チョロすぎる蛍術師ちゃんの本です。展開が急すぎると思うかもしれませんが、原作の方々を見てください。何も言えなくなります。

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空君ガチ勢には解釈違いとかで向かないかもしれません。


【原神】チョロい蛍術師ちゃん

蛍術師「おー!松茸だ!珍しいー!」

私は松茸を籠に入れ、再び周囲の山菜を集める。

一ヶ月前、地質調査をしていた私達の隊は、不幸にも龍災に襲われ、その時に私以外の隊員は全滅した。

目覚めた頃には龍災は収まり、私以外の隊員の葬儀も済んでいた。

親しい仲間を失った私への温情か、女皇様は私にしばしの休養任務を与えた。

穏やかなモンドの地で、山菜や果物を集めるだけの任務。

最初の方はなんだか申し訳無かったけれど、私の集めた食料を渡した時の仲間の笑顔が、少しずつ私を癒してくれた。

最近は傷も治り始め、だんだん沢山の食料を集められるようになっていった。

蛍術師「冷たっ!」パシャンッ

見つけた小さな池に入る。

周囲にはドドリアンやキンギョソウも生えていて、豊かな池なのだとひと目でわかる。

蛍術師「あーもう!逃げるなっ!あっちょ、跳ねないで!」

泳いでる魚を獲ろうと頑張って追いかけるが、どうにも上手く行かない。

昔ならば元素攻撃で確保できたのだが、私の傷ついた体ではしばらくは邪眼を使わないほうが良いと、医者からドクターストップを受けた為、仕方なく手作業で行っている。

蛍術師「ふん!やっと捕まえた…!」ビチビチ

昔ならば何も感じなかった事にも、達成感と喜びを覚える。

そんなことに達成感を覚えるほど感覚が鈍ったと嘆くべき か、そんなことにも達成感を感じられるほど人間味が戻ったと喜ぶべきか。

魚をシメつつそんなくだらないことを考えていると、近くから誰かの足音と話し声がする。

パイモン「今日はオイラガッツリお肉の気分だ!」

空「残念ながら今日は魚だよ、パイモン」

パイモン「えー、だったら明日はお肉だよな!」

空「明日は…トリックフラワーかもね」

パイモン「え?」

会話内容的に、狩りに来た二人組の狩人だろう。

蛍術師(見つかってもやだし、早めに引き上げよう)ガサ

籠と魚を持ち上げた途端、先程の声が聞こえる。

パイモン「ファ、ファデュイだ!」

そちらを見ると、金髪の整った顔の少年と、浮いている謎の少女が身構えていた。

蛍術師(あの時点でかなり近づかれていたか!)

勘が鈍ったせいで、二人の接近に気づくのが遅れていたようだ

今の自分の服はかなり一般的なものにはなっているが、顔にはマスク、肩にはしっかりとファデュイのマークがあり、胸には邪眼を下げている。

どっからどう見てもファデュイだ

蛍術師(あの顔、警戒対象に書かれてた奴だ!でも…今邪眼を使うわけには…)

少し前に見たリストでは、かなりの腕がある上に、ファデュイには特別敵意と警戒心が強く、容赦がないと書かれていた

香さえあれば、元素蛍を囮になんとか逃げるくらいは出来たかもしれないが、拠点に置いてきてしまって手元には無い。

旅人が剣を構える

蛍術師(覚悟を決めるか…)キィィン

パイモン「ん?なんか、あいつ顔色が悪くないか?」

蛍術師(傷も治ってきた、せめて、逃げるくらいの時間を稼ぐくらいなら…)キィィィィン

そう念じながらも邪眼に力を込めようとするが、邪眼からは微弱な元素力しか出てくれない

空「凄い苦しんでる様だけど、どうしたんだ?」

パイモン「わからない…」

掠れる意識の中、そんな声が聞こえてくる

蛍術師「ぐぅ…うっ…かはっ」ガクッ

一旦力を込めるのを止めようとするが、何かが抜けていく感覚と共に意識が薄れていく

パイモン「おい!アイツなんかおかしいぞ!」

警戒しながらも、旅人と白い少女が近寄ってくる

蛍術師「………ぁっ」

私の意識はそこで途切れた

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

パイモン「ーきろ!ーやくおーろ!」

頬をペチペチと叩かれている感覚がする

蛍術師(いたい)

目を開けると、夕焼け眩い光が目に飛び込む。

パイモン「旅人ー!こいつ起きたぞ!」

蛍術師(旅人?私は旅人に捕まったのか?)

あたりを見回し、風立ちの地の神像の近くに寝かされている事が分かった

目眩などはなく、頭を動かした時には濡れたタオルが落ちた

蛍術師(あいつが、乗せたのかな)

とりあえず起き上がろうとすると、あることに気づく。

周囲には香がいくつか焚かれており、近くには医療書のようなものが置いてあった。

蛍術師(私は…治療されていた?…なんで?)

空「ごめん、けむたいよね」

そう言うと旅人は、香を回収し、落ちたタオルも拾った

蛍術師(なんか、印象と大事違うな)

テキパキと動く旅人を眺めていると、近くに白い少女が話しかけてきた

蛍術師「あなた達は?」

パイモン「オイラパイモン、アイツは旅人!オイラ達はお前が倒れたから、わざわざここまで運んで治してやったんだ!」

空「パイモンほ何もしてない上に疑いまくってたじゃん」

パイモン「そ、そんな事ないぞ!えっと…その…ごめん…」

蛍術師「なんで、治療までしてくれたの?」

パイモン「そりゃ、うーん…えっと…そうだ!苦しんでいる人を放置したら気分が悪くなるだろ!」

蛍術師「それだけの理由で…」

空「おおむね合ってる」

蛍術師「なんか、凄いね」

パイモン「ん?どうした?」

蛍術師「いや、私はてっきりファデュイと知った途端切りかかってくるものかと思っていたからね」

空「武器も持っていない病人にそこまでするほど鬼じゃない」

パイモン「そうだ、もう歩けるか?」

蛍術師「大丈…うぐっ…えっと、まだキツイかも」

空「やっぱりまだか」

パイモン「大丈夫だ!オイラ達にはティナリから貰った治療の為の本があるからな!」

空「一回状態を見てみよう」

旅人は私に近づくと、ズイッと顔を寄せて、首に手を当てる

蛍術師(近い近い近い!)

空「心拍数もまだ安定してないし、熱がある」

昔から仕事一筋で、まともに話した男性など身内と仲間だけな私は、もとより男子耐性が低い

ーその上

空「?大丈夫?どこか痛いところとかある?」

蛍術師(こいつ無駄に顔が良い!そして優しい!)

旅人は天性の人たらしであり、何故か人が嫌がらないベスト距離感を常にキープし続ける

この場合、彼女は既に彼に対する敵意などはなく、恩義と好意を感じている状態だった。

蛍術師(あーーー!あーーー!近いって!うーーーーっなんかいい匂いするし!)ドクドクドクドク

そこに顔面惚れ薬の旅人が近距離で真剣に診察をしてくれてるのである。

空「あ、」

首回りを観察していた旅人は何かを見つけたのか、パッと離れて荷物から何かを取り出す。

蛍術師(あー心臓に悪い。ほんとなんであいつこんなに距離感バグってんの!?)ドキドキ

パイモン「お前、凄い顔真っ赤だぞ?大丈夫か?」

蛍術師「だ、大丈夫だよ…」ふぅ~ふぅ~

なんとか深呼吸をして落ち着こうとしている矢先、旅人が戻って来る

空「首の裏に傷があったからね、包帯巻いとこうと思って、少し苦しいかもだけど我慢して」スルスル

蛍術師「ひゃあっ!」ビクッ

空「痛かった?」

蛍術師「いや、くすぐったくて…」

空「ごめん、少し丁寧にやるね」スルスルキュッ

蛍術師「ん…あっ、ひん!」ビクッビクッ

丁寧にやった分、細かに擦れてよりくすぐったくなっている。

空「これで大丈夫、えっと…うん、後は休めばきっと回復すると思うよ」

本を閉じた空は一息つく

パイモン「オイラはじゃあご飯を炊いてくるぞ!何をするにもご飯は大事だからな!お前も沢山食うんだぞ!」

蛍術師「私の分までありがとう」 

パイモン「気にするな!そのかわり早く元気になるんだぞ!」

空「ふぅ、とりあえず一段落かな」

蛍術師「ね、ねぇ!」

空「なに?」

蛍術師「えっと…今日は色々ありがとうね」

空「別に大したことはしてない」

蛍術師「けど、その…疲れたでしょ」

空「…それもそうだね、少し休むとしよう」ゴロン

蛍術師「なんで隣!?」

空「別に君は寝首を掻いたりはしないでしょ?」

蛍術師「そういう問題じゃないーーー!」

空「ふふっ」

そう話した後、2人は疲れで眠りにつく

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

しばらくして、パイモンが戻って来る

パイモン「なんだ2人共、寝ちゃったのかよ!」ツンツン

あの後、寝相の悪さかはたまた故意でか、2人は蛍術師が空に覆いかぶさる形で眠ってしまっている

蛍術師「ふふ…」むにゃむにゃ

空「あ、あつい…」

パイモン「全く、警戒心のないファデュイもいたもんだな!ま!少し放っておいてやろう」

 

 

空に幸せそうな笑顔で抱きつく蛍術師の首の包帯には、彼女の恋を応援する様に、紫色に輝く[神の目]がぶら下がっていた

 

 

 




この後神里家のお嬢様とモンドのメイドがすっ飛んで着ないことを祈りましょう

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