褪せ人が行く!ふかふかダンジョン!【完結】   作:No_46

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同日投稿!
なんか勢いで書いてたら書ききれたぜ!
もうちょっと濃い内容ほしかったら感想で教えてくれ!
外伝で書くかも!
ここまでお付き合いありがとうございました!


その後

 side.騎士の褪せ人

 

「案外簡単に通りましたね、新しい教典と転移者の扱いは結構時間がかかりそうだと思ってたんですが」

 

 貴方にそう言葉をかけるのはシンシアだ。

 

 狂い火の褪せ人は最終的に封印されたらしい、あの光と紋章の意味は分からなかったが、耳長が封印したようだった。

 普通の褪せ人に戻ったとはいえ、二本指の神秘を断ち切り、祝福の記憶でも戻っていない所を見れば成功したのだろう。

 貴方はまだこの世界を楽しめることにワクワクしながら、シンシアの話を聞き流していた。

 

「もう! 聞いているんですか!?」

 

 聞いてる聞いてると貴方は返すが、聞き流していると確信したのか

 まったく! と拗ねてしまった。

 

 正直貴方はこの世界の経典や教えなどには関心がない、狂い火の褪せ人を封印した後、それぞれの褪せ人は皆自分の好きなように、バラバラに分かれて行った。

 

 この世界に来たの訳は意外なことに、あの耳長が発していた神秘が、狭間の地の世界と接触し、つながった隙間に吸い込まれたからだという。

 その説明をした魔女レナは純魔の褪せ人と共に、教国の観光をしに行ったらしい。

 

 結局、この世界に連れ込まれたと言っても、一生続くおもちゃ箱の中に入ってしまったようなものだ、未だに目新しいものがあるこの世界から狭間の地に帰還する褪せ人はいなかった。

 

 そんな貴方は初めて訪れた城塞都市アイギスで、少女たちを鍛えながら、日々を過ごしていた。

 ずいぶんと少女たちの体に馴染んだ神秘は、既に最初の頃の褪せ人と同じレベルであると認められたようで、祝福に触れれば回復するまでになった。

 だがこれ以上の神秘を他人に与えるのは均衡が崩れるらしく、アーク大司教に止められてしまった。

 

 そんなわけで、少女たちに集中的に訓練を施している、時間はあるので以前よりもゆっくりとだが。

 この世界の男にはもうかすり傷すら負わず勝てるようになったが、まだ学びたいらしい少女たちは貴方にずっとついてきている。

 

「次はどこに行きましょうかね?」

 

 シンシアの問いに、貴方は悩み始めた。

 忘れていたはずの平穏というものを、貴方は思い出し始めている。

 

 万能の騎士、勇者伝説にいきなり登場し、圧倒的な力を持つ仲間と協力し、世界の終焉に立ち向かったとされている騎士だ。

 意外なことにその弟子たちは皆女性であり、何年経とうと老いなかったという。

 その最後はベールに包まれており、未知の敵に戦いを挑みに行ったという説や、弟子を連れて隠居したという説が有力だ。

 勇者伝説の現実性の低さに苦言を呈する者もおり、実際に使われたとされる聖剣の勇者セイの武器は、今まで誰も扱えていないことからも、創作として現在は扱われている。

 しかし、それでは実際に振り回して巨大生物にたたきつけなければ現れない、聖剣が折れたのを修繕した跡などから、創作ではなく現実に起こったことであるという主張もある。

 教国はその話について口をつぐんでおり、真実が明かされるのは来年の建国1000年目の節目に行われる、機密情報の開示によって、真実が明らかになるのかという期待の声が大きくなっている。

 

 

 

 side.呪いの褪せ人と黒衣の褪せ人

 

 貴方、黒衣の褪せ人は他の褪せ人達と別れた後、呪いの褪せ人と共にルイルを背負いながら森を歩いていた。

 封印に成功したらしきルイルは、随分体力を消耗してしまっていたので、急いで回復を行ったが、与えたはずの神秘を取り込んだのか、別々の神秘がまじりあい随分とおかしな事になっていた。

 結局目は覚ましたが、神秘は渡した王のルーンを含めかなり消耗しているし、自然に回復する分は封印に回しているため、正真正銘、ただのエルフと同じになってしまったという。

 対してそれを聞いた褪せ人二人は、まぁどんまいというように背を叩き、おぶって歩き始めた。

 背負われたルイルが聞いてくる、なぜまだ手伝ってくれるのかと。

 それに二人の褪せ人は

 世界の寿命を維持する手伝いは、まだ始まったばかりだ、と答えた。

 

 そうして、亜人との協力に不信感を持っているらしい教国に侵入し、暗殺したり、毒をまき散らしたりしている内に、原案が通ったようだ。

 今は統一の言語を決めようとしているらしいが、皆、前向きに話し合っている様子。

 

 これならば大丈夫であろう、とルイルは予測したので、次は市井に紛れ過ごしていくことになった。

 

「ほーう、初めて食べるが、見ていた予想通り、やはり上手いのう!」

 

 そう焼き串を食べているルイルを見ながら、呪いの褪せ人(町に入るため、今は鎧を外し羅刹装備一式に着替えている)は出店で買ったタバコを吸っている。

 貴方も同じく出店で買ったエールを飲みながら、この世界での生活を楽しんでいた。

 これからも、こうやって楽しく生きられることを願いながら。

 

 エンシェントエルフという存在を知っているだろうか、あのエルフたちが今でも追っている存在、様々な童話に登場し、従えた二人の騎士によって悪役を退治しているエルフがそのエンシェントエルフであると目されている。

 今でも様々な場所で極めて稀に目撃情報が現れるが、未だに見つけることが出来た人はいない。

 何よりもあのエルフが本気を上げて見つけることが出来ていないのだ、実際はいないのではないか? と思う人の方が多いだろう。

 だがエルフは実在したと信じ、その足取りにも莫大な報酬を払っている。

 貴方が運よく見つけて、エルフの友人がいるのなら、きっと一生遊べる財産が築けるだろう

 

 

 

 side.竜餐の褪せ人

 

 貴方は他の褪せ人と別れた後、アラクネたちに竜餐の祈祷を教え込んでいた。

 アーク大司教とやらが、神秘を与えるのは5人までだなんだと言っていたが、まぁ実際言葉がわかる奴を通して、竜餐がやりたいらしい奴は5人しかいなかったので逆に好都合だと貴方は思う。

 最初に現れた隊長というアラクネ(正式な名前は忘れた)はやはり初めから竜さんへのあこがれが大きかったからか、竜名付きの竜餐祈祷以外は使えるようになった、しかし他のアラクネは、全く使えていない。

 やっぱり憧れが大切なんだろうと貴方は考え、この世界の竜を探しにまた旅立った。

 何故かアラクネ達もついてきたが、やはり本物の竜を見たいのだろう。

 ドラゴンという偽物を殺し、竜を探す旅に貴方は心を躍らせていた。

 

 アラクネ種がドラゴンスレイヤーの二つ名を持っている理由を知っているだろうか。

 それは神秘という謎の技術が関係しているらしいが、神秘に関する研究や論文は全く発見されておらず、与太話の類だと思うだろう。

 昔に行われた、エルフによる会談で神秘を与える人数は、一種族に5人までと決められたようで、しかし結局与えるかどうかは褪せ人に気に居られるかどうかだという。

 そしてその話がどこから出たのかという部分も、謎のままだ。

 それでも、アラクネがなぜかドラゴンを殺す術にたけており、今でも緊急の時はアラクネ軍が出動する、その下地には、何か正体不明の力があったに違いないと噂されている。

 

 

 side.純魔の褪せ人と魔女ラニ

 

「あッ! 魔術師さん! 心配してました! ずっとどこ行ってたんですか!」

 

 宿に帰ってきた貴方とラニはずっと待っていたらしきセスレに今日あったことを話した。

 

 セスレはオーク帝国から助け出された後、貴方たちに付いていく、ナビゲーターとしての知識もあるから魔法を教えてほしい。

 などと言って聞かなかったので、仕方なくラニが許可を出したのだが、まさかずっと付け回されるなんて思っていなかったとはラニの言葉だ。

 

「…なるほど、確かに魔術師さんのような転移者と遭遇した時のマニュアルは、作っておかないと危険ですね…

 何かの手違いで人と敵対したら目も当てられません…

 分かりました、申し訳ありませんが私は一時祖国に帰り、この情報をいち早く伝えたいと思います。

 …ぜひわが祖国にも観光に来てほしいのですが…いかがですか?」

「そうか、悪いが私たちはもう少しこの大陸を見て回ることにする、セスレいろいろと助かった、礼の代わりだ、受け取れ」

 

 ラニがそういうとセスレは残念そうに目を伏せるが、渡されたアイテムを見て顔を輝かせた

 

「わかりました! ぜひわが祖国、フォース連合国に来たときは是非、首都に会いに来てください! 

 全力でおもてなしさせていただきます!」

 

 一息に言い切ると、では! と言い馬に乗って走り去っていった。

 

「ふぅ、やっと二人に戻ったな? 私の王よ」

 

 そう薄く笑いながら声をかけてくるラニに、貴方はそうだね、と返事をして進んでいく。

 行く当てはないが、未知の場所を伴侶と共に進んでいった。

 

 フォース連合には、魔法の杖があったという話がある。

 その杖を持ち帰った女兵士は、敵に対してその杖で輝く星を放ち、剣を生み出して切り裂いたという。

 だが、その女兵士は豪華絢爛な装飾を施された鎧の騎士に連れて行かれたらしい。

 その真偽は、未だに判明していない。

 

 

 

 side.??? 

 

 暗い地下

 

 何の光もない場所で、一筋の光が輝くのが見える。

 

「はは、はははははは」

 

 そこには、狂笑だけが響いていた。

 

 

 

 新大陸(旧暗黒大陸)

 人類が手放した大陸、敵性亜人も多く住んでいるという大地。

 その奥地には人が入るだけで頭から火が噴出し、命が絶たれる場所があるという。

 その場所を探しに行った人々は、帰ってこないか、なにも見つけられずに帰ってくるだけだ。

 だが、一説によると、その場所には財宝が埋まっており、夜にはその隠された財宝によって光が地面に見えるという。

 今でもその話を事実だと信じる多くの探窟家が新大陸へと渡り、そしてその大部分が帰ってこない。

 ある専門家はこれは悪魔による疑似餌であり、新大陸はただの人類が放棄した危険な場所であるという言説が一般的になっている。




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