架空(ゆめ)は、現実の終わり
 
 現実は、絶望の続き

 そして空想は、死の始まり



 憧れは、盲目
 
 真実は、空虚

 
 

 信じる心が、世界を毀す








 YOU ARE (NOT) HERO







 ※注意
 ただの思いつきです。続きません。たぶん。
 また、作者はエヴァを履修済みですが、アニメ版は一応最後まで見ましたが昔のことなので記憶が曖昧な上、旧劇場版は見たことがありません。この作品は新劇場版とネットの情報で構成されています。よって、アニメ版及び旧劇場版由来の設定を間違って解釈している可能性があります。そこんところは許してちょ。

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見知らぬ、未来

 全てが溶け合い、自分と他人の境目がなくなったかのような感覚と、バラバラに砕けた心の欠片を拾い上げられるような違和感。

 

 優しげな風貌をした黒髪の少年……第三の少年(サードチルドレン)、碇シンジは、時折、人間の全てが溶け合った世界の夢を見る。

 

 全てが単一の情報と化し、個体というものがなくなった世界。争いも憂いも格差もないが、同時に触れ合いも思いやりもない、そんな世界の夢を。

 

 いい夢でもなければ、悪夢とも言い切れない。奇妙、としか言いようがないその夢のことを、シンジは誰にも打ち明けたことがなかった。

 

 自分を引き取った保護者にも、自分たちの整備を担当している科学者にも、自分と同じ境遇の少年少女たちにも、自分の父親にさえ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 特務機関NERV。超常黎明期よりこの世界に存在しているゲヒルン(異能進化研究所)を前身とする、国連直属の非公開組織。神奈川県箱根の地底に存在する地下空間「ジオフロント」に本部を構え、世界各地に支部を置いている。"個性"の調査・研究と、とある特異な"個性"を保有する人物の保護を目的とする組織である。

 

 このNERVこそが、シンジが所属する組織であり、生まれ育った場所である。

 

 

 

 

 

 

 

 

「碇君」

 

 NERV本部の無機質な廊下を歩くシンジに、青いショートヘアに赤い瞳を持つ少女が声を掛ける。どことなく無感情に聞こえるその声の持ち主を、シンジはよく知っていた。

 

「綾波、どうしたの?」

 

 第一の少女(ファーストチルドレン)、綾波レイ。シンジと同じく、NERV本部に所属する少女である。

 

 レイは無機質な表情を崩さぬまま、シンジへと伝えるべきことを伝える。

 

「セカンドから伝言。今日の実技訓練で勝負しなさい、と言っていたわ」

「またかぁ……勝負なんてしなくても、アスカの勝ちは見えてるのになぁ」

「でも、最近の碇君、実技訓練の成績が良くなってる。セカンドもうかうかしてられない、って思っているのかもしれないわ」

「そりゃ……僕だって上達はするよ」

 

 シンジの脳裏に浮かぶのは、彼らと同じ境遇の黄土色がかった金髪の少女の姿。

 

 第二の少女(セカンドチルドレン)、式波・アスカ・ラングレー。数年前、NERVのドイツ支部から本部へと転属になった帰国子女である。

 

 勝ち気で負けず嫌いな彼女は、かなりの頻度で訓練中にシンジに勝負を持ちかけてきた。その殆どで勝利したのはアスカであるが、最近はシンジの訓練のスコアがアスカのスコアに迫ってきているのだ。シンジはあまり意識したことがないが。

 

「セカンドは、勝負する以上、全力でやりなさい、とも言っていたわ」

「……困ったなぁ。訓練で体力を使い果たしたくないんだけど……帰ったら勉強もしなきゃいけないし……この前の模試も雄英高校C判定だったし……」

「この時期でC判定なら、まだまだ挽回のチャンスはあるわ」

 

 レイは無表情のまま、シンジに励ましの言葉をかけた。これがレイの最大限の感情表現であることを知っているシンジは、無表情を特に気にすることもなく、「ありがとう、綾波」と礼を言う。

 

「碇君、葛城一佐と赤木博士も待ちかねているわ。シミュレータールームへ行きましょう」

「うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ようやく来たわね、バカシンジ!」

 

 シミュレータールームに入るやいなや、腕を組んだアスカがシンジを睨みながらそう言った。シンジは「あはは……」と愛想笑いを浮かべることしか出来なかった。学校での日直の仕事が中々終わらなかったせいだとはいえ、今日一番最後にここに来たのは自分なのだから。

 

「やっほー、ワンコくん。ガールフレンドと仲睦まじくご登場かにゃ〜?」

「やあ、シンジ君。それにファーストも」

 

 シミュレータールームに居たのはアスカだけではない。アスカの他に、少女と少年の姿があった。

 

 赤淵のメガネをかけた茶髪の少女、第四の少女(フォースチルドレン)、真希波・マリ・イラストリアス。

 白髪赤眼の少年、第五の少年(フィフスチルドレン)、渚カヲル。

 

 彼らもまた、シンジと境遇を同じくする子供たちである。

 

「マリさん、カヲル君。ごめん遅れて」

「大丈夫、訓練開始まではまだ時間があるからね。充分間に合っているよ」

「怒ってるのは姫だけだにゃ。あんまカリカリしてたら訓練でいいスコア出せないよ、姫」

「うっさい、コネメガネ! 大きなお世話よ!」

 

 

 

 

『はいはい、世間話はその程度にしてちょうだい』

 

 突如、スピーカーからこの場に居ない女性の声が響く。シンジ達は動揺した姿を見せるようなことはなく、ようやく始まるのか、とどこか落ち着いた様子でその声に耳を傾けていた。

 

 この声の主は、赤木リツコ。NERV本部所属の科学者である。

 

『それじゃあ、今日の「特異"個性"」訓練を始めるわよ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日の夜、第三新東京市のとあるマンションにて。

 

「シンちゃーん? お風呂空いたわよー?」

 

 こんこん、と自室のドアがノックされるのにも気付かないまま、シンジは眠い目を擦りながら参考書を片手にノートと格闘していた。ドアの外に居る人物に返事を返すことも忘れてノートにかじりついていた。

 

 やがて、痺れを切らしたその人物がドアを開けてシンジの部屋に入ってくる。彼女は葛城ミサト。今現在のシンジの保護管理者であり、NERV本部の作戦本部長である。

 

「やっぱり、受験勉強してたのね。頑張るのもいいけれど、風呂は命の洗濯よ? リラックスのためにも、ちゃんと入らなきゃ」

「ミサトさん……でも、僕は雄英高校に入らなきゃいけないんでしょう?」

「まぁ……そうね。チルドレン達は雄英高校への進学が義務付けられている。でも、今から張り詰めてても仕方ないわよ? 受験当日まではまだ時間があるもの。少しは肩の力を抜いてもいいんじゃない?」

「……分かりました」

 

 シンジはシャープペンシルを机の上に置くと、着替えを手に自分の部屋を後にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕らはヒーローにはならないのに、父さん達は何を考えているんだろう……」

 

 

 

 シンジがふと呟いた疑問の答えを、ミサトは持ち合わせていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 ※続きません。たぶん。

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