コズミック・イラ75.戦いはまだ続いていた。
ユーラシア連邦で続く独立運動と抑圧。
ブルーコスモス残党による侵攻。
事態を鎮静化するべくラクス・クラインを初代総裁とする世界平和監視機構コンパスが創設され、終わらぬ戦いに泥のような疲弊を重ねていた。

そんな彼らにある宙域で確認された謎のエネルギー反応の調査が依頼される。
彼らはそこで出会う。自分達とは異なる世界で異なる歴史を歩み、この世界にやってきた銀河最強のお人好し集団『αナンバーズ』、そしてそこに所属する過去の自分達と。

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SEEDシリーズとスーパーロボット大戦を知っている前提でキャラクターや機体のデザインなど諸々を省略しています。あらかじめご了承ください。


遥か遠い彼方からお邪魔します

 C.E.75。

 二度に渡る大戦によって世界各国が疲弊し、もはや新たな戦争など起こせないと思われていた。

 著しく国力を失ったユーラシア連邦政府では独立運動が相次ぎ、それ以外の国家もユニウス・セブンの落下による地球規模の災害の復興を、なんとか続けている最中だったからだ。

 だが、そう思われた時代にも争いの火種は残っていた。コーディネイター排斥思想になり果てたブルーコスモスは、盟主を立て続けに失いながら今も新たなリーダーを迎えて、活動を続けていたのである。

 

 これに対し、余力を残していたオーブ連合首長国が主導し、プラント、大西洋連邦は共同で世界平和監視機構コンパスを設立した。

 二度の大戦を終結に導き、平和の歌姫と名高いラクス・クラインを総裁に迎えたコンパスは、地球上各地でテロ活動を行うブルーコスモスを主な対象の活動としていたが、その日、彼らに齎されたのは地球に近い宙域で確認された異常現象の情報だった。

 

 現場に到着したスーパーミネルバ級ミレニアムを母艦とするヤマト隊を迎えたのは、未知の機動兵器群だった。

 地球連合ともザフトとも異なるデザインと未知の動力源で稼働する機動兵器は群れを成し、キラ・ヤマト達からの呼び掛けの一切を無視して、一方的に攻撃を加えてくる。

 

 ヤマト隊隊長キラ・ヤマト准将の駆るMSライジングフリーダム、シン・アスカのイモータルジャスティス、ルナマリア・ホークのゲルググメナース、アグネス・ギーベンラートのギャンシュトロームの五機は、数倍する数の敵に包囲されている。

 ハーケン隊のゲルググメナース三機は、後方で待機する母艦ミレニアムの直掩に当たっているが、こちらにも数機の敵機が襲来して対応中だ。

 

「応答もなく一方的に、なにがしたいんだ!」

 

 地球圏最強のパイロット、その一角たるキラは新たな翼ライジングフリーダムを縦横無尽に駆りながら、四方から襲い掛かってくる敵機に対し、憤りを滾らせていた。

 ただでさえ宇宙でも地球でも無残なテロ活動を行うブルーコスモス残党を相手に、心のきしむような戦いを繰り広げているストレスが、彼の心を苛んでいた。そこにまったく未知の敵対的な存在の出現が重なり、キラの表情に険が色濃く浮かんでいる。

 

 彼らには知る術もないことだったが、彼らを襲っているのは天の川銀河の列強勢力ゼ・バルマリィ帝国(通称バルマー、エアロゲイター)の機動兵器シュムエル・ベン、ハーガイ・ヤッド、エスリム・ローシュと呼ばれる機体群だ。

 本来ならばこの世界には存在しない筈の彼らとの遭遇は、キラ達にとって不幸の一言しかない。地球圏とははっきりと異なる体系の敵機は、まるで自分の死を厭わぬ戦いぶりもあって、キラ達をしてもなかなかの手強さだった。

 

「なんだ、こいつらは命が惜しくない。……違う、もっと違う、命がないような」

 

 イモータルジャスティスを操るシンは四方から放たれるビームを軽やかに避け、シールドで受けながら直感的に未知の敵の正体を看破していた。確信の無いままにキラを真似た不殺行為を捨てて、本能的に必殺の攻撃を繰り出している。

 本能的に未知の敵が生体CPUとも違う存在と察し、容赦のない攻撃を重ねるシンと早々と敵と割り切ったアグネスが、最も効果的に戦えていた。

 

「隊長、こいつらなんか変ですよ! 多分、人間は乗っていないと思います」

 

「シン? 確かにこれまで戦ってきた相手とは」

 

 キラは彼がこれまで戦ってきた生体CPU、ブーステッドマン、エクステンデッドと呼ばれていた者達を連想していたが、彼らのような無理やり植え付けられた攻撃性も感じられず、訝しんではいたのだ。

 ただ、その代わりと言っては何だが、モニター越しにも怖気の走るような不気味な圧を感じていた。

 

「それなら!」

 

 激しい戦闘機動の最中に投擲したシールドブーメランと合わせ、ライジングフリーダムの全身に装備された火器が展開し、キラの卓越した技能と情報処理能力によって、その全てが別々の敵機を捕捉し、瞬く間に敵機を貫く。

 瞬時に複数の敵機を撃墜する神業を前にしても、敵機の勢いは止まらない。アグネスとルナマリアも奮闘しているが、疲れも恐怖も見えない敵機の波状攻撃に徐々に押し込まれるのが見て取れた。

 

 二度の大戦でプラントを含め、地球の全勢力が疲弊しきっているというのに、まったく異なる技術体系の新型機をこれほどの数を用意できるとは、いったい誰が?

 まさか異世界からの忌まわしい来訪者と知らぬキラには、戦いながらもその疑問が付きまとって離れなかった。

 

 奮闘を続けるキラ達に更なる悲報が齎される。バルマーに更なる援軍が重なり甲虫を思わせるメギロートと海獣を思わせるヨエラという無人偵察機の大部隊がやってきたのだ。

 敵機の総数が百近くにまで膨れ上がり、自分達がなにかしらの罠に嵌められた可能性と撤退の二文字がキラの脳裏に浮かび上がった時、敵の増援の更にその向こうから無数の火線が伸びて、メギロート達を跡形もなく吹き飛ばしてゆく。

 

「あれは陽電子砲? ローエングリン? っ!?」

 

 見覚えのある光にキラがコックピットの中で驚きを露にし、更に続いて戦闘宙域に向けて発せられた広域通信の内容とその声により驚きを大きくする。

 

『こちらは地球連邦軍独立遊撃部隊αナンバーズ所属アークエンジェル。戦闘中の部隊へ、これから貴隊を援護します』

 

 それは本来なら地球で活動中の同胞たる巨艦アークエンジェルの白亜の姿、そして声の主はアークエンジェルの艦長マリュー・ラミアス大佐の声だったからだ。

 どうして? なぜ彼女らがここに居る? キラばかりでなくシンやルナマリア、後方の宙域で戦闘中のミレニアムにも動揺が走る中、キラの驚愕は天井知らずに広がってゆく。

 

 救援に駆けつけたのはアークエンジェルばかりでなく、ザフトで建造されたエターナル、更にアークエンジェルよりも更に巨大な地球連合風の宇宙戦艦の姿もあったからだ。

 それらの艦隊から先んじて出撃してきた機動兵器の中に、かつてキラの愛機だったフリーダム、親友アスラン・ザラの愛機ジャスティス、それにムウ・ラ・フラガの愛機ともなったエールストライク、今はザフトで情報部に所属するイザーク・ジュールのデュエル・アサルトシュラウド、ディアッカ・エルスマンのバスターの姿まであれば、まるでタイムスリップでもしたような感覚に襲われる。

 

 旧式も旧式の機体達だが、それに加えてどの機体もどうやら万全の状態ではないらしいのが、見て取れるほどだ。それでもキラやシンが驚くほどのパフォーマンスを発揮して、バルマーの部隊を蹴散らしてゆく。

 この時キラは懐かしさすら覚えるフリーダムやストライクの姿に目を奪われていたが、これらの機体以外にもガンダムステイメンやνガンダム、Zガンダム、VF-1S、Aなどの機体が出撃していた。

 

 キラ達は知らない。アークエンジェルのマリューも、フリーダムを操るキラも紛れもない本物であり、彼らが自分達とは異なる世界からやってきた来訪者であることを。

 彼らが銀河大戦の最終局面にて、霊帝ケイサル・エフェスと死闘を繰り広げたダメージを癒しきれず、万全ならざる機体や予備機に乗り換えて、救援に駆けつけてくれたことを。

 バルマーの機体を操るのが、ネシャーマと呼ばれる霊帝が手駒とした怨霊であり、それらが思わぬアクシデントによって、このコズミック・イラの世界にやってきたのを。




スパロボ側のフリーダムやジャスティスを、ガンバスターを造れる世界の技術力で造られた機体として、めちゃくちゃ強くするか悩み中。

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