トレセン学園に地下バーがあったら…という妄想。

誰か続きを書いてほしい。

ちなみにカイピロスカのカクテル言葉は「明日への希望」

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アイオープナー

 

「ぷはぁ!、マスター(ミホトレ)もう1杯!」

 

 ガツン、とジョッキをたたきつけると上機嫌そうにスーツ姿の男は叫んだ。

 

「……いいが、飲みすぎだろうカレトレ(お兄ちゃん)

 

 "それとジョッキをたたきつけるな"、そう言うとカウンターの向こうにいる大男は足元にある冷蔵庫からビール瓶を取り出した。

 

「これこれ、やっぱA〇A〇Iだよなぁ」

 

 サンキュ、と男……カレトレはビールをミホトレから受け取ると自身のジョッキになみなみと注ぎ、飲み始めた。すると、カレトレの右に座っていた男二人が声を上げた。

 

「……いくら連休で担当が帰省してるからって飲みすぎだよ」

 

「そうだぜ、お兄ちゃん。お前顔真っ赤じゃねぇか」

 

 二人はカクテルグラスを置いたまま、カレトレのほうへ向かうと一人が空になったビール瓶を奪うともう一人がそばにあった瓶とまとめてカウンターテ-ブルに並べた。

 

「ほら、どんだけのんでるのさ。もういい加減最後にしなよ」

 

「うるへぇぞ、お兄様(シャワトレ)!お前だってそれ何杯目のカクテルだよ!」

 

「まだ、三杯目だよ!」

 

 "いいだろお前も明日休みなんだからさ"、"だからって"、そんな会話を続けていた二人を見て、もう二人はため息をついた。

 

「で、どうするんだ()()()()。シャワトレの言う通りビールも尽きてくるが」

 

 そうだな……、マヤトレは口元を隠すように考えるふりをするとミホトレのほうを向いて言った。

 

「ま、今日は人も来なさそうだしこれで閉めていいと思うぞ。どうせこいつはお兄様と連れ帰るからよ」

 

「ちょ、ま、待ってくれよ!」

 

 指をさされたカレトレは火照った顔を急にしおらしくする。

 

「なんだぁお兄ちゃんよ、まだ飲み足りねぇのかよ!?」

 

「マヤトレの言う通りだよ。今日は帰ろう」

 

 まだお前は飲むのか、それがこの場にいた大多数の意見だったがカレトレはくびをプルプルと横に振った。

 

「ち、違くて。今日は同期のやつ呼んでt『こんばんわ、やってますかね』ほら来た!」

 

 カレトレが言い終わらないうちにドアが開き、カレトレは向かった。

 

「あれ、君は……」

 

 そこにいたのは、一人の青年だった。背は高く、この中で一番背の低いカレトレと並ぶとまるで兄弟のように見えるほど二人には身長差があった。

 

「初めまして。自分はエイシンフラッシュの担当をしている者で……」

 

「あぁ、()()()()くんか。話には聞いているよ」

 

 そう言ってマヤトレはうなずくと、フラトレの方に向き直った。

 

「初めまして。俺はマヤノトップガンの担当でマヤトレと呼ばれている。んで、こっちが」

 

「どうも、ライスシャワーの担当をしている者です。みんなからはシャワトレって呼ばれてる」

 

 二人は先ほどまでの顔が嘘かのように笑って自己紹介をした。

 

「んで、フラトレ君はどうする。なんか飲むか?」

 

「えっと……いいんですか。その瓶が……」

 

 フラトレは気まずそうに机の上を指さした。そこには空になったビール瓶が乗っていた。

 

「いいっていいって。どうせこれはこいつに片付けさせるから」

 

「えっ!」

 

 突如として話を振られカレトレは素っ頓狂な声を上げた。

 

「丁度いい。ビール瓶を回収へ出すついでにビール瓶もとってくるから手伝え」

 

「ちょっ、マスター!?」 

 

言い終わらないうちにカレトレはミホトレに連れていかれた。

 

「えぇ……」

 

 あまりのあっけのなさにフラトレが唖然としていたが。

 

「んじゃ、適当なとこに座っとけ。マスターはすぐ戻ってくるだろうから」

 

「ビールはもうないけどほかのお酒はいろいろあるからさ」

 

 シャワトレとマヤトレが特に何も言わないため彼も特に考えないことにした。

 


 

「……」シャカシャカシャカ

 

「……」

 

「ん、できたぞ」

 

「あ、ありがとうございます」

 

 フラトレの前に注がれた一杯はオレンジ色をしたカクテルだった。しかし、明るい見た目とは裏腹に含まれるアルコール度数が高いことはほかの二人に匂いでもわかるほどのものだった。

 

「どんなのを頼むのかと思ったが、卵黄を入れたカクテルとはなかなか通だな」

 

「普段は専らビールばかり飲んでいるですけどね」

 

 マスターは使ったお酒を片付けながら聞いた。

 

「それにしても、そのカクテルの名前からして寝つきが悪くなると思うが?」

 

「大丈夫ですよ、この後も用事がありますし。それに……」

 

 言葉の途中でフラトレはカクテルを少し飲むと続けた。

 

「少し前に飲んだ時もそこまで悪くはなりませんでしたから」

 

「へぇ、それってドイツでだったり?」

 

 マヤトレの急な発言にフラトレは目を丸くさせた。

 

「……なぜ急に?」

 

「おっと、その発言が出るってことは図星……ってことでいいな?」

 

 "あと、理由としては何となくだ"、マヤトレが言うとフラトレは溜息を吐いた。

 

「……たずなさんには言わないでくださいよ。変な疑いをかけられたくないので」

 

 そして、フラトレは少し、顔を険しくして認めた。ありゃりゃ、とマヤトレは茶化してみたがフラトレはそのまま飲み始めた。

 

「そんなに心配しなくていいよ。心配ならマヤトレの秘密でも教えようか?」

 

「ちょ、待てよ! お兄様!?」

 

 シャワトレの言葉には思わずフラトレも笑みをこぼす。

 

「別にいいですよ。シャワトレさん。実際フラッシュと酒場に行ったときはちゃんと親同伴でしたし」

 

「えっ、フラッシュちゃんと?」

 

 あっ、という間もなくフラトレは追撃を受けた。

 

「えっ、お前ドイツに行って、フラッシュちゃんのご両親にあいさつした上で、一緒に酒飲んだのか?」

 

「ま、まだ数回ですよ」

 

「1回でもかなりヤバいだろ。むしろ、なんで数回も行ってるんだよ」

 

「いや、その『おーい、持ってきたぞ~』カレトレ!」

 

「えっ、どうしたフラトレ。まさか、二人にいじめられたか!?」

 

「落ち着け、カレトレ。シャワトレもマヤトレも特に何も言っていない」

 

 ここまで沈黙を保ってきたミホトレがここに来て声を上げた。

 

「マスターさん……」

 

「あくまで、フラトレが担当とその家族で酒場に行ったことを自爆しただけだ」

 

「マスターさん!?」

 

 唐突なミホトレの暴露に耐えられなかったか、フラトレは大声を出し、カレトレは吹き出した。

 

「いや、それ暴露したのか」

 

「笑いごとじゃなくてさ!」

 

 カレトレが半ばあきれたように笑いながら言うのでフラトレは不満そうに言ったが、当のカレトレはそのまま言った。

 

「いや、正直知ってたからなぁ」

 

「えっ……」

 

「えっ、ってなんだよ。逆に聞くが何で知られてないと思ってたんだ?」

 

「いや、だって」

 

「はぁ、おまえさぁ……」

 

 しびれを切らしたのかカレトレはみるみる不機嫌そうになり、ドカッと椅子に腰かけた。

 

「マスター、さっき持ってきたビール一本開けて。グラスは2つで」

 


 

 ガツン、とジョッキをたたきつけると不機嫌そうにスーツ姿の男は叫んだ。

 

 「だからさぁ!いい加減その顔で口説くのをやめろって言ってるんだよ!」

 

 「うるさいよ!それにこっちは口説いてる気なんてないよ」

 

 「お前……じゃあ、フラッシュちゃんに言った一目惚れもか?」

 

 「それは違……ってなんで知ってるのさ!」

 スーツ姿の男が2人、ビールを飲みながらキレ散らかしていた。

 

 「この際だから言うけどさ、ハッキリ言ってお前らもう付き合ってるだろ。少なくともお前の周りは全員そう思ってるぞ」

 

 「だから、フラッシュとはまだ……」

 

 「あーまだって言った!こいつ絶対惚れてるって!一目ぼれってやっぱそういう意味だって!」

 

 「おう、お前ら落ち着け」

 

 さすがに、キレ散らかされるのは迷惑なのかマヤトレが二人の間に立つ。

 

 「いい加減にしなよカレトレ。フラトレ君も困ってるからさ」

 

 「だってよ、こいつさ!いつも、フラッシュちゃんのこと話してさ!」

 

 しかし、カレトレは続ける。

 

 「大体さ、お前、初めて会った高等部の女の子になんて言った?一目惚れだぞ、一目惚れ。お前のその顔面でだぞ」

 

 「しかも、クラシックの時なんて1本大きなクリスマスツリー作ってもらってさぁ。外国じゃあ家族と過ごす日だって知ってそれだろ?」

 

 「あのクリスマスツリー、フラッシュちゃんのだったんだ……」

 

 「本当だよ!お前1本丸々もらうなんて愛されてるな、って当時話してたし!本当に責任とれよ!」

 

 息が続かなかったのか、少し息を荒くしカレトレはビールをあおり叫んだ。

 

「ああー、俺もそんな風なこと言っても引かないぐらいの顔面偏差値が欲しい!!責任取れ、って言われるぐらいのことをしたい!!」

 


 

「ぅうぅ……」

 

「あの、そいつ大丈夫ですか?」

 

 流石に同期が先輩2人の方に乗っているのはまずいと感じたのか、ガードレール側にいたフラトレも青くなったカレトレを背負おうとする。

 

「大丈夫。彼の部屋は僕の部屋の隣だから」

 

「それより、フラトレ。お前も明日休みだろ?」

 

 マヤトレはスマホを取り出すと、写真を見せた。

 

「明日、暇なトレーナーたちでカラオケに行くんだがよかったら来ないか?こいつ多分明日起きないから人数減るからさ」

 

 しかし、フラトレは画面もあまりよく見ないまま応えた。

 

「えっと……すみません。無理ですね」

 

「ありゃ、まじか。当てが外れたな」

 

 マヤトレは一瞬、驚いた表情を見せた。

 

「いえ、すみません。これから用事があるので」

 

「……ん?今から用事があるのかい?」

 

「えっと、その……あっ、タクシー!」

 

「「「!?」」」

 

 急な行動に3人が驚いている間に、フラトレは止まったタクシーに乗り込んだ。

 

「すみません、空港までお願いします」

 

「「「空港まで(かよ)!?」」」

 

「あっ、それじゃあ先輩方。お疲れさまでした!」

 

 言うが早いか、そう言うとフラトレはドアを閉め、タクシーは動き出した。

 

「「「……」」」

 

「そういえば、留学してる子の中には帰省する子もいたね」

 

「2人でドイツか……」

 

「……やっぱり、あいつは責任を取るべきだと思う」




こんな感じでわちゃわちゃやっていくタイプのネタを思いつきました。
誰か続き書いてほしいな。
ちなみに
アイオープナー:カクテル言葉は「運命の出会い」

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