てわけで、キャラ崩壊起こしまくってるけど、それでも良ければどーぞ。続きはない!誰か書いて...
(久しぶりすぎてタグって何が必要でしたっけ?)
あかんかった…
乱菊の大切なもん取り返せんかった…
謝っといて良かった…
ああ、強い目になった…
任せていける…
ごめんなぁ、乱菊。大好きやったよ。約束守れんくてごめん。君が泣かへん世界にしたる言うたのに、君を泣かすんはいつも僕やったね。ほんまにごめんなぁ。
意識が薄れてく。僕は最低や。乱菊を泣かせたない言うといて、君が僕の為に涙を流してくれるんが嬉しいんやもん。ほんまどうしようもないクズやったなぁ僕は。
神鎗もごめんな。こんな主人の我儘に最後まで付き合うてくれておおきに。
『主よ、何を言っているのだ。我は我の意思で主の願いを叶えてやりたいと思ったまでだ。だから謝罪もお礼も要らぬ。むしろ最後まで共に在れたことに感謝と誇りを』
ははっ。ほんまに君はしゃーない子やね。
ほなら、さいなら。神鎗、次はもっとマトモなご主人を見つけるんやで?
『ふっ。我にとって最高の主人は主しか居らぬよ、ギン』
………ああ、僕の斬魄刀はカッコええなぁ。ほんま、ありがとぉ。さいなら。
『うむ。さらばだ、主。案ずるな。必ず次の主人が現れれば、その者の斬魄刀として彼女を見守ってやる。だから安心して、寝めよ主』
これを最後に2人の意識は溶けて無くなった。溶けて無くなるはずだった…。
しかし。この結末に納得出来ない者がいた。
…
いやいやいや、市丸ギン。何を君はそのまんま納得して逝こうとしているんだい?そう簡単には死なせないよ?君には松本乱菊を幸せにする義務がある。権利がある。だから納得していくなよ。本当に彼女が大事なら、ちゃんと彼女の想いを受け止めろ。
意識がなくなった瞬間にそれを呼び戻すように頭蓋骨に響く声。自分は死んだはずだ。死んだのだ。なのに一体誰の声だと言うのか。
「なん、なん…?」
一回だけ。君にチャンスを与えよう、市丸ギン。このチャンスを生かすも生かさないも君次第だ。だが願わくば、君たちが君たちの幸せをちゃんと見つけられるように。君が間違った選択をしないように。‘好いた女子’を泣かせないように。まあ精々足掻いて藻搔いて大団円で終われよ。私はハッピーエンド好きなんでね。よろしくどーぞ!
「一体何を言ってるんや!」
そう言おうと思った。しかしその言葉を発する前に意識は薄れていった。憶えているのは凄まじい光の量だった。
ギンは目が醒めると草原に立っていた。目の前には死神が横たわっている。
「これは。…ほんまに戻ってきたんか?」
この光景には見覚えがあった。乱菊の元を離れる前に藍染の部下の死神を1人殺した。その時だ。まさに殺した直後。
(こんなトコから、やり直せってことかいな。どうしろ、言うんや)
そう思った瞬間、思い出したのは最期の瞬間。愛しい乱菊の泣き顔だった。
(…もうあないな顔、見たくあらへんなぁ)
死神の遺体は何れ消える。だから放置していてもいいだろう、と考え斬魄刀だけ頂いた。
「これ、まさか神鎗ちゃうよなぁ?」
モノは試しと、ギンは精神世界へと入っていった。
そこに居たのは…。
『主!久し振りじゃ!』
『んな!?神鎗なん?』
『そうじゃ!我じゃ!お主と再び逢えるのを心待ちにしておったぞ、ギン!』
『ああ。ほんま、珍しく粋のええ神さんやな』
『我はお主よりも先にこの世界に戻っておったのだ。さあ、主よ。ここから再び始めよう』
『ああ、頼むで神鎗』
それから今後について話し合った2人。そこで前回の反省やらなんやらで、神鎗に正座させられ説教をされている姿もあったようだが、それを見たものはいない。
神鎗との話し合いも終わり、ギンは小屋に戻った。返り血は死神の服で拭いといた。
「ギン!お帰り。またどこに行ってたの、ってその刀どうしたの?」
「ただいま乱菊。これな、前に拾ったんや。そんとき他にも物持ってたんで隠しとったのを持ち帰っただけや」
「へえ、そう…」
乱菊は訝しげな顔をしたが、この同居人のうそや行動不明なのは今に始まった事ではないので、大きなため息とともに諦めるしかなかった。
「堪忍な、乱菊」
それに対し、ギンもまたいつものように謝るしかなかったのだ。
(ああ、懐かしいなぁこの感覚。ただいま、なんて言うたんいつぶりやろな)
「乱菊、お腹空いたやろ?ご飯にしよか」
「もう私が作ってあるわよ」
「え、ほんま?それはおおきに。ほんなら早よ食べよや」
「もう、ギンったら食いしん坊なんだから」
そうしてようやく乱菊も笑顔になる。
(ああ、そうや。僕はこの笑顔を護りたかったんや。………何やこれ、今更すぎるなぁ。泣かへん世界を作る?ちゃう。ちゃうよ。僕はただこの笑顔を見ていたかったんや。この笑顔を奪われるんが嫌やったんや。なんや、こない簡単な事に百数十年も気付かんかったんか僕は。ほんまアホやなぁ。神鎗に怒られても文句も言われへんわ)
「ギン?どうかしたの?あ、もしかしてどっか怪我してるとか!?」
「へ?あー、ちゃうよ。大丈夫やて」
いつの間にかボーッとしていたようだ。
「ほら、早よ食べよ。乱菊のご飯、美味いもんなあ。楽しみや」
ギンはこの幸せに満ち溢れた瞬間を味わおうと思った。かつての自分が自分勝手に捨ててしまったものを。
夕飯の片付けも終わり、布団を敷いて後は寝るだけになった時。
「なあ、乱菊」
ギンは乱菊の方へ声を掛けた。
「んー?どしたのー?」
「こっち向いて」
「何よー?」
乱菊はギンがまた何か面白いイタズラでも思いついたのかと思った。しかしギンの方へ振り向くと、やたら真剣な顔をして正座していた。
「大事な話があるんや。聞いてもらえる?」
あまりにも真剣みを帯びて言うものだから、乱菊もギンの方へ正座して向かい合う事にした。
「どうしたの?」
その顔には不安が顕れていた。
「うん、そのな。……僕、死神になろうと思うんや」
「え?」
「死神になってやりたい事があるんや」
「やりたいこと?」
乱菊は聞きながら自分の声が震えている事に気付いた。
「うん。何が、とは言われへん。でもどうしても成し遂げたい事がある。死神はそれを果たすには一番の近道なんや」
(例え、もう乱菊の側を離れないとしても。例え、前とは違う道を選んだんやとしても。それでもこれは譲れへん。乱菊の取られたもんを乱菊がどうでもええ言うたとしても。それでも乱菊を傷付けたことを僕が許せるわけなくて。奪われたまんまなんも許せんくて。せやからこれは僕の我儘や)
「せやから僕、死神になる」
「せやから僕、死神になる」
この言葉が決定打だった。乱菊はギンを止めることはできない。いつも自分は待つ方。だから、
「それでな–」
「そっか。わかった。私は大丈夫よ、ギン。やりたいことやってきなさいよ。むしろ今回は偉いわね。いつもなら勝手に消えてるのに」
「乱、」
乱菊の言葉は止まらなかった。止めたら涙が出そうだったから。この恐怖に負けて叫び出しそうだったから。
「私はもう1人でも生きていけるもの。そうよね。ギンにだってやりたいことの一つや二つあるわよね。ごめんね、今まで気付いてあげられなくて」
「乱。…乱菊」
「だから私のことなんて心配しなくていいわ。私はだい…」
最後まで言えなかった。
気付いたらギンに抱きしめられていた。
「ごめん、乱菊。泣かんで。君が泣いたら僕、どうしたらええか分からんよ」
「はな、してよ!なんで?なんで優しくするの!わたし邪魔なんでしょ?はっきり言えばいいじゃない!」
貯めていた不満が爆発してしまった。言いたくないものを言ってしまった。言った後に後悔したが、それも後の祭り。言ってしまったものは取り消せない。
そしてその言葉はギンの胸を抉った。乱菊の言葉は乱菊だけでなく、ギンにも後悔を齎した。
(ああ、ほんまに僕は。何回間違えればええんや。あと何回この子にこんな思いさせてしまうんや)
「ごめん、乱菊。僕が悪かった」
ビクッ。
乱菊の身体が跳ねる。
「僕、何回間違えるんやろ。何回間違えたら、ちゃんと乱菊泣かせへんと伝えられるんか分からんわ」
そして大きなため息をつくと、ギンは乱菊から体を離した。しかし抱きしめていた手は乱菊の肩において。
お互い向き合う形になるが、乱菊は顔を伏せたままだった。
「なあ乱菊。ごめん。話す順番間違えてもた。先に言わなあかん事があってん。お願いやからそれ聞いてくれへん?」
ギンは乱菊の顔を伺うようにして聞いた。
「……なに、よ」
少し胸をなでおろす。完全に冷戦状態に入ってしまわれたらどうしようもない。乱菊の心持ちが変わらないうちにとギンは告げる。
「うん、あのな。僕と一緒に死神になってくれへん?」
「え?」
乱菊は耳を疑った。だってそうだろう。彼にとって自分はいらない存在なはずだ。きっと自分から出ていけば彼は自分を追うことはない。それでも出て行けとは言われなかったから出て行かなかった。彼と離れたくない一心で。
「僕、確かに成し遂げたいことあるよ?せやけど、乱菊とも離れたない。君の側に居りたい。君に側にいて欲しい。もちろん君が死神なりたない言うんやったら、まずは僕が死神なって君を養えるようになったら迎えに来るいう選択肢もあるけど…」
そこですこしギンは口を閉ざす。
それに少し違和感を感じた乱菊は思わず顔を見上げる。見上げた先には珍しく眉間に眉を寄せ、せやけどなぁ〜と唸っているギンがいた。何やら悶々としているようで、乱菊が顔を上げたことにも気付いていないようだった。
「ギン?」
思わず声をかけてしまった。それにギンはハッとなりこちらを向く。
「うん、そやな。やっぱないわ。連れてくしかあらへん」
どうやらギンの方では解決したようだ。
「確かにいつか迎えに来る選択肢もある。せやけどこないな場所に、いくら乱がもう1人でも生きてける程やとしても何があるか分からんのに置いてけへんわ」
これをもし前回の乱菊が聞いてたとしたら、どの口が言うのよ!と怒りマークをつけて怒っていただろう。
「うん、せやからそもそも選択肢なかったわ。ごめん、乱菊。乱菊が嫌や言うても連れてく。ほんで一緒に死神になってもらうわ」
そうあっけらかんとしてギンは言い放った。
「な?ええやろ?乱菊」
乱菊は開いた口が塞がらないというのは正にこの時に使うものではないかと思考停止し始めた頭で思った。
でも思考停止なんてさせてくれなかった。
「乱ちゃん?なー、乱ちゃんどや?ええやろ?」
ニヤニヤ顔でそんなことを宣ってくる狐顔。
「って、え?乱ちゃん?え、あかんかった?ちょ、待ってなんで泣くん!?」
乱菊の目からボロボロと涙がこぼれた。洪水か氾濫かしたかのように止まることなく。
ギンは突然泣き出した乱菊に狼狽するしかなかった。
「うっ、うぐ。うっ、ほん、とうに?」
「え?」
「ほんとう、に、わたしもいっしょにいっていいの?」
泣きながら必死に言葉を紡いだ。
「何言うとんの。当たり前やろ」
「おいていかない?」
「乱菊が嫌や言うても連れてく言うたやろ」
「…う、ん」
ギンは再び乱菊を抱きしめた。今度はさっきよりも優しく労わるように。
(僕、ほんまずっと乱菊に甘えてたんやなぁ)
ギンは改めて自分の愚かさを思い知った。今ならよく分かる。どれだけこの子に寂しい思いをさせてしまったのか。
しばらくあやして乱菊が落ち着きを取り戻し始めたころ。
「なあ乱菊、ユビキリしよか」
「ゆびきり?」
「そや」
言いながらギンは乱菊の体を離す。
「僕はずっと君の傍に居る。君がずっと笑ていられる世界にしたる。約束や」
そう言って小指を差し出した。
それはかつて立てた誓いとは反対の言葉だった。
乱菊はゆっくりと小指を差し出した。
ギンはそれにホッとしたように笑うと、お互いの小指を絡めた。
これが二人にとって初めてのユビキリだった。
「でもギン?私はアンタがいるから、笑っていられるのよ。それを忘れないでね」
それはまるで太陽というより、雨上がりの太陽の下で咲く向日葵のような笑顔だった。
その夜、二人は抱き合って寝た。外は吹雪でとても寒かったが、二人の心はぽかぽかに満たされていた。