本来なら有り得ない事象、有り得ない存在、有り得ない記録
それでも『ここでは有り得た』可能性の1つ
その赤子は山奥にある集落に産まれ、その異端の容姿により迫害された
純白の髪に、紅き瞳、陶器の様な白い肌
産まれ落ちすぐ死ぬはずだった赤子は、地下牢に幽閉されながらも育ち少年となる。女子にも見えるその姿を気味悪く思い、邪な目を向けられ危害を与えられるも傷1つ無し。
奇しくも子が宿らぬ事に悩んだ親の願いにより、その異端の姿は神の力によるものだった。
そしてその者は、不可侵の領域を踏み抜く
太刀を振えば山が削れ、矢を射れば射線上の存在は消え、槍を用いた突きはあらゆる障害を貫く、その肉体は神の加護によりあらゆる力を跳ね返す。
そしてその者は英雄となり座に刻まれる
己を歪な存在として理解するも、英雄としての在り方を捨てず、歪な英雄としてあり続ける。
「俺も遠くまで来たもんだなぁ……え?これからも頼むって?ハハ!任せとけよ、俺達が居る限りお前の歩みは止めさせねぇからよ」
歪でありながら、希望を見出し守る姿は
まさに英雄である
「けど、資材集めは俺以外に頼んでくれ。少し楽がしてぇ」
「さ、行こう!今日は3時間ぶっとうしで行くからさ!」
「…………おうさ」
まぁ実際、嫌ではないんだがな…………さぁ今日は他に誰が来るんだか……
真にすげぇのは、マスターなのだと改めて思ったのだった。