さぁ、始めよう盛大な茶番劇を

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クロスオーバー Fate×ゴジラ 特異点Gを攻略せよ

レイシフトが終わる、そこに待っていたのは

 

「ようこそ!カルデアの!無意味な地獄へようこそ!」

一人のおじさんだった。

 

「藤丸というのかね成る程、私のことは装置の一部とでも呼んでくれたまえ」

おじさんと呼ぶことに決めとにかくカルデアに通信を試みるが繋がらない。

「通信が出来ない?そうか、彼らの知見はとても頼りになっただろうに」

「残念ながら私以外のサーヴァントは居ない、居てくれれば強い味方となってくれたものを」

 

黙って、おじさんを見る。

「残念だが私はここを離れる事が出来ないんだ、だが、その代わり」

そういってモニターを映す、映された映像には数え切れない程の艦艇が並んでいた。

「これら、兵器群がサーヴァント替わりだ」

 

聖杯のことを訊ねる。

「聖杯?聖杯とはアレのことかね?」

そういってモニターに映し出された映像を見る、そこには見晴らしのいい、小山の上に浮かぶ聖杯があった。

何故あんな場所に?純粋な疑問をぶつけてみた。

「奴は頭がいい、ああして見やすい場所に置いて、守ろうとしているのだよ」

「遮蔽物が無いのは、奴がお片付けしているからだ」

 

お片付け?疑問に思っていると。

「これを見てくれ」

そう言って戦車の一団が聖杯に向かって進軍していく、そしてレーザーに焼かれてやられた。

そして大きな怪物が姿を現し、残骸を蹴り、障害物を無くしている。

「あれは放射熱線というのだが、解りやすいようにレーザーと言おう」

「奴の基本武器だが、これが厄介でね、高威力の超射程、しかも発射間隔を短くして連射も出来る」

「まさに万能の攻撃手段だよ、他にもあるのだが君は気にしなくてもいい」

 

生物のカテゴリーに入っているのなら倒す手段はあるはずだそう思い質問する。

「一時的に倒す事は可能だが、あっと言う間に復活してくる、更に強くなってね」

 

「昔は死んだ事があったんだけどね、今ではアイツを殺す方法はない、奴は死なない、そういう概念なんだよ」

あの怪物の事を訊ねる。

「まぁそうだね、敵を知らなければ対策も取れまい」

 

「奴の名はゴジラ、創作物の主役、作品の顔だからこそ死なない、奴は不死身だそれは創作内で保証されている」

 

「いかなる手段を用いても、ゴジラは殺せない、人類の認知によって他の追随を許さない程の不死性を持つからだ」

 

「仮に殺せたと思っても、より強く、より強靭になって、すぐに復活する、呆れるほどに早くね」

 

「バラバラにしても死ぬかな?増殖するんじゃないかな?」

「封印しても復活してくるし」

手詰まり、そう思えた瞬間。

「そして残念ながら朗報だ、もう既に対策は練ってあるんだよ!」

「聖杯だ!あれが無くなれば世界が維持できなくなる!」

「世界を創造している聖杯を奪取して、奴ごと消し去らねばならない!」

「聖杯は君が取ってくるんだ、私はここで全軍の指揮を執る!!」

 

一縷の望みが見えた。

「作戦はこうだ、先ずは第一部隊でゴジラの気を反らし、誘導する」

 

「誘導した場所には煙幕を効率よく張る地雷がバラ撒かれている、それが起動したら作戦開始だ」

 

「君がゴジラの流れ弾に極力当たらないようにするためにね」

 

「いいかい?煙が奴を包んだら全力で、最短距離で、突き進むんだ」

 

「よし!良い覚悟だ!全責任は私が取る!全軍作戦開始地点に移動!!号令を待て!」

車に乗り込み出発する、途中で出会った兵器達を見ながら。

 

 

『アーアー、聴こえているかね?』

『宜しい、作戦が始まれば後戻りは出来ないよ?準備はいいかな?』

『よし!良い覚悟だ!第一部隊!総攻撃!弾薬を打ち尽くせ!!』

艦艇や車両からミサイルや砲弾が吐き出され、雨あられとゴジラに降り注ぐ。

ゴジラは意にも介していないが、目的は奴の周囲に煙幕を張る為の誘導。

誘導は成功し、目標地点で足を止める、ゾクリと悪寒が疾走(はし)った。

 

ゴジラが一鳴きして、放射線熱線(ビーム)を吐く。

 

一射、たった一射で部隊は壊滅した。

 

計画は進む、もう後戻りは出来ない。

 

『よし!誘導に成功した!煙幕地雷を起動させろ!』

煙幕が立ち昇り、瞬く間にゴジラの身体を包む。

『第二部隊!攻撃開始!ヘイトを稼げ!』

確認し、アクセル全開で車を走らせる又一射。

 

『第二部隊壊滅!第三部隊は直ちに攻撃しろ!』

 

作戦開始からどれ程経っただろう、まだ聖杯は遠い。

 

『第五部隊壊滅!第六部隊攻撃開始!』

 

聖杯の近くに車を停め全力疾走した。

後少し、あと少しで、手が届く、後数秒が果てしなく長い時間に思えた。

 

聖杯に手が届いた。

 

――是迄とは比較にならない程の最大級の咆哮。

 

衝撃を伴う咆哮が藤丸を襲う、あまりの痛さに反射的に首を守るように抑えながら、聖杯を手放さない様に全身を丸めて咆哮に耐える。

『見られた!?ゴジラに藤丸(きみ)を見られた!!』

『この異常なエネルギー量は!?ゴジラ体が紅くなり脈打ってる!?これは不味いぞ!!』

『奴が君を見つけて!!本気になったんだ!!』

――っ!?全力で走り、車に乗り込む。

『全力で帰ってこい!!君の帰還の為だけに最終兵器(宝具)を出す!!』

その言葉を合図にアクセルを踏みしめ、全力で駆け抜ける。

 

『メカゴジラ!!発進っ!!藤丸の撤退まで戦い抜け!!』

 

起動を確認し、飛翔する、人類には遠くとも己には近い距離、目標を発見し挨拶代わりの一発を喰らわせる、奴の前に降り立った。

 

――戦闘開始

 

自慢の武器に、自慢の装甲、人類の叡智の結晶にして、最高傑作、時間稼ぎなど簡単だと高を括った、時間稼ぎなどと言わず、倒すと息巻いて、戦いを仕掛けた。

 

だが戦いは一方的だった、己の武器が効かないのだ、どんな攻撃でも通用しない、肉を削るがその瞬間に再生する。

装甲が役に立たない、奴の近くに居るだけで装甲が溶ける、奴が攻撃する度に装甲が紙のように破られる。

ブースターはかろうじて使える、終始劣勢、まだ動けていることに己でも驚く。

 

刃が立たない、戦闘を続けるたびに傷付く身体に、攻撃しても無為という徒労感、凄まじい速度で敗北感が募っていく•••

 

それでもと、果敢に攻め立てた、空虚に見舞われながらも、立ち続けた、目的を達成するために。

 

ついに倒れる、己でも驚く程の耐久力を見せた、潮時か•••己の最後を悟った時。

 

――それを見た

 

奴が放った至近弾が人類を襲う、車が大破し、人類は軽症を負った、だがそれでも前を向き、走る、走る走る走る!

 

必死に逃げる、次に繋げる為に戦う者の勇姿を見た、歯を食いしばり、必死に目的を果たそうとしている、己は理解した!

 

どれだけ無様だろうとも、己の使命を全うしようとしている、人類の姿はなんと眩しいことか!!

あの勇姿は(まさ)しく、人類が英雄と呼ぶ者だ!!

 

それに比べ己のなんと無様なことか•••矮小なことか•••勝てないことを言い訳に•••己が課せられた使命を放棄しようとしたのだ•••

なんと情けない!!なんと己の小さきことか!!悔しい!己が巨体はなんの為だ!!奴に対抗する為だろう!?

 

―――――負けたくない!どれ程の絶望だろうとも!!

 

――己が最後を•••この様な無様で!終わらせて良い訳がない!!

 

余所見をしていた奴に今までで最高の一撃を叩き込み、奴の気を己に向ける。

さぁかかってこい!!負けてたまるかあの人類(えいゆう)に!!己の総てを賭けてお前に勝とう!!

 

耐える!耐える耐える!!耐え続ける!!!己の存在意義を証明する為に!!一歩も引くな!!己の武器が通用しなくとも!!人類(えいゆう)の為に!!己が体が溶け続け!!腕が吹き飛び!!身体に穴が開こうとも!!だからどうした!!未だ動ける!!未だ攻撃が出来る!!己のが体が砕け散るまで!!存分に戦おうではないか!!!!

 

映し出される映像で、死闘を見る、どれだけボロボロだろうがまだ動いている•••まだ立っている•••自分の意志で!

 

正に激闘!正に死闘!あのゴジラを相手に、とうに限界のはずのメカゴジラは果敢に立ち向かっていく!

 

そして―――

 

「•••良くやったな!!••••••お前の勝ちだっ!メカゴジラッ!!」

 

――人類(えいゆう)が到着した。

 

同時に最後の一撃を受けメカゴジラが機能を停止させ爆発した。

「ありがとう!お前の勇姿は一生忘れんっ!!お前の死は!無駄にはしない!!」

 

ゴジラもそれを確認したらしく、何もしなかった、意味が無いかのように、沈黙を保った。

 

出迎えてくれたおじさんに問い質す、何故急に本気になったのかを。

「君を見つけて確信したんだ、小さな繋がりができていることに」

「いいかよく聴け、奴は自爆し特異点を爆弾に変えて、その威力で君達の世界にゴジラ自身を焼き付けようとしているんだ!」

そんな事が可能なのか?どうやって?

「どうやって?繋がりを破壊しながらでもいいからだよ、ゴジラの目的はこの世界から出ること」

「小さなパイプを想像したら解りやすいかな?そのパイプを破壊しながらでも(つた)って行くんだ」

「そして存在の一つでもそのパイプを通して君達の世界に辿り着けば、そこからゴジラは復活できる!」

「奴が幻想では無くなり!現実になる!君たちの世界で!」

「君達の未来を守るためにゴジラが爆発する前に帰還しなければならない」

「この装置を使えば多分、カルデアに連絡が取れるはずだ」

 

計画は順調に進んでいる、大丈夫だ。

 

カルデアに通信が届き、特異点攻略が終了したことを伝え、帰還する間際。

「さらばだ藤丸(えいゆう)

見送りの言葉が聴こえた。

 

藤丸の帰還を見送り、一人愚痴る

「全く、私のする仕事量じゃないぞ」

「創作物の中だからこそ、楽しいのだ、現実になると笑えん」

 

ゴジラ自身が魔力を生成出来る、無限の魔力を賄える。

だからこそ、聖杯を粗雑に扱える、あの聖杯が無事なのは、聖杯を餌によそ者(カルデア)を釣るために、罠として扱えるように。

 

ここにサーヴァントが来れない理由は、ゴジラ細胞に侵食されない為、聖杯が拒んだからだ。

私は切り捨てられる為の存在。

 

ゴジラは死なない、他者からの攻撃では、必ず強くなって復活する。

だからこそ、藤丸を見せた、外に出て行きたいゴジラ自身に死を選ばせ、その上でカルデア(あの世界)との繋がりを切る。

「ああ茶番だ、無意味だ、見せて、帰らせてそれで終わりなのだから、なんなら聖杯も取らなくて良い、世界が消滅するのだから」

 

「私がしたことは茶番だ」

そして臨界点を迎え、カルデアとの繋がりが完全に切れたことを確認して、特異点攻略を確信した。

「共に消えよう、ゴジラ、人類(えいゆう)の勝利だ」

しかし彼女がやってきたことを思えば特異点難易度は最低のGかもしれない。

―――閃光が一つ、特異点が消えた。

 

 

 

 

 

 

カルデアに帰還し、検査を受け、何故か首を抑えた場所に見たこともない痣が出来ていた、写真で見たそれは何故かゴジラに似ていた。

後に知ることになる

呼吸が早くなる。

この特異点が壮大な茶番劇だった事に

 

 

 

ドクンッ――――

 

アイツの心臓と重なった心音を聴いた気がした、まさか•••まさか••••••

思考がまとまらない

何故、あれ程の損傷をしていてメカゴジラは耐えることができたのか?

吐き気が止まらない。

何故、基地ごと自分達を殺さなかったのか。

何故、自分は耳ではなく首を押さえたのか?

汗が止まらない。

何故、あんな場所に聖杯があったのか?

 

視線が定まらない。

何故、自壊したのか?

 

 

ゴジラの、あの痛い程の咆哮が頭に鳴り響いた。

首を抑えたのは細胞が入り込んだから

何度も。

全員の目を逸らすため、敢えてとどめを刺さなかったからだ。

そんなの決まっている、自分の首にゴジラ細胞を仕込めるように遮蔽のない、見晴らしのいい場所を選んだから。

何度も何度も。

その時点でゴジラの勝利が確定したから、基地を破壊しなかった、自分を殺さなかった。

自分達が勝利を確信するからだ、本当はゴジラにお膳立てされていた。

何度も何度も何度も。

誰もが勝利を確信するから、ゴジラの本当の目的を見抜けなくするために。

鳴り止まない、鳴り止んでくれない。

ゴジラの目的を果たしたからだ、ゴジラが外に出るための最後の仕上げをする為に。

ゴジラが勝利の雄叫びをあげ、人類はゴジラに敗北した。


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