俺ガイルの比企ヶ谷の代わりに燃堂を入れてみた。斉木楠雄の二次創作もっと増えろ!
職員室。金髪モヒカンのケツアゴ大男——燃堂力は担任の平塚静に呼び出されていた。
「…なぁ 燃堂 私が授業で出した課題はなんだったかな?」
平塚は椅子で足を組み、タバコを咥えながらどこか疲れた様子で燃堂を見上げる。
一方燃堂は凶悪な笑み(第三者視点)で、自身を呼び出した女教師を見下ろしていた。
「へへ なんだよ先生忘れちまったのか?あれだよ おおきく振りかぶってをテーマに作文書くってやつ」
「そんな読書感想文をお前に書けと言った覚えはない。私が出した課題のテーマは 高校生活を振り返って だ」
頭が痛いと言った様子で平塚は眉間を押さえる。
「お? そうだったけ?」
「ああ そして君が実際に提出したものがこれだ」
そういうと平塚は、手に持っていた作文用紙を燃堂にも見えるように職員机に置いた。
ダチとたくさんあそんだ。
べんきょうはムズかしかったけど、がっこうせいかつはスゲーたのしかった!
ねんどうりき
「小2の絵日記か!」
平塚は思わず声を荒げた。
「お?」
「なんだこの文字数は?舐めているのか!明らかに文量が足りてないだろ、用紙の8分の7が白紙じゃないか! あと書くならもうちょっと具体的なことを書け!これじゃなにひとつ分からん! そしてなぜ小学生レベルの漢字も書けないんだ?せめて自分の名前ぐらい漢字で書け!お前どうやってこの高校入ったんだ!」
一息に言い切ると、平塚は息を乱しながら頭を抱えた。
しかし燃堂は意に介した様子もなく、それどころか右手で自身の頭部を押さえると頬を染めた。
「おいおい先生よぉ あんま言わねぇでくれや、照れるじゃねぇか」
「誰も褒めていない。ハァ…どこぞの幼稚園児でもあるまいしこんなツッコミを私にさせるな」
平塚は短くなったタバコを灰皿に押し付け、ポケットから新しいタバコをとり出した。
「だいたい君、ダチと遊んだとあるが本当に友達はいるのか? 確か部活もやってなかったし、クラスでも結構浮いてたろ?」
「お?ダチか?ダチならいっぱいいるぜ、相棒だろ、チビすけだろ、転校生だろ…」
燃堂は指を曲げながら確認していく。
「相棒…?ああ…3組の斉木のことか、確かに君が斉木を中心にしたグループの連中とつるんでいるのは見たことあるな」
”おいふざけるな 勝手に僕をグループの中心にするんじゃない”
「へへ…まあな、おれっちと相棒はズッ友よ」
”ズッ友じゃない”
「なるほど確かに、君は他クラスには何人か友人がいるみたいだな、しかし君が自分のクラスではイマイチ馴染めていないこと、部活動を行っていないこと、ふざけた作文で私に心労を与え、過剰なニコチンを摂取させた罪、その他諸々を考慮し…」
平塚はそこで一拍あけ、燃堂に指をさしながらなにか重大な事を発表するかのように言った。
「君には奉仕活動をしてもらう!」
「お?ほーしかつどう?なんだぞれ?」
「おいおい分かるさ、まあとりあえず付いてきたまえ」
吸いかけのタバコをまたも灰皿に押し付けると、椅子から立ち上がり、平塚は職員室のドアを開け廊下へと歩いて行った。
「おー!なんか知らねえけどついていきゃいいんだな」
——————————————————
燃堂が平塚の後について行きしばらくすると、平塚は一つのドアの前で足を止めた。
「着いたぞ」
そこは渡り廊下を超えた先にある、特別棟の一見何の変哲もない普通の教室であった。
「お?ここでなにすんだ?お?お?お?」
「はぁ、燃堂お前もう少し静かに着いてこれないのか?…まあいい、詳しいことは中にいるやつに聞いてくれ」
平塚は教室のドアを開けた。
そこには—————
1人の女子生徒が読書をしていた。
隅っこに机と椅子が積み上げられた以外は特別な内装もない。至って普通の教室である。
———けれど、世界がが終わった後も彼女はここでこうしているじゃないか。そう燃堂は錯覚——”する訳ないだろ”
女子生徒は平塚達に気づくと、本から顔をあげ、口を開いた。
「平塚先生、入る時はノックをお願いしたはずですが」
「ノックをしても君は返事をした試しがないじゃないか」
平塚は意に介した様子もなく返す。
「返事をする間もなく、先生が入ってくるんです」
すると女子生徒は平塚に向いていた視線を燃堂に移し尋ねた。
「それで、その見るからに犯罪に手を染めてそうな人は?」
「お?そんやついんのか?」
と言って自身の後方を確認し始めた燃堂を無視し、平塚は答えた。
「彼は燃堂、入部希望だ。燃堂、君には彼女の下で奉仕活動を行ってもらう」
「冗談ですよね?」
「いや?私は本気だ」
「彼と2人きりになったら何をされるかわかりません。強烈な身の危険を感じるのでお断りします」
雪ノ下自分の胸を手で隠しながら燃堂のことを睨め付けた。
「おいおい…確かに君が言いたいことも分かる。だが彼もあんななりをしているが悪いやつじゃないんだ、むしろ心根は優しいやつだと私は思っているよ」
「へへへ 心配すんな、おれっちこう見えて女子供には優しいからよ オメェがちゃんとコーセイできるように優しく面倒見てやるぜ」
「面倒見られるのはお前だ。じゃあ雪ノ下そう言うことだ、後は任せたぞ」
そう言って平塚は足早に教室を出て行ってしまった。
「先生!私まだ依頼を受けるなんて一言も言っていません!…もう」
雪ノ下の声が聞こえなかったのか、はたまた聞こえた上で無視したのか定かではないが、ともかく平塚の足は止まることなく教室には雪ノ下と燃堂の2人が残された。
「おう じゃ部活初めっか おれっちは何すりゃいいんだ?」
「今は何もしなくていいわ、この部活は依頼人が来ない分にはやる事がないもの」
「おー!そうだったんか!」
燃堂はそういうと適当近くの椅子に座り、ぼうっと天井を見つめ始めた。
およそ30秒ほど、教室内は静寂に包まれる。
「…………」
やがて燃堂は椅子から立ち上がると
「じゃあ帰っか」
と言って廊下へと向かっていくが、その行動は雪ノ下によって制止させられた。
「まだ帰る時間ではないわ、おとなしくそこの椅子に座ってなさい」
雪ノ下にそう言われ、しぶしぶ椅子に座り直した燃堂であったが、顔には不満が現れていた。
「つってもよぉ誰も来ねえじゃねぇか やることもねぇから退屈だぜ」
雪ノ下は読んでいた本にしおりを挟挟むと軽くため息をつき、燃堂に視線を向けた。
「分かったわ、じゃあゲームをしましょう」
「お?ゲーム?」
「そうよここが何部か当てるゲーム。さあここは何部でしょう?」
それを聞いて燃堂は、先程までの不満顔をすっかり引っ込め、鼻の下を擦りながら笑いはじめた。
「へへへ いいじゃねぇかおれっちはガキの頃PK小の光彦くんって呼ばれたこともあっからよ こんだけヒントがあったら楽勝だぜ」
「それってどうなのかしら?褒め言葉としても悪口としても弱い気がするけど」
「よっしゃー! やっぜー!」
燃堂は教室内を見渡してみる。特別なものは何もない。部員もどうやら自分を除けば彼女1人のようだ。さらに彼女は先程依頼人という言葉を使っていた。つまり…
「へへ 分かったぜここは……」
燃堂はそこで勿体ぶるように一拍あけ、ゆっくりと口を開いた
「アマチュア無線部だろ?」
「その結論に至るまでのあなたの思考回路が何一つ分からないわ」
—————————————————
十数分後
平塚が部室に戻ってみると、2人の話し声がドア越しにも聞こえてきた。
「お?じゃあ混成合唱部か?」
「いい加減にして。私1人でどうやって合唱するのよ、それに仮に合唱部だったとしたらいくら先生の頼みだからといってあなたの入部を許可しないわ」
平塚がわざと音を出しながら教室のドアを開けると、2人の視線が同時に平塚を貫いた。
「どうやら燃堂の更生には手こずっているようだな」
もはや雪ノ下はノックの事を注意する気力もないのか、疲れたように口を開く。
「はぁ…彼が日本語を理解できていないせいです」
「うむ、まあ正直こうなるのではないかと私も薄々予感はしていたよ」
「んでよ 結局ここは何部だったんだよ?おれっちさっぱりわかんなかったぜ」
2人の会話の切れ目を縫うように横合いから燃堂が尋ねた。
「なんだ、そんなことも説明していなかったのか?」
平塚に言われ、雪ノ下は少し気まずそうに目を瞑った。
「よろしい、ならば説明しよう。今からお前に入ってもらう部活は奉仕部。奉仕部の目的は端的に言ってしまえば、自己変革を促し悩みを解決する事だ。私は改革が必要だと判断した生徒をここへ導くことにしている。精神と時の部屋と思って貰えばいい。それとも少女革命台と言った方がわかりやすいか?」
「先生そんな説明で彼が理解できるとは思えません」
「へへ あんまりおれっちをバカにすんじゃねぇよ、つまりここは四次元ポケットの中ってことだべ?」
「全く違う」
自信満々にいう燃堂であったが、その答えは平塚によってバッサリと切り捨てられてしまう。
「とにかく君はここで他生徒の悩みを解決していけばいい、君の更生については雪ノ下が上手くやってくれるだろう」
雪ノ下が何かを言おうと口を開きかけたが、それ燃堂によって遮られた。
「つーかよ おれっち別に直したいとこなんてねーぞ?」
その言葉により教室には再度沈黙が訪れた。