転生と狐と魔法少女   作:隣乃芝生

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書き直すこと七回。

満足いく物が書けず、お待ち頂いていた皆さまに申し訳ない。

何とか出来ましたのでどうぞ。


乱闘と大爆発と少女の出会い

interlude

 

 

 

 響く砲撃音をどこか遠くに感じるほどに、その人物が今ここに居る事が信じられなかった。

 

 

〈生きて、いたのですかマイスター。〉

 

 

 何故、どうやって、思考が混乱する位に倒れ伏した少女に手当をする女性、リニスへ驚きを覚えながら少女のデバイス――インテリジェンスデバイス・バルディッシュは、己が製作者に語り掛ける。

 

「・・・」

 

 バルディッシュの言葉には答えず、手当を終えたリニスは膝に頭を乗せたままの少女の金色の髪を撫で付ける。

 

〈マイスター。どうかマスターに力をお貸し下さい。それにマスターもアルフもマイスターがお戻りになればきっとお喜びに・・・〉

 

 バルディッシュの言葉に髪を撫で付けていた手が止まる。

 

 

 

 

 

「・・・戻る?この子達に何も出来なかった私が?」

 

 

 

 

 

 

 リニスの口から零れた台詞に驚愕の余り思考停止する。

 

「救うことも変える事も出来ず、諦めて、見捨てて、逃げ出した私が?」

〈マイスター・・・そのような事は・・・〉

 

 そのままリニスは、少女を地面に横たえ立ち上がる。

 

「それに、今の私には・・・」

 

 森の向こう側にある洋館の方に顔を向けたリニス。その表情は何かを断ち切ろうと決意を固めたようにバルディッシュには見えた。

 

「・・・フェイト達の武運と健勝を祈ります。」

 

 そのまま、リニスは振り返る事無くその場を後にした。

 

〈・・・・・・〉

 

 バルディッシュは、そのまま記録を閲覧出来ぬように己がメモリーの奥底に封印する。

 

 

《自分は誰とも会わなかった。》

 

 

 主が戸惑うこと無いように。

 

 

 主を泣かすこと無いように。

 

 

 

 彼女が去り際に流した涙を誰にも見せないように。

 

 

interlude out

 

 

 

 

 

 

(何て強さなんだろう。)

 

 目の前で繰り広げられる光景に、アサシンによる魔力供給(強制)によりダウンしたユーノは倒れ伏したまま、目を奪われた。

 

 機敏に動き回り、鏡形の宝具を攻防一体に用いながら呪符による攻撃や牽制に回るキャスター。

 

 地面を音も立てずに疾走し、メスを投げ付け、手のナイフで斬り掛かるアサシン。

 

 森の木々を盾にしながらも、一切足を止めずに枝葉の隙間を縫うように矢を放ち続けるアーチャー。

 

 そして・・・

 

「ホラホラ如何したぁ!?さっきまでの威勢は何処に行ったんだい!」

「な、何なんですかこのバ火力!?」

 

 恐るべきは、それらの三騎を相手に怯むどころか、真っ向から圧倒的な火力で迎え撃つライダー。

 

 背後から現れる大量の砲門から放たれる砲弾でキャスターを防戦に回らせ。

 

 片手に握られたクラシックな拳銃でメスを叩き落とし、アサシンを牽制し。

 

 業物と思われる装飾のされたカトラスでアーチャーの矢を切り払う。

 

 それらをこの混戦の中、的確に使い分ける技量と度胸と戦闘経験。

 

 此こそがライダー。

 

 神代ならぬ大航海時代において人類史を二度動かすという偉業を成し、英霊の座に招かれた女である。

 

 その戦闘の余波だけで、月村家の敷地の森を更地に変えそうな勢いで木々を薙ぎ払い、地面を打ち砕き、草花を焼き払いながら破壊し焼き尽くす、まるで地獄の如き光景。

 そのすさまじさにユーノは息を呑む。

 

「これが、サーヴァント同士の戦「バインド!」い・・・?って何で参加してるのかな!?」

 

 動き回っていたライダーの身体をピンクの魔力が巻き付き拘束、その一瞬を逃さず三騎が仕掛ける。

 

「はっ!甘いよお嬢ちゃん!」

 

 しかし、一瞬でバインドを破壊したライダーは軽業師のような動きで強襲を躱し、逆に拳銃で牽制。なのは達が知らぬ事ではあるが、リニスによりバインドの効率的な破壊法を学んでいたライダーにとって、リニスのソレと比べれば遙かに容易いことであった。

 

「くっ!?躱されたの!」

「いやいや、良いタイミングだったよお嬢ちゃん!いいねぇ・・・ちょっとからかう位のつもりだったが喰らいがいがあるってもんだ!」

「やらせますか!!」

 

 なのはにターゲットを移したライダーにアーチャーが矢を放ち、キャスターがなのはを庇いに入る。隙を見てアサシンが斬り掛かるが、逆にライダーに蹴り飛ばされ地に転がる。

 

「グスッ。痛いよぅ・・・あのオバサン強い。」

 

 ライダーに蹴り飛ばされたアサシンが、泥だらけで起き上がろうとするが、それを見逃すライダーでは無い。ライダーの背後の砲が角度を調節しアサシンへと狙いを定める。

 

「ジルちゃん危ない!」

 

 なのはが、大量の光弾をライダーに向けて連射を行い、ライダーの注意を逸らす事で間一髪アサシンは砲撃から免れたが、

 

「うそ、効いてないの!?」

 

 躱す気すら見せないライダーに当たる寸前、なのはの光弾は全て打ち消された。それを見て驚愕するなのはにアーチャーが、何が起こったのか看破する。

 

「・・・恐らくは対魔力スキルですね・・・一定以下の魔術的攻撃は無効化されるでしょう。」

 

 ライダーの対魔力スキルはD。なのは達の魔法で言うところのシューター級位で有れば大抵無効化出来る。

 

「ず、ズルイ!?そんなスキル、キャスターさんも持って無いのに!」

「ええ、実に反則的なスキルです。」

 

 真剣な表情で頷くアーチャーであるが、ここに彼のマスターや家人達が居れば、

 

アンタ(対魔力:B)が言うな。』

 

とでも口を揃えて言ったであろう。

 

 

 

 

 

 

 さて、サーヴァント三騎と一人に圧倒的に対して火力で勝るとは言え、状況はライダーに不利で有る事は変わらない。

 生前から、船上での敵味方入り混じっての乱戦には慣れているとは言え、相手がそれぞれ一騎当千の英霊であれば如何に豊潤な魔力供給があるとは言え・・・

 

『不味いかねぇ・・・リニス。そっちはどうだい?』

 

 不敵な笑みを浮かべながら念話を繋げれば、暫くして返事があった。

 

『・・・えぇ・・・大丈夫です。気を失っているだけでケガも応急処置は済みました。』

『・・・そうかい。』

 

 アサシンに殺され掛けた金髪の少女の所へと向かっていた相方からの念話に、目標である少女の救助は出来た事を確認。・・・かなり気落ちした声に後でフォローする(朝までラム酒を飲む)事にする。

 

『取り敢えず、陽動は成功。後はこの場を・・・』

 

『き、きゃああああああああああああああ!?』

『『スズカ!?』』

 

 突如として、マスターの悲鳴が二人に響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 突然、それまで余裕の笑みを浮かべていたライダーの表情が一変した。

 

「悪いねぇ。上官殿の事情が変わっちまった。ちっと退かせて貰うよ。」

「我々から逃げられると?」

 

 弓に矢を番えたまま、アーチャーが口を開く。キャスターは呪符を構え、アサシンは宝具『暗黒霧都』を展開し始めた。

 

「おうさ。海賊には逃げ足ってのも大事なのさ。」

 

 ライダーの背後が大きく歪む。先程までとは比較にならない魔力を放ちながらその姿を晒し出す。

 

「・・・お船・・・なの?」

 

 それはなのはには見慣れない、現代では映画や港町でしか見れないであろう、少し小さな古びた帆船。しかし、宝具と言うには余りにも、言ってしまえば粗末な船である。強いて特徴を挙げれば、船首の下に尖った杭のような物、そして何より・・・

 

 

「みこっ?何でしょうかこの匂い?油?・・・やばっ!」

「遅えよ。」

 

 

 

 ライダーの言葉と同時に、突如として燃えだした船は船首をキャスター達に向けて急加速しながら突進、

 

 

 

 

 

 ミサイルが着弾したような大爆発を引き起こした。

 

 

 

 

 

 

 閃光と爆風に包まれる森、ライダーはその場を霊体化して後にした。

 

「序でに『姐さんの華麗なる略奪』ってな。」

 

 その手にこの後の交渉材料を手にしながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 もはや更地を通り越してクレーターが出来上がった月村家の敷地。衝撃波により月村邸の窓ガラスは悉く割れ、壁面に罅が入り、被害総額と後始末を考えて当主が泡を吹いて気絶した頃。

 

「大丈夫でしたか皆さん。」

 

 キャスターの術が間に合わぬと判断したアーチャーの機転により、アーチャーの両脇に抱き抱えられたなのはとキャスター、背中にぶら下がったアサシンとユーノは何とか最小限のダメージで済んだ。

 

「た、助かりましたアーチャーさん・・・」

「うにゃあ・・・」

「アーチャー!もう一回もう一回!」

「きゅう・・・」

 

 アーチャーのやった事は単純に、船の帆と舵を矢で破壊し、動きを抑えた上でスキルにより上乗せ強化した身体能力で四人を抱えて全力で離脱する事。さらになのはのプロテクションとキャスターの術によりダメージを抑える事に成功した。

 

(それに、彼女が本気では無かった様ですし。)

 

 派手な爆発であったが、恐らく本来は衝角をぶつけた上で爆発させるものだろう。それをせず、自分達を逃がした理由・・・それを考えていると、地面に降ろしたキャスターがクレーターを見ながら声を上げた。

 

「こんな昼日中の住宅地で壊れた幻想・・・!?正気ですかあの女!?」

「いや、恐らくあれは『火船』では?」

「んなコト言ってる場合じゃ無いです!ああ、やっぱり!あの女この為に大爆発を!?」

 

 遠くから二種類のサイレンが鳴り始め、此方へと向かって来るのをキャスターの聴力が察知した。

 

「成る程・・・追撃所では無いですね。」

「に、逃げますよなのは様!警察と消防は忍さんや恭也さん達に任せましょう!」

「えっ・・・えっ!?」

 

 余りの衝撃に未だ呆然としていたなのはを小脇に抱え、帯から取り出したスマートフォンで恭也と忍に連絡を入れる。

 

「キャスター、ジュエルシードあのオバサンに持って行かれたみたい!」

「あの海賊女・・・アサシン、逃げますから霧も出しといて下さい!」

「うん。」

 

 頭に気絶したユーノを乗せたアサシンが、宝具『暗黒霧都』を発動させ目眩ましを行い、全員でこの場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうしよう・・・」

 

 霧に包まれ始めた森で、身を隠しながら一連の流れを見ていた金髪の少女は顔を青くしていた。

 

 目的であったジュエルシードは持ち去られ、圧倒的な暴力を振るう超常的な存在に心が折れかけていた。

 

『今の内にさっさと帰りな。』

 

 顔に傷のあった超常存在が去り際に声を掛けていったが、立ち上がれないほど打ちのめされた。

 

(アルフと一緒でもダメ・・・)

 

 どう考えても捕まるか、無惨な死体となる未来しか見えない。

 

「どうしよう・・・これじゃあ母さんの役に立てない・・・」

 

 だからこそ、彼女は願った。

 

(力が欲しい・・・せめて、あの超常の存在を何とか出来るような力が。)

 

 本来ならばただ叶うことも無い願いを。

 

 

 

 

 

 

 

――そう、本来ならば――

 

 

 

 

 

 

 

 

 少女を先の爆風から守った石柱――館の住人が購入したは良い物の本来の目的に使えず、とは言え家の倉庫に入れとくのも勿体ないからと、オブジェとして敷地に突き立てていたギリシャ土産。

 

 

 

 

 とある大英雄を奉っていた古い神殿の支柱を加工した、という謂われの巨大な大理石の剣斧。引き抜かれること無く突き刺さっていたソレが。

 

 

 

 

 

 

 

「――■■■■■■■■■■■――!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 少女の目の前に現れたステンドグラスを砕きながら、顕現する鈍色の巨人の手により引き抜かれた。

 

 

 

 右手の甲の痛みと共に現れた三画の模様。

 

 

 

 繋がり、流れていく自身の魔力。

 

 

 

 ただ其処に在るだけで、全身の細胞が敵対を拒否する程の圧力。

 

 

 

 

 

 

 

 少女の運命すら切り開く狂戦士との出会いだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フェイトぉ!?無事かい!?大丈夫かい!」

「あ、アルフ。」

「■■■■■■■■■■■■■■!!!!」

「ギャアアアアアア!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ 後始末と支払い方法

 

 

『・・・只今入りました速報によりますと、海鳴市の住宅地で大規模な爆発が発生しました。死傷者が出ているかは判っていません。警察では、最近海鳴市で発生している連続無差別テロ事件との関連を・・・』

 

「どどどどどうしようどうしようどうしようキャスターさぁん!すすすすすずかちゃん家がぁ!?」

「おおおお落ち着きましょうなのは様!?大丈夫大丈夫ですから!ほら泣かない泣かないで下さいまし!?尻尾もふって落ち着きましょう!」

 

 全速力で高町家に帰還した一同が一息吐いた所で、アサシンが着けたテレビから流れたニュースになのはが慌ててキャスターに泣き付いた。

 

『なお、現場では黄色い有毒ガスが発注しており、肌や眼、肺に強い痛みを感じ病院に運ばれた警官や消防団員がいるとの情報も・・・』

 

「ジルさん・・・」

「ワザとじゃないもん。・・・でも一緒におかーさんに説明してね?」

「え″っ!?」

 

 普段はとても優しいマスターとのお話を考えてしまい、ガクブルと震えながらユーノを握・・・抱き締めるアサシン。

 

『・・・街の住民からは頻発するテロによる被害に不安の声も・・・』

 

 真剣にニュースを見ていたアーチャーが、頭を抱える。

 

「しかし、困りましたね。少なくとも被害を補填する方法を考えなければ・・・」

「うーん。監督役とか居ませんし、代わりの月村さん家も今回の騒ぎでそれ所じゃ無いですし、落ち着いてから寄付って形で・・・」

 

 そんな話をしていた横で、アサシンが思い付いた事を口にした。

 

「・・・キャスター・・・がんばって・・・」

「えっ!?私が払うんですか!?」

 

 驚愕するキャスターにアサシンが頷く。

 

「だってキャスター色々やって貯金してるもん。」

「あれは高町家の家計に負担を掛けないための私と貴女の生活費と、なのは様との結婚資金と、なのは様とのマイホーム購入資金とか、なのは様とのハネムーン資金とか、なのは様とのドライブ用新車のローンとか、なのは様の学校への寄付金とかその他諸々だってーの!というか貴女の食費と学費払ってるの私なんですけど!」

「半分以上言ってることがおかしいの!?って新車って何!私聞いてないの!?」

「ご安心下さいませなのは様!温泉旅行までには納車されますから。」

「そこじゃ無いの!そもそもキャスターさん免許・・・」

「それはそれ、これはこれ。私たち、みせーねんしゃだもん。」

「よしぶっ殺。マスター!こいつらとっちめて有り金巻き上げてやりましょう!」

「落ち着いて欲しいのキャスターさん!?あと免許は!?」

 

 憤慨するキャスターにアサシンも負けじと胸(平ら)を反らす。

 

「おかしとか買っておさいふからっぽだもん!」

「ジルちゃん自慢できな・・・からっぽなの!?」

「えっ!?ジルさんあの万札は!?」

 

 アーチャーは申し訳なさそうに頭を下げる。

 

「我が家は生活費と医療費がかつかつで・・・あと教育費が多少。」

『その教育費が一番嵩みすぎとんやけどぉ!?明らかに同学年より進みすぎとるしギリシャ語とか必修科目ですらないんも有るんやけどぉ!?』

『教師権限です。』

『先生の馬鹿ァ!?』

『半馬です。』

『そういうことちゃうわぁぁぁぁぁ!』

『主!?』

 

 ユーノも同じく頭を下げた。

 

「僕も今はあまり・・・というかこっちの世界だと使えないので・・・一族の所に戻ってから何とかお支払いを」

 

『ご安心下さいませ安珍様。私が何とか致しますので取り敢えず、焼けた鐘とかを探して喚んで頂ければ・・・』

 

「いや、その前に貴女は誰ですか!?」

 

『喚んでくれまへんと骨抜きますえ?』

 

「増えた!?」

「あれ?ユーノがオカシクなった?」

「んー?やっぱり貴女の所為では?」

「ちょっと魔力供給しただけだもん。」

 

 そんな三人を暫く歯軋りしながら睨み付けていたキャスターだったが、

 

「くっ・・・社会不適合者共に支払い能力は無さそうですし・・・ううっ、なのは様との結婚資金がぁ・・・」

「ごめんなさいキャスターさん・・・後、最後のは要らないと思うの。」

 

 何でですかぁとなのはに縋りながら落ち込むキャスターを見ていたジルはふと思い着いた。

 

「おねーちゃん。レイジングハート貸して?」

「え?良いけど・・・何するの?」

 

 なのはからレイジングハートを受け取ったジルは、ボソボソと小声で相談した後なのはに返した。

 

「おねーちゃん、へんしんして?」

「変身?えっとレイジングハート、セットアップ。」

 

 そのままなのはがピンク色の光に包まれ・・・

 

「な、なのは様・・・ゴフッ!?」

「えっ?に、にゃああああ!?」

 

 変身した姿は、いつもの制服を元にしたデザインでは無かった。

 

 肩と胸元を出し太ももを大胆に晒した着物・・・

 

 キャスターの衣装を蒼を白にした恰好である。

 

・・・しかも狐耳と尻尾付きで。

 

「『バリアジャケット・キャスターデザインver.2』」

〈駄狐の衣装ということ以外素敵ですマスター。〉

「ジルちゃん!何したの!?ってキャスターさんは何で鼻血出して倒れてるの!?」

「さ、流石に急にその恰好は私には刺激的過ぎて・・・」

「いや、キャスターさんの恰好だからね!?」

 

 鼻血を押さえながらよろよろ立ち上がるキャスターであったが、ジルの方を向くと笑顔になった。

 

「良いでしょう。なのは様の太ももに免じてアサシンはこれでチャラで。」

「太ももに免じて!?」

「ん。ちなみに今日はさいせっていふかだって。」

「素晴らしい。後でお小遣いあげます。」

「何で!?ってジルちゃんにお小遣い渡してるのってもしかして・・・」

「因みに紐パン。」

「倍プッシュで。」

「けいやくせいりつ。」

「売られたの!?」

 

 和やかに握手する二人を見て、絶対後でお母さんに言い付けるのと誓うなのは。

 そこへ、アーチャーが声を掛ける。

 

「それでは、私はなのはさんに何か教えましょう。」

「・・・成る程、それならアーチャーさんもチャラで良いですよ。」

 

 暫く考えたアーチャーは案を出した。

 

「そうですね・・・例えば・・・英検対策何て如何でしょうか?」

 

 和やかに提案するアーチャーになのはは目を丸くした。

 

「えっ?英(語)検(定)なの?」

「ええ、英(霊)検(定)です。」

 

 ある意味小学生が取るにはポピュラーな資格である。両者が共に思った。

 

「うーん。なのは様位の年齢なら3級位ですかね?」

「成る程・・・3級(B~Cランク)位なら確かになのはさんなら直ぐ取れるでしょう。」

「それもそうですね。なら1級目指しましょうか、なのは様?」

「うん!頑張るの!」

「・・・解りました。ならば私が責任を持って貴女を1級(S~A+ランク)を取れるように指南しましょう。」

 

 

 後に数多の英雄的魔導師を幾人も教導し、育成した伝説のエースオブエース。

 

 

 

 この日、教導の師を得る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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