しかし幾つもある世界の中で、呪霊と呼ばれる妖や妖怪の類いがいる世界に生まれた彼女たちは、走ることよりも呪霊を"
その運命が幸か不幸か、この世界以外を知らない彼女たちには誰にもわからない。
タイトルをもじって「ちょっと響きが似てるなぁ」という程度の認識で書きました。
もしかしたら続くかもしれません。
ウマ娘…彼女達は走るために生まれて来た。時に数奇で、時に輝かしい歴史を持つ別世界の名前と共に生まれ、その魂を受け継いで走る。それが彼女たちの運命…それが、運命のはずだった。
しかし幾つもある世界の中で、呪霊と呼ばれる妖や妖怪の類いがいる世界に生まれた彼女たちは、走ることよりも呪霊を"
その運命が幸か不幸か、この世界以外を知らない彼女たちには誰にもわからない。
◆◆◆
俺はあの日、呪霊に襲われているところを助けられた。
まだガキだった俺は、呪霊の脅威なんてまだまだ知らなかった。だからだろう、何の対策も何の訓練もせず、ただの思いつきで呪霊を祓おうと廃病院に潜り込んだ。あの時はちょっとした肝試し感覚が近かったかもしれない。
そこで俺は呪霊に襲われた。足がすくんだ。立てなかった。呪霊の振りかざそうとしている腕を見て、もうダメだと思った。でもその時、俺を救ってくれたのはフジさん…フジキセキさんだった。
あっという間に呪霊を祓ったあの人は、俺に「怪我はないかい?」と声をかけて手を差し伸べてくれた。その時のほっとした気持ちから、俺は恥ずかしくも泣いてしまった。それから俺は、フジさんに恩返しするためにも呪霊を祓えるようにバ
そして、俺はなると決めたんだ…。
「なってやるぞ…俺は最強に…」
「ハッハッハ、任務前に居眠りとは随分と大物じゃあないか…しかし、君がどんな夢を見ていたのか、些か気になるねぇ。バ術師がどんな夢を見るのかデータを取らせてくれたまえ」
しまった移動中の車で完全に寝ていた…同じ任務に同行するアグネスタキオンに揶揄われるが、まぁアイツはいつもの調子だ。
「眠気覚ましに、コーヒーでもどうぞ」
「おう、カフェ、サンキューな」
タキオンとコンビを組んでいるマンハッタンカフェ…カフェがコーヒーを差し出してくれたので、ありがたくいただく。
「時にポッケ君。今回の任務は些か不可解な点があってねぇ、上からの話しでは二級相当らしい呪霊の討伐だけど、普通に考えてこんなに人員を割かなくても私は問題ないと思うのだよ。バ術師が年々増加の傾向にあるとは言え、手練れのバ術師はまだまだ足りないのが現状ではあるだろう」
こいつの話はいちいち周りくどい…。しかし二級呪霊に対して幾ら新米バ術師だったとしても二級術師三名は確かに多い気もする。基本的に呪霊の等級とバ術師の等級は等級が同じなら、バ
「…つまり何が言いたいんだ?」
「ふぅん、つまり私が言いたいのは、私達の適正等級より上の等級を人数を使い_」
その時だった。タキオンの会話を遮る形で、走行中の車を縦に割るかのようにして現れた大型の呪霊が、俺たちを一瞥する。
やべぇな…一目見てわかったが、この肌がピリつくような生物としての格は二級どころの強さではない。この呪霊は少なく見積もっても一級_いや、まさか…。
「特級…だと…?」
「ッ!……」
俺の見積もりにカフェも身じろぐ。当然だ、まだまだ新米でこれから場数を踏んで、技を磨いて実力をつけようとしている段階で、いきなりの特級、呪霊で言う最上級の強さであるのだから、無理もない。しかしアイツは…タキオンは違った。
「ハッハッハ!いいねぇ、まさか向こうから出向いてくれるとは、私たちの移動の手間が省けたじゃあないか。普段なら止められるような技や、試したい技が色々あってねぇ、せっかくの機会だ君で試させてもらうよ」
袖の余った長い白衣を両手でゆっくり回しながら大型の推定特級の呪霊に近づく。
「さあ、実験といこうか」
結果から言うと勝負は一瞬で終わった。いや、勝負とは名ばかりの蹂躙はタキオンの圧勝だった。
「ふぅん、まだまだ試したい技もあったんだけどねぇ。まぁ、それはまたの機会だ。ところでカフェ、ポッケ君、怪我はないかい?」
あの時の手を差し伸べるフジさんの姿とタキオンの姿が重なる。そうか…これが最強になれる奴か。
…でもぜってぇ諦めねぇ。最強は…最強になるのは俺だッ!
◆◆◆
「いやはや、これは想定外…いや、ある意味想定通りかもね」
ジャングルポケット、マンハッタンカフェ、アグネスタキオンが特級呪霊との戦闘とも呼ばないアグネスタキオン一人による蹂躙を、遠くから眺めていたあるウマ娘が呟く。
「入学適正で測れなかった彼女、アグネスタキオンはやはり適当な特級呪霊では、測りきれなかったようだね。規格外のバ術出力に、光より早く動く仮想粒子であるタキオン粒子を現実に顕現させる特異なバ
その存在は顎に手を置きながら独り言を呟き、「うーん」と考える。
「しかし一筋縄では行かないが、それこそ燃える…しかしもう一人のジャングルポケットも気になっているが…おっと、そろそろ高専の誰かに気取られるかもしれないね、それじゃ私はこのあたりで退散するとするか」
"額に縫い目をつけたウマ娘"は誰かにその存在を見つかることを恐れてその場を後にした。
お疲れ様でした。
続くとしてもめちゃんこ軽ーく展開を考えてたりします。