運命の悪戯ってあるんだと思う。タイミングこそ違うけど、友希那と同じ人を好きになったこと。そして、その人が好きになったのは私じゃなくて友希那なんだってこと。最初から最後まで、全部運命って名前の気まぐれな神様の悪戯なんだって。そう思わなきゃやってられない。
これでもちょっとは自信あったんだよ。ルックスにもある程度自信あったし、料理も得意。男子がよく言う家庭的な女子って自覚はある。友希那に負けることなんて音楽関係のこと以外何もない、はずだった。
負けるわけがないって思っても油断しないで振り向いて貰えるように努力してきたんだよ。彼の好きな料理も完璧にして、アレンジもできるようになったし、好きな特撮番組も全部見た。服装だって好みのブランドに揃えて、オシャレも頑張った。まぁ、自分でも重いかなって想うぐらいには頑張った。
でも、最後に彼に選ばれたのは私じゃなくて友希那だった。
勉強はできないし、朝寝坊なんか当たり前でだらしない友希那。好きなこと、音楽には不器用ながらもどこまでも愚直でかっこいい友希那。私に勝てることなんて少ないくせに、その少ない1つで彼を射止めた友希那。
なんとなくだけど、最初から彼に選ばれるのは私じゃなくて友希那なんじゃないかなって気はしてたんだ。彼の優しさに甘えて、友希那の弱さに漬け込んで蹴落とそうとしてたもん。もしかしたら蹴落とす以前に舞台に立ってすらなかったのかも知れないけれども。
あまりにも自分よがりな考えだったから、神様にダメって言われたんだよね。
卒業式の終わり、みんなと別れた後にふと立ち寄った公園。そこは私と友希那、そして彼が初めて会った場所。思いに耽るのは私一人、なんてわけもなく先客がいた。彼と友希那の二人、満開の桜の木の下で風もあって何を話しているかはよく分からない。二人が見たこともないぐらい幸せそうに笑い合ってて、胸の辺りが苦しくなった。ただ一つ、私の居場所は二人のところじゃないって事を理解した。
不意に吹いた強い風で桜の花びらが宙を舞う。歪む視界に最高の瞬間を収め、私は逃げるように家に帰った。
玄関をくぐってもただいまは言わない。カバンを放り投げ、制服のままベッドに体を預けた。
私が弱虫だから想いも告げずに散っていった最初で最後の恋心。
泣いたよ。いっぱい泣いた。いつの日か彼に貰った思い出のぬいぐるみを抱いて泣いた。
「私の方が先に好きになったのに」
嗚咽混じりに漏れ出た想いは愛憎入り混じった下劣で、最低な一言だった。
タイトルはシュンレンサンかハルコイチルとか適当です。今井に一番言って欲しいセリフ書きました