タイトル通りのお話。警告タグに引っかかる内容がありますけどネタばれになるので投稿後1日様子みてやばそうだったらつけます。またオリキャラがいますがオリ主ではありません。あくまで主は一夏です。多分

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IS学園に入学できて本気で喜ぶ一夏の話

夕暮れ時の中学の教室。

 

普段は生徒でにぎわう空間には放課後と言うこともあって閑散としていた。

 

いや、正確には2人。織斑一夏とその幼馴染である加藤伊織が向かい合っていた。

 

なぜここにいるのか? そう難しい話ではない。単に伊織が「話したい事があるの。放課後残って」と一夏に伝えたからだ。

 

「ごめんね一夏。今日ホントは早く帰りたかったんじゃない?」

 

「い、いや、それは別にいいって。それより話したい事って……」

 

伊織の頬は夕日の所為か妙に紅く染まっている。

 

対して一夏の顔は優れない。

 

親友の五反田弾にはやれ朴念仁だのにぶちんだの言われている一夏だが流石にこの状況で伊織がどういう意図を持って呼びだしたのかは想像がついた。

 

出来れば外れててほしいなあ、という一夏の思いをよそに伊織は緊張しているのかもじもじとしながら本題に入る。

 

「ねえ一夏、憶えてる? 小さい頃、私と一夏と箒が一緒に遊んでた時さ、三人で誰が好きかを話した時一夏言ってくれたよね。

 

『俺は結婚するなら伊織みたいな子がいいな』って」

 

「!? へ、へえよく覚えてんな。俺は全然覚えてないけど」

 

「忘れたことなんか一度もないよ。あの時は私も照れちゃったし、箒が一夏をボコボコにしちゃったから結局返事できなかったけどその日からずっと言いたかったんだ」

 

「な、何を?」

 

やめろ、聞くな! という自身の本能が警鐘を鳴らすもその真意を問わずには居られなかった。

 

そんな一夏の内心をよそにいよいよ伊織は核心に触れる。

 

「すぅー、はぁー。織斑一夏君! 小さいときからずっと好きでした! もう友達じゃいやです! 恋人として付き合ってください!」

 

「ごめんなさい」

 

即答だった。迷う事なき即答だった。物語や漫画だったらここで一拍間が空いたり次回へ続くの流れになるところを完全無視の即答だった。

 

あまりにも相手の事を慮らないばっさりとした拒絶。しかし一夏には自身の発言による呵責はまるでなかった。

 

「あ、あは、そっか。駄目、か。ねえ、理由を聞いてもいい?」

 

半ば振られる事も覚悟していたのだろう。目に涙を浮かべながらもそれでも泣き叫ぶようなことはせず、しかしすぐさま頷く事も出来ず伊織も喰い下がる。

 

「いや、理由って、そもそも伊織と付き合うとか考えたことない以前にありえない」

 

「なんで! 自分で言うのもなんだけどむしろ私が一番可能性あると思ってたのに!

 

 千冬さんの出した条件の『私より強い事だな』もこの前クリアしたんだよ!」

 

ああ、この前千冬姉がボロボロで帰って来たのはその所為か。理由聞いても「聞くな。くそ、アイツめ。次は負けんぞ」とか言って話してくれなかったからなあ、と現実逃避する一夏をよそに伊織の独白は続く。

 

「小さい頃から一夏の事はよく知ってるし箒や鈴にだって負けてないよ! ねえどうして私じゃ駄目なの!?」

 

「色々あるけどまず第一にお前男だろうが!」

 

いい加減我慢できなくなったために一夏は幼馴染たる加藤伊織(性別:♂)に怒鳴りつける。

 

「性別くらい些細な問題じゃない!」

 

「大問題だよ! 誰と付き合うかというフローチャートがあった場合一番最初に分けられる選択肢だよ!」

 

「じゃあ何で小さい頃私と結婚したいだなんて言ったのよ!」

 

「あの頃お前女の子よりも可愛かったからだよ! 悔しい事に俺の初恋は確かに伊織だよちくしょう!」

 

「なら別にいいじゃない!」

 

「よくない! 万が一、いや、億が一お前が弾が前に言ってた男の娘みたいに女の子より可愛かったらありえたかもしれないけど今のお前を見て惚れる事はない!」

 

一夏がつきつけた指先には身長2m前後、太ももは人の腰に届くかと言うほど太く腕には獣との戦いで傷だらけの筋骨隆々、中学にして大量の髭で覆われた巨漢がいた。

 

完全な拒絶を受けた事によりがっくりと肩を落とししょんぼりとする2mの巨漢。絵としては酷く見苦しかった。

 

「そ、そんな、一夏が誘拐されたって聞いて絶対に守れるように体を鍛えたのに……分かったわ。まだ鍛え方が足りなかったのね。待ってて一夏! もっと理想的な体になってくるから!」

 

「いや聞けよ! だから問題はそこじゃないから!」

 

という一夏渾身の叫びは教室から走り去る伊織には聞こえる事はなかった。

 

何をどう自己完結したのか「うおおおおおお!」と野太い声を

 

はあ、と肩を落としつつ自身も教室を出て帰路につけば校門のところに見知った影がいる。

 

「よ、災難だったな」

 

「弾か。ああ、いつかはこうなるかもしれないとは思ってたけど予想よりも心臓に悪かった」

 

「押し倒されるんじゃないかって心配してたもんな。されたら回避不能だろうけど」

 

「正直今でも生きた心地がしない」

 

とぼとぼと親友たる弾と肩を並べて家へと向かう。

 

クラスでも伊織(性別:♂)の恋心は有名だったため今回の珍事を聞いても弾からも乾いた笑いしか出てこない。

 

加藤伊織が悪い人物ではない事は分かっているし、女尊男卑の風潮のある今の世の中で彼のような、所謂オカマと呼べるタイプは槍玉に挙げられがちなのだがなぜかクラスでも女性には人気があった。

 

むろん、それは異性としてではないが。

 

「そういや伊織を見なかったか? 俺より先に出てったんだけど」

 

「ああ、アイツなら『もっと修行を!』とか言いながら山の方へ駆けてったぞ」

 

「……また野生の熊や猪からの被害が減るのか」

 

「獣達からすれば被害受けまくってるけどな」

 

二人して山へ合掌を送りつつ空気を変えようと弾が話題を探す。

 

最も、中学3年の秋。このシーズンで出る話題など基本一つだった。

 

「そういや進路どうするんだ? 結局藍越学園?」

 

「ああ、千冬姉に頼りっきりになりたくないしあそこなら就職率もいいしな」

 

「あー、そっかあ……」

 

「? なんだよ?」

 

何か苦虫を噛み潰したような弾の顔に一夏が訝しむ。

 

これ言っていいのかなあ、でも言わないと一夏があまりにもかわいそうだしなあ、と僅かな逡巡の後、弾の放った発言が一夏の進路を決める事となった。

 

「藍越学園だと十中八九伊織もついてこないか?」

 

「…………」

 

ぴたり、と歩を止めた一夏は数秒後、ガタガタと震え出し顔を真っ青にする

 

「どどどどどどどうすれば!」

 

「落ち着けって。まあ伊織と離れたいんならあいつが入れっこない学校狙えばいいんだろうけどアイツ成績目茶苦茶いいんだよな」

 

「この前の模試確か全国1位だった」

 

「うおう、それじゃスポーツ特待系、はお前が無理か。いっそのこと進学しないって手も」

 

「それは流石に千冬姉に殺される」

 

「……八方ふさがりだったんだな一夏。 ご愁傷様」

 

「待ってくれ! まだ何かないか! 何処か伊織が入れそうもないとこは!?」

 

「んー、なら女子高でも狙えば? アイツの容姿じゃ絶対無理だろうし」

 

勿論、弾はこれを本心で言ったわけではない。

 

再び暗くなってしまった場を盛り上げるための軽いジョークのつもりだった。

 

しかし、当の本人はそうは取らなかったようで。

 

「そ、そうか! その手があったか!」

 

「は?」

 

「確かに俺は自分で言うのもなんだけど千冬姉に似てるから女装すればいけるかもしれない。でも伊織は無理だ。絶対無理だ。いい、いけるぞ弾!」

 

「いや、落ち着け。本当に落ち着け」

 

「落ち着いてるって! そうだ! ただの女子高じゃ万が一って事もある! 女子高で最難関って言ったら……IS学園か! こうしちゃいられない! 弾悪い! 俺これから対策打たなきゃいけないから先に帰るな!」

 

そう言って返事も聞かず走り去っていく親友の姿を見て、ああやっぱり相当追い詰められてたんだなあ、と憐れな物を見る目で見送ることしか弾には出来なかった。

 

 

余談だが数ヵ月後、世界初のIS操縦者として親友が緊急ニュースを飾った時

 

ほぼ全世界の人間が驚く中、弾のみが

 

「あいつマジで願書出したのかよ」

 

と呆れるしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

時は過ぎ4月。新学期。

 

近未来的な教室の中で織斑一夏は周囲から注目を浴びていた。

 

自分以外全て女性。

 

もしかしたら並行世界においてはその視線をきついと感じたかもしれないが少なくともこの織斑一夏は違った。

 

ああ、いい。奇異の目と言ったって女の子だろう? 一体何の問題があるって言うんだ? 男子は俺だけ。そう俺だけ! つまり少なくともここから3年間、俺の貞操は守られる!

 

軽く周囲を見渡せば何故か中学の平均レベルを2段階くらい容姿を上回る女の子ばかり。

 

うん。入れてよかった。ここには筋肉が膨張して指定の体操服が着れずほぼ裸でスポーツをこなす巨漢も一緒に(強制的に)映画を見に行けば1人だけ大人料金を払うことになる老け顔もいない。可愛い子達ばかりだ。

 

やったぜ弾! 何故かホモ疑惑を受けてた俺達だけどここでようやく解消できそうだ! とここにはいない親友にサムズアップしていると前方の教卓にこれまた可愛らしい女教師が姿を顕わす。

 

 

「えー、みなさん。入学おめでとうございます。このクラスの副担任を務めます山田まやです。えー、では自己紹介の前にまずお伝えしたい事があります」

 

副担任のその発言に一夏は妙な寒気を感じた。

 

なんだ? ここにはなんの脅威もないはず。なのにこの嫌な予感はなんだ?

 

「それではどうぞ」と山田先生が教室の入り口にいる“誰か”に入るよう促す。

 

……まさか

 

冷や汗が止まらない。

 

動悸が激しくなる。

 

全身が逃げろと悲鳴を上げている!

 

席を立とうとしたのと扉が開くのは同時だった。

 

そこから入って来たのは

 

2mを軽々越す筋骨隆々の髭がさらに伸びて何故か女性用の制服に身を包む幼馴染。

 

軽く教室を見渡して想い人を見つけた彼は野太い声で語りかけた。

 

「来ちゃった♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、IS学園創立以来初めて男性による悲鳴が響き渡った。

 

 

 

 




Q.なぜ伊織はIS学園に入れたのか?

伊「最初はね、触ってもうんともすんとも言わなかったんだ。他の子達と同じで私もすぐにそのまま終わらせるはずだった。だけど私は諦めたくなかった。どうしても一夏と同じ高校に通いたかった。だから一生懸命願ったの」

「おねがい。うごいて










でなければこのままコアを握りつぶす、って。そしたらさっきまで全く動かなかったISが急に動き出したの! もうこれは愛の力だよね!?」


一夏「ただの強迫だよ!」


なお、一夏の同室は千冬姉の努力により箒。
伊織でないと分かった一夏は感動でバスタオル姿の箒を抱きしめます




本文読んでもらった方には分かると思いますが一応BL?になるのかこれ?
ネタばれになるのでタグはつけませんでしたがつけた方がよいというのであればすぐつけます。

最後に伊織の容姿はUMA子で検索かければモデルが出ます


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