転生とらぶる2   作:青竹(移住)

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4771話

「さて……ヒロアカ世界での諸々が無事に終わったことを祝って……乾杯!」

『乾杯!』

 

 俺の言葉と共に部屋にいる面々が手にしたコップを掲げ、近くにいる相手とコップをぶつけて、飲み干す。

 ちなみに当然のことではあるが、参加者達が持っているコップの中にはウーロン茶や麦茶、ジュースといった諸々が注がれているものの、酒の類は一切ない。

 まぁ、ここにいる面々は俺が酒に極端に弱い……どころか、何が起きるのか分からないというのを知っているので、それも当然だったが。

 なお、このパーティはシャドミラーとしてのものというよりは、あくまでも俺の身内としてのものである以上、参加しているのは恋人達と養子の面々だ。

 具体的には、レモン、コーネリア、マリュー、あやか、千鶴、円、美砂、スレイ、シェリル、凛、綾子、ミナト、エリナ、ゆかり、美鶴、マーベル、シーラ、シーマ、モニク、クスコ、クリス、クーデリア、ヤオモモ、一佳、三奈、龍子、優、流子、信乃の29人に、養子のルリ、ラピス、壊理の3人となる。

 俺の家のリビングはかなりの広さがあるのだが、さすがにこれだけの人数が集まるとちょっと狭く感じるな。

 あるいは部屋を拡張すべきか?

 そうも思ったが、こうして全員が集まるということは滅多にないのも事実。

 ペルソナ世界組、UC世界組、ヒロアカ世界組は基本的に普段は自分の世界で暮らしているしな。

 勿論、将来的には俺の家で暮らすという事になるのだろうし、自分でも多くの世界で恋人を増やし来るのを思えば、そう遠くないうちに家の拡張工事はした方がいいのかもしれない。

 養子についても、ルリ、ラピス、壊理と恋人達程ではないがそれなりに増えている訳だし。

 

「ねぇ、アクセル。ちょっといい?」

「うん? どうした?」

 

 パーティ用の料理として超包子に頼んだ各種料理……中華料理以外にも、色々な料理が並べられている中で、北京ダックを食べているとレモンにそう声を掛けられる。

 ちなみに北京ダックというのは、本来ならあくまでもパリパリに焼いた皮を……何だろうな? 小麦粉を焼いた生地? に載せ、薬味やソースと一緒に巻いて食べるらしいのだが、俺の場合は皮だけではなく肉も普通に一緒に巻いて食べている。

 そんな北京ダックを一度皿に置き、レモンを見た。

 

「ちょっと話があるのよ」

「何だ?」

 

 声を掛けてきたレモンの様子を見れば、別にそこまで真剣そうな様子はない。

 つまり、何か悪い報告という訳ではないのは明らかだろう。

 

「実は……アクセルが次の世界に行くのを、少し待って欲しいの」

「は?」

 

 レモンの口から出たのは、俺にとっても予想外の言葉だった。

 レモンにしてみれば、未知の世界の技術を集めるという意味で、より多くの世界に行って欲しいと思ってもおかしくはない。

 だというのに、まさかレモンから少し待って欲しいと言われるとは思っていなかった。

 

「何でまた急にそんな事を?」

「ヒロアカ世界で入手した技術や情報は、それだけ大きいのよ。……特にアクセルが入手した、個性因子であったり、その研究データであったりとかは凄いわ。それこそ、もし可能なら技術班に殻木をスカウトしたいくらいよ」

「……そこまでか」

 

 レモンがこういう風に言ってくるという事は、殻木はそれだけ優秀だったという事なのだろう。

 まぁ、AFOの片腕として行動してきた事を思えば、当然かもしれないが。

 実際、エンデヴァーとホークスの2人を敵に回して追い詰めるだけの強さを持つ脳無を作る事が出来たのだから。

 

「ええ。……もっとも、実際に欲しいかと言われると首を横に振るけどね。能力は高い。それは間違いないけど、倫理観的な問題がね」

「あー……まぁ、そうだろうな」

 

 脳無は死体を繋ぎ合わせて作られた、フレッシュゴーレムと呼んでもいいような、そんな存在だ。

 であれば、そのような存在を技術班に入れたらどうなるか……

 俺には最悪の結果しか想像出来ない。

 

「ただ、能力は高い以上、殻木が持っていた個性因子とか、それ以外の研究も興味深いのがあるのは間違いないのよ。場合によっては、個性因子を投与する事によって、個性を自由に使えるようになる……そんな未来があるかもしれないわ」

「擬似的なAFO……というのは、ちょっと違うか?」

 

 個性を与える事は出来るが、個性を奪う事は出来ない。

 あるいはAFOを研究する事によって、将来的には自由に個性を奪うといった事が出来るようになったりしても、おかしくはない。

 ……まぁ、ヒロアカ世界でそれが認められるかどうかは微妙なところだが。

 

「ふふっ、それはいいわね。それを目当てに頑張ってみようかしら。……後、ヒロアカ世界はサポートアイテムを見れば分かるように、技術力もかなり高いから、そっち方面についても、吸収したいわね」

「そんな諸々によって、暫くは個性やサポートアイテム……ヒロアカ世界の研究に集中したいと?」

「ええ。上手くいけば、Fate世界のギルガメッシュの時のように、量産型Wを一段上の存在に引き上げる事が出来るかもしれないわ」

 

 なるほど。

 レモンにとって、量産型Wというのはかなり重要な研究対象だ。

 ましてや、シャドウミラーという国にとっても、量産型Wは非常に大きな意味を持つ。

 シャドウミラーは純粋に国として見た場合、その人数は決して多くはない。

 それこそ国どころか県……いや、市……街……村といったくらいの人数しかいないのだから。

 それでも国として成り立っている理由は、量産型Wの存在が大きい。

 ……別に量産型Wが全てとまでは言わないが、それでも非常に大きな意味を持つのは明らかだ。

 だからこそ、その量産型Wの性能が今以上に上がるのであれば、俺としては歓迎したい。

 歓迎したいのだが……

 

「レモンなら大丈夫だとは思うけど、量産型Wが自我を持って反逆してくる……なんて事にはならないよな?」

 

 W17……ラミアの件もあるので、レモンなら大丈夫だとは思うが、それでも絶対に大丈夫とは断言出来ない。

 

「大丈夫よ。Wナンバーズならともかく、量産型Wなんだから」

 

 それ、フラグじゃないだろうな?

 レモンの言葉にそう突っ込みたくなるものの、止めておく。

 そう突っ込むと、それこそフラグになりそうな気がしたからだ。

 

「話は分かった。なら、そっちについては任せる。ガンドとかのように、量産型Wが個性を使えるようになるのを期待してるよ」

 

 金ぴかの腕と凛の魔術回路の研究によって、今の量産型Wはガンドといった簡単な魔術なら使える。

 凛のように強力な一撃という訳ではないが、それでも有効な攻撃手段であるのは間違いない。

 

「ほら、アクセル。いつまでもレモンと話してないで、こっちに来なさいよ。私達はまだ新しい恋人達の事をあまり知らないんだから、ホストのアクセルが気を配らないと駄目でしょ」

 

 そう言い、ミナトが俺を引っ張っていく。

 レモンは……と視線を向けると、そこではレモンが艶然とした笑みを浮かべて俺を見送っていた。

 しかも、手まで振って。

 おい、と突っ込みたくなった俺は、決して間違ってはいないだろう。

 とはいえ、確かにパーティの中でレモンと話し込んでいたのはどうかと思うので、ミナトと共にヒロアカ世界の恋人達の側に行く。

 もっとも、俺がいかなくてもそこは恋人達同士で色々と話していたが。

 ヒロアカ世界の恋人達はプロヒーローだったり、あるいはプロヒーローを目指している雄英の生徒だったりする。

 そうなると、コミュニケーション能力の類も重要になる訳で、その辺の問題だろう。

 ……既にプロヒーローの相澤だったり、A組の爆豪やB組の物間といったように、コミュニケーション能力? 何それ美味しいの? といった者達もいるが。

 

「よう、一体どんな話で盛り上がってるんだ?」

「個性というのを体験していたのよ」

 

 そうマーベルが言ってくる。

 他の面々もそれに頷いているのを見れば、その反応は間違っていないだろう。

 

「個性? ……信乃か」

 

 マーベルを始めとする面々と話していたのは、信乃と流子。

 プッシーキャッツ組と言ってもいいだろう。

 だが、流子の個性はあくまでも土をコントロールする事であって、無から土を作ったりは出来ない。

 また、ここにも当然のように土はないので、個性を使うことは出来なかった。

 流子が土を持ち歩いていれば、また別だろうが。

 そんな訳で個性を体験するとなると、ここはやはり信乃になるだろう。

 テレパシーは何かが必要とか、そういう個性でもないしな。

 

「仮契約のカードがなくても、念話が出来るってのは便利だよね」

「あのね、美砂。仮契約のカードがあればお互いに意思疎通が出来るけど、信乃の個性だとテレパシーを受け取るだけで、こっちからは発信出来ないでしょ? そういう意味だと、仮契約のカードの方が便利だと思うわよ?」

 

 美砂の言葉に円がそう突っ込む。

 実際、円の言うように信乃のテレパシーは連絡手段としては非常に便利だが、色々と欠点もある。

 

「では、信乃。アクセルに対してもテレパシーは出来るのか?」

「っ!?」

 

 美鶴のその問いに、信乃の顔は真っ赤に染まる。

 

「ねこねこねこ。信乃は林間合宿の時にそれを試そうとして、いけない感覚を覚えてしまったんだよね」

「ちょっ、流子!?」

 

 暴露する流子の言葉に信乃が襲い掛かる。

 言ってみればじゃれ合いだったが、さすがプロヒーロー。そのちょっとしたじゃれ合いであっても、身体の動かし方が凄い。

 もっとも、それを言うのならシャドウミラーの面々も毎日のように鍛えているので、問題はなかったが。

 ともあれ、そんな面々から離れると他のグループに向かう。

 

「ええええっ!? 貴方……その年齢差はちょっと問題じゃない!?」

「ほう、面白い事を言ってくれるねぇ……」

「ばっ、こら! 優!」

 

 龍子が優の頭を思い切り殴る。

 シーマはそんな2人の様子に、笑みを浮かべていた。

 ……もっとも、それは友好的な笑みではなく、獲物を前にした捕食者的な笑みだったが。

 龍子もそれが分かっているので、優を思い切り殴ったのだろう。

 

「ぐ……が……」

 

 あまりに手加減抜きだった為か、優は何も言えなくなっていた。

 ……まぁ、うん。そっちには構わない方がいいな。

 そう判断し、俺はそっと離れる。

 なお、シーマの側にいたコーネリアやモニクが意味ありげに俺に視線を向けていたものの、そちらについてはスルーしておく。

 次に向かったのは……

 

「ずるいですわ……ゆかりの時も高校生でアクセル君に抱かれたのが羨ましいと思っていましたのに、ヤオモモさん達は高校1年で、ですの? 私達は高校を卒業するまではそういうのはなかったですのに」

「そうよねぇ……あやかの言う通り、本当に羨ましいわ」

「あ、あははは……えっと、その……あまりそういうのをあっけらかんと言われると、ちょっと困るな」

 

 あやかと千鶴、他にも何人かいる中で、一佳が困ったように言う。

 それでも口が利けるだけいいだろう。

 ヤオモモと三奈の2人は、顔を赤くして何も言えなくなっているのだから。

 ……俺に抱かれる前は、ヤオモモは性的な知識については疎かった。

 しかし、今では色々と……かなり上級者用の知識も持っている。

 何しろ、多人数プレイですら既に経験してるのだから。

 

「えっと、でも……その、千鶴さん? は、その……」

「あら、何かしら?」

「あ、何でもないです!?」

 

 オホホホホと笑い声を上げ、どこからともなく長ネギを手にする千鶴に対し、三奈はあやかの言葉でピンクの皮膚の色からでも分かる程に赤く染まった顔を青くしながら慌てて言う。

 ……プロヒーロー予備軍の勘が、危険を察知したといったところか。

 その辺りについてはさすがといったところだろう。

 

「あら、言ってもいいのよ?」

 

 だが、千鶴は三奈を逃がさない。

 千鶴に詰められた三奈は、慌てたように何かを言おうとして……

 

「えっと、その……アクセル君の巨乳好きは筋金入りなんだなって思って!」

 

 おい。

 そう突っ込みたくなったが、今ここで俺が何かを言えば、間違いなく面倒な事になるだろう。

 

「何故、そう思ったのかしら?」

「だって、ほら。私が知ってる限りだとヤオモモの胸が一番大きくて、雄英では発育の暴力と呼ばれていたのに、千鶴さんを始めとして、ヤオモモより巨乳の人がかなりいるじゃないですか!」

「ちょっ、三奈さん!?」

 

 ヤオモモが慌てたように三奈に言う。

 ……この辺も性的な知識を得た結果の行動だろう。

 

「へぇ……それは色々と詳しく話を聞かせて欲しいわね」

 

 そんな三奈に声を掛けたのは、クリス。

 ……まぁ、うん。

 クリスは俺の恋人達の中でも決して胸は大きくない方だ。

 平均くらいはあるのだが。

 三奈もそんなクリスの言葉に、クリスの胸の大きさを察し……何も言えなくなる。

 ご愁傷様。

 そんな風に思いながら、俺は他の者達のいる場所に向かって話をする。

 そして……この日の夜は今までで一番熱い……本当にもの凄い夜となり、俺の楽しい日々はまだまだ続くのだった。




さて、色々と急だと思いますが、転生とらぶるは一度ここで完結とさせて貰います。
ヒロアカ編の最後が駆け足になってしまったことからも、予想出来た人はいたかもしれませんね。
本当はもっと色々と書きたいことがあったのですが……年齢のせいもあるのか、最近では小説を書くのに集中力が続かなくなってきたんですよね。
知ってる方もいるかもしれませんが、私は現在転生とらぶる以外にも別の小説をカクヨムや小説家になろうで1日1話更新しています。
その為、1日2話を書くのが厳しくなってきました。
なので、転生とらぶるはここで一旦完結とさせて貰います。


ちなみにこちらも知ってる人は知ってると思いますが、私の仕事は農家です。
なので冬は特にやることもない……訳ではありませんが、それでも春から秋に掛けてと比べると圧倒的に暇なので、冬の間に小説を書き溜め、春以降も時間が出来た時には小説を書いたり、晴耕雨読という訳ではないですが雨で農作業が出来ない時に書いたりといった感じでしたが、集中力が続かなくなったのもあって、今年の冬はあまり書き進めることが出来なかったんですよね。
……そう考えると、番外編の聖刻群龍伝編をよく書けたなと自分でも思いますが。
そんな訳で転生とらぶるはこれで一度完結とします。
ただ、ある程度時間が経てばまた書きたくなって、多少の無理をしてでも……あるいは毎日ではなく何日かに1度なるかもしれませんが、再開するかもしれません。




ちなみにおまけという訳ではないですが、これから転生とらぶるでやりたいと思っていた作品のプロット……いえ、正確にはプロットの前の前くらいの思いつきを活動報告の方に書いておきますので、気になる方は活動報告をどうぞ。
もっとも、あくまでもプロットにもなっていない覚え書きに近い状態なので、転生とらぶるを再開した時にその通りになるとは限りません。
全く別の展開になる可能性があるというのを理解出来る方だけどうぞ。



それにしても、最初に暁で転生とらぶるの1話を投稿したのが2012年。
そして今は2026年ですから、そうなると14年もの間、毎日投稿を続けたんですよね。
私が投稿を始めた年に生まれた赤ちゃんがいれば、もう14歳の中学2年生になってる訳で。
そう考えると、感慨深いです。
ハーメルンに移ってきたのが2019年なので、こちらに投稿を始めてからも既に7年。
こうして考えると、暁とハーメルンで7年ずつ書いた事になるんですね。
こんな長い話を読んでくれた読者の方々、そしてハーメルンを提供してくれた運営の方々に感謝し、転生とらぶるを完結とさせて貰います。
気分が乗ってまた再開することがありましたら、その時はまた楽しんで貰えたらと。

皆さん、ありがとうございました。
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