こちらはおまけとなるので注意。
あとがきと設定など。
当時の事を思い出しながら書いたキャラ設定など。
執筆が終わってから約13-14年後に思い出しながら書いているので、ふわっとしている部分があるのはご容赦。
原作は儚月抄小説版、香霖堂を主として、当時の原作おまけtxtと原作会話を参照。
意識したのは、二次設定に引っ張られすぎないこと。
二次創作が活発な東方プロジェクトだからこそ、二次イメージに問われない一次イメージソースを大事にしたキャラ作りをしようと考えていた。
当時銭ゲバ描写が非常に多かった霊夢の描写などは上手くいったように思うが、他のキャラがどうだったかというと、何とも言えず。
少なくとも輝夜、早苗、あたりは他の二次イメージが幾分混入してしまったように思う。
そのうえで、多くのキャラは自分なりに可愛く書けたと思う。
また、裏テーマとしてはすれ違いを描いていく、と言うのもあった。
二次創作でよくある鈍感ハーレム展開って、実は誰とも全く心が通じ合っておらず、これって凄い寂しい恋愛なんじゃないかと思ったのが切欠。
当作品でも、結局権兵衛と女性陣では精神の交流がありつつも、すれ違ったまま権兵衛は幻想郷と一体化してしまった。
唯一正面から告白した霊夢の言葉も、みんなで不幸になる程度の能力の所為だと思ったまま。
女性たちは幸せかもしれないが、周りから見ていると寂しい恋愛を書いていったつもり。
本作だが、プロットは全部で4万文字あった。プロットで4万文字って何???
とはいえ流石にプロットの編集履歴までは残っていないので、何話ぐらいまで書いた当たりで設定が固まったかは覚えていない。
1話を書いた時点では、使うか分からない伏線を無数にばらまきながら、1話完結でも読めるつもりで書いていた記憶がある。
原作東方香霖堂あたりで名前の話が沢山出てきたのを元ネタとして、名前が既存の状態にない新たな存在、"身元不明者"の擬人化として設定した。
4つの能力やらなにやらは、2話以降書きながら考えた記憶がある。
重力云々は霊夢を意識して描写に挟んで置き、あとで1話から拾ったような。
本作は連載作品として、以下の構造を意識した。
・短期的な面白さ:1~3話で完結するヒロインの可愛さ
・長期的な面白さ:主人公という謎の存在の秘密
とはいえこの構造のみで本作の物量はやや多く、少しループ構造に飽きを感じかねない所はできてしまった。
もう少し全体をスリム化させるか、中期的な面白さ(10万文字程度で完結するエピソード)にも意識した方が良かったのだろう。
そのあたりは、その後別作品のプロット作りにある程度活かされたように思う。
上白沢 慧音
原作txtより
>本人は妖怪だが、人間が大好きで常に人間側に立っている。その能力も、人間の為になる事にしか使わない。
→1話は単発で作品として完成するように書いたので、かなり気合を入れて描写した。
「人間が大好き」なので人間と権兵衛とで板挟みになってもらい、「その能力も、人間の為になる事にしか使わない」ので私欲のために能力を使って苦悩してもらった。
1話時点だと、実のところ物語のなかで決断と苦悩を行っているのは慧音であり、彼女が主人公の立ち位置となる。
1話時点の権兵衛はあくまで狂言回しだった。(ちょっと濃厚すぎる狂言回しだけど)
魂魄 妖夢
→作者的に萃夢想でやたら相手を切りたがっていたイメージが抜けない。
なのでこういった役割になってもらった。
西行寺 幽々子
原作txtより
>元々、幽々子は死霊を操る程度の人間だった。それがいつしか、死に誘う程度の能力を持つ様になり、簡単に人を死に追いやる事が出来るようになっていった。彼女はその自分の能力を疎い自尽した。
>亡霊になってからは、生前の事等すっかり忘れ、それはもう死に誘う事を楽しむようになっていたのだから世話も無い。
→死に誘う能力を厭うて自決した、今は死に誘うことが楽しみな亡霊。
故に愛する相手には死を向ける。
因幡 てゐ
原作txtより
>人間を幸運にする程度の能力
>健康に気使って長く生きているうちに、妖怪変化の力を身につけた兎。
→権兵衛の第4の能力は決まっていたので、ギミックとして採用。
こいつに幸福にできない時点で、権兵衛は人外か、人間だけど運に関する能力を持っているかが確定していた。
前述のとおり儚月抄小説版がイメージソースでもあったので、てゐのイメージが強かったのもある。
鈴仙・優曇華院・イナバ
→儚月抄読んでて、こいつ絶対好きになった相手ストーカーするタイプのコミュ障だよな、と思った。
八意 永琳
→儚月抄の主役としてのイメージが強い。
幻想郷でおそらく最強であり、最も長く生きた存在でありながら、精神の生き物としての在り方で紫に敗北してしまうところはすごく良いキャラしてると思う。
かなりキャラとしては好きなのだが、気づいたら内臓に頬ずりしていた。
ある意味愛ゆえにこうなった気がする。
蓬莱山 輝夜
→某二次創作の影響により、永遠の命に大きく縛られた存在というイメージが強い。
弾幕好き。もっと金閣寺をひっくり返してくれやっぱやめろ。
風見 幽香
原作花映塚、vs映姫より
>映姫「いや、貴方は少しおかしくなっているのかもしれない。人間であろうと妖怪であろうと、幽霊であろうと妖精であろうと、片端から攻撃してきた。大した理由もなく。」
>「桜は……本当は白色になりたいと思っている。」
→幽香は少しおかしくなっており、それを映姫に指摘され自覚しており、「本当は白色になりたいと思っている」?
という着想から、本作の幽香が設定された。
やたらと読者から人気で、ちょっと驚いた。多分乙女部分が良かったのだろう。
藤原 妹紅
原作txtより
>今でも輝夜は憎い。それに輝夜は私を消そうとしてくる。でも、死ぬ事はない。なんて充実した毎日だろう。人里離れた山奥にあるこの地は、本当の蓬莱の地に違いない。生きているってなんて素晴らしいんだろう。
→純度100%のヤンデレ。
こいつだけはほぼキャラ崩壊していないと思うよ本当に。
レミリア・スカーレット
原作txtより
>殆どの妖怪に慕われているけど、そのカリスマは彼女の人格ではなく、その種族に対する畏怖です。
>彼女は少食で、多くの血を食べきれず残すため、吸われた人間も死なないで貧血になるだけが多いのです。そのため、いつも同族を増やすことに失敗してしまいます。その割に多くの血をこぼして、お洋服を真っ赤にしてしまうので、皆から「スカーレットデビル(紅い悪魔)」と呼ばれています。
>ツェペシュの末裔と名乗っていますが、本当にブラド=ツェペシュの血を引いているかは、誰も分かりません。というか引いてないです。
>B型の血が一番美味い。
→カリスマは彼女の人格にはないと明記、ツェペシュの末裔は詐称。
しかし原作小説版儚月抄ではカリスマ感0という感じではない。
そこからカリスマ(偽)を演技する要素へと解釈したのが、本作のレミリア。
博麗神社2で自分の体に飲み切れない血を塗っているのは、血をこぼして洋服を真っ赤にしてしまう点のオマージュ。
権兵衛の血液型は設定していないけど、たぶんB型。
十六夜 咲夜
原作txtより
>彼女はその能力により人間から煙たがられてしまいます。すでに普通の人間と仲良くやっていくのをあきらめています。
>これといった名誉欲や支配欲などはなく、飯さえ食えればそれでいいと思い、紅魔館でメイドをやっています。
→諦念、名誉も支配も求めない、妥協。
紅魔郷ENDINGで主人との関係が変わっていく。
そこに主への恐怖というエッセンスを加えたのが本作の咲夜。
髪フェチになったのはライブ感。
伊吹萃香
原作txtより
>気に入った人間を見つけると人間が用意したルールで戦おうとする。
>酔ってない時が余りない。
→誠実さと暴力と「怖いもの」をMIXした存在。
折角だから素面にさせてみた。
誠実であればこそ、にぎやかな幻想郷を愛するからこそ、すべてを受け入れる「あのあれ」からは免れなかった。
射命丸 文
→この話を書いているときに「骨ニー」という単語が頭から離れなかった。
ということで、原作設定とかより、特定シーンの画から逆算してこういうキャラになってしまった。
キャラ崩壊というのは、その通り。
アリス・マーガトロイド
原作txtより
>圧倒的な力で勝つことは、アリスにとって楽しくともなんとも無いので、常に相手の様子見て、それより少しだけ上の力で戦おうとする。負けても全力は出さない。全力で戦って負けると、本当に後が無い為である。
>性格は、他人に無関心で、魔法に執着しやすい。強気を張っているが実は臆病な面もある。
→よく考えなくても設定上性格が悪い。これ読んでる俺らかな?
オタクに優しいギャルに優しくされたオタクみたいな感じになってしまった。
ある意味俺らである。
みんなで好きな娘の名前体に刺繡しようぜ。
東風谷 早苗
原作txtより
>早苗は幼い頃から、口伝でしか伝えられていない奇跡を呼ぶ秘術をマスターしていた。子供でありながら奇跡を呼ぶ彼女は、多くの信仰を集められる――筈であった。
>ここでは、彼女は特別な存在ではない。現人神なんかではなく、ただの人間となっている事に気付いたのだ。これからは幻想郷の人間として普通に生きていくしかないのである。
>人間の話し相手が欲しいと思っている
→幻想郷に来る事で特別ではなくなってしまった少女。
特別な存在であるという事が希望そのもので、血を分けた家族より二柱の神に信仰を集めることがしたかった娘。
作者が個人的に某こいし動画の影響を少々受けており、現世ではいじめられっこイメージがどうしてもある。
八坂 神奈子
→作中ではかなり安定した立ち位置。
地霊殿やら、色々黒幕しては美味しいところだけ持っていくイメージがとても強いので、その通りに。
地霊殿では黒幕している神奈子を諏訪子は冷めた目で見ていたし、非想天則も二人で全然連携していなかったし、割と二人は仲悪いイメージ。
方針が違うけど、契約で離れられない仕事仲間って感じ。
洩矢 諏訪子
原作txtより
>早苗は今では神奈子の巫女であるが、奇跡を呼ぶ事が出来るのは彼女が実は、諏訪子の遠い子孫だからである。
→既婚者確定キャラ。
その時点で全自動で前世話ができてしまったあたり、筆のノリで設定が決まったところはある。
風神録Exの「神遊び」という会話から、里の子供とよく遊ぶイメージがあり、そこから守矢神社1の例の子供シーンにつながっていく。
あの場面は割とノリノリで書いていた記憶。
ナズーリン
原作セリフより
>私のネズミは人肉を好むからチーズなんて赤色の薄い食べ物は食べてらんないんだとさ
>私の小ネズミ達が食欲を抑えきれない様子だよ(人間/魔理沙に対して)
→かわいい。
手下が食人していることが公式で明確。
そのため、ナズーリン以外の命蓮寺メンバーに権兵衛食してもらおうと決めた。(ひねくれ)
村紗 水蜜
原作txtより
>僧侶は海の上に居た。さっき転覆させた舟とは異なる、光り輝く舟に乗っていたのだ。しかもその舟は、遥か昔私が乗っていた物であった。
>「この舟を操るのは貴方です」
>その言葉で、彼女は呪われた海を捨てる事が出来た。
→この後でこの舟が変形して命蓮寺になってんだけどいいの??? が設定の発端。
そこに納得がいってなかった、という想定背景から生み出されたのが本作のムラサ。
寅丸 星
被害者担当。真面目でちょっと抜けていて配下が上位者による監視役という貧乏くじの塊みたいな役割。
本作でもナズーリンのほうが影が濃い。
聖 白蓮
原作txtより
>嘆き悲しんだ白蓮は、死を極端に怖れるようになった。
>若返りを自分の物にし、寿命が亡くなった彼女が次に怖れたのはその力が失われる事だった。
>つまり、妖怪が居なくなってしまったら、自分の力も維持できなくなるのだ。
>最初は自分の欲の為であったが、妖怪達の不憫な過去を知り次第に力にならないといけないと思うようになったのだ。
→「利己→利他」の精神の動きだったことは、原作設定そのまま。
故に例の権兵衛と出会うと精神が破壊されることは確定していた。
無論彼女の狂気の行いは、妖怪と人間との共存を根本的に否定する人肉食である。
封獣 ぬえ
「お前はここで終わりだがな!」
執筆当時はドジっ娘としての側面がメインだったため、本作でもその通りとなる。
今書くとしたら、隠岐奈や紫に脅威認定されていたエピソード、霊夢が高評価した妖怪であることを盛り込み、真正の妖怪としての描写メインとなるのだろう。
精神の生き物である妖怪の、その真正の極致。どー書くかな?
古明地さとり
原作txtより
>こいし設定:心を読む力は、自らの心の強さでもある。
→上記をもとに、さとりは心の強さを誇る妖怪とした。
なお、執筆時は「11点」のネタ前の時期だったが、さとり妖怪であることに誇りを持った描写は結果的に正解だった模様。
原作では口数が少なかったが、手癖で妙に口数が多くなった。
作者の好きなキャラなので、なんとなく優遇されている。
お燐
原作txtより
>最初からさとり様に相談すれば良かったのだが、お燐は何となく空の異変を隠した方がいいと思っていた。もし空の異変に気付けば、さとり様は容赦なく空を始末するだろう、そう考えていた。
原作セリフより
>人間の貴方を殺して、業火の車は重くなる~♪ あー死体運びは楽しいなぁ!
→尊敬するものや愛する者に隠し事をするタイプで、かつそれでドツボにはまるタイプである。
本作でも同様に、自分の正体を隠す事で感情のジェットコースターとなる。
気に入った相手を殺して死体にするのは普通に原作通り。
おくう
アホアホで天真爛漫な娘なので、頭が良くなって無表情になってもらうゴールから逆算して描かれた。
というか、頭が悪いままだと「オレ、バカだからよくわかんねぇけどよ...」的なセリフで本質を突いてしまうので、物語が健全な方向に向かってしまう。億泰構文が使いやすすぎる。
本作では作品の方向性故、強制的にポテンシャルを発揮できない方向に向かってもらう事になった。(これはこれで書いてて可愛かったけど)
古明地こいし
本質的に強い存在であるさとりと、根本的にすれ違った、瞳をとじたさとり妖怪。
嫌われる事が怖いので、好かれなくても我慢する、というメンタル。
精神の生き物とされる妖怪の中ではどう考えても寿命を縮める行いだが、ある意味権兵衛とのシンパシー。
ということで、非常に書きやすい子だった。
お燐と権兵衛の会話を一人で再現するシーンは、個人的にものすごく寂しくて最高に出来が良いシーンだと思っていたが、特にそこに感想はつかなかった。
作者は泣いた。
博麗 霊夢
原作txtより
>元々、霊夢は不思議な力を色々使えるが、それを活用したり自慢したりはしない。すべては在るがままに、である。
>何者に対しても平等に見る性格は、妖怪の様な普段畏れられている者からも好かれる。逆にいうと、誰に対しても仲間として見ない。
>何者に対しても平等に見る性格である。ただ、仕事は妖怪退治である為、妖怪に対しては厳しいポーズを取っているが、実際は人間にも妖怪にもさほど興味はない。
→完全に平等で、あらゆるものに深い興味を持たない、完璧な主人公として描写。
もちろん、そうではなかった。
最初から直感で正解を知るタイプの主人公であるが故に、策略には向かず、最後の詰めを誤ることになる。
八雲 紫
→主に原作小説版儚月抄がイメージソース。
圧倒的強者である永琳に、妖怪としての精神的格で優勢を保つ形。
そこにうさん臭さを+。
作中でも描かれたが、身元不明者の擬人化である七篠権兵衛の人格は、紫の好み。
つまり、権兵衛はすべてを受け入れる幻想郷そのものを擬人化した人格である。
七篠権兵衛
ある意味作中最強キャラ。
ハーレム状態が自然な人格、と考えるとまともな人格が想像できなかったので、ある意味精神的怪物として設定された結果がコレである。
作中で様々なキャラと交流するが、相手の言葉をすべて曲解して受け取っているので、ある意味誰とも対話をしていない。
対話が非常に困難な存在なので、彼に精神的影響を与えるのは至難の業である。
精神の生き物である妖怪にとっては、最強最悪の存在とも言える。