Fate/Seize the day   作:祀綺

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まぁたやってら、この馬鹿(自分)




E p i s o d e .0 思いを、託す

 

窓は割れ、壁は壊れ崩壊し、あちこちに火の手があがる。制服はあちこち破れ、傷だらけで視界もボヤけて定まらない、頭から出血してるせいか、意識が朦朧とする、痛いはずなのに痛みがない、泥の中を進むように、ただひたすらに重い体を引きずる様にフラフラと皆んなが居るであろう場所を目指す。

 

「っ!……くぅ、、」

 

床の瓦礫に気づかず躓き倒れてしまった。よく見れば右足が折れている、これでは到底目的地には辿り着けまい。傷を治療しようにも魔力も道具も何もない、更には眠気まで襲いかかり、目を開ける事すら難しくなってしまった。

 

人類最後のマスター

 

藤丸立香はふと考えてしまった、思ってしまった。

 

 

どうしてこうなってしまったのか

 

 

今まで縁を繋いだ沢山の英霊達と共に、持てる全てを使いあの理不尽極まる存在(極限の単独種)に挑んだ。奴の攻撃がくる度に1人、また1人と古今東西に名を連ねた偉人英雄達が散っていき奴に取り込まれた。

それでも、散っていき取り込まれた皆の思いや、今まで異聞帯で会った人達の思いを、決意を無駄にしない為にも、あと少しという所まで奴を……アルテミット・ワンを追い詰め仕留めたというのに、奴は己を英霊として召喚してみせた。巫山戯るなと思った。

 

しかものグランドクラスでだ、エクストラクラス……グランド・フォーリナーとして奴は召喚された。

 

そこからは、一瞬だった。

奴の放った攻撃はストーム・ボーダーを直撃、自分は生き残っていて駆けつけた1騎のサーヴァントによって一命を取り留めたけど、ストーム・ボーダーは撃墜され、中にいた新所長含めた皆が死んでしまったと一瞬で理解できた。それを見てしまった俺は何か心の大事な所が壊れた様な音が聞こえた気がした、あれだけ総力をあげ挑んだ存在を倒したと思った次には自分とサーヴァント1騎以外全滅だ、もう心が持たなかった。そのサーヴァントも自分を撃墜されたストーム・ボーダーの影に置き行ってしまった。

 

「立香…お前はよくやった。だから……少し休め、その時間くらい稼いでやるさ」

 

遠くなっていく背中を、霞む視界に収め見送った。始まりの旅からずっとずっと一緒だった、追いかけ続けた背を見て、不思議と最後の気力が沸いた気がした。

 

「行か、な、きゃ…はぁ……はぁ…みん、なの所に」

 

そうやって死に体の体を引きずって来たけど、どうやら限界らしい。本格的に体が動かなくなってきた、手足の感覚なんてもう無いに等しい、自分はやるだけの事はやったのではないだろうか、我ながら頑張った方だと思う。

急に大役を渡され、1歩間違えれば死ぬ様な場所に行かなくては行けなかった、カルデアに来た時は雑務をする補欠程度と言われ、時給も良かったから受け、軽くバイトに行く様な感覚だったというのにだ。

 

だから残ってしまった以上、自分がその役をやれるならと人類最後のマスターとして覚悟し、多くの旅をしてきた。何度も死にかけたし、辛い思いもした、全てを放り投げ逃げ出そうとも思った、……けどそれ以上に、時代を超え数多の英雄や人々と出会い、皆んなと過ごす日々は眩しくて暖かい、俺の1番の大切な宝物になった。そうだ宝物なんだ、その宝物を共有できる人達から託されたのに、こんな所で捨てていい、諦めていいものじゃないはずだ。

 

「く、……なら、…まだ、死、ねない……だろ!…藤丸、立、香!!!」

 

そうだ……まだ、何かあるはずだ……マスターとして、藤丸立香として!成さなくちゃいけない事が!

 

立つ体力はないが、這いずって体を少しずつ前へ進める。そして、気づいた、外から激しい戦闘音が聴こえる。まだ俺のサーヴァントは時間を稼いでくれている。なら俺は…俺が出来ることは……何か、何かないか……あれは

 

「……聖杯」

 

なぜあるのか分からない、不自然に目の前には聖杯が落ちていた。全て皆の能力強化に使ったはずなのに。しかし目の前にあるその聖杯は、僅かな光を帯びていて、今まで見てきた経験から間違いなく本物の聖杯だと確信できた。

俺は聖杯まで這いずって行くと、聖杯を掴んだ。きっと俺が出来る事は……これしか無いと思ったから、外で時間を稼いでくれているサーヴァントもきっと分かってくれる、今までだってずっと俺の判断を信じてくれたから……だから俺は願う、己の命の火すら糧として

 

「この、運命を、覆、せ……」

 

聖杯が一際輝き始めたのを見て、俺は願いが聖杯に届いた事を確認し、目を閉じた。頭ではかなり可能性が低いと分かってたけど、一か八かの賭けに出てよかった。

過去の俺にこの未来にならない様に、何らかの形を与える。俺がやり直すのではなくだ、俺がやり直したらきっと同じ事になると思うから

 

だからどうか、()()()()()()()()()

 

後は託したよ

 

 

 

───────

──────

─────

────

───

──

 

「さてこの、仏頂面をどう対処しようかね!」

 

ギャン!

ギャギャン!

ギャキィインン!!!

ギャイィン!!

 

奴の腕と俺の太刀が幾度とぶつかり合う。

ビームを放たれないよう、接近戦で挑んではいるが………我ながら良くあれから持ったと思う、実に1人で15分は接近戦を行っている、本来であれば1分も持つかどうかってレベルの差の戦いであるはずなのにだ。

何時もなら他の奴にも任せて楽出来んだけどよ……もうそんな事は出来ねぇしな。

 

それに立香は諦めねぇ……あいつ程、諦めるって言葉が似合わない男はそうそういやしねぇ。どんなに逆境に立たされて、泥だらけ傷だらけになって挫けても、必ず這い上がって何か起こすのが藤丸立香という男であり、現代の人間にしちゃあ超上等の、英雄の魂を持った人類最後のマスターだからだ。

だからこそ、彼奴らや俺はあいつを信じ託したんだ。

 

「だから俺は、その起こりが成るまで持たせねばならんのよ!!それにな……

 

 

 

 

 

あいつら殺られて、冷静に黙ってられる程なぁ、俺は利口じゃねぇのよ!!!!!!

 

 

 

 

 

ケジメ、つけて貰うぜ……星の捕食者!!!!!」

 

俺の振るった太刀が仏頂面に迫ったと同時に、背後、更に言うなれば背後にて大破しているストーム・ボーダーから、溢れんばかりの光が広がり俺とアルテミット・ワンを包んだ。俺は確信した、立香だ、あのマスターが最後の最後に何かをしたのだ。

 

「……やっぱり、最高、の、マス…ゴフッ!……マス、ターだな」

 

「………………」

 

光に包れながら、俺はアルテミット・ワンに胸を貫かれていた。核がやられたが関係ねぇ……俺は両腕で胸を貫くアルテミット・ワンの腕を掴み固定し、奴をこの場に留まらせる。この光は止まらねぇ……藤丸立香の勝ちだ。

俺は粒子となりながら、立香の事を思った。

 

(全く手間のかかる最高のマスターだよ…お前は。何をしたかは分からんが、俺はここまでだ。だが役目は果たせた……そうだろう立香?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、時は遡る

しかし彼らが体験した同じ事が起こるとは限らない。

歯車は新たなる形へと変化し、誰も知らぬ流れを生み出すのだ。

 






拙いですが頑張って書きますゾ!!!!!ンンンンンンンンンンンンンンンン!!!!!!!!!!!!

よろしくお願いします
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