SEED DESTINYに00要素を混ぜ込んでみたら、より一層gdgdになった件について   作:種再燃祭

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今回も深夜アップです。
サブタイ通りにリデラードの帰国から始まり、後のファウンデーション王国となる面々の登場となります。
いわゆる”後日譚”的な日常パートでしょうか?

※以前、ファウンデーション王国の予定地を「黒海沿岸」としましたが、確認してみると「カスピ海沿岸」っぽいので67話、71話などそのように修正いたしました。





第81話 リデラード、帰国。そして、『鉄血政務官』の産声 ~その少女は、その旅路で何を得たのだろう?~ 【挿絵入り】

 

 

 

 さて、視点はリデラードの帰国先、ユーラシア連邦南部カスピ海沿岸都市……将来的には”ファウンデーション王国”と呼ばれるかもしれない土地へと移る。

 

 

 

【挿絵表示】

「さて、いつまでも浮かれてる場合じゃないわね……」

 

 リデラード・トラドール。

 仕事はきちんとこなすタイプだ。

 まあ、前話のラストで気づいた方もいるだろが……シンから買ってもらった可愛い、あるいは少女趣味のキャミソールやワンピースは大事に大事に荷物にしまい、帰国の時は気恥ずかしいのか、オーブ出国の時にはいつものマニッシュなスタイルに戻していたリデラードがちょっぴり可愛い。

 

 それはさておき……オーブで集められるデータは全て集めたし、姉のイングリットとオルフェに提出するレポートの方向性はまとまった。

 

(別に”ファウンデーション王国”の建国や国力増強に手を抜く必要はない……)

 

 トラドールはアウラ・マハ・ハイバルの最終目的が、『”ディスティニー・プラン”の全世界への波及と普及、その最上位統治システムとして自ら生み出した”アコード”を据えること』であることは既に気づいていた。

 ”ファウンデーション王国”はその足掛かり、

 

(それも踏み台、あるいは捨て石や”来るべき世界”の生贄にしてもいいとさえお母様は思ってる)

 

「だから、ファウンデーション王国の建国や運営にそこまで明確な意思はない。自分の目的に”使え”さえするなら、特にうるさくは言わない筈」

 

(だってそこまで興味も執着も無いから……)

 

 なら、自分のすべきことは?

 リデラードは故郷の空の下を歩きながら、その思考を収斂させてゆく……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「リッちゃん、お帰りなさい。んー? どうやらリッちゃんの”運命の人”には出会えたみたいだね♪」

 

「……なんでお姉には一発でわかるかな?」

 

「リッちゃんのお姉ちゃんだし♪」

 

「じゃなくて! ”運命の人”って何!?」

 

 いきなり慌てだすリデラードにイングリットはクスクス笑って、

 

「私にとってのオルフェみたいな人、オーブで会えたんでしょ?」

 

「……否定はしない。でも、お姉、今更だけど”運命の人”とやらが本当にオルフェ(アレ)で良いの?」

 

「お姉ちゃんは、リッちゃんがオルフェの良さをわからなくて安心してるよ? 姉妹で同じ(ヒト)を取り合うなんて、ちょっと嫌だもん」

 

 イングリットも心の成長が見受けられる発言をするが、

 

「ないわ~。なんて言うかオルフェは生理的に無理。どんなにスペック高くても『ダメダメな兄』にしか思えない」

 

「リッちゃんはそれでいいと思うよ? あっ、ところで頼んでおいたお土産、買ってきてくれた?」

 

「ああ、うん。えっと……本当に”コレ”でよかったの?」

 

 とリデラードが姉に渡したのは数冊の本で、

 

「うん♪ オーブ文部省認定の”性教育の教科書と読本”一式、これで間違いないよ?」

 

 どうやら探してはみたが性教育のマニュアルは城では見つからなかったらしく、オーブへ行くのならとリデラードに頼んだらしい。

 リデラードもイングリットの尽力でオーブへ行けるので文句はなかったが、

 

「コレを買うの流石に恥ずかしかったんだけど……」

 

(『いや、確かにオーブは性教育先進国とは言われてるけどさ……』ってシンに微妙な顔されたし)

 

 リデラード、どうやらデートイベントの合間に性教育の本を探すのをシンに手伝って貰ったようである。

 何気に勇者だ。

 

「ごめんね? でも、リッちゃんも一緒にお勉強できるよ」

 

「……うん」

 

 

 

 

 

⌚⌚⌚

 

 

 

 

 

 

 そして、その後日……

 

「なるほどな。”ディスティニー・プラン”導入の暁には、ナチュラルたちにも遺伝情報による適性に応じた職に付けさせ仕事を与えるか……」

 

 リデラードは、今回のオーブで得たレポートのオルフェへの提出と口頭での骨子の説明、質疑応答などを行っていた。

 

「うん。”ファウンデーション王国”は基本的に『”ディスティニー・プラン”の受け入れ者』しかいらないって方針で良いと思う。また、遺伝情報で適性が認められないというのなら、同じく国外退去処分で構わないんじゃない?」

 

 さて、一見すると原作の”ファウンデーション王国”の政治状況と大差ないように思えるリデラードの発言だが……実はかなり”方便”が入っている。

 そう、彼女の発言の真意とは、

 

「オーブの富国強兵政策、その根本の一つである”DNAワーク・イコライジング”……最近のオーブ首長国の国力の増大はその影響が大きい。消極的な”ディスティニー・プラン”の部分導入にしか見えないけど、それでも『適材適所による労働力の効率化』は実現してるんだ。オルフェ、驚くべき事にオーブには低所得者地区はあっても、不労非納税者の住む貧民街、”スラム”が事実上無いんだよ」

 

「なに?」

 

「スラムは犯罪の温床になりやすく、政府の目も届きにくいから国外の破壊工作員の潜伏先になりやすい。またスラムが増えれば治安悪化に繋がり、統治コストを跳ね上げる。国家にとって”百害あって一利なし”だね」

 

「それはそうだが……」

 

「だから、最初からファウンデーション王国に必要な国民は明示した方がいい。『コーディネイター、ナチュラルを問わずにディスティニー・プランを受け入れ、遺伝子情報提供に協力する人間』であり、尚且つ『遺伝子情報的に適性のある仕事に就労する意思がある』こと。それ以外は受け入れる必要はないよ。その国家方針を受け入れないなら、ファウンデーション王国民になってもらう必要はない」

 

 額面通り受け取るなら強硬な意見にも聞こえるが……

 

「”向かない仕事に就きたい”のなら、『ファウンデーション王国ではかなわない』だけで、どこか”別の国”でやってもらえばいいだけだし」

 

 そう、原作劇場版のような『居住する無能なナチュラルを不用品として弾圧』するのではなく、『コーディネイターやナチュラルを問わず、”能力的に向く仕事への就労者”』であるなら国民として受け入れるとリデラードは言っていたのだ。

 そして、そのような政策を敷くからこそ『線引きが大事。曖昧にしてはならない』と。

 

 現在、オルフェ達が「ファウンデーション王国予定地」としている土地は、現在はユーラシア連邦であり、ユーラシア連邦の法治の下で住民は居住している。

 しかし、

 

「ファウンデーション王国って別の国になるのなら、国是だって当然変わるでしょ? その国是……”ディスティニー・プラン”や就労の最適化”に従えないのなら、国民である必要はない筈。国民でないのなら、当然、先住権だって喪失になるんじゃない?」

 

 ”剝奪”ではなく”喪失”であるところがミソだ。

 

「国是にも従う意思が無く、法を順守する気もない。労働の義務も納税の義務も果たさない。だけど土地には住まわせろ……そんなの通じるわけないでしょ?」

 

 

 

 実はこれ、他国にとっても痛いところを突かれるのだ。

 仮に上の方針通りに行政執行を行ったとしよう。当然、『国民に相応しくないからと言って国から追い出すのは非人道的』と言い出す輩は必ず出てくるだろう。

 しかしその時、こう反論できるのだ。

 

『国是にも法にも従わず、労働も納税もしない者をあなたの国は国民として扱うんですね? それは随分と余裕があって羨ましいことだ。しかし、建国した我が国にはそのような余裕はないのですよ』

 

 と。大義名分とは政治世界ではとても重要なのだ。

 事実、建国したファウンデーション王国は、プラントやアウラの実家であり未だにユーラシア連邦の豪族(資産家)であり続けるハイバル家の支援があるとはいえ、ファウンデーション王国は早急に国力をつけねばならない切実な理由がある。

 その為には冷徹も何も必要だということだろう。

 

 しかも繰り返すが、リデラードはあくまで『ファウンデーション王国の国民に不適格な者は国外退去処分』としているのだ。

 無論、それに従わない者は強制的な手段を取る所存だ。

 

「それにしても……コーディネイター、ナチュラルを問わず国是と法と秩序に従わぬ者は、”国民の資格なしとして退去処分”か。リデラード、徹底してるな?」

 

「オルフェ、履き違えないでよ。”ディスティニー・プラン”はその本質において、コーディネイターだけに適応されるものじゃない。全人類に適応されるものだから」

 

 方便ここに極まれり、である。

 強硬論に見せかけて、実はしっかり(オーブの法と制度で学んだナチュラル、コーディネイター、ハーフコーディネイターを取り持つ)公平性を確保し、それを表立っては言わない。

 まさに”官僚”であり”閣僚”のあるべき姿だった。

 

「ディスティニー・プランの示す”最適化”の為には、ナチュラルもコーディネイターもない」

 

「あいわかった。お前のレポートは母上に奏上し、ファウンデーション王国の国家指針に盛り込もう」

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 また後日、『ナチュラルだけではなくコーディネイターすらも容赦のないリ苛烈なデラード政策』に、ダニエル・ハルパー、リュー・シェンチアン、グリフィン・アルバレストの三人は「こいつは一体、オーブで何を学んできたんだっ!?」とドン引きしたらしい。

 もっともこの三人とて『”アコード”である自分達は無関係』という安心があったようだが。

 そんなんだから、いつまでも死亡フラグが折れないんだぞ?と言っておく。

 ちなみにアウラはと言うと……

 

 

【挿絵表示】

「良き良き。リデラードも”政(まつりごと)と”いうものをわかってきたではないか。ふむ、能力推定を上方修正せねばならんな? そして()()()()()()()()()()()()()()()”ディスティニー・プラン”の本質をよく理解している。そう、あれは全人類に適応されるべき叡智なのじゃっ!!」

 

 と実にご満悦だったらしい。

 まあ、『本質が見えなければ』そうもなるだろう。

 

 

 

 だが、一人だけ他と違う行動をとる”アコード”がいた。

 

「シュラ……精が出るわね?」

 

 母であるアウラ・マハ・ハイバルから正式に「お褒めの言葉(=受勲)」を受けるため、その日、リデラード・トラドールは久しぶりに黒い軍服に袖を通していた。

 その日、たまたま通りかかった王宮と後に呼ばれる事になる場所の中庭で、シュラ・サーペンタインは黙々と一人で剣の収斂に励んでいるのを目撃する。

 

「ふん。リデラードか。一連の褒美に俺同様に”専用機”の開発許可が出たらしいな?」

 

 

【挿絵表示】

「まあね」

 

 とはいえ、今のリデラードにとってさほど名誉にも感じなかったし、嬉しいとも思えなかった。

 

「少しは喜べ……と言いたいところだが、まあいい。俺は俺でやりたいことがある」

 

「シュラは何を目指しているの?」

 

「比類なき強さ」

 

 シュラは迷うことなく言い切った。

 

「俺は最近、先の大戦のオーブ・モビルスーツ隊の戦闘動画ばかりを見ている」

 

 ※実はオーブでも一般人では閲覧できない動画も視聴できていることをシュラは知らない。大体、”ヴェーダ”とリボンズが悪い。

 

「そうなんだ」

 

「オーブは強い。それは認めざるをえない。しかし、俺は更に上へ行かねばならぬ」

 

「それが”生まれた理由”だから?」

 

「かつてはそうだった。だが、今は俺の意思でもある」

 

 するとリデラードはバカにした様子でもなく小さく笑い、

 

「”漢なら、誰もが一度は夢見る『世界最強』”でも目指すつもり?」

 

「それも悪くないかもしれんな」

 

 シュラはそう小さく笑った。

 

 ここにも一人、どうやら”定められた運命”を断ち切った者がいるようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【挿絵表示】

「かくてリデラード・トラドールと呼ばれる”楔”は確かに打ち込まれた、か。カガリ、実に興味深い展開になったと思わないかい?」

 

 

【挿絵表示】

「”師匠”、愉悦が顔に出てますよ?」

 

「そりゃそうさ。まだ建国前なのに『ファウンデーション王国の破綻』が既に始まってるんだ。これに愉悦を感じずに、何に愉悦を感じろと?」

 

「厳密には違うでしょうが。破綻するのは『アウラ・マハ・ハイバルが作ろうしているファウンデーション王国』であって、未知数となった『不確定のファウンデーション王国』ではない」

 

「アウラの計画が、より愉快な方向に捻じ曲がってゆくなら、僕としては大歓迎さ。より”ストーリー”が面白くなる」

 

「やれやれ。アウラ・マハ・ハイバルも厄介な人に『遊び相手』認定されたもんだな。少しだけ同情しますよ」

 

 するとクックックとリボンズは心の底から愉快そうな笑い声を喉の奥から出し、

 

「それこそ”運命”って奴じゃないのかい? アウラ・マハ・ハイバルの後ろ盾であるハイバル家は元々が”一族”の”端末”。ユーラシア連邦に打ち込まれた”制御ピン”さ。オマケに”一族”の意向で、劣化版の模造品(カーボンヒューマン)”なんて面白味もない技術遺産はアウラに継承された。そして、その技術をも吸収して最終的に製造したのが、僕たちの下位互換(アコード)……これはもう、自分から『遊んでくれ』と言ってるようなものじゃないかい?」

 

 こうなんか色々繋がってきた。

 ()()()()()()()の技術遺産を継承したのはアウラ・マハ・ハイバルであり、最終的に”脳量子波強化コーディネイター”であるピーリスに結実したそれまでのアウラが技術と組合せ結実したのが”アコード”だとしたら……

 

 そう言えば大分前の話になるが……アウラは『亜人』と、まるでイノベイドの事を全てではないが知っているような発言をした事がある。

 イノベイドが”一族”を知っている以上、”一族”がイノベイドの存在を知っているのは不思議ではないが……そうなるとこの因縁、思ったよりも根深いのかもしれない。パトリック・ザラのようなぽっと出の狂人よりずっと。

 あるいは、アウラがデュランダルに執着するのも、もしや……

 いや、今はこれ以上の詮索をすべき時ではない。好奇心は猫をも殺すらしいし。

 

「さてアウラ・マハ・ハイバル……君はどんな”悲劇”あるいは”喜劇”を僕に披露してくれるのかな?」

 

 愉悦を隠そうともせずに嗤うリボンズにカガリは呆れたように、

 

「悲劇も喜劇も、”視点が違う”だけで本質的には同じでしょうに。特に師匠にとっては」

 

「違いないね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




トラドール姉妹は一皮むけたみたいですよ?(挨拶

という訳で、つよつよメンタルな「この世界線のトラドール姉妹」が爆誕しましたw
真面目に言うと、オーブへの旅路とシンとの再会で、リデラードは「己の殻を自ら破った」感じです。
本来、リデラードの立ち位置って「魔王の取り巻きABCD」程度、言ってしまえば四天王の1人だけど、キャラ的には「強いかもしれないけど、数合わせっぽい。重要な役割がなくてキャラと印象が薄い」という感じだと思うんですよ。扱い的に。

しかし、この世界線のリデラード、「政治家の卵」という原作劇場版ではありえない能力を自力で手に入れました。
これが存外、バカにできないんですよ。
アウラにも認めさせたということは、これからのリデラードは建国活動にも口を出せますし、建国後もおそらく法整備やら何やらの中核になります。
確かに国家の頂点はアウラ・マハ・ハイバルでしょうし、宰相はオルフェでしょう。
されど「国家運営を行う実務官僚のトップ」はリデラードなのではないのかなぁ~と。

そして、トラドール姉妹はFREEDOMでは姉妹らしい描写が一切なかったですが、この世界線ではお互いに触発しまくってますw
そして、リデラードが一回り成長したことで、イングリットもまた「宰相補佐官としての自分」という立ち位置を確固たるものにしたと言えます。
本当に「公私共にオルフェを支えきる覚悟」を決めたみたいですよ?

そしてシュラ……彼の変化、果たして上手く伝えられたでしょうか?
彼はどうやら、FREEDOMの「時代錯誤の決闘バカな騎士気取り」ではなく、軍人では無くとも”武官”にはなれそうです。

アウラが何故、「ああ」なのか?
それは多分、「子育てをしたことが無い」からです。
だから本質的には、「子供の成長を理解していない」のかなぁ~と。
つまり、製造者ではあっても本当の意味では「母親ではない」のかもしれないです。

残りの黒騎士×3? 今のままじゃあ、死亡フラグは簡単には圧し折れないでしょうねぇ~。
特にこの世界線のオーブが相手だとw

あと、やっぱり舞台裏で愉悦していたリボンズw 

次回は……とりあえず、久しぶりの配信回かな? あと、ちょっとお目出度いかも。

次回もどうかよろしくお願いします。
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