪。そして彼と入れ替わるようにして緑谷が前に出た。

 

「次は、僕の番ですよね」

「やりたくねェー……二連戦割とキツイんだけど」

「いけますよね?いけないはずないですよね?」

「ははーん、さてはお前だいぶ強かになってきたな?」

 

 こちらも爆豪と同じくヒーローコスチュームやサポートアイテム全部盛り。見覚えしかないブーツやグローブに加えて間飛でも知らない装備を着用した緑谷が構えを取った。

 

 すぐには動き出さない。爆豪が距離を取るまで睨み合いが続く。ザリ、ザリ、と遠ざかる足音には目もくれずにその時を待つ。

 

 爆豪が相澤達の元に辿り着くまであと3歩。

 

 2歩。

 

 1歩。

 

 

 

 

 

「デトロイト・スマッシュ!!」

「テメェ【発勁(ソレ)】溜めてやがったな!?」

 

 いつぞやの轟よろしく開幕ブッパ。爆豪との戦闘を観戦している間に溜めていたらしい【発勁】が乗った超高威力のスマッシュが放たれた。

 勿論間飛は【瞬間移動】で全力回避。あんなもん当たったら死ぬぅ!とは本人談だが何か死ななそうな気がする。

 

 空気が爆ぜるなんてものじゃない。空間にヒビでも入るんじゃなかろうかという破壊力は空振りに終わり、実質開幕のゴング代わりとなった。

 

 

「【ワン・フォー・オール】を総動員してぶっ飛ばしてみせますからね!」

「やだこの子怖い!?フラストレーションと闘志が混ざってどえらいモンスターになっちゃってる!?」

 

 

 この後滅茶苦茶殴り合いした。*3

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

「いやあ……久しぶりにリカバリーガールの治癒受けた気がする」

 

 おっすオラ間飛。後輩(同級生)から売られた喧嘩をキッチリ買い取ってきました。死ぬかと思った。

 いくら俺でも爆豪→緑谷の連戦はあんまりした事ないって。プロになってからは一回もしてねえぞ。

 

 俺がいた世界の爆豪って俺の事ちゃんと分析してたんだなー……この世界の爆豪が難易度ノーマルなら俺のいた世界の爆豪は難易度インフェルノくらいあるんじゃなかろうか。アイツ最悪自爆して相討ちに持っていこうとするから怖いんだよマジで。

 

 逆に緑谷はなんかこう、鬼気迫るものがあってこっちの方がちょっと怖い。俺の知る緑谷はもう少し詰将棋みたいな戦い方してくるから、真っ向から殴り込まれるの新鮮だけど怖かった。

 

「……今の緑谷でも勝てないのか」

「さすがに年季が違うんで。向こうの世界だと結構五分五分ですよ」

「あ゙!?テメェもう何回か負けとんのか!?」

「そりゃそうだろ。向こうのお前にだって何回か負けてんだぞ」

「ど、どうやって……?」

 

 ……思い出したくねえ。*4

 

 っと、こういうトラウマを思い出したら因子(アイツ)が色々うるせえとか思ったけど、アイツ今喋れねェんだっけ。

 

「ま、これで俺のやり残した事は無くなったかな?」

「……帰るのか」

「というか帰れるのか?詳しくは知らんが上手くいく保証もないだろう?」

「それは俺の中に紛れ込んだ奴が理論だてて説明してくれたので。少し賭けになりそうですが何とかなると思いますよ」

 

 

 問題となっていた俺の帰り方についてなんだが……因子の奴が色々と教えてくれた。

 

 曰く、【アポート】は自分の近くに対象を引き寄せる能力で、その『引き寄せる』際に逆に自分を引っ張って貰えば移動することが出来るんだと。

 じゃあどうやって引き寄せて貰うのかと言うと、俺にやった時のように平行世界の同一人物を対象にすればいい……らしい。

 

 理屈はよく分からないが同じ世界線に居られる人物は一人ずつらしく、この世界と向こうの世界で共通している人物を対象に【アポート】を使う事で向こうはこっちの世界に来ることはなく、逆に自分が引っ張られるんだとか。

 イメージとしてはゼ〇ダの伝説に出てくるフックショットが近いかもしれない。

 

「なるほど……?」

「……よく分からんが、何とかなるんだな?」

「少なくとも死にはしないと思うので何とかなりますよ。それじゃ……ちょっと緑谷手ェ出せ」

「え?ぼ、僕?」

「お前を経由すんのが一番確実っぽいんだわ」

 

 平行世界の誰かを対象にするにはその人物への接触が大前提。だからこの二人の殴り込みを待ってたんだ。おお……やっぱ【ワン・フォー・オール】って特異点かなんかなのかな。滅茶苦茶ハッキリと認識できる。

 

「……散々色々引っ掻き回しましたが、どうにかハッピーエンドっぽくなって何よりです」

「そっちの世界の俺は随分と手を焼かされたようだな」

「自慢の生徒だって言ってましたが」

「嘘だろ?」

「そのリアクションが一番嘘だろ!?」

「冗談だ、さっさと帰ってそっちの世界の奴らを安心させてやれ」

「はーい……」

 

 ……やっと帰れる。そんじゃ、いっちょやってみるか……っ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 やあ諸君。間飛の中にいた人だ。

 

 ……うん?お前消えたんじゃないのかって?

 

 ははは。厳密にはこれから消えるんだ。アイツを元の世界に返した瞬間に俺という個性因子は消える。活動限界ってやつだ。

 

 【ワン・フォー・オール】風に言うなら『残り火が消える』ってのが近いか?まあ、どちらにせよ俺は最後のひと仕事を終えてから死ぬわけだ。

 

 じゃあ何で顔を出したのかって?

 

 それは一つ嘘をついていた事を謝ろうと思ってな。

 

 アイツには同じ世界線には同じ人間が二人も存在出来ないと言ったが、実際はそんな事ない。だって全く同じ人間なんて一人も居ないから。

 ただ個性の挙動ってのは個性を持った人間の認識によるものが大きい。だからアイツがそう思い込む(・・・・)ように教えたんだ。

 

 ……あ、やべ。そろそろ消えそうだから手短に伝えるわ。

 

 アイツを変なことに巻き込んだお詫びにさ、ちょっとくらいご褒美を上げたかったんだわ。うん、お土産……って言うのもちょいとアレだが。

 

 だからこれっきり。俺に出来る最初で最後の善行……これ善行にカウントしていいのかなー……滅茶苦茶怒られそうだ。

 

 まあとにかく。最後にそれっぽいものをオマケしといたから、あとはよろしく〜。

 

 

 

 

 

 以上、間飛移でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ───背景、じゃねえや拝啓。オカン様。

 

 急に二ヶ月以上姿を消したから世間は大騒ぎになっているんじゃないのかと心配しておりましたが、何のご都合主義なのか目を覚ましたら消えた日の翌日の朝でございました。

 

 

「ここ、は……?」

「いや、ちょ、ええ……!?何っ……で!?」

 

 

 スマホも時計もテレビも何もかも。俺が眠りについた日付から地続きだったので安心しました。平行世界の冒険というのも悪くないですね。

 

 

「えっ、わ、私……?」

「新手のスタン……じゃなかったヴィランです!?」

 

 

 ……それはそれとしてですよオカン様。

 

 

「おい間飛!これはどういう状況だ!?」

「ま、間飛さん!?私っぽい人が!」

 

「移!?君絶対寝てる間になんかやらかしたよね!?」

「まさかトゥワイスさんに作って貰ったりしたんですか!?エッチなことしてたんですか!!?」

 

 

 明らかに平行世界からお持ち帰りしてるっぽいこの状況……どうしたらいいと思いますか?

 

 

 

*1
※平行世界の実話

*2
本編緑谷「やっぱりかっちゃんもだいぶ化けm……なんでもない」

*3
※あとでお説教(2時間)されました

*4
【瞬間移動】先ごと爆発させるor殴り飛ばすという脳筋戦法。どっちも一発目はまともに食らったので若干トラウマ。






という訳で原作介入編も終了です。
ちょっと色々悩みながら書いていたので投稿が不安定になってしまい申し訳ありませんでした。
極めつけはこの回を予約投稿で3/12のお昼に投稿するつもりが、設定場所を間違えて4/12に投稿しようとしていたという……最後までグッダグダでした。

原作の良さを108回くらい殺してそうな原作介入編でしたが皆様に楽しんでいただけたでしょうか。一度は更新停止までするくらいに悩みながら書いていたので『は?なんだこの不燃ゴミ』と思われた方もいらっしゃったかもしれません。
とりあえず完結まで書き切ろう!とここまで書くことが出来ました。最後までお付き合い頂きありがとうございました。

また暇な時にでも番外編やR18版を更新出来たらなと思っております(時間がある方は活動報告にも目を通して頂けると助かります)。

それでは。



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