「
「オマエは……乙骨が」
「そんな事はどうでもいいだろう?」
「そうだな、お前を殺せばいいだけだ」
「それは無理だ。死ぬ事に……イヤ、違うな。
何、
「な、にを……あ、ガ……繧ャ縺ゅ=縺ゅ=縺ゅ=縺ゅ≠縺√≠!!!」
赤く光る手を伸ばし、何者かの頭を掴み
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「次は高専の二人か」
━
「あ、なんだ? 上野から脱走したか?」
━
「(とんでもなく速く、重い!! しかもそれだけじゃない! 恵の『
「(内部破壊か)悪くない」
腕を極め圧し折ろうとした時、上から体格が良い偉丈夫が乱入する。その手には反りのある刃渡り約80cmの呪具『
━
「よぉパンダ、生きてっか?」
「うお! ゴリラが降ってきた!?」
「あ? 特訓受けるか?」
「甚爾先生! ありがとうございます! 助かりました!」
「チッ、まあ良い。
「誰だお前、それに」
「呪力が感じられねぇだろ? 俺にゃ呪力が一滴も無くてね」
「へぇ、そいつぁ面白そうだな」
「俺が相手すんのは少しだけだがな」
「こっちはさっきので暖まってんだ、冷たい事言うなよ」
「こっちにも都合っつーのがあってな、だがまぁ、その少しを愉しもうんじゃねぇか」
「なら長引かせてやるだけだな」
━
「バカみてぇな頑丈さだな」
「呪力がねぇ分その他の強度がバカみてぇに上がってな、こんな風にな!」
空を切る、ただそれだけ。それだけで空気が震え縦一文字に斬られるのを周囲にばら蒔いている呪力特性の電気が斬られた事に気付き、コンテナに蓄えたプラスの電荷に自身の体に溜まるマイナスの電荷でコンテナに引っ張らせ避けると、自分が居た場所のコンテナが縦一文字に斬れる。
━
「(ただ避けたって訳じゃねえな、引っ張られたって感じだな。これが
「取り柄なもんでな、アンタも良いモン持ってんじゃねぇか。
「大正解、加茂家当主曰く『大抵のモノは斬れる』だそうだ。俺には呪力が無いんでね、
アンタこそ術式が使え無いんだったか?」
━━━━
━━━━
「……よく知ってるな、誰に聞いた」
「現代の加茂家当主だよ」
「御三家か」
「なんでも蔵にお前さんの事が載った文献があったらしくてな、色々と聞いてんだよ。
術式を使えねぇ奴と戦い合うのはつまらねぇが……せいぜい愉しませてくれよ、なぁ!」
瞬間移動に劣らない速度で近づき
━
「(俺の電荷の繋がりを斬ったか。
「その
「どうだろうな」
ヒリつき流れる沈黙を裂いて先に動いたのは甚爾だった。
━
「少しの間は愉しもうじゃねえか!」
「いいや違うね! 死ぬまでだ!!」
━
「ハハハ! いいねぇ! ここまで
「お前もな! 生前に会ってたら
━
「(周りのは斬れても自分に溜まった電荷は斬れねぇだろ!)俺は『稲妻の
自身が持つ
━
「今のを喰らって抉れないか、人間か? お前」
「安心しろよ、ちゃんと怪我してんぜ? 怪我がねぇ理由はコイツだよ」
そう言い腰に帯びていた太刀を半分程抜いて、
━
「お前さんなら分かるんじゃねぇか」
「
「ご名答その通りだ、家の当主様は心配性なもんでね。
ぶっちゃけ並大抵の
━━━━
それ故か、真打ちでさえ戦場で敵を斬るために使われた記録が殆ど無かった。
━━━━
「お前は加茂の人間か」
「イヤ養子だよ、元は禪院だ」
「あの嫌味な奴らか」
「それが嫌いでね、色々訳あって加茂の養子に成ったてこった」
「
「ああ、優しい当主だ。だから俺はアイツの為なら死ねる」
「そうか、ならここで死んでいけ」
「死なせてみせろよ雷撃使い」
一触即発の気配を漂わせ、
━
「お? 少し速くなったな」
「お前には外からの雷撃は意味が無さそうだからな、なら肉弾戦にするのは当然だろ」
その言葉に「そりゃ違いねぇ」と返し速度の増した
━
「よく避けたな」
「
「そうかい、だが俺は二刀剣術も教わっててな」
「噂に聞く二天一流か?」
「イヤ、別もんだな。
「巌流? 佐々木某のか」
「どうだろうな、その辺は当主に聞いてくれ。
さて、第二ラウンドといこうか」
斬り合い殺し合いは加速し苛烈を極める。だが、
電荷を溜められ奪うのではなく
━
「おうおうやるじゃねぇか、意味なかったようだがな」
「いいんじゃない?」
「じゃねぇと右腕は勤まらねぇからな」
━
「コイツはつい最近渡されたモンでな、何ができんのかは書いてあったが使うのは初めてだ。存分に喰らってけ」
武器庫呪霊から洗練された細身の大太刀と重厚感のある無骨な直刀を取り出す。
一振は『陽炎』のように細かく揺らめいており、静止していてもブレて見え、もう一振は濃密な『影』そのものを硬化させて削り出したような質感で、刃先からは常に黒い影が煙のように立ち上っている。
「第三ラウンドだ」
「最終ラウンドの間違いだろ」
人間離れした速度で詰め寄りながら「ならさせてみせろや!」の言葉と共に右手に持つ新たな刀身揺らめく呪具・『虚空ノ幻《コクウノマボロシ》』を振り下ろし、影が立ち上る虚空ノ影《コクウノカゲ》を振り上げる。二つの呪具の危険性を本能で察した
━
「高速戦闘は
「そのハルって奴と
「なら俺を殺してからだ! いきなり大将と
「違いねぇ!」
刀身が揺らめく虚空ノ幻《コクウノマボロシ》を果たし合いで培った勘で避け、影が立ち上る虚空ノ影《コクウノカゲ》を
━
「ちょっとピリッとするな」
「ならでけぇモンを喰らって潰れてみろよ」
帰還雷撃が通用しないとみるや否や、甚爾の体に溜まった電荷に幾つものコンテナを引き寄せ物量、物理的に押し潰そうとするが、二刀をもって「シン・巌流〈
━
「今のは肝が冷えたぜ」
「デタラメな剣術を使うな、それがシン・巌流か」
「お前も教わったらどうだ、棍術もあるらしいぜ」
「気が向いたらな」
━
「ゴリラじゃねぇテメェから殺すぞ」
「すんっません」
「ったくドイツもコイツもゴリラゴリラ言いやがって、言った回数分〆るか」
「(最初は俺でありませーー)」
「最初はお前からだ
目を泳がせていると「
人影ーー
━
「まあいい。それより、だ。雷撃使い、残念だが俺のお役目は御免だ、こっからはギャンブラーとやれ。お前さんが言った通り最終ラウンドだったな、俺の勝ちの最終ラウンドだがな」
「逃がすと思うか?」
「チゲぇな『逃がさざるを得ない』だ。オイ
「無力化……
二人のやり取りを見て「イヤ駄目だ、お前からだ加茂の術師」とヤル気を漲らせながら声を張って言う。
━
「俺もヤりてぇが当主さまの指示なもんでな、コイツで我慢しろ。だが、コイツを倒せたらヤってやるよ」
「そうか、ならさっさと終わらせねぇとなぁ!!」
━
「ソイツは教え子の中でも上位だ、愉しめるだろうよ」
「それは良いこと聞けたな」
━
━━
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━━━━━
━━━━━━
「どうだ、雷撃使い。愉しめたか?」
「ああ、存分にな」
「それは重畳、俺が出る必要は無くなったな」
「その代わり宿儺と戦わせる事になりました」
「それくらい問題ねぇだろ、
「でも加茂先生の弟子なんですよね?」
「アレはそう簡単にやられる程ヤワじゃねぇ」
「……加茂先生の弟子ならその可能性は高いのか」
「んじゃまあ次は………何すんだ?」
「先生からの指示は?」
「一つだ」
「一つ?」
「『パンダを死なせるな』」
「パンダは死なないじゃないんすか?」
「イヤ俺も死にはするぞ、厳密に言えば違うが」
「核が壊されれば死と同じだろ」
「でもなんでっすかね」
「それも書いてあった『幽閉されているとは言えパンダが死んだら学長に合わせる顔がない』てな」
「あの人そんな事まで知ってんのか」
「
「なら封印は?」
「それは間違いなくされてる………筈だ」
「断言できない、と」
「考えてみろよ、アイツがそう簡単に封印されるタマかよ」
「加茂先生だもんなぁ、絶対何かしてる」
「だろ?」
黙っていた
━
「へぇ、そいつはいい事聞けたな宿儺の後はその加茂って奴だ。宿儺に術式を使わずに倒せたらの話だがな」
「アイツの事だ、その内ひょっこり顔を出すだろ」
秤とパンダが「あー、うん確かに」と異口同音を口にする。
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━
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━━━━━
━━━━━━
━
「俺ってさ、本当は一人っ子なんだ。
でも、可愛い双子の
最高にカッコいいぜお兄ちゃん、こっからは選手交代だ」
そこに現れたのは居ない筈の、封印されている筈のーーー
「加茂……晴蓮」
「ナイスファイトお兄ちゃん、後は俺に任せてゆっくり休んでいてよ」
「何故……何故君がここにいる!! 封印は成功した、監視も続けた。
「だから言ったろ、お前の敗因は過大評価だと。
それと禪院甚爾じゃねぇ俺の兄さんの加茂甚爾だ二度と間違えるな下郎」
「(過大評価? どう言う意味だ、確かに封印は成功した、解かれていない。氷の木ができただけ……逃れる時間は無かったなのに何故)どうしてここにいる」
「常識で考えろよ羂索、
「だが実際に氷の木が生成された」
「ハッ、大方『俺が先に術式を使って何かしらの方法で封印された後にできた』とでも思ってんだろ? 俺も下調べくらいはしててね、
先に作っておいても意味はない、ならどうやって大樹を作ったのか……理由は、方法は一つ
「アレは、あの時の君は本物じゃないとでも言うのか」
「いいや本物だよ、ただ正確に言うなら俺ではない俺だけどな」
「どう言う意味だ」
「俺の生得術式は血漿操術、血漿を操る術式だ」
「(術式の開示? 何故今更)」
「お歴々が言うには赤血操術の原型らしいが、俺は違うと考えている。赤血操術は血液そのもの操る術式、その反面俺の術式は違う。
俺の生得術式の根幹にあるのは『分離』だ、血液を『分離』させ血漿を作り出し細胞内を浸潤させ皮膚から体外に排出する。ここで肝になってくるのは『分離』させる事、血液を『分離』させなければ血漿になり得ない」
「何が言いたい」
「『分離』だよ、俺は
「分身だとでも言うのか」
「分身じゃない、確固たる俺自身だよ。俺は並行世界の俺という存在の概念を『分離』させて連れてきた。だから全てが本物の俺なんだよ」
「あり得ない、いくら君であろうと人間を『分離』させるなんてあり得ない」
「普通ならね、でも俺はソレを可能とする
「いったい……どうやって……」
「言うと、思うかい?」
「だろうね、君は秘密主義者だ。(複数の術式……幾つだ? 脳のメモリを考えれば
僅か一分の思考、だがそれがいけなかった。不意に背後から術式を使われ
━
「!? (いつの間に後ろに)」
すぐに後ろを見る、そこには加茂晴蓮が居た。故に虎杖倭助の術式を使おうとするが後ろから
━
「!!? いったい、何が!」
混乱、動揺それは晴蓮の策に嵌まった事を意味していた。
━
「どうした、俺が言った事をもう忘れたのか?」
「(どう言う……)!! 別世界の晴蓮か!」
「大正解。でも遅いぜ? 周りをよく見ろ」
驚愕するはその数、合計六人の晴蓮が羂索に襲い掛かかる。一人は後ろから蹴りで、一人は前から掌底で、一人は右から肩で、一人は左から握り拳で。そして一人は上から踵落としで術式・
━
「(これは、
四方と上からの
だが、防ぎきれずに左肘から先が無くなっていた。
━
「はぁはぁ……はぁ、はぁ。ッ、ふぅ。
君は私以上のバケモノだね」
生やせるのか、そこまでの反転術式を使えるのは予想外だ。
「酷い事を言うね、俺程呪術師をしている奴はいないよ」
失った腕を生やしながら「周りの犠牲を省みず、目的を達成する為なら人的被害も許容する。確かに呪術師らしい呪術師だ、だからこそ私以上のバケモノなんだよ。
ところで晴蓮。その術式はどこで、どうやって手に入れたんだい」と、まるで世間話かのように声をかける。
━
「言う訳ないでしょ」
「そうだね、じゃあ他に何があるのか気になるね」
「他、か。じゃあこんなのはどうだい」
手刀を構え羂索に向けて「
━
「!! (これは!)」
「お前は知っている筈だ、何せお前が用意した結界術師の術式だからね」
静かに腕を広い切断面にくっ付け治しながら「これで三つ目だ」と余裕を持って返した。
━
「? 何が三つ目なんだ?」
「君が持っている術式の数だよ、初めの『分体』なる術式に
「あぁ成る程、取り敢えず切れとけ。
手刀を二度振ると風が流れ、風は結界の刃となり羂索を斬ろうとするが羂索はいつの間にか違う場所に居た。
━
「…………本当は、使うつもりは無かったけど……これは使わざるを得ないね。
術式を使用すると凄まじい瞬発力で晴蓮に近づき、恐るべき破壊力で拳を振り抜く。対する晴蓮は
━
今のは倭助さんの
「虎杖倭助は自身の術式を勘違いしていた、
虎杖倭助の術式の真価は
「魂の隷属……魂への干渉」
「君も一度は思った筈だよ。共存共栄ではなく従属させ隷属させるものではないか、と。そしてその通りだ晴蓮、
「呪霊操術の亜種、或いは原型」
「分かっているじゃないか、
「その割りには呪霊を出さないじゃないか」
「この術式は出す必要が無いんだよ。荒御魂、和御魂を隷属させ、自身の肉体に降ろす。そうする事で身体能力を爆発的に増加させる、さっきみたいにね。
さあ晴蓮、友人の術式で死ね」
「違うな、死ぬのはお前だ、羂索」
両者沈黙し先に破ったのはーー羂索の「ならば聞こう。晴蓮、何故領域を使わない」と言う問い掛けだった。
━
「使う必要が無いからだよ」
「君の領域に必殺が無い事は知っている」
「だろうね」
「必殺が無ければ領域に必要な呪力量は減り、展開速度が上がる。だが君はそのリソースを領域の押し合いと外殻の強度を上げる為に使用している、なのに何故使わない」
「言ったろう? 使う必要が無いと」
「なら使わせようか」
羂索が見せた領域は渋谷で宿儺が見せた絶技、結界を閉じない領域だった。
━
「使ったな! 領域を!」
できるだろうと思っていたがやはり『閉じない領域』を使えるか、やりきれよ天元。
それを見た晴蓮はすぐさま印を結び、
━
絶技たる閉じない領域同士がぶつかり合い必中を中和し合う。
━
「驚かないんだな」
「君ならそれくらいの事はできるだろうと思っていたからね」
付与した術式は倭助さんの術式か。それよりなんだこれは……押し合いに負けているんじゃない、俺の術式が無効化されている? どう言う事だ。
「
「神話の再現……! 天岩戸か!」
「流石は晴蓮、その通りだよ。
「領域の押し合いさえさせない領域とは恐ろしい領域だ。だが、忘れたのか?
「何? 何を言っ………まさか!」
「【
「【
「他人の領域に外殻を作るだと! デタラメな事を!」
この世界の晴蓮が領域を展開し羂索の『術式の無効化』を押し留め、別の世界の晴蓮が羂索を囲むように結界を妨害する術式を反転させ、結界を強固にする結界を張り
━
晴蓮くんって何ができないんですかね。