緑谷出久の物作り   作:メタス

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コナンのコラボ先にプリキュアが追加された…元々ルパンとのコラボもあったしルパン世界にはキャッツアイとシティーハンターの世界が混じってて…ややこしいなぁ。


パンドラのリーダー 兵部京介 が 現れた!!

10歳 小学4年生

12月◯日

 

パンドラ構成員である澪ちゃん達との邂逅から早いもので3ヶ月が経過した。

 

お母さんには心配を掛けてしまったので、気をつけたいんだが…まだ色々と関わりそうなんだよな。

 

そういえば、キティ・キャットのナオミさんがワイルド・キャットに改名していた。谷崎主任に対するヘイトが限界突破して折檻したのだろう。紫穂ちゃんが上手いことやってくれた様だ。

 

初めて谷崎さんと喋った時に、『私のナオミに手は出さんでくれたま゛っ』と言ってナオミさんに容赦ない鉄拳を入れられていた。

 

『ごめんね、このバカが…』と謝罪されたが、『大丈夫ですよ。以前会った時よりも明るくなったみたいで良かったです』と苦笑しながら伝えた。

 

きょとんとした顔をして、すぐ後に『ふふっ、ありがとう』と微笑んでくれた。

 

他に変わった事で言えば、バベルでの訓練にザ・ハウンドも混ざるようになった。

 

初対面はチルドレンとの訓練に遅れて参加した時、犬神初音(いぬがみはつね)ちゃんが暴走していた。薫ちゃんや宿木明(やどりぎあきら)君が止めようとしていたが、間に合わずこちらに向かって来た。

 

右腕を差し出し前腕に噛みつかせる。ちくっとしたが皮膚を突き破るような事は無かった。声を掛けても既に野生に呑み込まれていたので、聞く耳を持ってない。

 

どうしようかと悩んだが、少し強引に解決する事にした。

噛み付かれたまま腕を振り上げて、手加減して背中から地面に叩きつける。

 

予想外の痛みで口を離した初音ちゃん。

明君はギョッとしてた。

 

そのまま大の字で転がったまま天井を見上げて正気に戻ったのか、ムクリと起き上がりキラキラとしたこちらを見てきた。

 

『姐サント同ジ位強イ。アニキ…!』

 

『兄貴って…まあいっか。落ち着いたのならそれで』

 

そのまま交流して一緒に訓練をするようになった。

 

2人共連携が上手く取れていて、私も情報(原作知識)が無ければ少々危ない所だった。

 

その身を獣の様に変化させて襲いかかってくる初音ちゃんに、周囲の虫や小動物に自身の意識を移してサポートする明君。

 

恵君が脱兎を出していた時に思いついた事があったので、休憩中に明君に聞いてみた。

 

恵君が出した式神に意識を移す事は出来るのかって。

 

知能があまり高いと憑依出来る時間は短いが…お試しでやってみると出来た様だ。しかもそこらの兎よりも運動能力が高く、動きやすいとの事。試しに初音ちゃんが追いかける形で5分間の鬼ごっこをした所、逃げ切っていた。

 

欠点としては式神は鍛錬で鍛えている事もあり知能が高くなっている様で、通常の動物よりも意識を移す時間が短いところか。

 

恵君が居なければ出来ないが、戦略の幅は広がったな。

 

ザ・ハウンドは幼馴染だったよな。

無邪気な初音ちゃんとしっかり者の明君。

良いコンビだから、応援したい。

 

そうそう、蕾見不二子管理官にも出会った。

 

バベルでの訓練が一段落して休憩中、ゲキトンファーや陰鉄のメンテナンスをしていた時に入り口が開く音がした。

 

『ばーちゃん!』

 

薫ちゃんがそう言いながら超能力で飛んでいったのでそちらを見ると、蕾見不二子さん。

 

兵部京介と同じ超能力部隊に所属しており、戦時中は様々な場所で活躍。だが終戦時に上層部に裏切られ攻撃を受けるが上手く逃げ出し、バベルの創設にも関わり政界とかにも伝手があるんだったかな。

 

能力は念動力(サイコキネシス)・瞬間移動(テレポート)・接触感応(サイコメトリー)と1人でチルドレンの能力を行使出来るし、彼女達を完封可能という凄まじい実力の持ち主。

 

あと、キス魔だったな。

 

知識では知ってはいるが誰だろうと疑問符を浮かべていたら、皆本さんが教えてくれた。

 

『出久ははじめましてだったかな。彼女は蕾見不二子管理官。バベルにおいて局長よりも立場が上の人間でね、今まで眠っていたのだけど…君も間接的に関わった兵部が動き出したから起きてきたんだ』

 

『成る程…』

 

薫ちゃんが私の事を話したのかは分からないが、蕾見さんと目が合った。瞬間移動ではなくこちらに歩いて来た。

 

『君がこの子達(ザ・チルドレン達)の訓練相手をしてくれているのね。私は蕾見不二子。バベルの管理官をやってるわ』

 

『ご丁寧にありがとうございます、緑谷出久です。訓練もこちらとしても良い経験になっているので、有難いです』

 

『へぇ…良い子ね。ちょっと味見させてね〜』

 

あ、と思った時には既に腕の中。

目の前にはキスする直前の蕾見さん。

 

その寸前で目の前をゴム弾が通り過ぎた。

 

『あら?紫穂ちゃん、ヤキモチ?』

 

『いいえ、そんなんじゃ無いわよ。手が滑ったの』

 

ウフフと言いながらも目が笑ってなかった。その顔を見た蕾見さんが、ニマァといい笑顔を浮かべながら私に小声で話しかけてきた。

 

『モテモテね〜出久君。あの子達を視たら他にも何人か落としてるみたいだし、将来が楽しみだわ』

 

『はぁ…落としているつもりは無いんですけどね』

 

『あら、無自覚なの?良いわね~若人の青春模様。私はやってる暇が無かったし、新鮮だわ…キスはやめてあげるわね。私が初めてを奪ったら可哀想だし、祟られそうだもの。だからこれで勘弁してあげる』

 

言うとほぼ同時に首を噛まれた。

確かエネルギーだかを吸い取ってる?のかな。

 

少しふらついたが問題無し。

 

ヒミコちゃんで首筋を噛まれる事自体は慣れていたので驚きはしなかった。

 

『ご馳走様、良い味だったわ』

 

『お粗末様です…?』

 

それからたまに訓練に乱入しては超能力の勘を取り戻す目的半分、ストレス解消目的半分で暴れる様になった。

チルドレンよりもレベル的には低いとはいえ、長年の経験から来る勝負強さ等は比べ物にならない。

 

エスパー達は超能力の使い方を参考にしているようだ。

 

私達はエスパーと対峙した時の注意点や対処法等を学ぶ事が出来た。

 

後、女性陣はキスの仕方を学んでいた様だった。

 

何故知っているかというと…皆本さんが蕾見さんの首根っこを掴んで引きずっているのを見たのだ。その時に聞いてみた。

 

『皆本さん?!蕾見さんはどうしたんですか?!』

 

『ああ…子供の教育に悪い事を教えてたからね。ち(・)ょ(・)っ(・)と(・)お仕置きしたんだ』

 

『ちょっとでアッパーするぅ?良いじゃない、特に紫穂ちゃん達は使うべき相手がいるんだから〜』

 

『年齢を考えろ!小学生だぞ?!まだ5年は早いわ!』

 

アッパー…そういえば巻末のおまけマンガでそんな話があったな。確かキスの仕方をチルドレンに教えていたが、皆本さんに見つかってアッパーで沈んでいたっけ。

 

10歳 小学5年生

4月◯日

 

ふと思い立ち、トレーニングの機材も自作を始めてみた。

岬越寺師匠が作って私も使っているので、教えて貰えるように頼んでみた。

 

軽い感じで良いよと言われたので、人体に関する勉強からスタート。筋肉や骨格等の基礎知識から始まり現在私がやっているトレーニングがどこの筋肉に効くかなど、ありとあらゆる面を叩き込んで貰っている。

 

その上で私が設計図を描き、それを岬越寺師匠に採点してもらい、作成・試験を行う。

梁山泊の師匠達にも試して貰って中々の評価を貰っている。

 

試験も兼ねて家の近くの河川敷で鍛錬していると、思いがけない人物に出会った。

 

近くのベンチで一息ついていたら、声を掛けられた。

 

『隣、良いかい?』

 

『ええ、どうぞ』

 

振り向いて変な声が出なかった自分を褒めてあげたい。

 

パンドラのリーダー、兵部京介さんだ。

 

こんな場所でエンカウントするとは微塵も思ってなかった。

 

『この前は澪が世話になったね』

 

『澪ちゃん…ということはパンドラの人ですか?』

 

『うん、僕は兵部京介。パンドラのリーダーを務めてる』

 

第一印象は、白髪で学ランを着込みどこかの飄々とした雰囲気を持つ浮世離れしたような青年。

 

『リーダー…随分お若いんですね。今日は何の用ですか?』

 

『怖がらないんだね、澪が言った通りだ。用事といっても君と話したいだけさ、サポーター』

 

『…澪ちゃんも言ってましたが、サポーターってなんですか?あと薫ちゃんの事もクイーンって言ってましたけど』

 

掴み所がない雲を相手に喋っている様だ。

 

『そうだね…君は未来予知(プレコグ)を知っているかい?』

 

『ええ。未来で起こることが分かるっていうものですよね』

 

『そう。うち(パンドラ)には高レベルのエスパーが居てね、かなり先の事まで分かるんだよ。数年先の事までお見通しさ』

 

…確か伊九号(イルカのエスパー)の仲間の脳味噌だけを生かしておいて、それで未来予知を使ってるんだったか。原作の描写を見てエグい事をするなと少し思っていた。

 

『成る程…未来で薫ちゃんがクイーンと呼ばれて、僕がサポーターと呼ばれていたと。紫穂ちゃんや葵ちゃんも何か呼び名があったんですか?』

 

『ああ。前者が女帝(エンプレス)で後者が女神(ゴッデス)だね』

 

『女王と女帝と女神ですか…仰々しい名前ですね。でも何となくは分かるかも』

 

『フフッ、君ならそう言うと思ったよ…さて、本題に移ろうか』

 

纏う空気が変わった。

 

『君はこの世界をどう思う?』

 

『…質問を間違ってませんか?僕はただの小学生ですよ』

 

『間違ってないさ、少し君の事を調べさせて貰ったよ』

 

じっとこちらの目を覗き込んでくる。

 

『鈴木財閥と深い関わりを持ち、バベルとも協力関係にある。かの禪院家やアームストロング家ともね。普通の子供なら思いつかないような発明品を次々に作り出し、フィジカルギフテッドの力を最大限発揮出来るように常日頃から鍛えている、見た目は子供で中身は大人と言われたほうがまだ信じられる位の才能だ』

 

『…褒め言葉として受け取っておきますよ。ところで世界についてでしたっけ』

 

『ああ。僕達はエスパーというだけで迫害され、兵器として扱われる。おかしいだろう?力を持ってないノーマルが、力を持っているエスパーを奴隷の様にこき使うのは。個性だって同じさ。無個性の人間や異形型の個性の人間は差別される。不平等な世界だと思わないかい?だからこそ僕は、エスパーのみの世界を作りたいのさ』

 

言いたい事は分かる。実際この世界を構成する物語にはそういった事情は存在する。異形型や無個性の者に対する差別、エスパーに対する迫害、挙げていけば前世よりもキリがない位だ。

 

『そうですね、不平等な世界です』

 

『だろう?だk『それでも世界に絶望はしてません』…へぇ?』

 

『エスパーのみの世界。作れたとしても、今のこの世界と変わらないと思いますよ』

 

『…続けて』

 

笑みが消えて、ただでさえ無かった瞳の輝きが消えて深淵を覗き込んでいる様な感覚に陥った。正直めっちゃ怖い。

 

『前提として、エスパーも人間です。喜怒哀楽があり、妬み嫉み等と言った黒い感情も持っています。恐らくノーマルが居なくなったことで、その感情はエスパーに向けられます。するとどうなるか…同じ様な差別が始まると思います』

 

『何に対しての差別だい?』

 

『一番想像しやすいのはレベルでしょうか。単純に大きい者が強く偉い様に見えて、低いものは弱者として扱われるんじゃないんですかね。もしくは容姿・学歴・資産等々…僕がパッと思いつくだけでもこれだけ出てくるんです』

 

『…確かにね。人間の欲望ってものは計り知れない位暗く深い物だ。なら君はこの世界を変えるならばどうする?』

 

変えるなら…か。最高なのはヒロアカ最終回みたいな物だが…

 

『今すぐ変えることは出来ません、僕は神様じゃ無いですし。でも手を伸ばす事なら出来ます』

 

『手を伸ばす?』

 

『はい』

 

目一杯に腕を広げる。

 

『僕の手が届く範囲はこれくらいです。どう頑張ってもこの範囲の人しか助けることは出来ません…でも』

 

『でも?』

 

『手が届いて助けられた人が、手を伸ばし人を助けて、また手を伸ばし…これを繰り返して行けば世界は1つに繋がれます』

 

『…途方も無い話だ』

 

『そうですね、でも地道に変えて行けば良いんですよ。急に変わったら混乱します。金属だって加熱した後急に冷やせば割れるでしょう?』

 

顎に手を当てて考え事をしている兵部さん。

 

咄嗟に出てきた物だけど、ベストアンサーな気がする。

 

『ふむ…良いね、面白い。僕が思っていた以上の人物の様だ…っと時間か。また会う時はゆっくりお茶でもしよう、サポーター』

 

何かに気がついたのか、話を切り上げる兵部さん。

すると、凄まじいスピードで蕾見さんが突っ込んで来た。

 

『やぁ、姉さん。お早いお着きだね』

 

『えぇ、たまたまこの辺をぶらついていたらあんたと出久君が見えてね。序にひっ捕らえてやろうかと思ったのよ』

 

『兵部!』

 

皆本さんの声がしたので振り返ったら、ブラスターを構えていた。高レベルエスパーでも至近距離で撃てば致命傷を負うとされる銃で、伊九号達が見せた未来では皆本さんが薫ちゃんをこのブラスターで撃っていた。

 

『なんだ、お前もいたのか。サポーターと話をしていただけさ、何もしていないよ』

 

『信じられると思う?』

 

ふわりと空中に浮かびながらクスクスと笑う。

 

『確かにね。でも、僕がこの子に手を出せばクイーン達が悲しむし、パンドラが壊滅しそうだから。それに…』

 

『それに?』

 

『僕に何処か似ているし、波長も合う。久しぶりに家族(パンドラ)以外で話が合う子なのさ。じゃあね、姉さんにサポーター。あと序にそこのメガネ』

 

『待て!!』

 

瞬間移動で帰っていったのか消えた。

 

『大丈夫?怪我は無い?』

 

『大丈夫ですよ。世間話をしていただけなので』

 

『…どんな話だった?』

 

特に聞かれても問題無いので、掻い摘んで話した。

 

『エスパーのみの世界…』

 

『ええ、最終的な目標なのかどうかは分かりませんがそう言ってました。あとは…僕や薫ちゃんの事をクイーン・サポーターって呼ぶ理由を聞いたら答えてくれました』

 

『っ!何て言ってた?!』

 

『パンドラに居る仲間が高レベルの未来予知者で、数年先の事まで分かって、僕達がそう呼ばれていたらしいです』

 

陰が掛かった様な表情になる2人。

薫ちゃんがクイーンになる未来を知っているからこそ、私を心配しているのだろうが…

 

『プレコグって必ず当たる訳ではないんですよね?』

 

『っ…ああ、実際にプレコグで見た事故を事前に防ぐ事も出来る。僕達(バベル)はそうやって災害に備えたりしているから』

 

『なら良かった。僕達がそういう呼び名で呼ばれる未来はまだ確定した訳じゃ無いって事ですね。それに、バベルの皆さんが協力して未来予知で見た災害とかを阻止出来るなら、僕達がそうやって呼ばれる未来は変えられるって事じゃないですか』

 

そう言うと、2人共がきょとんとした顔になり顔を見合わせて、一拍おいて笑い出した。

涙が滲むほど笑った後、手で拭いながら独り言の様に呟いた。

 

『は〜久しぶりにお腹を抱えて笑ったよ…そうだね。そうと決まった訳じゃ無いのにヘコんではいられないか。アイツ等をしっかり導いてやらないとね』

 

『ええ、私達がしっかりすれば大丈夫よ。出久君も居るし、外れそうになったら全力で引き戻しましょ?』

 

『子供達にキスを教え込んだあんたが言うか?』

 

先程兵部さんと対峙していた時に感じた焦燥感が薄くなり、余裕が出来た気がする。

 

多少は吹っ切れた様で何よりだ。

 

11歳 小学5年生

7月◯日

 

兵部さんとの邂逅があったがパンドラのメンバーとは特に会わなかった。何れは出会いそうな予感はあるけどね。

 

ゼフィランサスやザガンの開発は翠鎧で培った実績もあり、今の所順調。

 

構想としては、MS(モビルスーツ)の様にフレームを体に纏い、その上に装甲等を着けていく。

スラスターはフェンサーで作ってたから技術を応用すればいけそうだが…やはりその道(サポートアイテム開発)の専門家に見てもらいたいな。

 

思い立ったが吉日という事で、次郎吉さんに現在のSTEPの対象者のリストを直接見せて貰った。

 

『これは儂等が把握しておる現在のSTEPの対象者じゃ。お主と同年代の子も居るぞ』

 

『ありがとうございます』

 

捲っていくが、目ぼしい人物は…ん?

 

『次郎吉さん、この子って…』

 

『ん?ああ、沢田博己(さわだひろき)君じゃな。今は確か7歳位じゃったかな?プログラミング関係で天才的な才能があるそうじゃ。所謂ギフテッドという奴で、日本の画一的な教育が合っておらんかった。儂等が見つけた時、渡米するか悩んでおったからSTEPの事を伝えると喜んで承諾してくれたわい』

 

やはり…名探偵コナンの映画第6作目である、ベイカー街(ストリート)の亡霊で出てきたゲストキャラの1人であるヒロキ・サワダ君だった。

 

本来なら渡米してノアズ・アークという人工知能を開発し、DNA探査プログラムを開発する作中でも上位に入る天才。

 

鈴木財閥の庇護下に入ったと言うことは、コクーン(仮想体感ゲーム機)は作られなくなったかもしれないな。

 

…別にそこは良いか。子供に自殺という最悪な末路を辿らせる様な会社は倒産すれば良いさ。

 

他にも居ないかとリストを捲っていると、これまた見知った名前と顔が。

 

発目明(はつめめい)。

 

ヒロアカ世界でも屈指のサポートアイテム開発者。

作ったアイテムにベイビーと名付けて深い愛情を注ぐ程の天才。

 

作中ではA組のサポートアイテムや最終決戦時の舞台を作り上げたり、最終回では会社を立ち上げて開発の最前線を行く人物になっていた。

 

彼女なら良い意見が聞けそうだな。

早速2人に連絡を取って貰うように次郎吉さんに依頼する。

 

快諾してくれたようで、時間を作ってくれた。

協力関係を結べるかは五分五分だが…まぁ駄目で元々だ。

 

11歳 小学5年生

8月◯日

 

今日は発目明さんと沢田博己君との顔合わせの日。

 

場所は私がお世話になっている、財閥の研究所内にある応接室。

 

若干の緊張等を感じながら待っていると扉がノックされた。

入室の許可を出すと、ピンク色の髪とゴーグルを着けて瞳に特徴的な模様が浮かんでいる女の子と、その後ろに何処か儚い雰囲気をした男の子が入ってきた。

 

『初めまして!発目明と申します!』

 

元気溌剌。この4文字が良く似合う子だな。

 

『沢田博己です。よろしくお願いします』

 

落ち着いた雰囲気の子だが、何処か芯が通っている印象を受ける。

 

『緑谷出久です。本日は急な誘いにも関わらず、来ていただきありがとうございます』

 

礼をしながら、感謝を伝える。

取り敢えずソファに座って、飲み物とお菓子を出す。

 

『早速ですが、今日集まって貰ったのは僕が開発中のスーツに関して意見を聞きたいからです』

 

『ほうほう!あ、敬語は無しでも良いですよ!堅苦しいのは苦手です!』

 

『僕は1番年下なので、敬語を使わせて貰いますね』

 

STEPの参加者同士だったし、一応敬語で話そうとしていたんだが…堅苦しいのは苦手なので丁度良かった。

 

明ちゃんは何となく分かるが、博己君はしっかりしているな。

 

『一般販売をするものでは無くて…僕が使うものなんだけどね』

 

タブレットにサイサリスとザガンの設計図と画像等を表示する。

 

『どちらも近距離での戦闘を目的にした物ですね…』

 

『基本的には背部のユニットかトンファーで防御して接近、そのまま殴る物にしてるんだ。僕の体質に合っている戦い方だからね。そのうち、遠距離の物も作ろうかとは思ってるけどね』

 

『体質?』

 

真っ直ぐ行ってぶっ飛ばすという脳筋戦法に若干引いてる様な博己君に、体質が気になる明ちゃん。

 

何時もの様にフィジギフだと説明し、証明の為に2人が来るまで飲んでいたコーヒーのスチール缶を両手で挟み、縦に潰す。

メキョっと音を立てて潰れたスチール缶を見て、目を丸くしていた。

 

『おぉ〜!凄い力ですね!これなら小細工無しの真っ向勝負が1番ですね!』

 

『わぁ…!凄い!僕にも出来ますか?』

 

『う〜ん…僕はフィジギフっていう前提があるからこういう事が出来るけど、体を鍛えれば多分出来るとは思うよ』

 

サポートアイテムを開発する側なのに戦闘するのか?と聞かれたが、フィジギフの力を腐ったまま置いておくのも勿体ないから鍛えていると伝えた。納得はしてくれたみたいだった。

 

話が上手くいって良かったな。

そのまま2人に改めて意見を聞こうと思った時、備え付けてある内線が鳴った。2人に断りを入れて、内線に出る事に。

 

『はい、緑谷です』

 

『おお、出久か!ワシじゃ、次郎吉じゃよ』

 

『次郎吉さん?どうしたんです?』

 

相手は次郎吉さん。たまに研究所に来て色々と話す事はあったし、珍しくは無いけども…

 

『今、とある客人が来ておっての。元々STEPに興味を示しておったのじゃが、様々な許可が取れて今来(・)日(・)しておるんじゃよ。それで研究所に着いて、お主等が居る事が分かって会いたいと言っているんじゃ』

 

『はぁ…因みになんですけど、どなたですか?』

 

『デ(・)ビ(・)ッ(・)ト(・)・(・)シ(・)ー(・)ル(・)ド(・)。オールマイトのコスチュームを初めとして様々なアイテム開発における稀代の天才じゃよ。あと、彼の娘であるメ(・)リ(・)ッ(・)サ(・)・(・)シ(・)ー(・)ル(・)ド(・)も来ておる』

 

マジヤバでちゃけパネェじゃん…私を中心に嵐でも発生してんのかと思うくらいに重要人物が集まってくる。

 

仕方ない、ポジティブに考えよう。

ここで上手く行けば劇場版第1作目を起こさない事が出来るかも。

 

この事を明ちゃんとヒロキ君に相談すると、大喜びをして二つ返事で了承してくれた。

 

暫くすると、扉がノックされる。

次郎吉さんが先ず入ってきた。

 

『すまんの、急に言ってしもうて』

 

『いえいえ、僕達としてもアイテム開発の最前線を駆け抜けている博士にお会い出来るのは嬉しいですから』

 

次郎吉さんが扉に向かって許可を出すと、最初に護衛らしき人が数人入った後、眼鏡を掛けた茶髪の男性と、ふわふわとした金髪の女の子が入ってきた。

 

『初めまして、デビット・シールドです。急な訪問にも関わらず時間を作ってくれてありがとう』

 

『初めまして、メリッサ・シールドです。今日はよろしくお願いします』

 

取り敢えず私達も自己紹介をしたのだが、さっき明ちゃん達に見せた設計図をデビットさんが見つけて、何を話していたかを説明した。

 

すると開発者の血が騒いだのか、話し合いに参加してくれる事に。

 

フィジギフだと言う事は説明すると、すんなりと受け入れてくれた。曰く知識としては知っていたらしい。実際に見たのは初めてだと笑っていた。

 

開発途中だが、サイサリスとザガンのフレームの実物を見て貰った。

 

ヒロキ君は男の子らしくロボに夢中だった。

目をキラキラさせていて、微笑ましかったな。

 

明ちゃんやデビットさん、メリッサちゃんは見た瞬間に開発者の目になってギラギラとした視線を送っていた。

 

『成る程な…フィジギフ故の能力を活かし、真っ直ぐ行って殴り飛ばすのがコンセプトか』

 

『ええ、遠距離攻撃も考えたんですけど…チマチマ撃つより接近して吹っ飛ばした方が早い事に気付きまして。一応この2体を作った後、遠距離戦用のスーツの設計図は作ろうかなと思ってます。相談したいのは、スラスターの部分で…フェンサーである程度ノウハウは掴めたんですが、まだ発展途上な部分が多いんです』

 

『そうね…細かい動きが出来ないみたいだし、スラスターによる姿勢制御がちょっと難しいかも…』

 

流石ヒロアカ屈指の開発者。見ただけで分かるのか。

メリッサちゃんもその血を受け継いでいるのがよく分かるな。

 

『それならこれを使ってみて下さい!!』

 

明ちゃんが出したのはスラスター?だった。

形状は地球防衛軍のウィングダイバーの民間人時代に背負っている物に良く似ている。

 

『私が開発したベイビーです!背負ってスイッチを押すと背部のスラスターで空を飛べます!!』

 

『おぉ〜…これって構造上真上にしか飛べなくない?』

 

『そうです!なので緑谷さんのザガンのユニットを応用させて貰いたいのです!脳波によるコントロールが実現出来れば、理論上市街地等の障害物が多い場所でも飛べるはずです!!』

 

共同での開発になるのか…良いな。

 

『確かに…でも制御するプログラムとかはまだ勉強中なんだよ。翠鎧である程度は把握出来たから大丈夫と思ってたんだけど…難航中でね』

 

フィジギフで器用と言えど、プログラム関係は専門外だった。

基本から学び応用まで出来るようになれば、発揮出来る筈なんだが…時間が足りん。

 

『なら、僕が作りましょうか?プログラム関係は少し自信があるんです』

 

『良いの?』

 

『はい、大丈夫ですよ。任せて下さい!』

 

むん!と力こぶを作って見せるヒロキ君。

その姿にほっこりする。

 

思いがけずこの世界でも最上位クラスのアイテム開発者との縁が出来たな。この協力関係は続けていきたい。

 

それに身勝手な願いだが…ヒロキ君を映画のような末路にはさせないし、デビットさんを映画の様にさせたくない。

 

私1人では成し遂げる事は出来ないかもしれないが、遠慮なく皆を頼らせてもらおう。

 




今年は観たい映画が多いな。
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