拾ったコーディネーターと生きる転生C.E. 作:yatagesi
今までの話を読み込んでキャラを再把握しないと…
ステーションを出港して2日、自称仮面騎士団の襲撃はないが、手打ちの話も届いてはない。
「レーダー反応なし」
「こっちも無しアル」
『こちらもです、マスター』
「引き続き警戒だな」
今のところなんともないが、これからもじゃないからな。
『こっちも問題なしよ』
「プロフェッサーさん、すまない」
『いいのよ、タダで護衛してもらってるわけだし』
ホームのロウ一行にも見張ってもらってるが、相手も最底辺だろうけどプロだしなぁ。
『ただねぇ、もう少し急げないかしら?』
「そればっかりは、主導権は攻め手たるあちらにありますので」
どこからでも襲える攻撃側の有利は大きいからな、一応余裕をもって進んではいるが。
『私達も遅刻できないの、それは理解して頂戴』
「我々も仕事人ですから」
『そうね…頼んだわよ』
向こうの気持ちもわかるし、ここで信頼をしっかり得るためには急ぎたいが。
「さて…このまま平和に行きたいが」
「前方の暗礁空域を越えれば遅れるネ」
「宙域図にはなかったが、戦争中だからな」
本社のデータにはなかったけど、戦争中は更新も難しいからな。
戦争で採掘衛星が破壊されたりで、破片が集まったりするわけだし。
ジャンクでもない石ころなんて、ジャンク屋も回収したりはしないし。
『マスター、先行しましょうか?』
「そうだな…ソキウス、クナ」
『いざとなればいつでも』
『私もです』
「シルヴィ、お願いできるか?」
『了解です、マスター』
危険ではあるが、いざとなればソキウスを向かわせれば。
『ちょっといいかしら?』
「プロフェッサーさん?」
『目の前の暗礁空域なんだけど、なんか怪しいのよね』
「偵察は出していますが」
『そうじゃなくて、ちょっと待ってて』
なんだ?あのプロフェッサーが感じる違和感って?
ーーーーーーーーーー
シルヴィ SIDE
シルヴィはシグーを操り、暗礁空域に侵入していく。
センサーを使い岩と岩の間の距離を測定し、ブランリヴァルとホームが通れる場所を探っていく。
「マスター、データを送信します」
『わかった、こちらも航路設定を始める』
暗礁空域の中を大型艦が不用意に進めば、よくて損傷、悪くて沈没である。
通常はそんな場所でも航路を設定しているが、今回は情報がない、なのでこうして中を調べる必要があった。
「この隙間なら、航路は」
『ちょっといいかしら?』
「プロフェッサー様?」
通信を入れてきた相手に、シルヴィは耳を傾けるが、どうも混線に近い状態らしかった。
『どうかされました?』
『この暗礁空域、つい最近までなかったようなのよね』
『本当ですか?』
『えぇ、記録だと…』
「マスター?プロフェッサー様?」
通信が乱れ、連絡が取れなくなる。
この状況に、シルヴィは最悪の状態に備える。
「敵襲!」
シルヴィが敵に備えた時、暗礁空域の岩の影から敵が現れる。
出てきたのは、ジンの腕を取り付けた改造ミストラル、それはジンのアサルトライフルを装備していた。
「武装は、脅威」
いかにミストラルにジンの腕を付けただけの代物とはいえ、ジンの武器を使える以上、殺傷能力は変わらない。
しかし運動性能はシグーが上、シールドで敵弾を防ぎながら、こちらの弾丸を改造ミストラルに叩き込む。
1機撃墜したが、同じように隠れていた敵機が現れる。
「レーダーは・・・不調」
レーダーはジャミングか、周りに浮かぶ岩石のせいか、存在しない反応まで拾っている。
ブランリヴァルの方を見れば、彼方も対空砲火により迎撃の真っ最中。
とても支援を受けれる状況ではなかった。
「脆いけど、危険」
射撃のため動きを止めたミストラルにライフル弾を叩き込み、近くの岩石を蹴って軌道を変えようとしたが、それはかなわなかった。
「岩が」
蹴りつけた岩石の表面はシグーの脚を受け止める処か、布の様に破け飲み込んでしまう。
これにはシルヴィも思考が止まるが、すぐに再起動させる。
「ハリボテ」
動きの止まった獲物を仕留めんと、ミストラルが迫る。
シルヴィも直ぐに他のスラスターを吹かして脚を引き抜く。
ハリボテが混ざるとなると、岩石にはうかつに近づけない。
「でも、機動性なら」
ミストラルはライフルを撃っては来るが、所詮はMA、避けに徹するシグーには当てられない。
「ミストラルだけなら」
岩石と攻撃を避けながら、反撃に転じようとする。
しかし、相手も考えなしでは無いことを、彼女は知らなかった。
「アラート!」
反撃の為振り返った瞬間、後方からの敵を知らせる警報が鳴り響く。
対処するよりも早く衝撃が伝わり、衝突されたことを知らせる。
「ジン」
機体を立て直し確認すれば、相手はディンのエアロシェル付きのジン、ついこの間戦った自称仮面騎士団の機体であった。
だがライフルは持っておらず、棍棒のようなものを手にしていた。
「潜伏...していた?」
ジンは接近すると棍棒を振り上げ、殴りかかるがシルヴィはシールドで防ぐ。
すかさずライフルをコクピットに当てて引き金を引き撃墜する。
ひとまずこの不意打ちはしのいだが、これで終わりではなかった。
「まだ来る!」
再び後ろから、今度はロックオンアラートが鳴り響く。
見れば改造ミストラルがバズーカを構えて狙っている。
避けられないと判断し、先程撃墜したジンを盾にして凌ぐも、爆風で吹き飛ばされる。
「このくらい」
何とか姿勢を立て直すも、神出鬼没の敵相手に出来ることは限られている。
何処から敵が来るかわからない状況、シルヴィにも焦りが出る。
「糸口があれば」
そうして周りを警戒するも、それに注力し視野が狭くなる。
何時もなら気にしなくていいシールドと岩石の接触、何時も気にしてないので警戒していなかった。
直後に岩石が爆発し、シグーの体勢は再び崩れる。
「機雷まで」
ダミーに機雷の岩石、神出鬼没の敵機、徐々にではあるが追い込まれていく。
レーダーを睨み付近を警戒する、それ故動けなくなった瞬間。
『聴こえるか嬢ちゃん!』
「ロウ様!?」
突如として聴こえたロウ・ギュールの声、通信の回復に喜ぶ余裕はないが、対応する。
「どうやって、どこから」
『近くまで来てレーザー通信だ、今からそっちに情報を送るからな』
その言葉通りに届けられた情報は、今の彼女に必要な物だった。
「岩石と、ダミーの識別データ」
『ホームから識別してるんだ、これでやれっだろ?』
「無論」
シルヴィは岩石に向けアサルトライフルとシールドのガトリングの引き金を引く。
弾丸を浴びせられた岩石、に模したダミーは、その中にいたMSごと引き裂かれ爆発する。
分かってしまえば恐れることはない、立場は入れ替わる。
「隠れても、見えてれば」
ダミーを中身事打ち抜かれていく、こうなると待ち伏せする敵の布陣は各個撃破されるだけになる。
それならばと、敵はダミーから飛び出し攻撃に移るが、それは悪手だった。
『援護射撃が来るぞ』
「了解」
飛び出した敵目掛け、ブランリヴァルからミサイルの援護が飛んでくる。
回避を試みるが、調整された信管により、空域に到着直後に爆発する。
逃げ切れず炎に飲まれるか、自身の仕掛けた機雷にぶつかるか、直撃しなくとも、バランスを崩した敵機は格好の的である。
「もらい、ました!」
バランスを崩した一機のジンに、彼女のシグーはナイフを抜く。
相手は気づいてライフルを構えるが、シールドで射線をずらされ当たらず、ナイフでコクピットを貫かれる。
「残りは」
『いや、終わったみたいだぜ』
みれば敵は自分たちから離れていく、形勢不利と見て撤退を開始していた。
「ロウ様、戻りましょう」
『そうだな、護衛の方は任せるぜ』
「了解です」
シルヴィはロウと合流すると、母艦への帰路に就いた。
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やれやれ、何とかなったか、こんな大掛かりな待ち伏せされるとはな。
『まったく、金持ちの考えることはわかんないわね』
「その通りですね」
まさか、デブリ地帯から作るとは、まぁ二度目はないだろうけどな。
「艦長、今しがた本社から連絡アル」
「待ってたやつか?」
「そうアルネ」
「ようやく話が付いたか」
仮面騎士団と話が付いた、これで戦うことは無しか。
っと、ホームからも通信か。
「プロフェッサーさん、たった今」
『こっちにも来たわ、ここからは私達だけで行くわ』
「どうか、旅のご無事を」
『えぇ、また仕事の都合を頼むかもしれないけど、その時はよろしくね』
ホーム、ロウ一行と次会うのはいつになるやら、まぁ、次も味方として会いたいものだがな。