幸せについて謎持論を持ってる倉田の彼氏と全力で暴走を止める二葉です

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幸せを説く一般人

この世の幸せと不幸は均衡を保っている。

神は常に幸運と不幸を均等に振りまき、世界はそれで回っている。

あぁ、決して怪しい宗教の勧誘とかではない、そこは安心してほしい。

 

「…私が納得できると思ってる?」

「何故理解しないんだ二葉。俺はこの話をすでに2桁回はしている」

「納得できるわけないでしょ?」

 

とまぁ、頭の固い二葉つくし(ましろガード)を前に、俺は世の幸せについて説いているところだ。

繰り返しになるが、俺は宗教勧誘や回し者ではない、安心してほしい。

だから安心して。

 

「時間だ、俺は行くぞ」

「待ってストップストップ!」

 

倉田と取り巻く幸運の管理を俺に任せてほしい。

 

「止めるな二葉!ハッピーが俺を待ってる!」

「彼女の財布無断で持ってく人がそういうこと言わない!」

 


 

バレンタイン、対を成すイベント、ホワイトデー。

俺は今からましろにあげるべき、彼女の3倍以上の好意を持つ贈り物を買いに来てるわけなんだが。

 

「なぜおまえがついてくる二葉。別にアドバイスはいらないぞ」

「アドバイスじゃなくて監視ですー!危なっかしいし見てないと」

「安心しろ二葉、俺の目に幸運が映らない限り俺に不幸は訪れない」

 

と言った瞬間に1組のカップルが目の前を通り過ぎる。

 

「二葉、付き合ったら幸せになれるのか?」

「…それは君が知ってることでしょ」

「…せやんな…いっでぇ!!」

 

こけた、それはもう盛大に。

幸せを見ちゃったから不幸が訪れたんだな、あたい許さへん。

 

「さて、不幸カウント+1」

「何そのカウント」

「たまればたまるほど後でラッキーに変わってくれるカウントですけど」

「何それ私知らない」

「オーバーカウントで幸運ブーストがあるとかないとか」

 

多分ない。

だって均衡崩れるじゃん。

 

「わけわかんないこと言ってないで、さっさとましろちゃんへのプレゼント選びなよ。私もあまり付き合ってあげられないし」

「いや、だからついてこなくていいって言ってるじゃんさっきから」

「目離したらなにしでかすか分からないから監視してるんですー!」

 

やれやれ、保護者ここに極まれりってやつだな。

 

「というかさ、君の話が本当なら、後で私にいっぱい幸せが降ってくるってことだよね?」

「は?」

「いやだってさ」

「二葉、お前は勘違いしている。アンラッキーとは『意図せず起きた不幸』であり、お前が俺についてきていることはお前の意思だ。つまりお前は自分から不幸になりに来ている、そんな奴にはラッキーは降ってこない!」

 

均衡を崩しに来るような人間にはさらなる不幸が待っている、何かにもそう書かれている。

 

「…私、これから先もっと不幸になるの?」

「いや?お前が俺といることを不幸だと思わなければいいだけのことだ」

 

黙って聞いてりゃチピ…いや罰ゲームだのなんだの。

 

「言ってないけどね」

「行間を読むって言うのはこう言うことだ。保護者面したいなら最後までこれがデフォだと思って付いてくるんだな」

「…はぁ」

 

ため息をつくと幸せは逃げると聞くが、その分だけ他の人間に幸せが回って、代わりに不幸が宿っている。という説がまことしやかに囁かれているとか、いないとか。

 

「で、決めたの?」

「あぁ、これにする」

「カップケーキ…悪いチョイスじゃないんだけど、作るっていう選択肢は無かったの?」

「やだよ、俺ヤンデレ女子になりたくないもん」

 

不幸な思考で髪の毛とか血とか平気で入れるんだよ、ああいう人種(偏見)

恐ろしいったらありゃしない。

 

「カップケーキって別にケガするもんじゃないし…君、よく考え捻じ曲がってるって言われない?」

「いいや?至極真っ当な頭だ」

「真っ当な頭してたら彼女のカバンから財布抜き取って使おうとはしないんだよ?」

「ましろに不幸が訪れたなら、それ即ち俺に幸運のチャンス…」

「何言ってんのかさっぱりわかんないけど、君がバカなのは良くわかった」

 

不幸カウント+3、カウント効果で多分幸せ見ずらくなってると思う。

 

「さ、買ったなら帰るよ。ましろちゃんに財布返して謝らないと」

「そうだな。幸せ見ずらくなってるうちに戻ろう」

「やっぱりわからない…」

「あ、そうだ」

 

買った袋から1つ取り出して、二葉に差し出す。

 

「え、なに?」

「不幸オーバーカウント、ちょっとはマイナスにしてくれない?」

「何それ…」

「不幸カウント溜めすぎると周囲に影響及ぼすの、最悪死ぬ」

「え!?」

「嘘」

 

均衡が崩れたら消しに来るのはファンタジーの鉄板でしょうに。

 

「オーバーカウントまで至った不幸をちょっと減らしてくれれば、俺としても嬉しいなって」

「何、私の不幸だって言ったの、ちょっとわかってくれるの?」

「いやまったく。ついてきたのもそれ受け取ったのもお前の意思だし」

「だとしたらカウントは倍速く進むよ」

 

失礼な保護者だ。

こちとら見るからに不満そうな顔を少し和らげてやろうと思っただけなのに。

 

「でもまぁ…ありがとう」

「それでいいんだよ、じゃあ行くぞー」

「頼むから私の目の届く範疇にいて」

 

カップケーキ片手に俺の服を引っ張る二葉。

 

「早く食えよ」

「そう言うなら座ってもらっていいかな...!」

「はいはい、むすっとしない。カウントたまるぞー」

 

 

 

 

 


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