異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ! 作:ケ・セラ・セラ
目が覚めると、既に子供達はいなかった。
未来の俺と、ナジャラーガの杖を持ったアルテ、そして天界の《百神》の協力で無事未来に戻っていったらしい。
もっと色々話を聞きたかったが。
「未来に悪い影響を与えるから、あんまり言うなって言われていたらしいよ」
まあそりゃそうか。
タイムパラドックスとか起きたらまずいもんな。
・・・これからどうなるんでしょ?
「どの魔導君主家も、事を起こす力は残ってはいまい。
しばらくは復興にせいいっぱいになるだろうな」
溜息をつくヴィナさん。
そうだよなあ、十万からの兵士が死んだもんなあ。
どこもしばらく軍事行動はできまい。
ダー・シのところはどうなるだろう?
「首脳部次第だな。ここで内紛を起こしてリザイアたちを排除するようなら、どのみちクレモント家に未来はあるまいよ」
ロウブさんが肩をすくめる。
まあ、それなら大丈夫かなあ。
ダー・シは許せないが、あの家の人全部が悪人ってわけじゃあるまいし。
そう言えば聞きそびれてたけど、ロウブさんなんでこっちに?
「姫君から密命を帯びての事だったのだが・・・この分では既に使命は達成されたようだな」
俺の肩を叩いて笑うロウブさん。
どういうこっちゃい。周囲の何人かは「あー」って顔してるけど。
「それは、こう言う事ですわ」
レヴィータさ・・・むぐっ!?
「あー!」
悲鳴と怒号。
何故にいきなりキスしますですか、レヴィータザァン!?
また俺の命を危うくするおつもりで!
「あら、構いませんでしょう? 将来わたくしとハヤトさまが結ばれて子を成すのは証明されたではございませんか」
そう言う事では・・・え、まさか。
「ええ。レリアさんとマナ様を巻き込んで、改めてハヤトさまを婿に迎える、その下準備をロウブ様にはお願いしたのですわ」
だから旅芸人と婿入りは両立・・・っていうかマナさんもグルかい!
「だ、だってハヤトくんと結婚出来るから任せておけってレヴィータ様が・・・!」
それ絶対どうするか考えてなかったでしょ!
「未来の娘たちから方法は教えて頂きましたわ。それでよろしいのではなくて?」
出たよこのアドリブ力! 結果よければ全てよし、勝ちゃあいいのよ世の中はスピリット!
にっこり笑うレヴィータさん。
「その通りですが何か?」
言い切られた!
「ちょっと待ちなさいよ! 勝手に話を進めて!」
「そうだよ!」
「あら、皆様にも利のあることでしてよ?
どのみち皆様全員ハヤトさまに嫁入りするつもりだったのでしょう?
出来る限り便宜はお図り致しますし、わたくしどももお仲間に入れて下さいませ」
みんな複雑な顔。
「それは・・・」
「後から出て来て勝手な事言ってんじゃないよ! 大体・・・」
「何なら世界中の銘酒を揃えて飲み放題に致しますが?」
「ぐっ!?」
文句をつけようとしたシルヴィアさんが一撃で黙らされる。弱い。
「私はそれでもいいと思いますけどねえ。ハヤトくんも皆さんのことが好きなんでしょう?」
「むう」
「ちょっとハヤトそのへんどうなのよ・・・?」
睨んでくるアルテ。
えーと、その。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
長い長い時間が流れる。
「すいません、全員好きです! 全員お嫁さんにしたいと思ってます!」
覚悟を決めて叫ぶと、一斉に溜息が漏れた。
「まあわかってはいたんだけどね・・・」
「ハヤトくんだからね・・・」
「口に出してくれただけお兄ちゃんも成長していると思うよ」
リタの言葉が何気に鋭く胸をえぐる。
またアルテさんにぶん殴られるかと思ったが、そうならなくて助かった。
「それはまあ、さっき殴っちゃったのもあるし、私が何かしなくてもひどい目に会いそうだし」
えっ?
みなさん何で俺の後ろを凝視してるんですか?
恐る恐る振り向くと、そこにはガイガーさん。傍らにはズタボロになった小人族。
あ、アーベルダイーンっ!
「ハヤト、話がある」
高鳴る鍔音。はい死んだ! 俺死んだよ!
「は、ハヤト大丈夫・・・?」
へんじがない。ただのしかばねのようだ。
「そうやってギャグが出てくるなら大丈夫みたいだね」
溜息をつくカオルくん。
師匠は治療してくれる気が無いらしく、呪文を唱えて俺の傷の治療を始めてくれる。
「だから! あそこまでやることないでしょ!」
「いや、その・・・」
「おとうさん!」
「す、すまん・・・」
向こうでは涙目のリタにガイガーさんがたじたじしている。
何となくだが、リタのお母さんもあんな人だったのかも知れないと思った。
「あ、あの、ハヤトくん大丈夫・・・?」
眼鏡おっぱいことマナさんが心配そうに覗き込んでくる。
まあ色々あったけどお元気そうで何よりです。
「は、はい、ハヤトくんも・・・」
何故か真っ赤になって俯くマナさん。
「君ねえ・・・」
「だから~、そういうのは~、セクハラって言うんですよ~?」
「まあよろしいのではありませんか? 少なくとも嘘はつかれなくて済むわけですし」
「姫さんも大概ポジティブだねえ・・・」
「これからは同じハヤトさまの妻な訳ですし、どうぞレヴィータと」
「わ、私はまだ決めたわけでは・・・」
「まあ別に今すぐ決める必要は無いと思いますよ。でもハヤトさんとお近づきになるのは、貴族当主なら有益では?」
「ぬぬぬぬぬ」
「ムルカッタのよめ? もっとドーナツくれるなら考えてもいい。一日三つは譲れない」
「小娘、お前はもうちょっと考えてしゃべらんか」
周囲では着々と包囲網が完成していく。
人生の墓場ってこういうことなんだな・・・そんな事を考えつつ、俺は心地よい睡魔に身を委ねた。
『見たか君は~♪ デモゴディΣ♪ 聞いたか君は♪ デモゴディΣ♪』
街道に流れるデモゴディΣのエンディング。
北西に続くこの街道はゲマイから西の大国、ライタイムに続いている。
あの後グラン・ゾントの修理とか、色々後始末でしばらくクリエ・オウンドに滞在した後、俺達は西に向かった。
周囲にはアルテとカオルくんとリタとシルヴィアさんとタウさんとマナさんとレヴィータさんとレリアさんとアーナとヴィナさん。
多い多い多い。
大体何で王族貴族の人達がいるの。
「それはその・・・」
「結婚したのですから、ハネムーン気分を味わってもよろしいのではなくて?」
顔を真っ赤にしたマナさんの言葉をレヴィータさんが引き継ぐ。
師匠が司祭役やった略式にもほどがあるあれなんですけどいいんですか。
「少なくともちゃんとした式だったでしょ! 今更ガタガタ言わない!」
いやそりゃ言いませんけど・・・
「ハヤトくん・・・後悔してるの?」
いやそれはないけど。
「ならいいと思うよ、お兄ちゃん」
「ムルカッタ、めんどくさい」
男には色々あるんだよアーナ。
でもまあ、そのとおりだ。深く考えるのはやめよう。
『三つの心が~響くのだ~♪ 正義と~平和と~愛情と~♪』
ともかくも正義は果たされた。今ここに平和と愛がある。それでいいじゃないか。
「そうやって思考を放棄するから後で苦労するんだと思うよ?」
うぐう。
「でもまあ、今はそれでいいかな・・・」
もたれかかって体重をかけてくるアルテ。
『マシーンだ♪ 魔神だ♪ デモゴディΣ♪』
その肩にそっと手を回す。俺達の馬車は軽く揺れながら、街道を辿っていった。
どことも知れぬ闇の中。
半透明な液体の中に肉片が浮かんでいる。
(いつか・・・天に・・・みんなに・・・兄弟たちに・・・)
肉体に宿る霊魂が切れ切れの思念を発する。
(あと何百年・・・何千年かかろうと・・・)
ゴボゴボと泡が立ち、肉片はしばしの眠りについた。
その眠りが何年か、何百年か、それは今の時点では誰にも分からない。
「異世界に転移したらスキルが「ロボットアニメ」でした ~スパロボ厨が剣と魔法の世界で無双します~ イヤボーンもあるよ!」これにて一巻の終わりであります。
最後なのであれこれ入れましたが、そのせいで普段の倍くらいの容量になったw
感想で「インフィニティの超光子力マジンガーZ以上の演出って何かあるんですか?」って質問がありましたが、まあマジンガーZで最終回な訳ですから、これは「マジンガーZ対暗黒大将軍」しかないかなと、書き始めたときに決めておりました。
そこから「ダイナミック総進撃」に繋がるのは自然な流れで、そうなると最終形態はマジンカイザーじゃろうと。
スーパーロボット軍団がどこから来るかについては悩んだんですが、本人ボコボコにされてるので、本人ではなくそれ以外のところから引っ張ってこよう、そうなると未来の本人というアイデアもありましたが、やはり息子や娘たちだよなと。
余湖さんたち忍殺コンビの書いていた「真マジンガーZERO vs 暗黒大将軍」だとダイナミック系どころかガンダムマクロスボトムズイデオンガンバスターエヴァガオガイガーグレンラガン、果てはパシフィックリムのジプシーデンジャーまで登場するのですが、これは「全てのロボットアニメの可能性を封じ込めたラスボス」であるからこそ映える展開だろうと思って、ダイナミックスーパーロボット軍団、言い換えると東映まんが祭り軍団にしました。
と言うかこいつら全員出したら多すぎるわw
とは言えあの展開も大好きなので「可能性の魔神」とかそれっぽいワードも出してみた。
最後のカイザービッグバンも「魔神総攻撃(双皇撃)」にするかどうかちょっと迷ったりしたし。
それではまた、こちらの次回作でお会いしましょう。
全てを押し流すトンチキスキル ~奴隷しか抱けない男は女を所有する~
https://syosetu.org/novel/408040/