【フレイヤ・ファミリア】は未到達領域を踏破するのを目的にダンジョンへと遠征をしている。目標としては【ロキ・ファミリア】が最近、というよりはベルも同行した遠征において到達した59階層を一つ越えた60階層を踏破する事が目的である。
そして、ヘディンはベルから59階層までの情報を聞いているし、ベルも51階層からは厄介なモンスターである酸性の体液を有している上に吐き出す事も出来る芋虫型の新種が出てくるし、59階層においては穢れた精霊という厄介に過ぎるモンスターが出てきたのもあり、【フレイヤ・ファミリア】の生還率を上げるために惜しみなく情報提供をしたのだ。
これにより、【フレイヤ・ファミリア】は【ロキ・ファミリア】が鍛冶最大派閥の【ヘファイストス・ファミリア】に頼んだように、【ヘファイストス・ファミリア】と勢力を競い合えるだけの鍛冶派閥である【ゴブニュ・ファミリア】に『不壊属性』の武具をオッタルとアレン、ヘディンとヘグニ、ガリバー四兄弟の八人の主力陣の分、頼んでいた。
勿論、それぞれが扱ってきた得物と同系統。つまり、オッタルは大剣の『不壊属性』であり、アレンは長槍、ヘディンは長刀、ヘグニは長剣、ガリバー四兄弟にして長男のアルフリッグは長槍、次男のドヴァリンは大槌、ベーリングは大斧、グレールは大剣とそれぞれが使う系統の不壊属性である。
これを深層域の安全階層である50階層まで温存しており、そうしてそれぞれが手にする。
ただヘディンによるとオッタルは『不壊属性』の武器すら自分の力で壊しかねないとか……。
ともかく、51階層からは【ロキ・ファミリア】がそうしていたように少数精鋭で進む事になり、その一党はオッタルにアレンとヘディンにヘグニ、ガリバー四兄弟とベルの九人という主力のパーティだ。
支援などを務めるサポーターとしてヴァンにラスク、レミリアにメルーナにヘイズと【フレイヤ・ファミリア】のLV.4の準幹部とも言うべきものが選ばれ、その中に随一の治療師であり、抜群の回復能力と戦線維持能力を有するヘイズも当然の如く、選ばれていた。
「ヘイズさん、また大変ですけど一緒に頑張りましょう」
「ふふ、勿論です。ただ、ベルにはしっかり癒してもらいますからね」
「僕に出来る事になら、なんでもしますよ」
「ふふ、本当に良い子ですね」
「はい、ベル様は良い子ですよ」
「ふひゅああ……」
時計が示す時間にて、翌日に選抜されたパーティで51階層へと向かって探索をしていくという方針なのでベルはヘイズは勿論、リリルカも含めてパーティの女性陣によって甘やかされ、可愛がられながら心身を蕩かされていったのであった……。