頭文字D マキシマムブースト   作:ライダーGX

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第104話 プライドの激闘!! 中編

遂に始まった涼介と琢磨、京一の三つ巴バトル、涼介と琢磨のFCとZS130が先行し、それを京一が乗るエボⅢが追いかける。

 

コーナーをドリフトで曲がって行くFCとZS130とエボⅢ、何本かコーナーをクリアしていく中で、京一は薄ら笑みを浮かばせながら何かを確信を持てていた。

 

「(勝てる! このバトル勝てる!! こうして後ろに付くと、高橋涼介と如月琢磨の動きがよく分かる。特に如月琢磨…お前は本当に別格だ、高橋涼介を破った貴様は本当に涼介を上回る存在だ…。だがそれはもう過去話しだ、もう俺は2人を見切ってる、もやもやしていた気持ちが吹っ飛んだぜ…)」

 

京一は心の中で勝利の核心を得ていた。

 

その気持ちを抑えつつも、涼介と琢磨を追う京一、エボⅢのミスファイアリングが作動し、バックファイヤーの様な炎がエキゾーストから噴き出る。

そして京一はある事を思い出していた。

 

「(涼介、そして琢磨! 俺は今でも覚えているぞ…。お前等にバトルに負けた後…お前に言われた事を!!)」

 

 

それは一年前、涼介と京一がいろは坂でのバトルの後、涼介が勝った後に京一は納得していない様子だった。

 

『涼介!いい気になるよ!? お前はプロの如月琢磨に負けて、少しでも下手になっていると思ったら平然としてやがる! それに峠の走り屋なんぞ俺は認めない!! どいつもこいつもろくもんじゃねぇからな!モータースポーツのテクニックがストリートに劣る事なんて1つもないんだ!!』

 

『お前がどう思うと勝手だが、峠には峠のテクニックがある、ジムカーナやサーキットのテクニックでは峠を極める事は出来ない。それに俺は琢磨に負けた後、自分の理論の更に奥深さを知った。アイツには感謝だな』

 

『嘘だ!あり得ない!! それに峠のテクニックがそんなのもんがあるなんて信じられるか!!』

 

『京一、これ以上…お前と不毛な議論をするつもりはない。いくら言い合っても答えは出ないからな』

 

その事に京一は歯を噛みしめながら涼介を睨む。

 

『お前の理論の正しさを立証したければ…俺と琢磨に勝って見ろ。それが出来なれば机上の空論だ…』

 

『っ!!いいだろう…その言葉…忘れるなよ!!』

 

そしてその後、京一は琢磨にバトルを申し込み、それを受けた琢磨はバトルを行った。

 

結果は琢磨の完封勝利だった。琢磨の卓越したドライビングテクニックとZS130の想像以上の走りに京一は言葉を無くした。

 

その後琢磨からこう言った。

 

『京一、闇雲に合理性を合わせようとするな。時に合理性が現実と全く合わない時がある、それを理解しないと今後のバトルでお前は勝てないだろう…』

 

『何!?合理性を合わせるなだと!? ふざけるな!!俺の哲学に間違いはない!!』

 

『ならお前の傲慢さが、今後の壁となって行くだろう…。お前の限界はもう見えているな…』

 

『ぐぅ…!!忘れねぇ…忘れねぇぞ琢磨!! 次こそは勝って、お前にこの悔しさを味合わせてやる!!』

 

 

 

そして今にその事を思い出しながら前を走る涼介と琢磨を見る。

 

「(涼介…琢磨、お前等は俺に言ったな。峠には峠のテクニックと無理に合理性を合わせるなと…、確かにその言葉通りに峠のテクニックも合理性も、意味がある…。だが今はどうだ!?最短距離を大胆にカットするライン取り、ヒール&トゥー、そしてゼロカウンタードリフトに、合理性のチューニングアプローチ。確かにお前等は速い…だがそれの何処が違うと言うんだ!?結局はどっちともレーシングテクニックその物じゃないか!! 速さに拘れば結局は行きつく先はモータースポーツのテクニックしかないんだ!俺の信念に揺らぐ事はない!!)」

 

京一はそう胸の内に言い放った際に、次のコーナーをFCとZS130の後ろに張り付く。

 

 

同時に次のコーナーでは、中里と慎吾、平八の三人がいる場所だった。

 

「来るぞ!どっちが頭だ!?」

 

そしてFCとZS130、エボⅢがやって来た。

 

「FCが頭で、後ろにZが張り付いています! さらに後ろにはランエボです!!」

 

「高橋涼介が先か!!」

 

中里がそう叫ぶ中で、京一が不適の笑みを浮かばせていた。

 

「(見せてやるぜ涼介、琢磨! この一年間の走り込みの成果をな!!)」

 

京一がアクセルを踏み、エボⅢを加速させて、ZS130をまず抜いて、FCの隣に並び、それに涼介と琢磨が横眼で見た後、コーナーに向かって走る。

それと同時に京一が再び笑みを浮かばせる。

 

「(ここからだ!ミスファイアリングシステムと四駆の進化は!!)」

 

アクセルを踏み、コーナーに突っ込み、インとアウトが変わるコーナーに入り、イン側に居るエボⅢが前に出る。

 

それは京一が得意とするカウンターアタック、京一はエボⅢのミスファイアリングと4WDのパワーを持ってそれをやり遂げたのだ。

 

それを見た中里達は驚きの表情をし、涼介は思わず「チッ」と舌打ちをする。

 

中里達はその光景に驚愕する。

 

「抜かれた!!高橋涼介のFCと、如月琢磨のフェアレディZが抜かれた!!」

 

中里がそれに叫び、慎吾と平八はそれに目を奪われていた。

 

だが一方、琢磨の方は何一つ表情を変えず、眼を細くしていた。

まるで先ほどのオーバーテイクが分かっていたかのように…。

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

そして頂上ではその報告がすぐに上がって来た。

 

『こちら第25番コーナー!! 涼介さんと如月琢磨のFCとZS130がエボⅢに抜かれました!!』

 

「何だって!?」

 

その無線に啓介と壮真と幸間、そして海斗達が驚きを隠せないった。

 

啓介はそれを聞いてすぐに黙り込む。

 

「(兄貴がこうもあっさりと抜かされるな…、須藤京一…想像以上に速い!)」

 

そう啓介は思っている中で、壮真が無線機である事を問う。

 

「1つ聞かせてくれ。俺の兄貴のZS130はどんな感じだ? 遅れてたか?」

 

『い、いや。そのまま涼介さんのFCに付いて行っている。それが?』

 

「いや、それを聞けただけでいい」

 

そう言って無線機を史浩に渡し、それに啓介は問う。

 

「何か引っかかるのか?」

 

「いつもの兄貴じゃないな…。兄貴ならどんな相手でもすぐに前に出て、一気に抜き去る筈なのに、まるで須藤の動きを待っていたかのように…」

 

「何?」

 

壮真の問いに啓介は思わず耳を疑った。

 

 

 

再び涼介と琢磨、京一の方では、京一が先頭に立ち、涼介と琢磨がそれを追いかける形となる。

 

その様子をギャラリーに来ていた葉一と純恋が見ていた。

 

「京一のエボⅢが前か…。京一の奴、恐ろしい車に仕上げたもんだな…」

 

「ねえ葉一、このバトルどうなるの?」

 

純恋がこのバトルの勝敗の事を問い、それに考え込む葉一。

 

「あの京一が前に出てしまっては、再び抜き返すかどうか難しいな…、今のあいつのエボⅢはミスファイアリングシステムと4WDのトラクションが想像以上にマッチしている。これを超えられるかどうか…」

 

そう葉一が語り、純恋はその様子を見る。

 

 

そして英太と百合華が居るコーナーの辺りで、三台がやって来て、もの凄いスピードで駆け抜けていく。

 

それを目の当たりにした英太と百合華。

 

「ひゅ~!すげぇな…、須藤のエボⅢがあそこまで速いとはな~。琢磨の奴…どう逆転するかどうか…」

 

「そうね…(あの走一君を負かした人が、どんな風に逆転されるか。ちょっと興味が沸くわ)」

 

 

 

 

そして涼介と琢磨は追い抜かれた後に、後ろからその様子を見ていた。

 

特に琢磨は…。

 

「(…京一、いい車にはなったが。()()だがここまでだ)」

 

すると琢磨が横に出ては前に出始め、それに涼介は横を見る。

 

一瞬琢磨の目線と合い、それに涼介は何かを悟った。

 

「フッ(ここで行くか…。相変わらずだな)」

 

「(すまないな涼介、これが俺の本来のスタイルだ)」

 

アイコンタクトをした後、琢磨は一気にブーストを掛けてはエボⅢの横に並ぶ。

 

すると京一もその事に驚きを隠せないでいた。

 

「(何!!?)」

 

京一が驚く中で、琢磨は直ぐに前に出ては突き放していき、まるで疾風の様に去って行くのを、京一は目を見開いた。

 

「(ば!馬鹿な!? こうもあっさりと抜かされて行った…!? 俺のミスファイアリングシステムと四駆のトラクションが奴には通用しないのか!? 何故だ!!何故こうも俺はアイツに…!!)アイツには勝てないんだ!!!」

 

っと言葉にしてしまう程、京一の悔しさが沸き出てしまうのであった。

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

そして秋名湖、走一達はまだその場所に居た。

 

「どうなってるのかな…バトル。もう終わっちゃったのかな?」

 

「それは分からない…、でも俺は少しだけだが須藤京一の走り、少しわかる気がする」

 

走一の言葉に彩音達が振り向き、それに道郎が問う。

 

「どういった所だ?」

 

「合理性…って言った所か、アイツは勝つためなら徹底的に準備をしては、圧倒的な性能差で勝つって所かな」

 

「走一…それ涼介さんや琢磨さんも言ってた。須藤京一さんは合理性が美学の人だって」

 

彩音がそう話し、それに走一は成程と頷く中で、拓海は何やら呟く。

 

「…合理性、それであんな事言ってきたのかな」

 

「何がですか?」

 

友梨佳は拓海が言った言葉に振り向き、拓海は言う。

 

「実はさ…ハチロクが壊れた後、ランエボのドライバーが言ったんだ。俺はバトルをしたつもりはないって…、もっといい車に乗り換えたら、もう一回バトルしてやるって」

 

「はぁ?何だそれ?」

 

イツキはその言葉に首を傾げてると、彩音達はそれに少しばかり重苦しい表情をする。

 

「やっぱり…、あの人、古い車だからそんな事言ったのかな…?」

 

「多分、いや、絶対そうだと思う…。じゃなか涼介さんや琢磨さんの前で言わないもん。あんな事…」

 

「思い出すだけでイライラするわ。“エンジンブローでハチロクはお釈迦だ”って。エンジン取り換えればまた走れるって言うのに、古い車だからなんだって言うのよ!?」

 

彩音と凛、真美の三人がそう語り、走一はその事を考えながら言う。

 

「須藤京一は、どんなに事を語っても、恐らく考えは変えないだろうな。いくら助言だからと言っても…」

 

「…そう言われてもな、俺にもプライドってもんがあるんだ」

 

そう語る拓海。

 

 

 

そして場所は変わり、野田修理工場では、文太と泰三、そして甚平たちが居て。目の前のハチロクとワンビアを見ていた。

和真と政志が軍手を見に付けてスパナを握る。

 

「よし!始めるとするか」

 

「ああ、明日の夜には秋名の峠でシェイクダウン出来るぞ。藤原豆腐店号、D1マシンの復活ってな」

 

「ちょっと待ってください」

 

っと誰かが呼び止め、それに文太達が振り向くと、そこには恵子達が居て、背後にはトラックがあったのだった。

それに泰三は恵子を見る。

 

「どうした恵子、呼び止めて?」

 

「これを持って来たんです。こっちです」

 

「はい、貴方達、急ぎなさい」

 

「「「はっ!」」」

 

恵子が純子に言い、純子がグラサンの黒服の男達がトラックの荷台を開けて、あるパーツを持ってくる。

それはワンビアの追加パーツの様なもので、それを見た泰三は恵子を見る。

 

「おい恵子。これは…」

 

「これは走一の新しいパーツです。これがないとまずあのエンジンは性能発揮しないでしょう」

 

「やれやれ、参ったな…」

 

文太はそのパーツを見てはハチロクとワンビアを見る。

 

どうやら走一のワンビアにエンジンだけじゃなく、新しいパーツが装着される様であった。

 

果たしてそのパーツはいかに…。

 

 

 

 




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