原作がありそうで無い異世界に主人公の師匠枠へTS転生したオリ主が原作主人公とそのヒロインたちとわちゃわちゃしながら楽しく過ごす話。

作者がバカなので読む際は頭空っぽのバカになって読むと楽しいと思います。

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おわってはじまったはなし

俺の名前は天宮(あまみや) 士郎(しろう)

元々はごく普通の一般会社員だったのだが、何故か異世界に召喚され勇者の一員としてこの世界の諸悪の権化である魔王と戦うことになってしまった元一般人だ。

 

「あんたが〝元々一般人でした~〟は流石に無理があるわよ似非一般人。」

 

「石化の呪いが広がりつつある利き腕を即座に斬り落として敵の首を()りに行く奴が元一般人は流石に無理があるだろJ K(常識的に考えて)。」

 

「ごめんこれは擁護できない。」

 

キレそう(半ギレ)。

 

………ゴホンッ!

兎に角、ある日突然異世界へ召喚されひょんなことから魔王討伐を王様からお願いされた俺たち勇者達は滅びに向かいつつあるこの世界の救済を、見事8年という短い年月でもって達成してみせた。

 

王都ではそれはもう盛大に祝われた。

王様からは『ありがとう…本当に、ありがとう。そなたたちのおかげで人類の救済は果たされた。報酬はなんでも言ってくれ、この王国の全てを使って叶えてみせよう。文字通り「なんでも」だ。』等々と王様直々に、それも深々と頭を下げてお礼を言われた。無論丁重にお断り申したが。

 

街の人々も俺たちを〝救世主〟だの〝救いの英雄〟だのと持て囃し修行中良く通った行きつけの店では店主から『あんたたちは特別に無料で飲み食いしてくれて良い』なんて言われもした。

 

ふぅ……ぶっちゃけよう。

肩身が狭い…!!!

 

少し前まで肩を組んで歌っていた程の飲み仲間でさえ今ではすっかり英雄を見る目になっている…!!

違うんだ、俺たちは親愛なる隣人みたく英雄視されつつも親しい友人のように扱われたいのであって世界を救った英雄として扱うのは違うんだ…!!

 

「それは贅沢ってもんでしょ」

 

「いやぁ世界救ったんだからそれくらい望んでも別にいいんじゃねーのぉ?」

 

「「まあ、正直同じ気持ちだけど(なんだが)」」

 

「ん…でも私達は、誰も成し得なかった〝魔王討伐〟を成し遂げた伝説の勇者たちとして既に伝承として残されようとしてる。既に偉人として崇められてる以上、それは難しいと思う。」

 

そう、そうなのだ。

 

既に俺たちは偉人として扱われている。

王都から出てもそれは変わらない、訪れる村や街でそれはもう大層持て囃されるだろう。

 

なにしろこの世界の総人口の半数以上が魔王軍によって虐殺、隷属化されじわじわと武力大国であったここ『ユーロティア王国』すらも侵略されつつあったのだ。それを俺たちは侵略してくる魔王軍を蹴散らし、さらには全ての諸悪の根元であった魔王すら打ち倒して見せた。

 

そりゃあ偉人として持て囃されても仕方がないだろう、魔王軍への恐怖は世界一安全な都市と謳われたここにすらも伝播していた程なのだから。

 

……辛いッ!!

確かに名声というか称賛の声は欲しかった気持ちはあるけどここまで来るとむしろ辛い!!

 

対等な、対等な友人がもっと欲しい………!!

地球の偉人たちもこんな気持ちだったのだろうかと思うくらいには辛いのだ…!!!

 

「ぜーたくな悩みだなオイ。」

 

「…対等な友人なら、ここにいますけど?」

 

「ん…じゃあ私はこいb」

「「殺すぞ」」

 

「やってみろ恋愛クソザコウーマン共」

 

「「あ゛???」」

 

そんな訳で今回俺たちはとある場所を目指し王都を出ようと思います(完全ガン無視)。

 

「「「………王都を出る?」」」

 

うん。

 

まあ、なんというか……これは俺の我が儘なんだ。

俺が向かうその場所に居る人に、どうしても会いたいんだ。だから一旦王都を出てしまおうと思う。

 

そしてあわよくば隠居してしまおうかと考えている。

 

「あ、そう。まあそうなったら着いていくわ、あんたがそう言うなら静かな村とかだろうし。」

 

「そこに旨い酒がありゃベストだな!」

 

ああ、きっと気に入るよ。遠い南西にある静かな村なんだがとある果実酒が名産品でな。ほとんどジュースみたいなモンだが普通に飲んでも旨いし、とある蒸留酒と混ぜて飲むとさらに最高に旨くなるらしいぞ。貴族も嗜んでるって話だ。

 

「マジか!楽しみになってきた!」

 

「ん…で、その村の名前と、その会いたい人っていうのは?」

 

……その会いたい人ってのは、俺が勇者として旅立つ前に俺を魔法戦士としてみっちり鍛え上げた人のことなんだ。

 

つまり──俺の『師匠』に会いに行く。

 

「「「───!!」」」

 

師匠には、色々伝えたいことがある。

 

これまでの冒険で出会った人達や遭遇した出来事、魔界であった多くの死闘。話したいこと語りたいことが山ほどある。

 

でも、なによりも………〝ただいま〟と、『彼女』に言いたいんだ。

 

『俺は無事に戻ってきたぜ』と、言いたいんだ。

 

……それにあと1週間弱で師匠の誕生日なんだ。

『これ』を渡すのに絶好の機会だからな、そういう意味もあってできるだけ早く出発したいんだ。

 

だから俺たちがこれから目指すのは、師匠の住んでいる村──『ユウキ村』になる。

 

まあ皆長旅で疲れてるだろうし、もしついてくるのが嫌なら来なくても──

 

「「「いや行く。」」」

 

アッハイ。

 

「師匠…シュローの保護者。是非とも会ってみたい」

「お前はあわよくば『彼女です』って言いたいだけだろ」

「べ、べつに私はそんなつもりじゃないけどね?いっつもアイツが自慢してくる師匠に興味があるだけでべつにそういうのじゃ………」

「「じゃ私達挨拶してくるから」」

「おい待て抜け駆けすんなシメるぞ」

「はっナイチチ女の癖に奥手だから攻め落とせないんだろ負け犬」

「殺す」

「ん…!お前は今ロリキャラをバカにした。すぐに処刑されるべき。」

今あたしのことロリと一緒くたにしたな?

「しまった藪蛇だった」

「草」

 

………皆あの冒険の後なのに元気だなぁ()

あぁ…そう言えば、師匠と会うのは実に3年ぶりになるのか。あっという間に時間がたってしまったなぁ。

 

はぁ…師匠の手料理、はやく食べたいなぁ。

 

「「「……手料理?」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──この世界に転生して、五百年と少したった。

 

時が過ぎるというのは、それはもう実にあっという間であり、不思議なことに自分の感覚ではついこの間まで生まれ故郷の村で生活していたような錯覚さえ感じる。

 

産まれた直後のあの戸惑いすらも、五百年という途方もない時がたった今でも鮮明に思い出せる。

 

転生して記憶が肉体に宿ったのがちょうど今世の母が私を産む直前のタイミングだったため、分娩の際母は混乱で暴れる私のせいでそれはもう大層痛がったそうだ。今でも今世の母に申し訳なく思う。

 

産まれ落ちた後の私の頭の中は、とにかく驚きにばかり満ちていた。何もかもが自分の知る常識を逸脱した文字通り〝見るもの触れるもの全てが初見の世界〟に大いに戸惑い常に驚き続けていた。空想の存在である筈のエルフやドワーフ、獣人等の亜人たちが存在していたり、なんなら自分が先程挙げたエルフになっていたりと驚きの連続だ。

 

まあ、今ではすっかりこの世界の常識なのだと受け入れてしまったが。………正直な話をすると確かに世界そのものに驚きはしていたが、それよりも前世と違う性別に戸惑っていた部分の方が大きいのだ。

 

そう、私の前世は男だった。

だが今はこうしてエルフの女として五百年という時を過ごしている。

 

……五百年。

人間だった頃の私であれば途方もないほどの時を生きていると思うだろう。実際今でも『よくもまあここまで長生きしたものだ』と考える時がある。

 

五百年も女として生きていると、やはり性格も趣味嗜好も男だった頃から変わる………かに思われたが残念なことにそんなことは無かった。

 

今でもカッコいいものやロマンのあるモノは好きだし、お洒落にはそこまで頓着しないし。それで前世でひそかに集めていたモデルガンをもう触れないことに今でも大きく嘆いたりと、見た目が絶世の美女なだけに今世の友人や知り合いから「残念美人」なんて言われたりもする。(さすがに前世のことは誰にも言えないので好きだった玩具が無くなったと誤魔化した)

 

そんな私だが、こんなんでも少し前までは〝黄金級冒険者〟として名を馳せていたのである。

 

 

 

『黄金級』

それは他の等級の冒険者とは一線を画すまさに別格の存在であり、本来であれば尊敬の眼差しや畏敬の念が絶えない存在なのだが……何故か不思議なことに私はそんな視線を受けた覚えがない。

 

いや、あるにはあるよ?うん。ただ、私と出会い一緒に過ごすと何故かそんなもの無くなるのである。何故だろうなぁ()

 

 

 

……コホン。

さて、突然話は変わるが、この世界はやはりと言うべきか何かしらの物語がモデルになっている可能性が高いことが分かるだろう。というかファンタジーな世界に転生した時点でそう考えると思う。

 

原作が何かまでは分からないが、ライトノベルの設定よろしく魔界に魔王が居て勇者が異世界から召喚されて魔王を倒すという偉業がこの世界でも達成されている。もうこの時点で何かの作品であるようにしか思えない。

 

そして面白いことに、実は私はその勇者の師匠をしていた時期があるのだ。

 

勇者の名前は『シュロー・アマミヤ』。

名前から分かるとおり日本人であり、おそらくこの世界の主人公と思われる存在──そんな彼にただ一人存在した師匠が、どうやら私らしい。

 

そこでようやく私は気付いたのだ。

『絶対〝主人公の師匠枠〟だコレ!!』…と!

 

正直〝魔王討伐の途中で主人公の成長のために死ぬ師匠枠〟じゃなくてよかったと思ってる。(迫真)

 

………はっ、そう言えば明後日は彼が王都から戻ってくる日じゃあないか!こうしちゃいられない、歓迎の準備をしなければ!!

 

えっと、簡単な料理と飲み物…飲み物は彼が好きなオレンジジュースを隣街まで買いに行かなければ、ああそうそう料理も彼が好きだと言ったハンバーグに…いや、ここはオムレツにしようかな?ビーフシチュー…は今から仕込めばギリギリ間に合うかな…?せめて日本人らしさを感じる食べ物を出したいが極東の食べ物は取り寄せるのに時間が掛かるからなぁ。こんなことならもっと早くに取り寄せておくべきだったよ…。

 

まったく、シュローも人が悪い。もう少し期間があればもっとマトモなモノを用意できたのだろうが、手紙の到着から僅か2日しか猶予が無いのでは遠くから取り寄せる必要のあるモノを用意できない、おかげで今用意できる程度のものでしか歓迎用の料理を作れないじゃあないか!はぁ…

 

……あぁ──本当に、明日が楽しみだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──そして迎えた当日。

 

ついに帰ってきた彼との再会につい感極まって抱き付いてしまった後、おそらく主人公であろう彼のヒロイン枠と思われる三人の女性を紹介してもらった。

 

…の、だが………。

 

「………えっと、どうかしたかな?」

 

「…いえ、なんでもありません……なんでも…」

「エッ…!あ、いえ、なんでもないです…」

な、なんだこの人妻感とエロスの化身は…!!く、勝てない……!!(胸をガン見)

「えっと…どうした三人とも?……おーい??」

「「「………」」」

 

「あ、あはは…とりあえずあがりたまえ、せっかくの料理が冷めてしまうからね。」

 

「「「………お邪魔します。」」」

 

「なんで皆そんなに緊張してるんだ…?」

「」

 

【悲報】

ワイ氏、推定主人公のヒロインたちから妙な眼差しで睨まれる。

 

あれこれまさかだけどライバル認定された?

………いや違うからね!!!?数年掛けて魔術やら体術やら剣術やらをみっちり鍛えてあげた程度でぜんぜんそんなんじゃないからね!!?

 

いや、そりゃ会えたら嬉しいよ…?だって私の初めての愛弟子だし、唯一まだ生きてる大切な友人だし……さ、さっきのはただ感極まって抱き締めちゃっただけで違うよ!?私も彼も数年間寝食を共にしたってだけでただの師弟で…うぅ、とても言葉に表現できないな、いや確かに大切な人なんだけど別に〝そういうの〟じゃないというか…!!

 

…え、違うよね………?

もしかして彼に会うときメスの顔しちゃってた…?

い、いやだ………!!流石にTS転生してメス堕ちとかは許容範囲外です!!!!

 

なので絶対違います!!

ちがいますぅ!!!(涙目)

 


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