浄土の雷電影と 宿儺が殺し合う話です

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雷神 史上最強の術師と相対す

将軍は浄土の静寂の中に佇んでいた。*

心は既に凪いでおり、感情の波は一切存在しない。この世界では、時の流れさえも意味をなさない。ただ「永遠」を追求するためにすべてを捨て去った。余計な思念や感情は、この静寂の中では意味を為さない

 

*目は閉ざされ、心の奥底で完全な無が広がっていた。

雷を司る者としての使命だけが、唯一の現実であり 何者にも乱されることのない静謐な空間で、ただ無機物的に、そして確かに、永遠への歩みを進める。

 

---

 

 

静寂を支配していた浄土の空気が、微かに揺れた。

影はその異変を感じ取った。ここは永遠の静謐が保たれるべき場所。外界からの干渉は一切許されないはずだ。しかし、今、この領域に異物が入り込んでいることは確かだった。

 

「なぜ……?ここに誰かが入れるはずはない……」

 

その疑問が脳裏に浮かんだ瞬間、影はその背後に気配を感じ取った。鋭い殺気。瞬間的に反応するが、もう遅かった。

異様な圧迫感のなにかが彼女の背後に立っていた。

その圧倒的な存在感が、空間を歪めるかのように感じられる。雷電将軍が振り返るよりも早く、恐ろしく早い無音の何かがまま飛来した。空を裂くように放たれた一撃は、彼女の肩口を狙っている。

 

だが、雷電の反応は一瞬だった。無意識のうちに体をひねり、斬撃は彼女の髪先を掠めるだけで済んだ。雷鳴のごとき一撃を間一髪で避け、彼女は戦闘態勢を整える。

将軍は鋭く相手を見据えた。

目の前に立つのは、異様な気配を纏う男――見たことのない存在だ。その力はただならぬもので、浄土に侵入してきた事実すら信じがたい。だが、今この場にいる以上、何者かの干渉が確実にあった。

てこのような闖入者がいるのか。平穏が乱されたことに、わずかな違和感を覚えつつも、その感情を表に出すことはなかった。

 

「あなたは一体……この浄土に、どうやって入り込んだのですか?そして、私に攻撃を仕掛けた理由を聞かせてもらいましょう。」

 

その問いは冷静かつ鋭く、将軍の感情を排除した声が響く。彼女の目は、相手のすべてを見抜かんとするかのように光る。

宿儺は、にやりと笑みを浮かべた。

「小娘……」

宿儺の声には嘲笑が混じる。

「今、俺の術を目で見て避けたな?」

将軍は宿儺をじっと見据えたまま、一歩も引かずに問いを重ねた。

「私の質問に答えていただけますか?」

彼女の目は宿儺の一挙手一投足を見逃すことなく、相手の意図を探ろうとしていた。

 

宿儺は一瞬目を細め、薄く笑った。

「さあな……俺もなぜここにいるかは知らん。」

まるでこの異常な状況すら気にも留めていないかのように言葉を終えた宿儺は、ゆっくりと両手を開いたり閉じたりし始める。まるで、自身の身体の感覚を確かめるかのように。

 

「小僧の身体ではないようだな……」

彼はそう呟きながら、手をグーパーグーパーと繰り返し、そのたびに骨の軋む音がかすかに響く。 

この男が何を企んでいるのか、何をしようとしているのか、完全には理解できないが、その異様な動作が不気味さを感じさせる。彼女の瞳は鋭さを増し、一瞬たりとも視線を逸らすことなく宿儺を注視していた。

「なぜ 攻撃したかのことは関してはまだ聞けてませんが」

冷静さを保ちつつも、次の一手を警戒しながら問いかける

「なぜ、私に攻撃を仕掛けたのですか?」

「理由?……特にないな。」

その言葉はあまりに軽々しく、まるで周囲の状況や彼女の問いを嘲笑するかのような態度だった。彼の無関心さは 将軍を苛立たせるわけではなく、むしろ一層の警戒を強めるものだった。

「理由もなく攻撃を…?そのような行為は許されません。」彼女は素早く手を掲げる。この男をここで封じるべきだと判断した瞬間、雷が鳴り、電撃が彼女の手の中で収束し始める。浄土の静寂を乱した者 永遠を妨げる者だと一連の会話で確信し 虚空の空間から薙刀を取り出す

「永遠の敵となりうる あなたをここで排除します」

宿儺はその光景を楽しむかのように、ゆっくりと手を止め、口角を上げた。

「理由はどうあれ、今は俺は一時の自由だ――」

その言葉と共に、宿儺の体から狂気じみた殺気が溢れ出す。

「暇潰しだ 手始めに、お前を殺す。」

次の瞬間、将軍は異様な気配を感じ取った。

斬撃――それも恐ろしく速い。彼女の目にはその攻撃の姿を捉えることができなかったが、本能的にそれが迫っていることを悟った。

 

反応するには一瞬の猶予しか残されていなかった。

目の前にまで迫った斬撃に対し、彼女の体が瞬時に動く。意識よりも先に、身体が反応する形で宙に身を捻り、紙一重でその一撃を避けた。

刃が髪をかすめ、微かに空気を切る音が後から響く。

しかし、

「――っ!」

宿儺の拳が将軍の左腹に深くめり込む。

将軍の体が揺れ、内臓に鈍い痛みが走る。圧倒的な力が彼女の身体を突き抜け、そのまま制御不能な勢いで彼女を遠くへと飛ばす。

影の体は遠くの地面に叩きつけられた。

砂埃が巻き上がり、その衝撃の余波が浄土の静寂をさらに乱す。

宿儺は追撃をかけることなく、彼の視線は、遠くへ飛ばされた将軍が叩きつけられた場所へと向けられている。砂埃が立ち込め、視界を遮っていたが、宿儺は焦ることなく、まるでその展開を楽しむかのように静観していた。

次の瞬間、砂埃が突如として吹き飛んだ。

轟音と共に衝撃波が周囲を薙ぎ払い、その中から現れたのは――稲光を纏った将軍だった。彼女の体から放たれる雷光が空間を裂き、浄土を支配する静寂をさらに打ち砕く。

宿儺はその光景を目の当たりにし、楽しげに笑みを漏らす。

「ケヒッ……いい 面白くなってきた」

その言葉には挑発と余裕が混ざり合っており、彼は雷電将軍の反撃を心待ちにしているようだった。

そして次の瞬間――音が消えた。

雷電将軍の体は稲妻のごとき速度で動き、音を置き去りにして宿儺に迫った。剣が宿儺を目掛けて一閃され 稲光と共に放たれるその攻撃は、まさに雷鳴そのもの。

宿儺は一歩も動かない。瞬時に腕を上げ、その一撃を受け止めた。

将軍の刃は宿儺の腕に深く食い込む

そのまま彼女を蹴り上げようと足を振り上げるが雷電もまたその動きを察知していた。

将軍は、瞬時に体を翻してその蹴りをかわすのと同時に稲妻のごとき速さで将軍の薙刀が宿儺の胴体に突き刺さる。

宿儺の体は衝撃で後方へ吹き飛ばされ、将軍はそれを見逃すことなく、稲光を纏い、彼の動きに追いつく。宿儺が飛ばされている途中、雷電は一瞬の隙も与えず、激しい斬撃を次々と繰り出す。雷光の如く放たれる斬撃は、空を裂き、宿儺に降り注いだ。

常人なら一撃で死に至る斬撃の雨を宿儺は

指や手を使い鋭い斬撃をものともせず防いでいく。将軍がさらに間合いを詰めたその瞬間

至近距離で不可視の斬撃が放たれた

頬を掠め彼女の顔に一筋の傷が刻まれ、血が一滴流れ落ちる。

しかし、ひるむことなく、一閃を宿儺の胴体に入れようとする。

だが、その刹那――宿儺は身体を回転させた。攻撃をかわすと同時に、その勢いを利用し、彼女の身体に強烈な蹴りを放つ

「――っ!」

宿儺の蹴りは正確に雷電将軍の身体に直撃し、彼女の体は激しい衝撃で宙を舞う。稲光が一瞬散ったかのように、雷電将軍はそのまま遠くへと弾き飛ばされる

将軍は空中で体勢を整えると同時に、絶え間なく迫る宿儺の斬撃に気づいた。

その一撃一撃がさらに速く、鋭くなっている。彼女は視覚と感覚を最大限に研ぎ澄ませ、全身で宿儺の攻撃を捉える。稲妻のような動きで回避し、斬撃の軌道を見切る度に、彼女の動きはさらに洗練されたものになっていった。

だが、宿儺の斬撃は止まらない。

その速さは増す一方で、まるで彼の攻撃が次第に完璧さを増しているかのようだ。将軍は、一瞬ごとに宿儺との間合いを測り、斬撃を避けながらも反撃のチャンスを窺う。

近距離での体術を駆使しながら、将軍は中距離から雷撃を放ち、雷を纏った斬撃を遠距離から飛ばす。

稲妻が宿儺に向けて放たれ、その雷撃が空間を裂き、電光の如き斬撃が襲いかかる。

だが、宿儺は一瞬たりとも動じず、その場に留まることなく素早く動き、斬撃を回避し続ける

しかし ほんの刹那 その間に宿儺は目の前に迫っていた。

影は彼の間合いを詰められたことに気づき、即座に反応する 将軍が宿儺に向けて袈裟へ仕掛けるも

宿儺はその一瞬、再び斬撃を放つ

「ーー!」

将軍の服が裂け、その下の肉が浅く切り裂かれる。痛みが走るが、致命傷ではない。彼女は瞬時に体勢を立て直し、その一瞬で稲妻を纏った薙刀を宿儺に叩き込まんと

雷光が迸り、宿儺めがけて一閃したーーしかし、その一撃は空を切った

彼女が斬撃を放ったその瞬間、宿儺はさらに間合いを詰め、将軍の背後に回り込んでいた。振り返る間もなく、宿儺の指が彼女の背中に触れた。「捌」

その一言と同時見えざる無数の斬撃が、全身を切り刻む

「ーー!」

血が吹き出し、空中に散らばる。だが

激しい痛みを感じながらも、倒れることなくその場に立ち続けた。宿儺の凄まじい斬撃を浴びながらも、その致命的なー撃にはならなかったのだ。

「これは......一体......何が..

…..?」

自分の体に何が起こったのか理解できない。。視界の端に宿儺の姿が見え彼の指が先ほど触れたことを思い出す

(触れられた瞬間 体が裂けた? なぜ)

触れられたこと 反応すらできなかったこと 先ほどのやり取りの中で 行き着く答えはひとつ

(触れられる事で回避不可能の斬撃を浴びせられるのか? )

理解した瞬間、再び宿儺を見据える 

「今ので殺したつもりだったが」

宿儺は将軍を観察する

将軍の体を襲ったはずの「捌」は、術師ならば即座に致命傷となるはずだった。それにも関わらず、立ち続けている。

宿儺は口元に笑みを浮かべる。最初は彼女の呪力が異常なほど少ないと思ったが、そうではない。影は「呪力」を全く使っていないのだ。宿儺の目が鋭く光る。

「なるほど......この空間といい その呪力と似て非ずる力といい 殺し損じた」

「次はない」

そう言葉を終えると同時に将軍も再び構え 彼女の元に雷元素が収縮する

「それはこちらも同じこと 

今の一撃で 私を葬れなかったことを後悔するでしょう」

稲光が彼女を包み 雷電将軍 いや 影は稲妻の神として 全力で宿儺と相対する

その変化に気付いのか 宿儺は失せた笑みを再び浮かべた

「いい それでいい もっと魅せてみろ 小娘!!」

 




次回書きます

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