ただひたすらアスカを愛してみた   作:たっちゃん☆

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41話 質の伴った数の暴力

「てりゃあああッ!」

 

 駆け出した弐号機が、地面に突き刺さっていたソニックグレイブを拾い上げると3号機に対して横一線。

 飛び上がってその一撃を避けた3号機が仕返しに弐号機の頭上に自身の体ごと叩きつけるような攻撃をしようとしたところで、横から現れた零号機がパレットライフルの側面を盾にするようにして体当たりした。

 

「喰らえ!」

 

 よろけながら地面に転がる3号機の先には、二丁のパレットライフルを構えた初号機。一切の容赦もないライフルの一斉射に動きを止める3号機に対して、休む隙を与えるつもりも強襲の用意をさせるつもりも毛頭無いアスカは、レイと目線をあわせ共に3号機へ向かって飛び出す。

 

「おりゃッ」

「ふッ!」

 

 無意識のうちに衝撃を和らげようとしたアスカとレイは息を吐きながら3号機の背中に向かって突進。

 地面に押し倒すと、すぐに弐号機が3号機の背中にまたがる。と同時に、零号機と初号機が3号機の両腕合わせて四本を押さえつける体勢を取った。

 

「待ってなさいよ! このくらい! あたし一人でもお茶の子さいさいなんだから!!」

 

 肩部ウェポンラックからナイフを取り出した弐号機。カッターナイフのようになっており継戦能力を高める仕様となっているそれの刃を、あえて少し除く程度にとどめて出す。

 そのままひと思いに3号機のエントリープラグ周辺へと突き立てる。刃の露出が少ないことで、切り落としすぎることを予防しつつ、プログナイフゆえの刃の振動にエヴァ三機でのATフィールド中和で、3号機の装甲には驚くほど簡単に刃が入った。

 

「くッ、侵食か!?」

「これ、くらい......!」

 

 3号機の腕を抑える零号機と初号機の手のひらに、突如として3号機からの侵食が始まる。

 グリグリと鈍いトゲでもって手のひらを貫かれるように痛みだが、レイとシンジはそれでも気にしないとばかりに抑えるのをやめない。ただ、パイロットの意志が持ったとしてもエヴァが耐えられるとは限らない。

 

「零号機、初号機の腕部に侵食反応! 第6000層までの汚染を確認!」

「......」

 

 対抗しようとATフィールドを展開している零号機と初号機だが、直接接触している以上は防ぎきれないのか、やがてATフィールドすらも侵食され不安定になっていく。

 零号機と初号機の両手に3号機のエントリープラグ周辺を覆っているような青黒い光が広がっていく光景を睨むイェーナは、閉じていた口を開いた。

 

「零号機、初号機、離脱しなさい」

 

 驚異的な速度で零号機と初号機の手のひらから侵食していく第13使徒。これ以上は自戦力を減らすどころか、下手をして乗っ取られようものなら敵戦力を増やすことになるとイェーナは判断した。

 しかしアスカは、弐号機はまだ3号機のエントリープラグ排出のための決定的な一撃を与えられていない。身を捩って抵抗する3号機の装甲を慎重に切り離す作業は誰であっても難しいもの。だからこそレイとシンジはイェーナの指示に頷かないことを選んだ。

 

「嫌、です......もう、少しだけッ」

「まだ......まだ、やれます!」

 

 侵食が進むにつれ、零号機と初号機からのフィードバックが全体重を高音に熱せられた剣山の上にある手のひらで支えるようなものへと変わっていく。それでもなおレイとシンジは、少しでもアスカの助けを。タローの救出を成功させようと退かない。

 

「ッチ、良くないところが影響されてるじゃないの」

 

 そんな二人の姿から、ラミエルとの戦闘時に盾役となり盛大に無茶をしたタローを思い出したイェーナは珍しく舌打ちまでして悪態をつく。

 基本的にアスカとタローのことならば何でも受け入れる彼女だが、自己犠牲精神だけは許容できない。にも関わらず、レイとシンジがその許容できない自己犠牲精神に影響を受けたのか命令に反したことは滅多に怒らない彼女を軽く苛つかせるには充分だった。

 

「零号機、初号機、侵食が腕部まで到達します! もうこれ以上は!!」

 

 限界を知らせるマヤ。その言葉に誰よりも早く反応したアスカは、少々乱暴であることを承知の上で零号機は手で、初号機は足で突き飛ばした。

 

「悪く、思わないでよね!」

 

 ガン、ガン! という音とともに強制的に3号機から離された零号機と初号機の腕には、血管の様な何かが浮き上がっている。幸いにも侵食自体は半端に終わったのか、3号機から離れれば徐々に収まっていく。

 それでも見た目以上にダメージがあり、マヤの見るモニターでは零号機も初号機も腕部が真っ赤に表示され、パイロットたちも腕の動かしにくさを感じる。

 

「アスカッ!」

 

 マヤが叫ぶ。3号機の四本の腕が弐号機へと向かっていたのを知らせるためだ。

 弐号機は先程零号機と初号機を突き飛ばしたため、体勢が崩れている。マヤの叫びも虚しく、四本の腕は弐号機の両腕を抑えて動きを止め、首を締める。

 

「ッ、カ......」

 

 首を締める3号機の手から頚椎付近への侵食が始まる。背中に乗られた状態から首を締めることなど普通であれば到底出来ないわけだが、不気味に伸びた3号機の腕が鎖のように弐号機の動きを押さえつけている。

 

「レーマン博士! アスカが」

「ええ。わかっているわ」

 

 零号機と初号機が侵食による影響でまだ動けていない状況で、弐号機を助ける手段はあるかイェーナに求めるマヤ。しかし、いつもと変わらない返事をする彼女に、マヤは思わず声を荒げた。

 

「生命維持に支障が起きてるんですよ!?」

「わかっているわよ、私もアスカも彼女も。そして、これがチャンスだということも」

「何を言って......」

 

 普段の溺愛具合ならば取り乱すか、もしくは何としてでもアスカを救助するであろうと考えたマヤは、一切表情を変えないイェーナに一瞬不信感を抱く。

 ところが、その不信感は一つのアラートですぐに忘れ去られる。

 

「い、壱型が起動!? パイロットは誰ですか!?」

「居ないわよ。そして、起動というよりは暴走に近いかもしれないわ。ドイツ支部の作業員が対応に当たっているから問題ないから安心して」

 

 格納ケージにある壱型が、身を捩って今にも出撃しようとしている。なぜそのようなことが起きたのかをうっすらと理解しているイェーナは、3号機のエントリープラグで沈黙を貫く男がそろそろ何かを起こすはずだと見守る。

 そこに、ジェリコのラッパが鳴り響いた。

 

「これは」

「なんのサイレンですか!?」

 

 突如としてブーンという低いような甲高いような、何かを高速で回転させるかのような不思議な音。その音が段々と勢いを増していくのに比例してレイとシンジが何が起きるのかと混乱する。

 かつては敵を恐怖に落とすために備え付けられたその音が、味方を混乱させていることに頭を抱えたイェーナは説明する。

 

「爆撃隊の援護よ、安心しなさい。アスカ、もう少し耐えてちょうだい」

「ま、かせなさい、って、の!」

 

 音が近くなると、発令所を始めとして全員がその正体を捕捉する。五機の戦闘機が隊列を組んで上空を飛行している。

 その腹にはそれぞれ一つの爆弾を抱え込んでおり、今の時代にはそぐわない戦闘スタイルを採っていることは明らかだったが。彼らはそれを覆すだけの練度を誇っていた。

 

「Ziel,Evangelion Unit-03!」

「Jawohl!!」

 

 無線の会話は、ドイツ語の理解できないレイとシンジに発令所の職員もわかるほど士気が高いのかほぼ叫び声。

 五機の戦闘機は、やがてうち二機が隊列を離れて急降下する。と同時に、あのサイレンの様な音を鳴り響かせながら向かう先には弐号機と3号機。

 手を伸ばせば届きそうなほどの位置まで降りてきた戦闘機は、腹に抱えた爆弾を投下するとすぐさま水平飛行に移り音を置き去りにしながら零号機と初号機の横を通り抜ける。投下された爆弾はそれ自体の質量に加え落下の速度で地面に倒れる3号機の両肩を貫き、次いで轟音と共に爆発。

 

 全員が一時的に視界を奪われるが、取り戻したころには離脱に成功した弐号機と、肩部から新たに現れた人間の様な腕を吹き飛ばされた3号機の姿が。

 静かに起き上がる3号機に対して、再びジェリコのラッパが鳴り響く。

 

「ウワッ、ちょっと! 危ないじゃないの!」

 

 急降下爆撃によって投下された爆弾は、今度は3号機のATフィールドでその勢いを止められる。しかし、爆発を耐えるだけの余力は3号機にはないのか、装甲に大きな亀裂を作る。

 弐号機の頭部真横を通り過ぎた戦闘機に文句を言ってから、アスカはプログナイフを構え直した。

 

「爆撃はあと一回......あたしの合図に従って!」

「Verstanden Asuka-chan♡」

「それやめろって、言ってんでしょうが!」

 

 まるで小さな娘に話しかけるような男性の甘い声。幼いころよりこの爆撃隊メンバーから散々その声でタローと自分の名前を呼ばれているアスカは、やや苛立ちながら弐号機を駆り3号機に向かう。

 フラフラと立ち上がる3号機だが、まだ余力はあるのか飛びかかってきた弐号機と取っ組み合いになる。しかし、それでも流石に再度腕を生やすことは出来ないのか、口を大きく開き弐号機に噛みつこうとした。

 

「今よ!」

 

 それを隙と判断したアスカが叫ぶと、弐号機の耳元を音を超えた戦闘機がかすめる。遅れてジェットエンジンの音とジェリコのラッパが聞こえると、参号機の口に投下された爆弾が歯の用になっている装甲を砕き口内で爆発。

 3号機は顔を丸ごと吹き飛ばされ、取っ組み合いになっていた腕から力が抜けたのを感じたアスカはレイとシンジを呼ぶ。

 

「レイ! 碇! 手伝ってもらうわよ!」

「ええ」

「うん!」

 

 満身創痍の零号機と初号機が3号機を再び抑える。腕部からの侵食が始まる前に、アスカが再びエントリープラグ周辺に向けてプログナイフの刃を向ける。

 粘菌状の物質本体は、最後の抵抗として3号機が細かなATフィールドをいくつも出現させて守ろうと躍起になっているが。それでも周囲の解体は簡単に進められ、一つ、また一つと装甲が切り落とされて音を立てて地面に落下する。しかし、それでもATフィールドが邪魔をしてエントリープラグを射出させられない。

 

「ッチ、ここまできて......!」

 

 しびれを切らしたアスカが弐号機の手を粘菌状の物質に伸ばすも、その粘菌一つひとつが細かなATフィールドを展開し弾く。

 しかし、これ以上の攻撃は中に居るパイロットの安全が保証出来ない。手詰まり状態になった現場を他所に、発令所ではイェーナの胸ポケットに入っていたスマートフォンが激しく振動し始めた。

 

「レーマン博士!」

 

 その少し後に、マヤがイェーナの名を叫ぶ。

 

「格納庫の壱型が、突然起動しました! エントリープラグも挿入されていないのに!」

「そのようね」

 

 ドイツ支部からやって来た改修班が作業をしていない状態であるにも関わらず起動した壱型にマヤは何事だと焦るが、イェーナは至って冷静。というのも、彼女の胸ポケットに仕舞われているスマートフォンは壱型の状態をリアルタイムで監視するデバイス。それが振動、通知が来たという時点で壱型に何かが起きたことを認知していた。

 それでもまさか起動するとは、とイェーナは胸ポケットからスマートフォンを取り出し、格納庫に設置された監視カメラから壱型の状態を見る。そこでも、今すぐにでも固定装置を破壊し動き出そうともがく壱型の姿が。

 

 この状態をどうしようか、とイェーナが顎に手で触れると、発令所内にけたたましく警報が鳴り響く。

 今度は一体なんだ、と冬月までもが身を乗り出すと、起動した壱型を制御しようと試みているマヤの代わりにマコトが声を上げる。

 

「目標エントリープラグからさらなる高エネルギー反応! 侵食部位のATフィールドを消失させていきます!」

「零号機、初号機、弐号機、今すぐ離脱しなさい」

 

 報告を聞いたイェーナはすぐさま三人のパイロットにその場を離れるように言う。

 ほぼ全ての力を使い果たした使徒が最後の悪あがきとして守っていた侵食部位のATフィールドさえ消失させられたら、どのような行動を取るのか。彼女はそれを予測しての指示だったが、あと一歩だと感じていたアスカたちは素直に従わない。

 

「ここまで来て離脱ゥ!? 馬鹿言わないで頂戴!」

「それはこっちのセリフ。早く離脱しないと大変なことになるわよ、迷惑かけないでちょうだい」

「ハァ!?」

 

 やはり食って掛かるのはアスカだが。イェーナはもう言葉を発するつもりはないのか、ただ無言でスクリーン越しにパイロットたち三人に冷たい視線を向ける。

 こうなれば下手に指示を無視すればただでは済まない、と経験則で知っているアスカと感じ取ったレイとシンジは渋々3号機から距離を取る。

 それと時を同じくして、ネルフ本部の格納庫では壱型が更に激しく動き出し、ついには固定装置が破壊されそうになった時。3号機に変化が起きた。

 

「3号機のコアからも高エネルギー反応! エントリープラグ周辺のコアらしき物質を逆に侵食していきます!」

「エントリープラグ内部との通信、復活しました。パイロット健在です!」

「めちゃくちゃだ......」

 

 シゲル、マヤの報告に最上デッキで冬月が頭を抱える。

 何故か壱型が起動して、何故かエントリープラグ周辺にある使徒がATフィールドを失い、何故か3号機のコアがその使徒を侵食して引き込み始める。勝ちを確信したゲンドウは冬月の隣に口角を上げていた。

 

「自爆する気ね。援護部隊と近隣住民は?」

「既に半径十キロ圏からは退避しています!」

「了解。エヴァ全機、速やかに離脱。エントリープラグ回収に備えなさい」

「回収って、でも自爆したらエントリープラグは、タローくんはどうなるんです!?」

 

 自爆という単語に反応したシンジが聞くと、イェーナは顔色を変えずに答える。

 

「心配要らないわ。彼は必ず戻ってくる、そういう運命の下に居るのよ」

 

 言い切った直後、3号機の胸部に突如として大きなクレーターが現れ装甲が剥がれ落ちる。

 露わになったコアにも内側から引っ張ったようなクレーターが。それを観測した直後、バシュン! と何かを射出したような音が鳴り響いた。

 

「エントリープラグ、ッ!」

 

 それが何かを確認したレイが、射出されたエントリープラグに向かって零号機を走らせる。そのプラグと零号機をこれから起きるであろう爆発から守ろうと、初号機と弐号機も後を追う。

 エントリープラグを失った3号機は、何かに悶え苦しむかのように体を震わせると、自身の周りを覆うようにATフィールドを展開し始めた。

 

「逃げるわよ! とにかく走って!」

 

 後ろを確認したアスカが零号機と初号機の背中を押しながら距離を取る。3号機はその体をコアに向かって圧縮されるように、嫌な音を立てながら歪に縮んでいく。

 人の形をしたものが、見えない壁に押しつぶされていく光景は、マヤが直視出来ないほどあまりにも不気味。

 

 やがてまばゆい光を放ちながら3号機は爆発するも。不思議なことに周囲に展開されたATフィールドは最後まで健在であり、爆発のエネルギーは上方向に収束され雲を突き抜けて大きな十字架を作り出す。

 それでも衝撃は大地に伝わり、山の表面が滑り落ちるほどの大きな地震を発生させる。爆発の直前にエヴァの足を爆心地へ向けたうつ伏せの姿勢で衝撃に備えていたパイロットたちは、地鳴りが終わると先程の戦いで爛れてしまった零号機の両手にあるエントリープラグへ集まる。

 

 エヴァの視界を通して発令所のスクリーンにも映し出されたエントリープラグは、侵食を受けていたとは思えないほどに綺麗に。ほぼ新品同様。

 誰かがエヴァから降りてハッチを開けようとした時、内部のLCLが自動排出されてハッチが開く。そこに居たのは、眠るように穏やかな表情のタロー。

 パイロットたちからも、発令所からも安堵のため息が漏れる中。イェーナは鬼のような形相で叫ぶ。

 

「止まるなッ! 精密検査の手配、解析早く!」

「は、はい!」

 

 普段の澄んだ声色とは正反対の、がなり立てるような声に発令所が我に返る。

 初めに簡易的な解析が終わり、マヤとマコトが笑顔で結果を報告する。

 

「パイロット、脳波、呼吸、心拍、正常です! 生命に問題ありません!」

「MAGIによる試算ではエントリープラグ及びLCL、パイロットからもパターン青は検出されていません! 目標、完全に沈黙しています!」

 

 その報告を聞き、イェーナはようやく肩の力を少し抜く。

 最後に電話をしていたシゲルがイェーナに声をかける。

 

「爆心地にも解析班を送ります。弐号機及びパイロットは待機でよろしいでしょうか?」

「ええ、満足に動けるのは弐号機だけ。念のため残しておくわ。零号機、初号機及びパイロット、回収班を向かわせます。弐号機及びパイロットは目標の殲滅が確認されるまでしばらく待機よ」

「はい」

「わかりました」

「ヤー」

 

 そこまでしてイェーナはついに完全なリラックスの状態に入る。深く息を吐き、スマートフォンで壱型の様子を見る。動きはなくなり、停止していた。

 用心深いイェーナは、それでもマヤに確認する。

 

「マヤ。エヴァンゲリオン:プライマルは?」

「停止しています。これは......暴走、ですか?」

 

 心配するように聞き返すマヤ。暴走するようなエヴァ、それを黙ってパイロットたちを乗せる、というのは彼女の性格からして出来ないことは確か。

 その気持ちを感じ取ったイェーナは適当にごまかす。

 

「いや、うちの開発部がちょっとしくじっただけみたいね」

「そうなんですか?」

「後で厳しく言っておくから安心して。それに、仮に勝手に起動してたとして暴走はしないわよ。パイロットが危険な状態ならともかくね」

「は、はぁ......?」

 

 納得できたような、できないような。複雑な気持ちでマヤは作業に戻り、イェーナは彼女やマコトとシゲルの補佐に動く。

 彼女たちの上では、深くため息をついた冬月がゲンドウに声をかける。

 

「終わったな」

「ああ。壱型の起動は誤報だがな」

「そういうことにしておこう。して、米国支部はどうする?」

「然るべき処分を下す、この状況を生み出した責任は大きいからな。特にドイツ支部が黙っていないだろう」

「......他人事だが、頭が痛い」

 

 米国支部がどうなるかを想像した冬月は思わず眉間にシワを寄せるばかりだった。

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