オリ主くんはトガヒミコの双子の弟。双子の片割れが人間じゃないのかと思われてたけど結局はどっちも人間じゃなかったわガハハというお話。続き思いついたら書くかも
その日は、普通の朝だった。
普通に晴れていては普通のご飯を食べて。
ただ、いつも聞こえる鳥のさえずりだけが聞こえなかった。
庭にいた姉ちゃんが、なにか持っていることに気がついて、それがなんなのか気になった。
とっても大事そうにそれを撫でていたから。
「おねえちゃん?なにをしてるの?」
「みてみて、とりさん」
そう言って姉は、
赤色に染まった鳥をこちらに見せてきた。
「とってもカアイイ」
----
俺の個性は『視野拡張』
文字通り視野を拡張して360度を同時にみることができる。
最初はそれだけの個性であったが、特訓を積むことで視覚が増えた。
例えるならば、自分を中心とした球体の中でいくつものカメラを自由に同時に動かせる感覚。360度みることはもちろん、上から見ることも可能だし、自分の姿を見る、と言うことも可能だ。そしてこれらの視点を、同時にみることができる。
つまり後ろから来る攻撃を見ながら、上から自分の周囲を確認し、自分の顔をみる。といったことができるのだ。
この個性を活かし、俺は色んな武術を学ぶことが出来た。
師範の動きをそのままそっくりに動く。自分の動きが合っているのかどうかを個性を使って自分で確かめる。無論、形が出来れば武術をマスターできるという訳ではないのだが、上達は早かった。
自分の体がどう言う状態でどのように動いているのかという感覚を身につけるのは長い訓練が必要となるそうだが、個性のおかげでそこはクリア。
かなりのスピードで武術を学ぶことができた。
雄英高校の実技試験もそれで無事合格。1位突破かと思われたが、2位だった。
悔しい。
機動力がないことが敗因だったのだろう。
筆記試験も何とか合格し、あの雄英に入ることが出来た。
めっちゃガラが悪い爆発君とくせっ毛の緑くん。透明ちゃんや尻尾君といった個性的なクラスメイト達と、入学初日に式どころかガイダンスもせずに個性把握テストを始めた相澤先生。
そこでは平均よりはだいぶいいよね程度の実力しか示せなかった故に、個性ありの模擬訓練では活躍して見せようと思っていたが・・・まさか初手でいきなり建物ごと凍結してくるとは思わないじゃん。
個性の関係で目が良かった俺はギリギリでジャンプしたから良かったものの、ペアの透明ちゃんは足が凍ってしまった。
そこから半分くんと腕がたくさんあるマスクくんとの2対1。結構頑張って時間切れまで持ち込むことはできたものの、そんな長時間戦っていたら増援のヒーローが来てしまうからという理由で、ヴィランチームの俺たちの判定負けだった。
悔しい
ただ俺の近距離戦闘の腕前は評価してくれた。
「あれほど戦えるのはプロヒーローでもそうはいない!凄かったぞ渡我少年!」
嬉しい
その後、嘘の災害事故ルームというUSJでの授業。
なんかよくわからんやつらが黒いモヤモヤから出てきて、相澤先生が突然臨戦体制になって、爆発くんと赤髪くんが18号先生に怒られて。
色々あった末に、気がついたら孤立していた。
周りにはガラの悪い奴らがたっくさん。それぞれ手には刃物やら鈍器やら銃やらと、いかにもこれからあなたを攻撃しますよと物語っている。
「なんだ1人だけかよ」
「しかも男だ。チッ、ハズレだな」
「綺麗なツラしてんなぁ?ぐちゃぐちゃにしてやろう」
間違いなくヴィランである。
さすがに正当防衛になるだろうと、拳を握る。
一気に襲いかかってくる相手を個性を活かしながら同時に対処していく。
右から来る敵は右腕で返し、左から来る敵は左腕で返し、前からくる敵は足で蹴り倒し、背後からくる敵は全力で後ろに倒れ込むことで対処する。
時には攻撃を防がず流すことで同士討ちを狙ったり、酔拳を踏襲したつかみどころのない足運びで敵の陣形を崩してヘッドバットを繰り出したり。
全力の攻撃を叩き込まれたヴィランは、鮮血を撒き散らしながら倒れこんでいく。倒れる敵の数が増えるほど、流れる血の量も増えていく。地面に、壁に、倒れた敵に、そして俺にも血がかかった。だんだんと俺の体に赤色の割合が増えていった。
それと同時に、俺は何故か心臓の鼓動が不自然に上がっていくことを感じていた。その時の俺は、初めての実戦で緊張しているせいだと思っていたが、それは違うと言うことはすぐにわかった。
それは敵が銃を使い始めた時だった。まるでアクション映画のように軽々と倒されていく仲間を見て、相手も焦り始めたのだろう。
背後に立っていた敵は俺の頭部を狙い、銃を撃った。
個性でそれを見ていた俺は銃口の向きと指の動きから発砲の方向とタイミングを確認。頭を傾けることで音速で飛来する銃弾を避けた。
その時だった。
避けた弾丸が、ちょうど俺の目の前にいた敵の首に命中したのだ。
銃弾を受けた相手は、反射的に首元を抑えるが、赤い赤い血液が、絶えず噴水のように溢れている。
そうして溢れた血が、これまた偶然、俺の顔にかかった。
心臓がはねた。脳が震えるとはこのことだろうか。
常人ならば、顔に大量の血液が付着すれば、恐怖を感じるだろう。
最初は俺も、この体の震えは恐怖が原因だと思った。初めての実戦で見た、初めての大量出血に体が恐怖しているのだと。
しかし、俺は見てしまった。
この状況下で、笑っている人間の姿を。
あの時の姉のように、素晴らしく美しい笑顔を浮かべている自分自身の姿を、俺は見てしまった。
そこからのことはよく覚えていない。
上がり続ける心臓の鼓動に合わせて、止まらない脳の震え。
ただ、思いのゆくままに。
美しい赤色が、相手を、周りを、俺を染めていく。
なんて美しいんだろうか。
あぁ、姉ちゃん
姉ちゃんもこんな気分だったのかな?
頭が冷えてきたのは、泣き叫ぶ敵を踏みつけていた時だった。四肢がぐちゃぐちゃに折れている。
周りを見れば、真っ赤に染まった人間が沢山倒れていた。
どうやら彼が最後の一人のようだ。
「にんげんじゃ、ねえ」
踏みつけていた一人が震えた声でそうこぼした。
人間じゃない、か。
『人間じゃない子産んじゃった!!』
姉ちゃん、今すっごく会いたいな。
オリ主くん
個性は視野拡張。自分の周囲をめちゃくちゃ見れるぞ!女湯も覗けるぞ!やったね!
お姉ちゃんのヒミコとは幼少期、普通の仲が良い双子だった。
しかし、ヒミコが鳥をチウチウしていたことをきっかけに、環境が変化。
両親の判断により、ヒミコは家に住み、オリ主くんは遠くで暮らすことになった。言ってしまえば避難させられたのである。
それから姉とは疎遠となった。中学の卒業式で姉が刃傷事件を起こしたと知り、めっちゃびっくりした。だが、同時に何故か納得できた。何故納得できたのか自分でもわかっていなかったが、USJをきっかけにわかった。姉はどうしても、カッコよくしてあげたかったのだろう。
USJでは戦った敵は全員重傷。最低でもどこかの骨が折れているし、首とか脇とか太い血管があるところが斬られてる。最悪死んでるかもしれん。
Q:こんなやばい傷負わせてたら雄英退学させられるんじゃない?
A:正当防衛なんでセーフ
Q:流石に人が死んでんなら無理でしょ
A:確かに・・・
まぁここで雄英脱退して敵落ちしてヴィラン連合でヒミコと会うっていう展開もありかも
雄英に入った理由とか、体育祭とか、ヒミコとの会合とか色々書けそうだったけど保留。
ちゃんと固まったら書くかもしれません。