二回目イズクとかっちゃん(♀)   作:規律式足

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 作中小ネタ。
 この作品のパワーローダー先生は胃痛をリカバリーガールにチユーされまくったせいで、腹のキスマークが消えなくなってます。
 なので腹巻きをつけて隠しているよ。



第12話

 

 オールマイトの雄英高校教師就任のニュースが流れてしまい、雄英高校に連日マスコミが押し寄せる騒ぎになってしまった。

 前回でも通学時に突然マイクとカメラを向けられビクッとしてしまったなあ。

 しかし、マスコミか。

 ちらりと一緒に通学している幼馴染を見る。通学を邪魔する面倒極まりないマスコミを不快そうに見る彼女だが、突如何かを思いついたような表情をした。

 うん、嫌な予感がするね。

 かっちゃん(♀)の日頃の行いを考えると何をやろうとするかはうっすら想像できる。

 そう、全国中継されてるからとあえて手を組んで彼女アピールして、付き合っていることを世間に示すとかね。

 HA HA HA。

 そうはさせるか。

 

「あのさ、イズク」

 

 もじもじと言い出そうとする彼女を何も言わずにお姫様抱っこする。

 

「!?!?」

 

「ワンフォーオール発動」

 

 そしてそのままー、全力ダッシュ!!

 某アメリカンフットボール漫画のアイシールドな彼のように減速せずにマスコミ達をすり抜ける!!

 ヒーローの必須技能たる人混み越え走法。現場に向かうヒーローが混雑する大衆に足止めされることは日常茶飯事。だからこそわずかな隙間から人にぶつからないように走り抜く技術は必要なんだ。

 前回のヒーロー基礎学だと、障害物としてぶつかったら爆発か放電するロボットで練習したものだね。

 その経験というか記憶から、僕は稲妻のような速度で風のようにすり抜けて、マスコミに話しかけられることなく校門をくぐることができた。

 

「個性使用は問題だが今回ばかりは仕方ないか」

 

 マスコミ対応の為に控えていた相澤先生にそう言われた。かっちゃんと僕は「ヘドロヴィラン」の件で顔を知っている人もいるから、その事を考慮して許してくれたのだろう。

 

「ただ爆豪は正気に戻しておけよ」

 

「?」

 

 相澤先生の言葉にかっちゃん(♀)を見れば、

 

「うへへへ、イズクがお姫様抱っこしてくれて登校、うへへへ」

 

 彼女は乙女がしちゃ駄目な感じの顔を真っ赤にして口からよだれを垂らしたとろけた表情になっていた。あーリカバリーガールのトコに連れてけば治るかな?

 

 ちなみにマイクを生徒に向けていたマスコミの女性コメンテーターだが、その押しの強い性格から見た目が良いけど恋人ができず、雄英高校生同士というエリートカップルを見ても舌打ちこそすれコメントを求めたりはしなかった模様。

 

 

 保健室に行ったらちょうど扉から出たパワーローダー先生とすれ違ったので挨拶をする。彼のコスチュームに腹巻きってあったかな?

 リカバリーガールにかっちゃんを見せたら頭を杖で打っ叩いて正気に戻してからチユーをしてくれた。かっちゃんは古い箱型テレビなのだろうか?僕も資料でしか見たことないけど。

 そして1ーA教室にてホームルームがはじまった。

 

「昨日の戦闘訓練お疲れ、Vと成績見させてもらった」

 

 前回も気になったけどVとは一体?

 相澤先生は軽く生徒達の評価と注意をしてから(前回とは違い僕とかっちゃんは無かった)、ゴオ・・・っと本題を口にする。

 

「学級委員長を決めてもらう」

 

「「「「学校っぽいの来たーー(ホッ)!!」」」」

 

 何かを言い出す時に威圧するのは相澤先生の持ち芸だと最近思うようになりました。いや真剣な話も多いけどね。

 すると皆がハイハイハイハイとやる気あるセリフと共に挙手をしだす。

 普通科なら雑務を押し付けられる立場だからとシンと静まってしまうだろうけど、ヒーロー科では集団を導くっていうトップヒーローの素地を鍛えられる機会なんだ。

 

「オイラのマニフェストは女子全員膝上30センチ!!」

 

 一部は違うみたいだけどね(峰田君)、というかそんな権限はないと思う。

 

「イズク君はええの?」

 

「爆豪もやる気なし?」

 

 そんな中、手を挙げない僕とかっちゃんに麗日さんと耳郎さんが訊ねてきた(ちなみに轟君も挙手していない)。

 

「僕はちょっと」

 

 前回の記憶もあって学級委員長は飯田君という意識が強い。

 

「学級委員長は一人だからイズクと同じ委員になれないしな」

 

「爆豪ちゃんは(欲望に)正直なのね」

 

 そんなかっちゃんを梅雨ちゃんは呆れたように見ていた。

 そんなやり取りをしていたら飯田君による多数決で決めることに、切島君の懸念する全員自分にいれるというのが僕とかっちゃんの存在でなくなったから皆が納得したのだ。

 モゾモゾと相澤先生が寝袋に潜り込む中で、いざ多数決。

 

「っでイズクは誰にすんだ?」

 

 それを訊いたら駄目じゃないかなかっちゃん。

 

「飯田君かなって、メガネだし」

 

「ウチのクラスで他にメガネいないしな」

 

「そんな理由かねっ!!(眼鏡パリン)」

 

「あー、八百万にしようかと思ったけど緊急時にパニクりそうだし飯田にしとくか」

 

 それもしちゃいそうだし、お嬢様的な感覚のズレと本人の天然ぶりから向いてなさそうなんだよね。

 というわけで学級委員長は3票で飯田君に決定。彼は僕に投票したようだけど今回は麗日さんは僕ではなく飯田君に投票したようだ(飯田君は僕)。

 八百万さんが副委員長なのは本人と轟君の投票だろうね。

 

 午前の授業が終わって昼。

 今日はランチラッシュのメシ処で麗日さん・飯田君と昼ご飯だ。かっちゃんは人が多い場所が嫌いだから今日は教室で梅雨ちゃん達とお弁当だ。なんか嫌な予感がするけどまあ仕方ないよね。

 

「お、美味しい」

 

 感覚的に十年以上ぶりのランチラッシュのカツ丼。それは味以上に込み上げてくる懐かしさから涙が溢れてきてしまう。

 

「泣くほどなのかいっ!?」

 

「お得やもんねえ」

 

 一口噛めばじゅわりと染み出す香り豊かな出汁の味。カツ丼の味の染みたカツの衣は肉を活かす最高のソースなのだ。それをご飯と共に掻き込めば正に至上の満足感を与えてくれる。

 

「そういえば飯田君は自分じゃなくてイズク君に投票したんだよね。ウチもイズク君にしようか悩んだよ」

 

「緑谷君の強さと胆力や判断力は多を牽引するに値する、だから投票したんだが。まさか君がメガネだからと僕に投票するとは」

 

 前回の記憶から学級委員長は飯田君じゃないと違和感半端ないからだとは言えないしなあ。

 

「僕?なんか飯田君って坊っちゃんぽいよね」

 

 個性が世に溢れ、ヒーローが一般的になってから大分たった現代。数世代続くヒーロー一家ともなればお金持ち一家と同じくらいの良家だ。

 まあ麗日さん家も会社経営してるから社長令嬢と言えば社長令嬢で、サラリーマンの子供である僕とは違うのだけどね。

 

「今は兄であるインゲニウムが事務所を継いでいて、俺もそんな兄を尊敬しているんだ」

 

 前回はステインだったスタンダールに襲撃され引退したインゲニウム。

 65人ものサイドキックを率いる彼が無事なら来たるべき決戦で大きな戦力になってくれるだろうね。

 

 飯田君のインゲニウムの話を聞いてるウチに時間は過ぎた。そして前回同様に起きた警報騒動も飯田君が非常口になることで見事に静めてくれた。

 この騒動が起こることは知っていたけど、それについての対策が僕には思いつかなかった。破壊されたらしい雄英バリアーで待機してるわけにはいかなかったしね(というか破壊されているからとなんでマスコミは侵入したんだろ?破壊されていること自体がスクープになるし、普通は警察に通報すると思うけど)。

 ヒーローの一部がヴィラン以上にマスコミを毛嫌いする理由がなんとなくわかった気がした。

 

 なお教室に戻ったらかっちゃん(♀)と食事をしたメンバーがニヤニヤとこちらを見てきた。

 一体どのエピソードを話したんだかっちゃん。





 緑谷出久。
 カップル認定される前にお姫様抱っこでダッシュ。なお周囲にはバッチリ見られてました。 
  
 爆豪勝己。
 緑谷出久の予想通りにしようとしたが、予想外のサプライズに朝からトリップ。リカバリーガールが深くため息をついたとか。

 学級委員長決め。
 飯田君以外はありえない認識の緑谷出久により連れて爆豪勝己、麗日お茶子が投票。まあメガネだし。
 なお緑谷出久と爆豪勝己は二人で美化委員。

 社長令嬢・麗日お茶子。
 美味しんぼの現場監督のソーライス好き御曹司と弁当詰めするバター醤油かけご飯好きの社長令嬢ぐらいの社長令嬢。それでもサラリーマンの子供よりはまあ。

 緑谷出久のいない爆豪勝己の昼飯。
 別名、惚気タイム。
 割と縁遠い恋バナを補充できて女子勢は満足。
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