亜人:ゼロから始める異世界生活   作:ZAT23

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新作投稿記念の更新です。

リゼロ原作も日々更新されていますね!いいぞいいぞ!
悪用できそうな能力の登場に頭を抱えながらも嬉しい。


【FILE:236】星の巡り

星々または観覧者たち。そう呼ばれるものたちはその名の通り世界と人々を眺めている。

 

なぜなら暇だからだ。

 

様々な世界や人がいて、それらの生き死にを見ることは尽きることの無い娯楽である

 

ただ眺めるもの、自らその世界へと介入するもの。そのスタンスは様々であって時折衝突する事もある。

 

一喜一憂するその様は物語の人物たちと何も変わらない。我々は決して特別なんかじゃない。さらに上の世界からきっとここも見られているんだろう。そんなのは当たり前である。

 

無数の物語を無数の観覧者たちが眺めていく。中でも人気のものは多くものもが注目し盛り上がるのも常だった。

 

ナツキ・スバルの物語もその一つだ。いつしかそれを見ていた誰かがふと思った。

 

この物語はとても好きだし続きを見たいが、彼は何度も同じところを繰り返す。同じ世界や場面を何度も見直すのは少し飽きたと。

 

いつも仲間からは少し捻くれているなんて言われる誰かはこうも思った。

時間が戻るようなこの世界は好きだし、どうなるか興味はあるが何度も同じところを見ていれば飽きも来る。

 

中には特に失敗したところや成功したところだけを選んで切り取り、眺めるものもいるがそこまで作為的なことはしたくない。というかそんなに急ぐ意味もない。永遠の暇つぶしになぜ効率など求めるのだろう。

 

どれだけ世界が変わっても、抑圧と解放によるカタルシスこそが娯楽であることは変わらないのだから我慢をして結果を見届けるのは楽しいものだ。

 

下手に手を加えない本筋がどうなるのかは非常に興味がある。だから元世界はそのままにコピーに異物を混ぜることにした。

 

なぁに。いくつもある無数の試行の一つだ。特に珍しいものじゃない。

一部からは反発を食らうだろうが、そんな声も内容さえ面白ければ咎められることもないだろう。

 

 

あの世界に放り込むにあたって、どんな人物がいいだろうか。

 

 

途中でやめてほしくはない。諦めない性格がいいだろう。

強さは重要じゃない。けれどすぐに死んでしまってはつまらない。

状況を変えるだけの機転こそ重要だろう。というか自分はそういうのが好みだからそれが見たい。

 

思考力と死ににくさ。そちらの方が大事だ。

 

自分が見たいのは、上位世界から下位世界へと移動し原住民を蹂躙するような異世界無双ものではないのだから。いや悪くはないしあれも好きだが、ちょっと最近見すぎた。

 

あと、そうだな。苦難を楽しむ心を持ち。新たなスタートに寛容な性質がないといけない。

 

それだけを条件にして、物語のスタート地点に捩じ込もうとしたのだが、条件が広すぎるとシステムから怒られた。

 

対象が無数にありすぎて、選べないのだ。手動で選んでやろうかと思ったが、リストの長さを示すものをチラと見ただけで諦めた。暇はしているが、苦労はしたくないから。

 

なので条件を追加した。

一つは真面目にやってみるが、まだまだリストは長すぎる。二つ目はふざけて設定してみる。

 

第一に、何度も敗北した経験を持つこと。

第二に、トラックに轢かれた場面を起点にすること。

 

これで一気に数が減ったようで、4件しかヒットがない。最も適合率の高かった者に決定。複製を実行した。

 

当初、『永井圭』という文字すらその誰かは読んでいない。

 

面白くなれば注目しようというレベルだったが結果を見れば自分の幸運に大いに驚かされた。彼がその世界へとやってきてから、想像出来ないほど早く大きく影響が出てきた時にそれは確信へとわかる。

 

そこからは彼の歩みに夢中になった。

 

やる前にはなぜそんな事をするのかと数人から文句を言われ、彼一人しか見ていなかったその世界を、気づけば他にも多くのものが眺めていた。

 

日々紡がれる物語に多くが意見を交わし、感情を波立たせた。

 

『永井圭』は異質だ。

 

永井圭が元いた世界を見てくるものも増えた。当然最初の彼もその一人である。彼の物語も非常によくできている。数ヶ月でまとまっているのも追いやすくていい。人におすすめしやすいのだ。

 

『永井圭』は世界に変化を齎し続けた。

 

本来のストーリーを待つものたちは、いない世界をそのまま見ていればいいだろうに。わざわざこちらに来てそんなことをするなと言ってくる。彼らによる妨害と我々による保護を繰り返し、均衡がどうにか保たれる。これも一種のゲームとして楽しんでいるのだ。

 

本来のキーマンが死ねば終わるはずの世界も、ここまで観覧者がつけば存続される。だって望まれているのだから。需要に対して供給が行われるのは社会の必然だ。きっとこれは我々を眺める上位世界でも同じだろう。

 

 

永井圭は死なない。物理的な不死ではあるが、それはあの世界において大した意味を持たない。彼が死ぬ仕掛けは山ほどある。

それ以上に彼の精神が特異であった。彼の心は決して折れない。

 

不屈の彼はいくつもの死を防ぎ。そして生み出していった。

 

『永井圭』と『佐藤』は最高だ。どちらか一人だけでも物足りなかっただろう。二人一緒で本当に良かった。そもそも彼らでないと、条件は満たさなかっただろうが。

 

彼はこれから待ち受ける苦難を超えられるだろうか。もしもクリアしたとなれば、報酬が必要だろう。その姿を見せることができれば、多くのものが自らのリソースを提供することに抵抗はないはずだ。

 

すでに彼にはファンがついている。これからよほどの失敗を重ねない限りは彼を応援することだろう。でもそこは権限を使って管理させてもらった。失敗をしたのなら失うべきだ。成功した時に褒美があるから盛り上がるのだ。無条件での報酬を禁止し結果として皆が固唾を飲んで見守っている。

 

ああ、そういえば。我々に対してメッセージを送ってきた時には、本当に笑った。あれはしばらく語り草だ。

 

我々は彼が好きだが、それは無償の愛などではない。彼が苦難にぶつかるのが見たい。苦労をして欲しいのだ。最終的に負けるならそれも良い。ハッピーエンドをとうるさい連中とは気が合わないから気にしない。

 

当然ながら彼を勝ちに誘導などしない。そんなもので勝ってもらっても面白くないから。ただし確実な負けへと追い込むような妨害からは全力で守る。

 

まぁ塩梅にはよるけれど。どうなるか見てみたいから、『再誕の遺児』などはスルーした。あれも上手い事使っていたし結果的によかっただろう。

 

フェアな戦いというものだから楽しめるというものだ。むしろちょっと不利くらいの方が応援したくなる。結末が決まっている事ほど退屈な事はない。

 

観覧者たちは二つに分かれ、眺めるだけだった舞台は盤面に変わる。世界は彼に注目している。ただただ、続きを待っていた。

 

さて、永井圭について語ろうか。

 

彼は頭が良い。しかしそれは完璧という訳じゃない。ヴォラキアでの活躍は凄まじいものだったが、魔女の再誕などはまだ気づいてすらいないだろう。

 

彼は重要な仕事をほとんど完璧にこなしたが、人間である以上いくつか見落としたことがある。

 

 

例えばこれだ。今まさに手遅れとなった瞬間に注目する。

ヴォラキア剣王国で開催が宣言されたオリンピア。その内容と出場者までは永井圭は把握していなかった。

 

以前にローズに言い負かされた時もそうだったが、無名の存在こそが彼の意表をつくことがある。

彼の影響を受けて元の世界では名前すらなかった存在が主張を始める様は面白い。

 

今回永井圭の不意を突くことに成功したのは彼だ。

 

永井圭と同じく、誰しも存在を忘れかけていた悲劇の公爵アレクシス・カスターだった。

 

 

 

 

「どうしてこうなったんですか?」

 

ケイは耳を疑う。戦いが終わってから色々なことがありすぎて、そんな細かなところまでチェックなど出来ようはずもなかった。

 

「一任いただいた中での最善を尽くしたまでです。皆様にとっても当家にとってもこれ以上の選択はない。不都合はないと思われますが相違ないでしょう」

 

アレクの中間管理職っぷりは素晴らしいものであり、ケイはかなり重宝していた。なんでもこなせて癖がない。任せれば最低でもオーダー通り、多くは要望以上の仕事をするのが彼だった。

 

彼を陣営に引き込むためならそれなりに苦労をしても良いと思うほどには、評価をしているのだったがそんな彼は最後の最後で、指示の意図を汲み取った上で無視をしたのだった。

 

有能な部下に悪意なく裏切られた経験などなく言葉を失う。正直に言ってどう反応すれば良いかわからない。

 

それは致命的な話であって、まぁいいかとはなれない内容である。

 

「オリンピアの決闘に志願するなんて、何を考えているんです?あれは最終的に確実に死にますよ。フェリスの魔法を当てにしているなら……」

 

「いいえ。蘇生はお断りをしておきました。それでは意味がない。必要のない危険性を計画に含むことはやめろとあなたも言っていたでしょう。僕はそれに賛成です」

 

自身の言葉が返ってくる。永井圭には理解ができない。彼はなぜ死にたがるのか。想像ができなかった。

 

「カスター家のためにというのなら死を偽装することもできる。蘇生も可能なのになぜそれらを拒否するのか理解できない。僕が何を見落としているのか教えてください。あなたは論理的に思考ができるはずだ。この結論はおかしい」

 

なぜここまで分かり合えるのに結論が異なるのか、永井圭には理解ができない。

 

「あなたはやはりこの世界にとって異物なのでしょう。我々貴族というものは家の一部です。一族の名を汚されることは耐え難い。その汚名を雪ぐことができるなら死んだほうが良い。本気でそう言えるのが貴族というものです」

 

「だから家の名誉が問題であるなら、死ぬ必要はどこにもないでしょう。それにあなたはクルシュに忠誠を誓ったはずでは?」

 

「はい。そしていいえ。死ぬ必要はありますよ。我々が行い愚かにもしでかしたことの罪の重さは計り知れない。いいですか、僕はあのような不名誉を抱えて生きていたくないのです。これは心からの願いなんですよ。そして忠誠についてですが、これは必要な犠牲です。帝国との今後の関係性を思えば、早期に可能な限り重要な血を流すべきだ。ここから数百年の平和がこれで得られるかもしれないとなれば、命をかけるくらいは軽いと断言できる」

 

その理屈は多少なり理解できるものだった。長年敵対していたヴォラキアとの友好というものは非常に不安定で難しく、人々の価値観はそう簡単に変わるものではない。

 

ヴォラキアの流儀で尊敬を勝ち取っている彼が、死ぬまで戦う姿は元帝国民たちの心を掴むだろう。

 

「死んだら終わりでしょうに。それは罪からの逃避。死の恐怖の合理化じゃないんですか?」

 

「僕はね。終わりたいんですよ。あれだけ人を傷つけて巻き込んで、そしてこれからずっとあの悪夢を見続けるというのはあまりに辛い。彼女のために生きて償おうと思ったのも事実です。でも戦いが終わって確信しました。僕はもう生きていたくない。可能な限り役に立って死にたいんです」

 

それは逃避の宣言だった。それらを引き起こしたのは大罪司教だが、実行したのはアレクだ。そしてケイは彼を精神的に追い詰めた自覚がある。

 

切り替えられるものだと思っていた。事実として彼は奮闘していたし戦いを通じて罪を償おうとしていると思っていた。

 

その実、彼は合理的な死場所を探していたのだった。

 

「僕はここで戦いの果てに死に、両国を結んだ英雄となります。ドラクロイ上級伯とはすでに縁談も決定しました。僕ではなく、従兄弟とですよ。まだ幼いですが数年もすれば問題ない。カスター家はこの功績を持って罪を贖い、そしてルグニカの歴史にいることを許されるでしょう」

 

その目はすでに、今ここにいる自分を見ていない。もっと大きな先祖と子孫を思い描くような遠い目をしていた。

 

「全てを間違えた愚かな僕が、どうにか挽回する機会なんですよこれは。決して邪魔をしないでいただきたい。公爵がここで命をかけてヴォラキア剣王に大きな貸を作るのは王国として大きな利益となる。これは揺るがぬ事実です。あなたは否定できない」

 

「それでも、死なずに解決できるかもしれないのにそれをしないっていうのは……」

 

「人として生きるよりも、僕は貴族として誇り高く死にたい。この話は単純にこれだけなんです。この価値観はあなたであっても否定させません。これがアレクシス・カスターという人間でありルグニカ王国の公爵である自分の矜持です」

 

そこまで言われて、利益を提示されて状況を整えられ、反論ができなくなっている。

人の意思は尊重すべきだという持論がここにきて邪魔をする。いや、これは尊重すべきなのかもしれない。すでに決闘は発表されており、何より本人が固く決意をしている。

 

自分でも気づかない心の奥底では生きたいと思っていたプリシラとは状況が異なるというのを認めねばならない。

 

「こんな自分からですが、一つ助言をさせてださい。あなたは賢く強い。普通ならできないことをやってのける英雄だ。けれど、全てを救うことなどできない。人にはそれぞれ意思があるのだから。でも、ここまで止められるとは意外でした。そんなに嫌われていなかったと思っても?」

 

少し笑いながら、これまでに見せたことのない表情を見せてくる。

年齢の近い友人のような距離感で話す彼の姿を見ると、もうこれは引き止めることはできないという事実を理解してしまった。

 

「あなたは不運だった。大罪司教なんていうハズレを二つも引かされただけの被害者だ」

 

「そうですね。しかし、僕が愚かであったのもまた事実。あれだけのことをしでかして、その挽回の機会を得られるというのは幸運と言えるでしょう」

 

「お願いがあります。幼龍にされてしまった彼女を、できれば助けてあげてください。彼女の善性は本物です。その心は聖女と呼ばれるに足るものだった。そしてこれは、言うまでもないとはおもいますが言わせてください。クルシュ様を、頼みます」

 

ケイは頷き、眉を顰めたままであるがその申し出を受け取った。

状況を打開できる方法はいくつも思いついたが、そのどれも民衆を騙せても彼を説得できるようなものではなかったので断念する。

 

人を救えることもあれば、救えないこともある。

 

ごく当たり前のことを忘れかけていた自分に身の毛がよだつ。

 

気づけば、戦いが始まっていた。

 

最初はとある部族の長との決闘だ。皮膚に硬質な岩石が混ざっている亜人だが、彼らは敵前逃亡をしたとのことで責を問われている。

 

ヴォラキア側もまた、この決闘で罪を精算する機会として活用しているようだった。

 

 

第一回目の記念すべきオリンピア。戦士たちの命と誇りをかけた決闘が始まる。

 

 

剣戟が交わされるごとに、歓声が巻き起こる。

 

 

すでにナツキ・スバルは付近にいない。その点は注意して完璧に用意をし切った。

振り返ればいっそ不自然なほどに、アレクはスバルとの接点を作らなかった。彼に仲間と認識されるように振る舞えというのは陣営に常日頃、ケイの言っていることではあったが、それを逆手に活用して死に向かうとは思わなかったのだろう。

 

そんなことを考えながら一人目を切り捨て剣を掲げる。喝采が爆発し、称賛の叫びが闘技場から溢れ出す。

 

ああ、僕にも父と母がいたはずなのだ。何も思い出せない。それでもこの勝利を彼らに捧げたいと、そう思った。

 

次の相手は皇帝の座を簒奪しようと画策した二将の男だった。

 

クルシュ様もちょうどこの場にはいない。彼女の予定も含めて邪魔が入らないようになっており、内部の調整なども任せてもらっていたから、自分にとっては容易であった。

 

兄弟姉妹がきっと多くいたのだろう。臣下だってもっといたはずだ。一般的な公爵家の半分以下になっていたが、その違和感に誰も気づけないのが悍ましい。僕は彼らを食べてしまったのかもしれない。それを確認する術などもうないのだ。

 

槍の使い手であった二将と打ち合い、出血しつつも魔法を使って有利を奪い返した。魔法剣士として高い水準の彼はヴォラキアの戦士からすれば戦いにくいらしい。

 

少しの傷を受けるも、魔法によって視界を奪い無事にその胴を薙ぐことができた。

 

息があがる。それでも一緒にここまで走り続けてくれた兵たちとは比べ物にならない。彼らは命令されただけだったのに、こんな状況にまで追い込んでしまった。このままで先祖と子孫に申し訳が立たないが、ここまでやれば書記官どのは便宜を図ってくれるだろう。冷たいように見えて彼は情熱を内に秘めていることを知っている。

 

多腕族の戦士と戦いそれを打ち倒す。鎖骨が折れた。

 

エミリア様の陣営の人たちは皆、優しかった。彼女たちはあまりに無垢で人の死に慣れていないようだった。いずれ死ぬ自分が関わってはいけないと自制した。

 

凄腕の両手剣の使い手を魔法でどうにか削り切る。マナが枯渇し、足を切られた。

 

オスマン二将の死に様は立派だった。彼のように勇ましく死ねれば幸福だ。

 

血走った目の政治犯が隠していたミーティアで奇襲する。背中を焼かれるが、どうにか反撃して首を飛ばした。

 

クルシュを愛してしまっていた。そんな思いを抱くことすら許されないというのに。そんな資格などありはしないというのに。

 

戦う。闘う。戦う。闘う。

 

思う。想う。思う。想う。

 

やがて歓声は頂点まで高まり、今は厳かな静寂が闘技場を支配している。

この戦士は一体どれほど戦うのだと、戦いを愛する彼らが言葉を失っていた。その姿はまさに英雄であって、両国の歴史にその姿を刻むことは間違いない新たな英傑である。

 

ヴォラキアの頂点。剣王ヴィンセント・ヴォラキアがおもむろに立ち上がり拍手を送った。

 

誰もがそれを聞くだけで、ただ静かに聞き入っている。

 

 

新たな英雄が今、完成する。命を手放して倒れ込むその刹那。彼は想った。

 

 

 

ああ、死にたくないなぁ。

 

 

 

そしてアレクシス・カスターは勝利の末に死に。その死に様はヴォラキアで語り継がれることになる。彼が勝ち取った尊敬が、両国の平和に寄与したというのは後世の歴史家の共通認識となっていくのだ。

 

 

ふざけるな。それを知った三人は皆が同じくそう思う。

 

永井圭はその死を見届けて、拳を固く握り込む。敗北の味を思い出し、足元は決して盤石などではないと思い知らされた。

 

クルシュ・カルステンはその話を後に聞き、怒りのあまり言葉を失った。

 

フェリックス・アーガイルはその行いをそれでも否定したかった。

 

 

うまくいくばかりなどあり得ない。そう星々が言っているように感じたのは感傷なのか。

自分の敵がこちらを見ているように思える。興味深そうに、笑いながら、泣きながら、こちらを見ているように思うのは統合失調症の前駆症状だろうか。それともこの世界の実際の在り方かもしれない。

 

これが彼の意思ならば、それでいい。残念ではあるがそれは自由だ。

 

けれどもし、もしも誰かが遊び半分で彼の命を奪うように仕向けた誰かがいるとしたら?

 

そいつは僕の敵だ。

 

くだらなくてもいい。興醒めなんて望む所だ。何かを期待しているのなら裏切ってやりたい。

 

永井圭は星々を、デザイナーを、敵であると認識したそれらの存在に打ち克つことこそが最終的な障害となることを直感し改めて決めた。アレクという存在がそう決意させたのは自分でも意外だったが、気づきをなかったことにはできない。

 

「死なない。死なせない。絶対に」

 

大切なものを自覚した永井圭の戦い。

味方のいない戦いが、これから始まろうとしていた。

 




さて、まだしばらくはリゼロ原作が進むのを待ちましょう。断言はしないですが最後の章とかまで行かないと亜ゼロの本編は書けないんじゃないかなと思ってます。完結後になる可能性もあるので気長にお待ちくだせえ。

そして新作が本日投稿されています。
超能力ありの未来世界で血生臭い死に戻り合理主人公が頑張るお話です!

https://syosetu.org/novel/380120/1.html

ヒロアカ×ブラボのクロス作品ですぜ。
絶対完結させます!

ではまた会う日まで〜!
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