誰も知らない物語   作:足立海

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あとがき

 今年二月に書いた拙作、足立ってヤツ、あいつアスペだよw(https://syosetu.org/novel/337132/)の題名はちょうど去年、高校三年次の学園祭で、朝の登校中に前を歩いていた他クラスの友達(と僕は思っていた)が横にいた後輩に言い放った言葉そのものだ。あの発言と、僕に刻まれた傷と、あの先生に相談を一蹴された失望などを永遠に残し、死ぬまで忘れないようにするための短編のようなものだった。

 

 あの作品は、二月以来更新していない。

 理由は単純で、大学生活がかなり楽しいからだ。高校の三年間と比較しれば信じられないほどに。それによって精神状態の飛躍的な改善がもたらされ……高校を通じて手放せなかった薬は、もう飲んでいない。睡眠時、上半身を挙上姿勢に保つ枕も不要になり、毎朝毎晩脳を犯していたクソみたいな思考は、月に一回程度にまで落ち着いた。

 

 さて、『誰も知らない物語』に入る。この作品は十月の学祭でサークルの部誌に乗せる予定のものだ。締め切りは八月下旬で、文字数は一万字以内。ハーメルン上の表示は一万字を超えているが、Word上では収まっている。ある公募に応募し、二次選考落選になった過去作が原型で、それを短編となるように大幅改変して書き直したものだ。

 この作品の舞台は千葉県佐倉市で、高校もかの佐倉高校に設定した。北総地域は育った故郷であり、佐倉高校は単に憧れの高校なので、そこでフィクションを展開したかった。詳しい知識はないため、登場した校内施設は現実に沿っていないものと思われる。

 白銀御札屋の所在地は麻賀多神社や佐倉市民体育館のある通り沿いに。BUMPのライブで床が抜けたことで有名な体育館にはお世話になった。この作品を読んだことで訪れてくれる人がいれば非常に嬉しい。

 冒頭の日付は2022年の8月29日で、学園祭は9月3日、4日の土日、最後に千葉に訪れたのは翌週の10日だ。僕は日付の設定を明確にしたい癖があり、どうも適当に済ませることができない。もちろん、あの世界にコロナなどは存在していない。

 作中の諸々については、僕の実体験を大いに参考にした。作中で対峙したあの男については、外側については実在の同級生を、内側については僕自身をモデルにした。彼が叫んだセリフは、当時の(今もさほど変わらないが)僕が抱えていた言葉そのままだ。21年の夏頃や22年の秋になるか、酷く憂鬱だった時期は駅や街中にいる人すべてが憎たらしくてたまらなかった。無差別殺人(犯罪)予備群に両足を突っ込んでいた考えると、かなり恐ろしい。ちなみに現実の僕は教室でポルノ画像は見ていないし、先生にバレることを恐れて音楽は聴かず、ただ校内をブラついたりしゃがんで寝るだけだった。僕はそこそこに真面目だった。ストレスで胃腸を破壊され、友人関係が崩壊し、目の前でアスペだと嘲笑され、先生から相談拒否されながらも通い切った事実から分かるように。

 つまりこの作品は、僕が高校時代を振り返り、過去の自分に似せた架空の僕が、犯罪を犯していたかもしれない架空の僕を打倒した物語だ。御札や女の子、協会などの要素は作者と読者を喜ばせるための装置でしかない。究極的に表せばそうなる。

 

 

 

 

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