企業のネットが星を覆い

電子や光が駆け巡っても

学園や生徒が消えてなくなるほど

情報化されていない近未来キヴォトス─





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いくら探してもブルアカと攻殻機動隊のクロスがなかったので自分で書いて供養します。


公安9課

 

企業のネットが星を被い

電子や光が駆け巡っても

学園や生徒が消えてなくなるほど

情報化されていない近未来キヴォトス─

 

 

 

 

 

星々の明かりさえかき消す眩い巨大ビル群の明かりとネットの光で被われた学園都市キヴォトス、その全てを見下ろすかの様に彼女はビルの一角にいた。

 

対都市電子迷彩スーツに身を包んだ彼女は強風吹き荒ぶビルの屋上にあってまるで微動だにせず、ともすれば初めからある置物の人形(オブジェ)にすら見える。

 

彼女がホテル上層階(VIP)専用の通信回線に忍ばせた“枝“からは、標的がいる部屋の下卑た会話が筒抜けであった。

 

『...奴隷の学園が奉仕を怠ると貴族の学園は飢えますからねえ』

 

『人手不足は奴隷製造業を潤しますが、権利を主張する生徒が過ぎれば資本主義の血流が硬化します』

 

『いや貴学こそ理想的なパートナーだ』

 

『実情はなかなかそうは...血の配分ができる脳の操作が必要ですから』

 

一方ビル周辺はヴァルキューレ警察学校により封鎖され、慌ただしくヴァルキューレの生徒達がビルを完全包囲する。

 

ヴァルキューレ警察学校公安局長、尾刃カンナは一般車両に偽装された警察指揮車両の中でホテル突入への機会を窺っていた。

 

「二班配置はまだか」

 

「ホテル宿泊客の避難は間も無く完了します」

 

「そうか、完了次第突入を決行する」

 

機密回線を閉じたカンナは、今回の件に際し可能な限りの準備を整えていた。

 

連邦生徒会長失踪後キヴォトスでは凶悪犯罪が多発し、それをいい事に学園同士生徒の権利を無視した不正行為が横行しその魔の手は連邦生徒会のお膝元であるD.U.にすら伸びていたのだ。

 

だからこそ今一度犯罪者達に思い知らせるべく「狂犬」と渾名されるカンナはその名に違わぬ凶相を浮かべ命令する。

 

「よし、ホテルのセキュリティを切れ!全班突入しろ!!」

 

カンナの号令の下セキュリティは解除されると同時にホテルの電源も落とされる、電力を失った事でホテルの照明はすべて消え光の松明の様なビル群にあってそこだけまるで黒い石で出来た棺の様に闇に染まった。

 

すぐに予備電源が電力を回復し明かりもセキュリティも復旧した、だがその隙に待機していた公安局生徒達は一斉に無線封鎖を解除し目標のいるホテルの部屋へと一気に突入する。

 

「な、何だ!?」

 

「まさかヴァルキューレ如きに囲まれたのか!?バカ者め!!」

 

部屋をいつの間にか包囲され、過剰に反応したSPの一人が部屋に突入する公安局の生徒に向け発砲する。

 

「いてててて!?」

 

「撃ってきたぞ!?」

 

銃弾が命中した生徒が床に転がるが痛がるだけで命に別状は無い、キヴォトスの生徒一人一人頭に頂くヘイローにより小銃程度軽い怪我で済むのだ。

 

「バカ者、誰が撃てと命じた!」

 

ホテルの部屋で会談をしていた恰幅のいいロボット市民が怒鳴り、勝手に発砲したSPは気まずそうに銃を納めその隙に突入したヴァルキューレ公安局員が部屋の中にいた全員を取り囲む。

 

「動くな、全員武器を捨てろ!!」

 

「学園外交官、免責特権だ責任者をここに呼べ」

 

SP達は銃を捨て投降しただ一人不敵に微笑むロボットは、胸元から身分証を取り出して横柄な態度を崩そうとはしなかった。

 

「D.U.駐在学園外交官に連邦生徒会人材資源室次官か......」

 

部屋に入りながら中を見回したた尾刃カンナは、先程まで会議をしていた一人一人の名をあげた。

 

「念の為武器を没収させていただく、抵抗しても痛いだけですよ」

 

「ヴァルキューレの犬め、いい気になるなよ!!」

 

カンナの指示で素早く動いた公安局員により、肩を抑えられ後ろ手に動きを拘束された外交官ロボットは怒りを露わにする。

 

「この様子はカメラで警察幹部や防衛室も見ている、これでお前達も矯正局送りだ」

 

「その前に学園から召喚状が届く、連邦生徒会も学園との外交問題に配慮してな」

 

憮然とした態度をあくまでも崩さないロボット外交官を無視し、カンナはホテルの床にへたり込む連邦生徒会の制服を見に纏う生徒に語りかける。

 

「貴女には特別背任の嫌疑がかけられている、ご同行願おう」

 

連邦生徒会の生徒は青くなった顔に虚な目を浮かべて「終わりだ...終わりだ...」と呟き続け、カンナは仕方がないとばかりに部下に彼女の身柄を連れて行くように指示をする、しかしそこに件のロボット外交官が割って入った。

 

「それは出来ない、彼女は私と一緒にD.U.を出る。彼女は我が学園に転入を希望し受諾され今や我が校の生徒だ」

 

「それはいつだ!!」とカンナはロボット外交官に食ってかかる、ここまで準備を重ねた挙句捕らえた獲物に逃げられたとあっては「狂犬」と知られる彼女の面子が立たない。

 

だがロボット外交官は「答える義務は無い」とあしらい、学園の自治を盾にあくまでも連邦生徒会の生徒を連れ帰る態度を崩さなかった。

 

このまま言い合いをしても埒があかないと、カンナは連邦生徒会の生徒を説得しようとした。

 

「いいのか、このままだと矯正局送りよりも酷い目に遭うぞ」

 

実際この手の亡命紛いの学生がその後表社会に復帰することはまずあり得ない、体良く利用され最後には無惨に捨てられるか闇に消える事になる、そうなった生徒のことをカンナは嫌と言うほど知っている。

 

「失礼な、我が校は平和主義で文明的な学園だぞ」

 

『あらそう?』

 

尚も嘯こうとしたロボット外交官だが突如としてホテルの部屋に謎の女の声がしたかと思うと乾いた消音弾の音がし、一瞬の内に鉄の体に穴が空き風船が弾けるようにロボットの体がバラバラに吹き飛んだ。

 

ヘイローの加護がある生徒同様キヴォトスの住人は頑丈であり、その為人死を間近に目にするなど滅多に無い事で公安局員達もどうしていいか分からず場は騒然としてしまう。

 

目の前で人がバラバラに弾けて殺され浮き足立つ局員達の中で、しかしカンナは素早く状況を把握すると窓へと一気に駆け寄る。

 

窓から身を乗り出し夜の巨大ビル街の明かりが照らす中、何かを必死に探しそしてそれはすぐ近くにいた。

 

窓の真下ビルの壁面から今にも飛び降りようとする女の姿、カンナが「待て!」と叫ぶまもなく女の体はまるで周囲の景色と同化する様に消え始める。

 

『光学迷彩』カンナはそれの正体に気づき驚愕する、キヴォトス一の科学力を誇るミレニアムでさえまだ実用化していないものを一体何処で!?その疑問に答える事なくまるで最初からそこになにもなかったかの様に、女は消え後にはただ普段通りのキヴォトスの夜景だけが残った。

 

 

 

 

 

D.U.の夜の街へと消えた女の姿は、翌日連邦生徒会サンクトゥムタワーのオフィスにあった。

 

連邦生徒会防衛室元幹部荒巻部長と彼女が立ち上げた「公安9課」、連邦生徒会長失踪に伴う責任者不在により閉鎖されたSRT特殊学園に代わり、頻発する凶悪犯罪に対処すべく設立した極秘組織である。

 

創設者の信念から、「事前に犯罪の目を探し出し、これを除去することを任務とする」攻勢の組織であり、社会正義実現の為ならヘイローの破壊さえ時に了承される。

 

人々は彼女達の事を「攻殻機動隊」と呼んだ。

 

 

 

 

 

 

草薙モトコ

 

本名、年齢、所属学園、あらゆるデータが不明な生徒。

 

全身が義体でによる身体能力に極めて高い判断力、統率力とミレニアムさえ実用化していない光学迷彩を操るなど高い戦闘力を備え、また超ウィザード級のハッカーでもある。

自らが選んだメンバーと共に公安9課で現場指揮官として活躍するも、しかしある任務を境に失踪しその後消息を断つ。

尚、草薙モトコという名前も偽名である可能性がある。

 

 

 

 

 

 

 

 


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