僕のヒーローアカデミアの知識は曖昧ですがね。3000文字未満ですがお付き合いください。主人公の名前はありません、○○にしておきました。
さて、【僕のヒーローアカデミア】をご存じだろうか?
掲載は週刊少年ジャンプ、ファンからは【ヒロアカ】と呼ばれている少年漫画が頭に浮かぶだろう。一般人が知っているのはこの程度だろうし実際俺もこれ知らないから説明は以上。原作知識なんぞ全くないのでここら辺は省略するのは英断と信じたい。特殊能力である【個性】も誰しも持っているようなので説明は不要だ。
さて、話を戻すが何故俺がこんな話をしているかというと問題が起きていた。俺が今まさにその知らぬ原作に転生したからだ。妄想だとは思いたいが前世のあのさもしい人生がやけに鮮明でその記憶も一気に叩き込まれて、知恵熱を抑えて現在に至る。妄想だとは思いたいがテレビを付ければアメコミしようのNo.1ヒーローを見てしまえば最早現実を受け止めるほかないようだった。【僕のヒーローアカデミア】は少年ジャンプの三大原則【友情・努力・勝利】をまさしく体現させた一作、だったとは思う。だが如何せん俺が知っているのは齧った程度である。どうにもあの主人公が好きになれず読めなかったという記憶がうっすらとある。
――主人公は確か緑谷出久だったろうか?
名前も曖昧だが、確か彼は無個性だったような気もする。後付けであのアメコミヒーローみたいなのに個性を貰っていたような気がするが、そこは割とどうでもいい。確かにノートに能力分析を書きこんでいたが、ヒーローになりたいという口でどうにも努力してなかったのが目に付いた。鍛える訳でもないその姿勢がどうにも。そんな事情もあって人気が出ようが食わず嫌いしていた。
それを、今後悔しているところだ。本当に曖昧で、友人と話を合わせる程度に知識を持たなかったのが災いしただろうか?ヴィランで知っている顔が何人かいる程度だし、本当に主人公サイドで知っている顔は曖昧だ。寧ろヴィランの方が鮮明とはこれ如何に。好きだったヒーローサイドはそのNo.2だったし、共感が持てたのがヴィラン側しかいないという。本筋を飛ばしながら流し見程度の鑑賞しかしなかった俺は何もかもが中途半端だ。という訳で原作知識は使えないのでそこら辺は早々諦めた。
そもそも前世は成人して十数年経っていたしそんな情熱はとうに枯れていた。そういうヒーローとは縁遠い生活をしていたいし、何より平々凡々な人生の方が良い。日常は良い、非日常なんか糞だ。こちとら毎日が非日常だ、前世にはない超常現象を目の前で起こして怒っているのだから。何が悲しくてヒーローしなくちゃならんのか、知らぬ原作キャラに絡んで何するんだとか。そんな考えばかり浮かんでは消えた。
そもそも純粋にコスチュームとかヒーローネームとか、ダサい。そんな考えもあって、目立たぬように生活していた。はいはい、モブです。はいはい、引き立て役Bです。そんな謙虚な生活を続けていたせいか、個性ガチャは大当たりだった。
個性発現は喜ばしいことに金には困らない個性だ。なんと【金製造】の個性だった。とはいえ金を作るにはその知識を覚えなくてはならないようだ。無から有は作れないとはこのことで個性とは理解と反復であるようだ。唸りながら科学配合の本や化学原子の本ばかりを読む。高校でも此処まで真剣に化学の勉強をしてこなかったツケを今世で支払ってすらいる。空気を吸い込んで思うことは元素記号ばかり、何も楽しくはないが個性の成長は順調。金を作ることばかり考えていたからか、誘拐されてしまった。
金のなる木だとか、金の卵だの。人の努力を好き勝手言いやがって。金を作ってはならないという何処かの国家錬金術師で禁じられているだけの理由がある訳も納得だ。まるでドラクエ4のエルフのように強要と暴行ばかりの生活。デスピなんたらとかいう白馬の王子様は俺の前には訪れないようだった。まあ、男だから仕方ないか。暫く金をこさえながら、これからの身の振り方ばかりを考えていた。というかそれ以外考えることがない。現実逃避にも近い生活で、また罵声と唾が顔に掛かる。汚い、そして眠い。まだ成長期だぞ、ぼんやりと疲れた頭でそんなことを考えながら殴られた頬を撫でながら鼻をかんだ。出たのは鼻血で真っ赤になった手を適当に服で拭った。
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首輪に繋がれた鎖がこの首に馴染んだ頃、扉がぶっ飛んだ。いや、本当に物理的に吹き飛んでいた。扉ごと吹き飛ばされる小悪党をざまあみろと眺めていると、その扉をくぐる巨漢を見た。アメコミ画風のどぎつい男だった。
「私が来た」
お前が来たって困るって。だって原作知らねぇし。随分とやさぐれてしまってそんな考えが脳裏に浮かんでいた。
誘拐されてから半年程だろうか、いや聞いた話だと二年以上が過ぎていた。久方ぶりに首輪から解放されて息がしやすかったが、どうにも首元が寂しい。摩る首を撫でながらあれやこれやわちゃわちゃされた。初めに抱き締めてきた両親、暑苦しく感極まる筋肉だるま。その後事情聴取で警察やらでごたごたと。ふかふかの真っ白なベッドも久方ぶりでうたた寝しかかるも起こされてそんな応酬を繰り返していた。検査も正常、カウンセリングも正常。そしてようやく家に帰ることが出来た。家に帰ってきたがどうにも落ち着かない。前世込みでまだ馴染んでいないのだと思うと両親に肩を掴まれた。
「〇〇、頼むよ」
聞き慣れぬ今世の名を呼びながら、両親は俺にせがむ。俺たちにも金を、そう言って確かに微笑んでいた。
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「……腹減った」
キュルキュル音を立てたのは俺の腹だった。まだまだ成長期である筈なのに腹が減るのは十分に栄養が取れていない証明である。両親もとい糞野郎共はといえば既に海外に高飛びを決め込んでいた。というのも自分たちもヴィラン疑惑が出た時点で俺を捨てたが正解かもしれない。
「俺たちは違うよな?パパとママだもんな?」
そう何度も俺に言い聞かせていたが俺はそんな話知ったことではない。警察に相談したのもあったのだろう、いよいよ言うことを聞かないと分かれば俺は用なしだった。金を絞るだけ搾り取って、口座も全て引き落とし、家はもぬけの殻に。俺はといえばもう既に保護を求めるのはやめた。現状で既に親族をあてにするのも同時に諦めている。今世の両親があれでは親族も同類と判断するのは当たり前だろう。家で使えるものを背負って、何日か過ごしていた。学校に通うことも今更で行く気も起きない。両親も勝手にこの子の心がうんたらで誤魔化されているので誰も居ないことにも今はまだ誰も気付かないだろう。
――さてどうしようか?
何度も繰り返す現実逃避はやはりこれからの身の振り方である。子供であることがただただ煩わしい。金は別に問題ない、自分で作れるから。問題はやはり年齢だ。今世では未成年であることが足を引っ張っていた。必要なのは後ろ盾と、力だ。金が有り余るのであれば後必要なのはこれだけなのだ。
続きは特に考えてないですがふわっとオーバーホールに交渉して拾われるかなって想像してる。この主人公原作キャラ知らないので、あてに出来るキャラが少ないです。
なのでこれからこの主人公は資金源です。なおこの個性は血を混ぜるとモノホンの金になる設定なのでしょっちゅう血だらけなのです。
オーバーホールは個性のこと嫌いで程々に利用してくれるキャラがこいつしかいないと思うので。同時に個性に嫌気さしてるので意気投合するかもしれないかなって想像しながら書いてたけど、嫌気さす過程の根拠が薄く感じたので没案にして一発ネタにしました。後は純粋に金を作る個性って蔓延しすぎてその実金の価値低いんじゃねっていう想像と、こういう個性は管理されてそうだなって思うので。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました!