ハルのウララの 2XXX海の向こうの甲子園 作:コンスタンチノープル
功董学館との準々決勝は過去のプロ野球の試合を3試合ほどモチーフにしています。なので結構話数を割くかもしれないですが、思いの外あっさり終わるかもしれません。
「全く、あの審判目付いてるのかよ……」
1回表の守備を終えて戻ってくるなり藤は毒を吐いた。
「ええぇーっ!? 目……おめめが……」
また言葉の通り変な風受け取っているウララに滝山が説明している様子を見て藤はしまったと思う。
「藤よ、あまり審判の態度に乗せられて毒々しさをグラウンドで態度に出すんじゃないぞ」
「分かってますよ……分かってますけど!」
何故このようなやり取りが繰り広げられているのかというと、今日の先発にある。
まずこれが先攻の功董学館である。
| 7月◇△日 | |||
| 先・後 | 功董学館高等学校 | ||
|---|---|---|---|
| 打順 | 守備位置 | 選手名(ふりがな) | 背番号 |
| 1 | 8 | 8 | |
| 2 | 4 | 4 | |
| 3 | 3 | 3 | |
| 4 | 5 | 5 | |
| 5 | 9 | 9 | |
| 6 | 7 | 7 | |
| 7 | 2 | ② | |
| 8 | 1 | 1 | |
| 9 | 6 | 6 | |
| 控え選手 | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| 10 | 16 | ||||
| 11 | 17 | ||||
| 12 | 18 | ||||
| 13 | 19 | ||||
| 14 | 20 | ||||
| 15 | 記録員 | 学年 | 2 | ||
| 責任教師 | 牧之瀬成晴 | 監督 | 片貝耀冶 | ||
| 審判 | (球)岡谷巌 | (一)小黒 | (二)円道寺 | (三)角山 | (外) |
そしてこれが後攻の高実のものである。
| 7月◇△日 | |||
| 先・後 | 高知実業高等学校 | ||
|---|---|---|---|
| 打順 | 守備位置 | 選手名(ふりがな) | 背番号 |
| 1 | 4 | 4 | |
| 2 | 7 | 14 | |
| 3 | 8 | 8 | |
| 4 | 9 | 7 | |
| 5 | 3 | 13 | |
| 6 | 5 | 5 | |
| 7 | 1 | 1 | |
| 8 | 2 | 2 | |
| 9 | 6 | 6 | |
| 控え選手 | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| 3 | 17 | ||||
| 9 | 18 | ||||
| ⑩ | 19 | ||||
| 11 | 20 | ||||
| 15 | |||||
| 16 | 記録員 | 学年 | 1年 | ||
| 責任教師 | ハルウララ | 監督 | 吹本肇壽 | ||
| 審判 | (球)岡谷巌 | (一)小黒 | (二)円道寺 | (三)角山 | (外) |
「やっぱり噂って本当なんですかね?」
「ウワサ? どんな?」
今日の試合を裁く審判の中でも、球審の
「皆、審判のことはあくまでも噂だと思え。3人とも長く審判員をやっていて甲子園の試合を裁いたこともあるんだ、もし本当にそんなことをしているんならとっくに辞めさせられているだろう」
「あ、そうですよね!」
純真なウララは吹本の言葉をすぐに信じたがそれでも納得することができない選手が1人いる。
「でも、今の回……」
1回表、功董学館の攻撃。先頭バッターの塩畑をショートゴロ、2番淀井をセンターフライ、3番溫を空振り三振に討ち取ったのだが、際どいコースのボールやストライクと判定されてもおかしくないボールを悉くボールと判定されて苦労しながら3者凡退に抑えたという感じなのである。そして1回裏、高実の攻撃……
「ストライクっ! バッターアウトっ!」
見逃し三振に討ち取られてベンチに戻ってきた高海に藤が問い質す。
「ホタカ! ボール・ストライクの判定どうだった?」
「はぁ……際どいのバッカしじゃなくてもストライクかな……ホント、感じワル」
藤は冷静さを欠こうとしていた。
「馬鹿、格好の獲物じゃねぇか。相手
「ったく……」
「あぅ……」
地獄の業火の如く燃え上がらせる末松の焔にほとほと呆れる藤たちは、これが一線を画す強者かと思うのだがウララは試合前に自分の胸に沸き上がった感情の正体がまだ分からない。
「分かりました。形勢は諸々こっちに不利、正攻法や搦め手って策を弄しても通用しない、となると残った道は……」
正面突破、純粋な力比べ。時代遅れのヒロイズム。
「ボール。ボール・フォー」
加納がフォアボールを選び出塁。いくら不公平な判定をすると噂になっていてもあからさまなボール球やワンバウンドまではストライクと言えない。
「
功董のキャッチャー沖は冷静に先発ピッチャー堀口のボールの今日の状態を分析していた。
「
続く舘が左中間を破るかという当たりを放つ。
「いや……」
このような打球の場合、ファーストランナーはファーストとセカンドの中間まで出て様子を窺うのが一般的である。しかし加納は一目散にファーストベースまで帰塁した。もし打球がヒットになっていたらボーンヘッドと言われるようなプレーである。
「アウト!」
「行けるっ!」
レフトの玉田が体勢を崩しながらも捕球した。しかし加納はその崩れた体勢から送球動作に移るまで間があると判断し一気にセカンドへタッチアップした。
「セーフ!」
初回からやるにはかなりギャンブル性の高いプレーであったが初回からツーアウトながらランナー2塁のチャンスを作った。
「あっ!」
「ボール。ボール・フォー」
更に岸葉の打席で堀口がワイルドピッチをして更に進塁、岸葉はフォアボールで出塁してツーアウトながら初回からランナー1塁3塁のチャンスを作る。しかし……
「ストライクっ! バッターアウトっ!」
5番に起用された北沢が見逃し三振に討ち取られこのチャンスを活かすことは出来なかった。
「おいおい、初回から一か八かのプレーをするんじゃない」
ベンチに戻ってきた加納が叱責を受ける。
「いえいえ、全部計算ずくです」
功董の守備は鉄壁。特にレフト玉田はサードの後ろのもう1人サードがいると評されるほどで加納は左中間を破るかという当たりであったが玉田であればキャッチできると考え帰塁した。ある程度崩れた体勢でキャッチしたら間に合うと踏み、実際に玉田のキャッチの体勢がギリギリの崩れたものだったため迷わずにタッチアップしたのだという。
「そうか、あまりギリギリの判定になるプレーは避けたほうがいい」
吹本も相手に有利な判定をする審判が集中的に集められたこの試合が面白いわけではない。
「北沢、どう?」
「外れてんの何球かストライクにされた」
北沢の打席でもボール球をストライクとされる不当な判定があったとそうである。
「おいおい、始まったモンを一々言ってんじゃねえよ。それとも暴投のフリして審判目掛けて投げろなんて言うんじゃねえだろうな?」
「こらこら、あまり物騒な話をするんじゃない。思ってもやるんじゃないぞ?」
「そうだよ! 末松くんも藤くんもそんな危ないコトしちゃイケナイよ!」
ウララと吹本から注意されたバッテリーたち高実ナインがグラウンドに出ると球場全体から割れんばかりの歓声が巻き起こるのでウララは思わず両耳を押さえた。
「うぅ……すごいせーえんですね」
「漆嶋重臣、順調にいけば間違いなく世界一の選手になると言われている功董学館の心臓です」
歓声だけではない。主にバックネット裏に陣取ったセ・パ全38球団のスカウト陣のカメラや眼が光る。
「あれ?」
しかし当の漆嶋がバッターボックスで構えるとウララでも分かるほどの違和感を感じた。
「あぁ……実際に打席に迎えてみるまでは分かんなかったけどこいつは不味いな……」
バッターボックスで構える漆嶋の表情から、覇気を感じないのである。ポケーっと突っ立っているだけのような顔でいるのに彼から滲み出るオーラは尋常じゃない量の尋常じゃない何かといったところである。
「くっ!」
末松のベストボールとまではいかなくてもかなり威力の高いストレートを漆嶋はジャストミートした。
「うおっ!」
偶然、正しく運よく打球はショート真正面のゴロになったので碓井が捌いてショートゴロに討ち取ることが出来たものの、少しでも逸れていればヒットになっていたであろう痛烈な打球であった。
「アウト」
漆嶋はアウトになったにも関わらず大歓声を浴びる。討ち取られた漆嶋はファーストベースを走り抜けるとそのままライトポール際までダーっと駆けて行ったのである。他の選手がやれば審判から厳しく注意されるだろうが漆嶋がやっても「こらこら」と軽く言われる程度で済まされてしまう。それに対して「テヘ」っとした表情で漆嶋も返すものだからそれに対して球場全体はまた漆嶋に大歓声といった具合である。
「ホント面白くねー」
これは続く未光をセンターフライ、玉田をレフトフライに討ち取りベンチに帰ってきた末松に対して藤が毒づいたものである。
「そうむくれんなって。ホラ、次打席回って来るんだから準備するぞ」
際どいコースや多少のボールでもストライクと判定されてしまうと思ったこの回の攻撃は打ち気に逸ってしまい先頭の滝山がセカンドフライ、末松がファーストゴロ、藤がショートゴロに打ち取られて早々と攻撃終了。
「いかんな……」
そう吹本がポツりと呟いたのをウララは聞き逃さなかった。
「え!? なにがいけないんですか?」
「あぁ……この打順を組んだ意図を藤は理解していると思ったのですが、どうやらいつもより冷静さを欠いているようですな。ウマ娘で云えば『掛かった』状態と」
「えぇ~!?」
ウララの絶叫は球場の大歓声にかき消された。
この作品の日本プロ野球のトップリーグはセ・パ2リーグそれぞれ19球団ずつを東西の地区に分けた計4地区、それぞれの地区の球団数は10、9、11、8とバラバラですが合わせて38球団制とし、下部リーグは更に3球団を加え群馬県、神奈川県、新潟県、山梨県より東を「フォーミー・リーグ」22球団、富山県、長野県、静岡県より西を「イット・リーグ」19球団の合計41球団が2軍から9軍までチームを構えリーグ戦を行っています。1軍はセ・パ2リーグですがそれぞれセントラル、パシフィックの頭文字ではありません。
統括団体の名称は「
日本国内にはさらに委員会に属さない独立リーグが14リーグあり、それぞれに合計84球団が所属するほか、どこのリーグにも属さない無所属の球団が2球団あり、それぞれのリーグ戦の他に委員会下部リーグの球団と交流試合を開催しております。さらに委員会下部リーグと独立リーグの球団は韓国、台湾など海外の球団との交流試合や人材交流も積極的に行われ、秋季・冬季のシーズンオフには日韓台のプロリーグ、独立リーグ、社会人野球チームの選抜チームによるウィンターリーグが台湾で、年明けのオープン戦前には鹿児島でさらに大学野球部や国際大会開催年にはナショナルチームを交えた交流試合が開催されます。
また、委員会加盟球団の主に下部リーグのチームと独立リーグ球団は大学野球部と社会人野球チームのリーグ戦や大会などの期間を除いた時期を中心に試合を組んでいます。
また、独立リーグでも日本国内の14リーグのほかに日本、アメリカ、韓国、台湾、ドミニカ共和国、ベネズエラ、プエルトリコに跨る国際リーグがあり、日本からは東京と大阪をそれぞれ拠点とする球団が2球団所属しています。
ウマ娘の世界ではウマ娘から人間の男性が産まれることが明言されていることから考え、単純に人口が現実世界よりも多いと考えられ、野球選手になる男性も多いだろうというところからプロ野球球団の数を現実世界よりも増やしました。球団数は過去に存在した球団やリーグ、創設が計画されていた球団とリーグを参考に増やしているのでこれから新リーグ、新球団が出てきたらこの作品の球団とリーグも増えます。
本当は日本国外のリーグについても考察したかったのですが2つの連盟と19のリーグ、136の球団の名前を考えるだけで大分時間を費やしてしまったのでまた別に時間を作って考えます。とりあえず馬に由来する名前の球団もいくつか考えたのでウマ娘でいえば正しくウマ娘が球団名の由来となっているチームもあるという感じです。
アンケート選択肢の詳細については第21話の前書きと後書き、第39話の後書きをお読みいただければとおもいます。
今後の高知実業(ストーリー展開)の方針
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目指せ!全国制覇!
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目指せ!模範的高校生スポーツマン!