SHIKAMARU 〜IQ足りないけど十種影法術あるから余裕っしょ!〜   作:彩べぇ

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長らくお待たせしました。リアルが落ち着いたので頑張ります。


第二十四話

 

 

現在二回戦、めっちゃいいところ。

サスケの千鳥が我愛羅の砂の防御を貫く。

自身の体から流れる血液に発狂する我愛羅。

原作通りこのタイミングで風影を装った大蛇丸が行動を起こした。

それを合図に、観客席全体に幻術が掛けられ、音忍が姿を現す。

 

「始まったか…解!」

 

俺は自力で幻術を解ける。

 

「三代目は大蛇丸と結界に隔離されているか…」

 

游雲を取り出し音忍の顎を砕きながら、周囲の状況を伺った。動けているのは一部の中忍と上忍以上の実力者、サクラ、シノ…他は観客ともども幻術の中か。

 

……おい、前の席のベスト着てるやつ、何寝てんだ。お前中忍やろはよ起きろ。人手足りねえんだよ働け。

 

ゲシゲシと寝ている中忍を蹴り起こす。

現状、上忍の方々の頑張りで着々と数は減っている。特にガイ先生とカカシ先生は他の人より抜けているな。

 

そんな二人も結界の方に目を向けていた。

 

「火影様が気になるが…」

 

「上は暗部に任せろ。火影様はそう簡単にやられはしない…」

 

このままいけば、原作通り俺はサスケの追跡に駆り出される。干渉するならここだ。

 

「先生!」

 

「シカマル!?」

 

俺が自力で幻術を解いてたことに驚いていた。幻術返しってそんな難しいかね?

 

「ガイ先生の懸念は正しいと俺は思う。ここまで全部、大蛇丸の計画通りに進んでいます。恐らくタイマンに持っていったのは大蛇丸に三代目を確実に葬る手段があるからだ。それに修行を見てもらっている俺にはわかるし、本人も言っていたけど三代目はもうかなり衰えている!このままだと確実にやられる!二人は今すぐ結界の方へ向かうべきです!」

 

時間がないため、俺は早口で捲し立てた。あえて敬語と砕けた口調を混ぜているのは焦っている演出だ。

 

「だが、あの強力な結界があってはな…」

 

俺の話を聞いた上で、カカシ先生は冷静に判断する。

自分たちにはあの結界を破る手段がないと…

 

「俺ならあの結界を破れます。」

 

そう…この瞬間のために俺は1ヶ月、死ぬ気であの術を用意した。

 

「なに!?」 「本当か!?」

 

二人が驚く。

当然だろう…あれほどの強力な結界を破るなんて大言吐いたのだ。

 

「俺の新術でなんとかします。」

 

二人はお互いの目を見たあと頷き合った。

 

「俺たち三人は今すぐ結界へ向かうぞ。」

 

サスケの方には…とカカシ先生はサクラにAランク任務を言い渡す。俺の代わりにチョウジを起こした。

 

「チョウジ、必要なことは昨日渡したメモに書いている。そっちは任せたぜ。」

 

「うん…こっちは大丈夫。そっちも明らかにやばそうだけど、死ぬなよ。」

 

そして、お互い向かうべき場所へ走った。

 

ーーーーーーーーーー

 

ナルト、サクラ、チョウジ、パックン…3人と1匹はサスケを追跡する。

 

「こんな時まで何食ってんだよ!チョウジ!」

 

移動しながらも食べ続ける僕にナルトが叱責する。

 

「今、増量中なんだ。シカマルから強くなりたいならとにかくどんな時も食い続けろ、て…」

 

「シカマルが…?」

 

ナルトにはわからないがシカマルがそう言ったならと納得する。

内心ではこれ以上食ったら余計にデ…と思ったが途端に寒気がしたのでそれ以上は考えなかった。

 

「確かに予選の時よりひとまわりデ…大きくなったように見えるわ。それにちょっとゴツい気がする。」

 

サクラが見た印象を伝える。

 

「筋肉も増やすように言われてるからね。」

 

その手にはいつものポテチだけではなく、チキンが握られていた。

 

「お前ら!もっとスピードを上げろ!後ろから追っ手が来てる!」

 

先ほどと雰囲気が一変する。

パックンがその嗅覚で敵を検知したのだ。

 

「このままだと追いつかれる。数は8…いや、9。全滅を避けるなら囮役が必要だ。」

 

そして、間違いなく囮役は死ぬ…と付け加えた。

 

「!?」

 

僕はその言葉にみんなよりも驚く。

パックンから告げられた情報、それはシカマルに渡されたメモと完全に一致していたからだ。

 

…これが僕の役目なんだね、シカマル。

僕は覚悟を決めた。

 

「僕が囮になる。みんなは先に行って。」

 

「ッ!?何言ってんだ!俺が行く!」

 

ナルトは即座に反論したが、僕は構わず足を止めた。

 

「僕なら大丈夫。…早く行け!」

 

こうしている間にもサスケとの距離は離れていき、追っ手は迫ってきている。有無を言わさないその表情にナルトとサクラは従わざるを得なかった。仲間を置いていくという事実に2人は唇を噛み締める。

 

「絶対死ぬんじゃねえぞ!!」

 

ナルトの言葉にサムズアップで答え、待ち伏せのため身を隠す。不意打ちで一人でも多く減らすためだ。

 

息を潜めている間に追跡者が自分の真下を通過したのを確認し、倍加の術を発動させて高所から奇襲を掛ける。

 

「まずは一人ッ!!」

 

全体重と落下エネルギーによって高められた一撃を受け、そのまま地面に叩きつけられた音忍は絶命した。

 

足の裏にへばり付く血に眉をしかめる。

初めての殺人という行為に心を痛めると同時に、激しい嫌悪感を抱く。

 

できるならもうしたくない。

 

「それをシカマルは、僕が優しいからだって言ってくれた。」

 

でも、こうも言っていた。

 

「敵に情けをかけるってことは、仲間を、友を傷つけるのと同じなんだってことを。」

 

アカデミーの頃、何度かシカマルと一緒にナルトの馬鹿な行動に付き合ったことを思い出した。

僕は周りにデブだと馬鹿にされ、よくはぶられていた。彼らはいつも修行ばかりだったから、たまにしか一緒に遊べなかったけれどその分、一つ一つの思い出が鮮明に残っている。

 

彼らを傷つけさせはしない。

音忍たちがこちらを警戒する。

 

「ここから先には1人も行かせない。」

 

音忍たちは怯まなかった。互いを仲間と思っていないのか、殺された者に侮蔑すらしているように見える。

 

「フンッ…ガキが舐めやがって…タダじゃ済まさせねえぞ。」

 

その言葉と共に先頭に出る音忍に合わせ、足に力を込めて踏み出す。

ダンッ!と地面が爆発するほどの脚力で突進した。

 

「肉弾…大砲!!!」

 

僕はこの1ヶ月、湯の国で修行をしていた。そこでたまたま観戦した相撲という競技を参考にした戦闘スタイル。

ぶちかまし、あるいは体当たり。

しかし、ただの体当たりというにはあまりに勢いがありすぎた。まさに大砲という表現が相応しいだろう。ターゲットにされた音忍はその餌食となり、パンッと水風船が割れたように血を吹き出しながら吹き飛んでいった。

 

「これで…‥2人目だ。」

 

背中からオーラかと思わせる湯気を出しながら残った相手を睨みつける。

その威力に驚愕した隊長らしき人間が声を張り上げた。

 

「所詮はただのガキだ!囲めばどうということはない!」

 

残った6人が囲むように展開し、一斉にクナイや手裏剣を構える。

 

「これで終わりだ。パワーには驚かされたが、たかが1人、それも下忍のガキにプロの俺たちに勝てるはずもない。あっけなかったな。」

 

その言葉に僕は焦らなかった。以前の僕ならどうしようもないこの状況に腰を抜かして泣き喚いただろう。

 

しかし、今は負ける気がしなかった。

シカマルは力だけでなく、きっと自信も与えてくれたのだ。

 

「やっちまえ!!」

 

こちらに向けて投げられる手裏剣。

僕は近くにあった大木に手を掛け、全力で引き抜く。そして迫り来る凶器たちへの盾とした。

 

「ば、ばかな…あれほどデカい木を造作もなく操るなんてどんなパワーしてるんだ……」

 

勝利を確信していた音忍達は現実離れした結果に恐怖した。

 

「今度はこっちの番だよ…」

 

手にある大木で僕は音忍を薙ぎ払い、叩き潰す。もはや体術ですらない、ただの暴力はこの場にいた音忍すべての命を刈り取った。

 

「お腹、空いたなぁ…でも何か食べれる気分じゃないや……」

 

思わずその場に座り込む。

ここまで急激に強くなった秘密…それは筋トレだった。素の身体能力を上げることで、倍加の術で得られるパワーの倍率を増やすという方針だ。僕はこの1ヶ月死ぬ気で筋トレして、死ぬ気で食べまくった。

 

幸い、食べるのが好きな性格だから僕には向いていたと思う。日に日に扱う器具の重量が増えていくのは成長を簡単に実感できて楽しかった。今ならアイツらが修行にのめり込むのも理解できる気がした。

 

しかし、以前よりずっとパワーが上がった分、カロリーの消費も増えるようになったのだ。

おかげで正直もうヘトヘトで動く気分になれない。

 

だが、自分の役目は果たせたのだ。ここで、少し休んでいても文句は言われないだろう……

 

「シカマル、そっちもがんばれよ……」

 

離れたこの場にすら届く、木の葉の方向からの騒々しさに思いを馳せた。

 

ーーーーーーーーーー

 

結界の付近に着いたシカマル、カカシ、ガイの3人。カカシとガイは中の様子を見て驚愕する。

 

「あれは…初代様と二代目様!?」

 

「シカマルが言っていた大蛇丸の狙い…まさか死者を蘇らせる禁術とは…さすがに三代目様といえどまずいね……」

 

結界で増援もなく、3対1の三代目は防戦一方だ。

 

「シカマル!」

 

「はい!今から俺は結界の破壊を試みます!恐らく、この術を使った後は動けなくなります!なので破壊後三代目の増援は2人にお任せします!!」

 

「ああ!行け!」

 

鵺を顕現させ結界の真上をとる。そして、この時のために用意した切り札を切る。

 

「結局…ぶっつけ本番になっちまうとはな…

でも、やるしかねえんだ…」

 

これが成功するかどうかで、三代目を生かすか殺すかが決まる。

本来ならここで3代目が死ぬ。それを変えてしまってこの先どうなるかなんてわからない。

もしかしたら他の誰かが死ぬことになるかもしれない。

 

それでも…

 

「誰かが決めた運命なんて関係ねえ…俺はもう傍観者じゃねえ…」

 

ここで大切な人を見殺しにしてしまえば、きっと俺は…

 

「今!この世界に!!生きているんだッ!!!」

 

俺自身を許せない。

 

「 領域展開 」

 

俺を中心として四紫炎陣の上半分を巻き込むように黒い球場の結界が展開される。

 

 

「あれは…シカマルか!?」

 

「是なるは忍術戦の極地、世界を覆す術也。

まさか、もう一度目にすることができるとはね……」




正直に申しますとモジュロでモチベちょっと上がりました。実はこの先シカマルがマコーラ調伏するの無理ゲーすぎだろと悩んでいたのですが、ようやく答えが見つかりました。まあいつになるかわかんないんですけどね。
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