生産系チート持ちの戦士君が地球に帰ってきたお話 作:金属粘性生命体
「おいおい、詐欺師とはひでぇな?一体何を詐欺したってんだ?」
「その999階層とやらのことだ!ここ時計台ダンジョンは300階層までしか存在せん!」
「……?それって確か凡そ300階層以上って情報じゃなかった?」
バーコードハゲはなんか変なことを言っていやがる。不確定情報なのにまるで確定情報みたいにいってる。てか誰だよ。
「そもそもあんた誰?」
「は?この私を知らないのか貴様は!もぐりというやつか!」
「いやだから誰だよ」
マジで誰だよ、いきなり出てきてイチャモンつけてくるこのお偉いさんらしきよくわからんやつ。
「私はダンジョン協会の上の者だ!」
「どいつだよ、何人もいるだろうが、馬鹿なのか?」
「ばっ!?古豪だ!
「誰だよ」
「ここまで言ってわからんのか貴様!」
「知るかよ、地球に戻ってきたの数日前だぞ。まだ常識学び直し中だわボケ」
というか協会の上層部とか下のもんにとってはくだらねぇ存在としか思われとらんだろ。
「あんたがどんな人物かはどうでもいいんだわ」
「良くないわ!」
「良いんだよ、お前如きがあの素材の価値に気づけるわけねぇんだから」
「なに?たかがデカイだけの」
「いや、協会ご自慢のアライ博士の論文見てたら詐欺なんて言わんでしょうよ」
アライ博士。この魔力溢れる世界において
「サイズがでかい生き物は魔力保有量が多く、強大になる」
「それがどうした」
「かるく30m程のサイズの鎌を持ったカマキリ。そんな生き物、65階層までに居たか?」
「…………」
真実を言うならば、魔力はどのような姿にもなるのでどんな理論も当て嵌る、が正しいんだけどな。ただ、それ以外のダンジョンの仕組みやら、魔物の仕組みはマジの奇跡で理論が当てはまったんだわ。
如何に魔力が無限の可能性を持っていても、生物の可能性は限られているからな。
「別に詐欺師呼ばわりしてもいいが、協会が持つ研究施設と実物の魔力含有量という実証に対してなんか反論できるわけ?」
「う、うう、うるさい!如何にデカかろうと999階層はさすがに嘘だろうが!詐欺を行ったとして貴様の探索者資格は停止処分だ!」
「は、マジ?さすがにアホすぎだろ、てかそんな権限ねぇだろ」
「あるんだよ!」
そういうや否やカウンター奥の裏側へ走り去っていくバーコードハゲ。
「いやいや……え?マジなの?」
「マジなんです……あの男、あぁ見えて協会では上から数えた方が早い程のおえらいさんなんです……また不祥事か、不運なおっさんだ」
そんな様子を見ながら零れた言葉を買取スタッフが嘆きの言葉を出す。スマホを取りだして今の男の不祥事を検索すれば……噂レベルの悪行が出てくる。
「えー、セクハラ、脅迫、ヤクザとの癒着、魔物素材の横流し、横領、薬物売買……?よく捕まんないね?」
「証拠が一つもないんですよ、それに加えて我々職員による監視を行ってもなんの悪行1つ出てこないんです、ただ口が悪いのでパワハラくらいはありますが」
つまり……この噂は全て大嘘だってこと?どんだけ嫌われてんだあのバーコードハゲ。
「でも不祥事つったよね?なんかあったわけ」
「えっとですね……未確認の素材をひとつご破算にしてしまったことがありまして……事故だったので減給と謝罪会見で罰は終わりましたね」
「……?パワハラ以外はまともなのか?」
「マトモですよ?むしろなんで今回はあんな思い込みが激しいのか不思議です。パワハラと言いましたが本当に口が悪いだけでいい人なんですけどねぇ」
めっちゃきな臭いなおい。
「あ」
「ん?どうした」
「お兄さん、本当に探索者資格停止されたみたいですね。職員メールで来ましたよ」
と、唐突に受付にあったパソコンを見たスタッフがそういってくる。
「マジか〜……え、オークションとかどうなんのさ」
「うーん、オークションとかはさすがに止まらないみたいですけど新規で素材の買取やダンジョンへは入れなくなりましたね……どうします?さすがに抗議した方がいいと思いますよ」
「抗議するか、それと探索者協会以外に組合とかない?」
「ありますよ、日本生産者組合や札幌魔法研究所、最近だと……魔道具作成に特化した互助会とかありますね」
「ふーん……じゃしばらくそっちら辺で行こうかな」
「何をするんです?」
「屋台やる」