カプセルコーポレーションに居候中のウーロンはある出来事からブルマにしか変化できなくなってしまう。折角だからこのブルマの姿で楽しみたいとドラゴンボールを集めるが…。

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少々短いですが…。でも変身能力があったら誰でもこんな事するのではないかと思います。


ウーロンの野望

「へへへ、あの写真集当たるかな~」

 

西の都はカプセルコーポレーションに居候している小豚のウーロンはその手に福引券を握りしめ街中を歩いていた。

 

現在西の都ではスピードくじが流行っており、お店の商品を購入すると金額に応じて福引券がもらえる。一枚につき一回くじが引ける、ウーロンが所持している枚数は十枚だから十回引けるのだ。

 

そしてウーロンが狙っているのはお菓子とかカードとかそんな類の物ではない。

 

『待望の新人 ! 青い水着が映える絶世の美少女 ! マロンちゃん ! 』

 

スピードくじ一等賞はマロンという美少女の写真集であり、まだ誰も引き当てていない。

 

(クリリンには悪いけど、あのマロンちゃん可愛かったもんな。まさかアイドルデビューするなんて思わなかったけど。この十枚で当ててやるぞ)

 

ウーロンはブルマからあまりおこずかいをもらえていないので写真集を買えるほどの手持ち金は無い。しかし福引ならばと考えコツコツ貯めてきた。

 

店に到着したウーロンは写真集がまだ残っている事を確認。店の棚にはまだマロンの写真集がデデンと鎮座している。

 

「十枚ですね、十回どうぞ」

 

ウーロンは目を血走らせながらくじを引く。お菓子、飲み物、お弁当、てんでダメ !

 

最後の一枚……『神様デンデ様ピッコロ様』と念じながらウーロンはくじを引いた。

 

 

引いたくじは……特賞 !

 

「おめでとうございます ! 特賞のヒロインカードです ! 」

 

店員がベルを鳴らし祝福の声を出す。周りの客も拍手を贈る。嬉しくないのはくじを引いたウーロン本人だけである。

 

(違うんだよ、俺が欲しいのは一等賞なんだよ~)

 

がっくりと肩を落としたウーロンがお店を出た直後に『おめでとうございます ! 一等賞のマロンちゃん写真集です ! 』という店員の声が響く。引き当てたジャッキー・チュンという老人はたいそう喜んでいたそうな……。

 

 

さて、くじの特賞という名のハズレを引き当てたウーロンはカプセルコーポレーションへ帰宅後、自室にてくじで当てた弁当や飲み物を口にしながらヒロインカードを眺める。

 

「こんなの引いてもなぁ……」

 

ウーロンが引いたカードは一枚だけで描かれていたのは一人の女の子だった。

 

ピンク色のポニーテール、ナイフを持って大きめのバッグを肩から下げた女の子。服装は……。

 

(そういえばこの子が着てる服、前にブルマが買った服に似てるな)

 

今から約25年前に砂漠の町でブルマが買ったアラビアン衣装で、カードに描かれているキャラの衣装がかつてのそれと非常によく似ていたのだ。

 

カードの裏面にはキャラクターの設定が書かれていた。

 

『伝説の勇者の仲間の一人。ある草原に大きな町を作り、一人の老人の夢を叶えた。しかし強引な商売スタイルが住民の反感を招きクーデターにて投獄。勇者へ冒険に必要な黄色の宝玉を渡した』

 

「おいおい、この子ろくな事になってないじゃないか。でもこの宝玉ってまさかドラゴンボールじゃないよな……」

 

しげしげ眺めているうちにウーロンは昔を思い出した。悟空やブルマと一緒にドラゴンボール集めの旅をした日々……ウーロンが持っていたバニースーツを気に入らなかったブルマが砂漠で服を買い、ウサギ団に襲われたのだった……。

 

「しかたない。この子に変化して遊ぶか。変化 ! 」

 

ドロンと煙を出してウーロンは変化する。ウーロンは見た目だけ好きなものに変身できる。男でも女でも、なんならパンツにだってなれる。これでカードの女の子になるつもりだった……のだが。

 

「ふう……あれ、なんで俺ブルマになってんだ ? 」

 

ウーロンは窓に反射した自分の姿を確認する。本来であればピンク髪の女の子になっている筈だが、何故かブルマの姿になっていた。しかも今のブルマではなく昔の……まだ十代だったころのブルマだった。しかも服だけはアラビアンな服になっている。

 

「おかしいな、変化 ! 」

 

ウーロンは五分の間だけなら何度でも変化ができるが、一度変化してから一分間の休憩をしないと変化はできない。

 

再度変化を試みるが、何度やっても変化した姿は『昔のブルマ』だった。

 

「どうしてだ ! ? そうだ、マロンちゃん、ランチさん、チチさん、へーんげ ! 」

 

ウーロンは休憩までの時間に彼が知っている女性に何度も変化を試みたが結果は同じだった……。

 

 

変化を解いたウーロンはベッドに転がりながら頭を捻る。どうして突然ブルマにしか変化できなくなったのか皆目見当もつかない。

 

「どうしよう……そうだ、こうなったら若いブルマの身体を楽しむか ! 」

 

ウーロンは服の上から大きな胸をツンツンする。

 

「うはは ! ブルマに変化するなって言われてたけど、やっぱ昔のブルマは見た目だけはいい女だな ! 亀仙人のじいさん胸と胸の間に顔をはさんで……パフパフ、なんてな ! 」

 

ブルマの身体を使い大はしゃぎする子豚のウーロン。ウーロンは以前からブルマに『絶対に私に変化しないでよ ! 』ときつく言われていた。

 

ブルマと古い付き合いの者ほどブルマの恐ろしさを知っている為に誰も反抗できない。あの孫悟空であってもだ。

 

普段禁じられている分、解放された欲求は爆発する。ブルマの顔、胸、足、どれもが美しくほぼ全盛期の肉体であり、それが余計にウーロンを興奮させる。

 

もみもみ、つんつん、時間切れの五分はアッという間であった。

 

「あ……もう五分か……」

 

変化の強制解除によりウーロンは元の姿に戻ったが一度芽生えた欲求は簡単には消えない。

 

『もっとブルマの姿で楽しみたい』

 

そんな欲求を持ってもある意味では仕方ないことなのかもしれない。それだけウーロンにとってブルマとの付き合いは長かった。出会ってから一番長く接してきた異性でもある。それが見た目だけでも絶世の美女ならこうもなる。

 

 

ウーロンは考える。どうすればブルマの姿で長くいられるか ? 冷静になれば、ウーロンは今とても危険な行為をしたのだ。ここはカプセルコーポレーションでありブルマの実家である。あれだけ大騒ぎをしてバレなかったのは大変ラッキーとしか言いようがない。

 

ではどうするか……ウーロンにとってのプライベートルームがあればいい。しかしカプセルコーポレーションにはそんな場所など無い。今いる部屋もブルマの手にかかれば簡単に入ってこれるのだから。

 

だがカプセルコーポレーションから出ても今更ウーロンに行くあてなど無い。まさか元々住んでいた村に行くこともできないだろう。村でのウーロンの評判は最悪と言ってよいのだ。

 

残された手段は一つだけだ……。

 

ウーロンはこっそりドラゴンレーダーと飛行機を拝借し単身ボール探しの旅に出た。

 

今の世界はとても平和、元々生息している恐竜等にさえ気を付ければボール探しはさほど危険ではなかった。

 

昔の悟空やブルマと一緒の旅ではトラブルの連続だったが今回はあっという間にボールを全て探し終えた。

 

最後のボールを手に入れたピラフ城跡地でウーロンは呪文を唱える。

 

「出でよ神龍 ! そして願いをかなえたまえ ! 」

 

七つのドラゴンボールが輝き空は夜のように真っ暗となる。そして大きな光が天に昇ると緑色の鱗に包まれた巨竜が姿を現す !

 

「さあ、願いを言え……どんな願いも三つだけ叶えてやろう……」

 

「よ……よし、まずは変化 ! 」

 

ウーロンは願い事の前にブルマの姿へ変化をする。

 

「神龍 ! まず俺を今の姿に永続的に変化させるようにしてくれ ! 」

 

「……容易いことだ……」

 

ウーロンの身体が光に包まれる。彼は直感的に理解できた、変化の時間が伸びた事を……。

 

願いはもう一つ、ウーロンは誰にも邪魔されないプライベートルームが欲しかったのだ。そこならばブルマも手が出せない……。

 

「神龍 ! 次は……」

 

「ウーロン ! あんた何してるの ! 」

 

ウーロンは聞き覚えのある怒鳴り声を聞いて後ろを振り向く……そこには今一番会いたくない相手が、ブルマがいた。

 

「あんた私の姿になって何してんのよ ! ? まさか私に化けて何か悪さでもしようってんじゃないでしょうね ! 」

 

「いや、あのその……こ、これは……」

 

大当たり、非常に勘のいい女である。

 

「その様子だと当たりみたいね。神龍まで呼び出して……まあいいわ、呼び出したのなら仕方ないわ。私も叶えてほしい願いがあったのよね~。神龍 ! 私の……」

 

「神龍 ! 俺をブルマの手の届かない場所へ瞬間移動させてくれ ! 」

 

ブルマに願いを横取りされる前にウーロンは願い事を叫ぶ。本当に咄嗟の判断だった、この願いならばウーロンはプライベートルームが無くても問題は無い……。

 

「ちょっと ! あんた勝手に ! ? 」

 

「……容易いことだ……」

 

二つ目の願いが受理され、ウーロンは一瞬でその姿を消す。ピラフ城跡地に残されたのはブルマと神龍だけだった。

 

「あいつ一体どこへ……」

 

「女よ、三つ目の願いを言え。言わないのならば……」

 

「ま、待って ! わかったわ、私の願いは……」

 

 

「あ、あれ、ここはどこだ…… ? 」

 

ウーロンは気が付くと全く知らない草原のど真ん中にいた。建物らしい建物も無く、本当に草むらしかない。

 

辺りを見回していると一人の老人が歩いてきた。

 

「おお、その姿は、あなた商人 ! お願い、力を貸してほしい」

 

「お、おいおいじいさん、突然なんだよ、俺は商人じゃないぞ」

 

老人からの突然の呼びかけに驚いたウーロンだった。だがここでウーロンは違和感を感じる。

 

 

なんだか自分の声が高いような・・・・・・・・・・・・……。

 

「嘘よくない、あなたのその姿、間違いなく女商人。わたしここに町を作りたい。でもわたし商売の事知らない……だからあなた、手を貸してほしい。町を作ったらあなたが町長で構わない、お願い」

 

老人から頭を下げられ思わず後ずさりするウーロン。ウーロンだって商売の事など知らないただの子豚なのだ。助けを求めたくても周りには誰もいない。

 

「じ、じいさん頭上げてよ。本当に俺は商人じゃ……あっ ! ? 」

 

ウーロンの頭に一つの考えがよぎる。

 

『伝説の勇者の仲間の一人。ある草原に大きな町を作り、一人の老人の夢を叶えた。しかし強引な商売スタイルが住民の反感を招きクーデターにて投獄。勇者へ冒険に必要な黄色の宝玉を渡した』

 

(これって、あのカードに書かれてた状況と同じじゃねーか ! ? まさか瞬間移動の先って……カードの中の世界なのか ! ? )

 

そう……神龍が叶えた瞬間移動の願いにより、ウーロンは『ブルマの手が届かない場所』へ瞬間移動された。元の世界ではブルマに行けない場所などない。なので異世界へ瞬間移動されてしまったのだ。いかにブルマと言えど異世界までは手が出せない。

 

喜びかけたウーロンだったがすぐに冷静になった。

 

(確かあのカードに勇者って書いてあったよな……ひょっとして化け物とかいるのか ? 冗談じゃねえよ ! )

 

当然だが『この世界』は魔物が闊歩している世界、元々いた世界にも危険はあったがこちらの世界はもっと危険だ。この世界に孫悟空はいないのだ。

 

「じ、じいさん。俺、実は女に化けていたんだ……見てろよ、変化 ! 」

 

 

…………………………。

 

 

「何も起きない。あなたやっぱり商人。さあ、こっち来てほしい」

 

「ち、違うんだ。俺は本当にブルマに化けているだけで……」

 

「あなた、ブルマという名前、いい名前。ではブルマ、まずは住人をどうやって呼ぶか……」

 

ブルマから変化できないウーロンは老人に引きずられながら家に連れていかれる。

 

「なんでだよ ! どうして変化できないんだよ~ ! ? 」

 

ウーロンが叶えてもらった一つ目の願い事により、確かにブルマの姿へ『永続的』に変化できた。

 

だがそれは元の世界での話。この世界に連れてこられた時点で元の姿は『無かったこと』にされ、今の姿……『女商人の服を着たブルマの姿』がウーロンの本当の姿として『登録』されてしまった……いつの間にか『ルイーダの酒場』に……。

 

 

「ブ、ブルマ ! 悟空 ! 助けて~ ! ? 」

 

ウーロンの届かない悲鳴が青空へ響き渡る。ブルマが三つ目の願い事を使えばウーロンは戻って来れたが、ブルマの小皺を消すという願いに使われた事を彼は知らない……。

 

 

 

 

魔王バラモスによって地上が侵略され、勇者の国アリアハンから偉大なる勇者オルテガが魔王討伐に出発するもののネクロゴンド火山にて消息を絶つ。

 

そして十数年の時が流れ、勇者オルテガの子どもが父の使命を受け継ぎ……今旅立つ !

 

 

はたして新しい勇者は魔王を倒す事ができるのか ? 勇者に力を貸す者たちはどのような力を持っているのか ?

 

そしてアリアハンから遠く離れた地にいる商人は勇者と出会う事ができるのか ?

 

 

どうなるブルマ……いや、ウーロン !


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