予後の悪い先生と生徒のひと夏の思い出
文豪かぶれな書き方をしてるから少し読みにくいかもしれません

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いちたすいち

僕には気になっている人がいます

高二の春 あおい春真っ只中 僕が好きになった人は 塾の先生でした

その先生は 、…、A先生とします、A先生は 背が高くて 字が汚くて 気だるげで 僕みたいに出来ない子にもちゃんと向き合ってくれるひとでした

僕はあまり小さい頃から親に貰う愛情というものがひとつ欠けていたようで 正面から優しくされると すぐにすきになって 本気にしてしまうたちでした

先生への恋心は高一の秋に気がついて 心に着いた火は陰ることなく強く燃えるものだから 僕はもっと勉強が出来なくなってしまって 今になっては 母の罵声はもう聞こえず 先生の よく出来たね、という言葉しか耳に入らなくて それでも良いかと思わされてしまうのでした

 

燻る恋心をおさめきれないままセミが喚く時期になりました 今日は補習の日、A先生が担当だったから 僕はいつもよりもきれいなシャツを着て 寝癖を櫛でなでつけて まるで乙女のようでありました(こう言っては 女の子がみんなそうであるかのようになってしまいますが あくまで大袈裟な比喩でございます)

 

何故かその日は先生と2人きりでした 真っ白な教室に 右下がりの数式が書かれたホワイトボードだけがあって 先生の息遣いまで聞こえそうなほどしづかでした

「あー、…うん、先生横の方が教えやすいな どうせもう他の奴らサボりだろ」

先生はそう言うと僕の隣にきて 僕が数式をひいひい解いているのをジッと見つめてきました

こんなの集中できるわけが無い 僕は耳まで真っ赤になって汗を酷くかきました 汗とふるえでよれた筆跡 αとβを書き間違えて 消しゴムをかけるのにも紙にシワが寄って、

「…ん、」

あ 先生な大きな手が、僕の ぷりんと に

シワにならないよう押さえてくれてるって分かってるけれど 消しゴムを持つ自分の手が踊ってしまって ついに字も書けなくなりました

 

「 せん、…せい、 」

「どうした?███サン、」

僕は久しぶりに自分の名前を呼ばれて クラスの人にも名前なんて覚えて貰えてないくらい地味ですから 驚いてしまって はっとして先生の方を向いてしまいました

先生と目が合って 右に左に目を泳がせていると 紙を捕まえていた手はいつの間にか僕の手を握っていて セミの声すら聞こえなくなって 先生の体温はクーラーの効きすぎた部屋には丁度心地よく それ以上何も考えられなくなってしまうのでした

「 手、僕の なんで 握って、…… 」

「んー、?」

わざとらしく疑問符をつけた返事をしたまま 先生は立ち上がり そのまま僕の指に自分の指を絡めて 混乱している僕にキスをしました

キスは初めてでは無かったけれど でも初めてのようなときめきや感動や あるいは悔しさというものが立ち上ってきて 目頭が熱く もはや自分では制御不可能でありました

「███サン、……███はいつも頑張ってるからね、」

「いつも遅くまで勉強してて 偉いね」

脳みそを溶かすような事を耳元で囁きながら先生は、彼は 僕のおしりを撫でました

 

欲しかった言葉のシャワーに泣きながら頷いて 僕は自分でベルトを外しました

「良い子」「上手」

僕のうしろは浅ましくも彼を求めてしまい 彼に腰を掴まれただけでも 今にも壊れてしまうかと思う程でした

「んー、あれ?意外とお利口だな」

優しい先生は 僕のことも気にしてくれて ちゃんと準備をしてくれました

濡れた音が頭に響いて 先生のモノが触れて もう、入る 寸前

「ね、███、1+1 は?」

僕は頭が真っ白で なんでそんなこと聞かれたか分かんなくて はう、あうと無様な吐息と共に

「 に、……? 」とだけ答えました

先生は後ろに立ってるから 表情は分からないけれど 大人っぽい声で

「残念、不正解」

とだけ耳元で吐くと 濡れそぼったそこに自身のモノを沈めました

せんせい(1)(+)せいと(1)(=)ひとつになりました

 

「 アっ、ぁ、 うぅ ぐす、 う、 」

僕の媚びた声は空っぽの教室に嫌に響き 先生はそれに返事するように んー、だとか うんうん、だとか そんなのの繰り返しで

入れて、抜いてを繰り返して 別に そんなに気持ちいいわけじゃないのに

「 うえぇ、ん…、せんせ、 阿部せんせ、 すき、 ぁッ、すき…、ッ 」

好きだ好きだと熱に浮かされたように声に出してしまうのです

先生、と言ってしまうと ダメだったようで 口を手のひらでおさえられましたが すき、と言うと 頭を撫でてくれました

「ね、 いい子の███、 せんせ、… や 俺のこと 好き?」

僕は恥だとかはかなぐり捨てて頷き 涙に濡れた顔を下に向けるのでした

 

きら、何か涙でぼやける瞳の中で光りました 銀色の光 まさか

机にかけていた先生の左手には 銀の指輪が 薬指についていました ご丁寧に、お相手と思われるイニシャルすら彫られています

最低、さいてい、最低!付けてるところだなんて見た事ないのに!わざと付けてきたんだ 信じられない、ひどいひと、!僕であそんだんだ、

僕はとっても惨めな気持ちになりました でもやっぱり先生の事がだいすきでした

その後も抽挿を繰り返し 先生は結局僕の中には出しませんでした 今更先生ぶったってもう遅いのに

「頑張ったね、」と抜いたそれを綺麗に拭って また朝とおなじくたびれたながらも 真っ直ぐなスーツ姿に戻る先生と 涙でぐしょぐしょの 丸められた紙みたいに もう元に戻らない僕の対比が滑稽でした

頭を撫でられ また涙が零れました

「これからも勉強頑張れよ」 僕は明日もこんな行為をするんじゃないかと 当然に思い 頷きました ですが先生は翌日から全く来なくなりました 塾長に聞いたら 随分前に辞めることを決めていたんだそうです

そして空っぽになった心のまま 久しぶりにカレンダーを見ると 先生とひとつになったあの日は 僕の誕生日でした

 

 

 

 

 

 

「 先生、1+1=1 って言ったけど うそですよ

足したって 割れてしまったじゃないですか 」

 

 

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 

一応主人公についてです

これを読んでからもう一度読むと合点がいくところが増えると思います

 

僕の家は 父親が小学生の頃に蒸発して以来母と二人きりで 肝心なその母は学歴厨、丁度父が居なくなったタイミングから勉強にうるさくなりました

中学校からは難関校へなんとかギリギリ入学 僕はあまり頭がつよいほうではなかったから 授業について行くのでさえ精一杯でありました

テストの結果も悪い僕の事を もちろんですが母は気に入りません この頃からお小遣いが無くなって お年玉だけでやりくりしていました

高額な塾に通わされて 何とか国立高校へ入学

早朝から夜中まで勉強漬けで、コンビニのご飯をいつも買っていました 母は成績ばかり見て 僕の成長には目を向けていなかったのか、見えていないのか ご飯代は500円

僕も男で高校生 足りるわけなくて 僕はお金を手っ取り早く手に入れる方法を探しました

スマホには制限がかかってるから上手くお金を稼ぐ方法を調べるのは難儀なことでした

ある日 塾までの時間潰しによく待ち合わせで使われている公園に立っていました すると向こう側からこちらに寄ってくるおじさん、僕は人違いかと思いました でもおじさんは真っ直ぐこちらに来ると 小さな声で 僕に 「きみ、かわいいね いくら?」

 

 

 

 

 

 

僕は初めて買われました

 

 

 

 

 

 




拙いものでしたが読んでくれてありがとうございました

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