誰しもがペルソナを扱える世界になって早50年。
法規制も進み一般人はペルソナの使用を規制される現代、だがペルソナ犯罪は増加傾向にあった。
そして、ペルソナを目覚めさせたものの中でもペルソナを二体以上出せるものは特異点と呼ばれていた。
岬中学に通う、3年生。影山阿歩炉はある理由から周りから『欠陥品』と呼ばれていた。
そんな、彼が希望として歩みだす物語。
2030年世界は変わった。誰しもが特異能力“ペルソナ”が発現するようになったのだ。
その姿は、悪魔をかたどったようなものもあれば、神秘的な神とすら感じるものもあった。
突然現れたその力は多くの人間を魅了し、結果的に治安の悪化は全世界的に進んで行った。
そして、ペルソナと言う力は皮肉にも世界を一致団結させるに至ったのだ。
ペルソナが現れて今年で50年目、法規制も進み一般的にペルソナを出すことは禁止されるようになった世の中。
だが、ペルソナを犯罪に使うものは後を絶たない。
『続いてのニュースです。岬町の宝石店に強盗が入りました、現在犯人は逃走中ペルソナを使用する可能性があるので外出には十分ご注意ください――犯人の特徴はペルソナ召喚用のディスクを左腕に付けており、長髪、男性、そして一番の特徴として顔に十字の傷があります――』
テレビを見ながら、手元にある食パンを一口食べる。
俺の名前は影山阿歩炉、周りからはアポロと呼ばれている。
岬中学校に通う三年生、カレンダーを見ると今日の日付は9/21日ちょうど、卒業まで折り返し地点と言う日だ。
鞄を携え、学校へ出発する。朝日がまぶしく、こんなお天道様が見ている中で犯罪を起こしたやつがいるとは思いたくはないが出てしまったなら仕方がない、しばらく家で大人しくしているのが吉だろう。
「おーい!アポロ、どうしたんだそんな心気くせー顔してよ!」
後ろから撚りにもよってジャンプしながら全体重を俺に肩にのしかけやがった、オレンジの白髪に整った顔立ちの活発な少年――。
「ぐっ――お前のせいでより心気臭い顔になったわ!レオ!」
こいつの名前は獅子王怜雄、周りからはレオと呼ばれている。小学生からの親友で、普段一人でぼーっとしている俺にしつこいくらい関わってくるもの好きな奴だ。
「おい、それよりも知ってるか!サクラさんがペルソナ高校に進学するらしいぞ!」
「それよりもじゃねぇぞ――てか、お前もそうだろ」
誰でもペルソナが使える世界、だがいつの時代も較差と言うものは存在するものだ。世界にはたまに2体以上のペルソナを扱う人が現れる。
そう言う人を、この世界では“特異点”と呼ばれている。
そう言う人は決まって才能を見出され、ペルソナ高校へ入学していく――。
ペルソナ高校に入学した人達はほぼ栄光が約束されていると言っても過言ではない。
止まらないペルソナ犯罪に対抗する組織に所属する人もいれば、ペルソナをスポーツとして扱い素晴らしい成績を収める人もいる。
うん?ペルソナ一体でも使いようだろって思っただろ。
特異点というのは――この世界では特別な事なんだ、岬中学でも4人しかいない。教師を含めればもう少しいるが。
ペルソナが2体以上いると何が起こるのか、それは二体を重ね合わせて一つにすることができる、これを一般的にエクシーズ召喚と呼ぶ。
ただでさえ、特異点には才能がある。なのに、それ以上強くなられたらどうしようもない。
エクシーズ召喚で現れるエクシーズモンスターと呼ばれるペルソナはもう一般ペルソナではまるで歯が立たない。塵芥とそう変わらないのだ。
例えるなら通常の人が1ならエクシーズモンスターは1+1=100みたいなものだ。
で、ここに居るレオとサクラさん、そして現在不登校の奴、合計3人がエクシーズ召喚を扱えるのだ。
「あはは、そうだけどよ――でも、サクラさんと一緒に学べるんだぜ!もう少しくらい羨ましがれよ!」
「あの問題児もついてくるけどな」
そう言うと「うっ――そうだった」と頭を抱えだすレオ。確かに、サクラさんは桃色の髪に、活発なコミュ力を持ち、学校のマドンナ、モデル並みに美人なおかつ、ここら辺一帯の地主の娘!なんて、肩書がついた上に特異点でエクシーズ可能。なんて、ハイパースペックにもほどがある。
並んで歩いていると後ろから声がかかる。
「よっ、レオ、おはよう!――なんだ、欠陥品もいるじゃねぇか!」
名前も顔も覚えていない――そもそも同じクラスかもわからない生徒。わざわざ、俺に聞こえる声で『欠陥品』と呼んできやがるやつだ、正直拳の一つや二つは飛ばしてやりたかったが。
「――おい!てめぇ今何つった!誰が、欠陥品だって!!」
それよりも、今にも殺しそうな眼光でつかみかかろうとするレオを抑えるので精いっぱいだった。
「待てって、卒業前に殺人は犯したらダメだって!!」
必死に抑えるも限界が近い、なんというフィジカルか。
「ぐっ――だけどよ、こいつアポロを!」
「いいんだ――気にしてないよ」
そこでやっとレオの暴走が収まる、こんな風に俺が欠陥品と呼ばれる理由は一つ。
俺が、4人目の特異点なのだが。俺は、エクシーズ召喚ができない。
通常であれば、中学1年生あたりで目覚めるエクシーズは今日まで目覚めることがなかった。そんな事例は、今までありえないことからつけられたあだ名は『欠陥品』
(俺もペルソナ高校に入学したかったな――)
だが、エクシーズ召喚ができない俺にそれはかなわない、二体のペルソナもまさに宝の持ち腐れのそれだ――。
放課後、進路指導室へ訪れていた。
「――アポロは山岳帳高校に進学だよな。いいのか?結構遠いぞ?」
「はい、それでお願いします。」
岬山高校、俺はそこに行ってペルソナとは関係のない人生を生きる。幸いにも、山岳帳高校へ岬中学校から行く奴はいない。あそこは、商業系の学校だから、将来にも困らないだろう。
(――知り合いがゼロなのも悲しいけど――俺を知らないところに行きたい)
先生から、要項をもらい進路指導室を後にする。
「――はあ、アポロもペルソナ高校に行けたはずなんだがな~」
「仕方ないですよ――欠陥品なんですから」
「ッ」
そんな、先生たちの言葉を背に受けながら、教室へ向かった。
(流石に、レオも帰ってるかぁ――)
進路指導室から帰ってくると、教室はほぼ誰もおらず、待ち合わせでもしているのかスマホをいじりながら机を椅子に座っている奴がちらほら見える程度だった。
「よっ!アポロ」
「うぉ!?れ、レオ帰ってなかったのか」
完全に扉の前からは死角の位置からレオが現れた、まるでドッキリが成功したかのように笑っていやがる。ぶん殴ってやろうかな。
「あったりめーだろ!俺がアポロを置いてった日があったかよ!」
「――それもそうだな、帰るか」
ロッカーからスマホを取り出し、カバンを肩に下げ帰路に着こうとする。
「待ってください」
俺達の前に一人の女子生徒が立ちふさがる。
「え?」
だが、嫌な予感がしたためレオの首根っこを掴み、横にスライドしてそのまま小走りで校門まで走っていった。
「お、おい!いいのかよ、サクラさんだぞ!」
「だからだよ――確実にめんどくさい予感がする」
基本的に俺の学校生活での作戦は『いのちだいじに』だこんなところで危険を冒したくない。
「待ってください!!」
校門から出ようとした時、再びスライドしてサクラさんが現れた。
再び無視して逃げようと思ったが今度は、レオに止められる。
「――流石に感じ悪いぞ、アポロ」
ちらっとサクラさんを見ると少し涙目になっている。そんなに、無視されたのが心に来たのだろうか。でも、俺の方が絶対無視連続記録は多い。
今は、クラスで俺を欠陥品なんて大っぴらに言うやつはいないなぜなら、言った奴はもれなくレオにボコられたからだ。
「――まあ、そうだな。それで、サクラさん俺達に何の用?」
「えっと――その、アポロさんじゃなくてレオさんに用事が有りまして」
心に2000万のダメージ!俺は死んだ。今にも膝から崩れ落ちそうな、震える膝を何とか納めて無言でレオを押し、バトンタッチをする。
(二人並ぶと映えるな)
肩や、ここら辺一帯のお嬢様、肩やクラス一のモテ男にしてイケメン。
二人は何かを話しているみたいだ、なんとなくお邪魔な気がするし帰ろうと先に校門を出ようとしたが、レオに手を掴まれる。
「ま、待てよ。アポロ、サクラさんは一緒に帰りたいだけみたいだからよ、一緒に帰ろうぜ」
「――いいのか?」
サクラさんに確認するように聞くと、サクラさんは笑顔で「はい!」と答えてくれた、うーむ美少女の笑顔は効くな心に。
そして、俺達は3人並んで帰った。どうやら、サクラさんは同じペルソナ高校に進学するレオと話してみたかったらしく、誘ったらしい。
でも、それならもっといいタイミングがあったんじゃないのかと聞いてみたが。
「――それは、その――あはは、緊張しちゃって」
何だか、ごまかされた気がしなくもないが、まあ同じ学校に進学するんだと考えたら、良好な関係を築くことは必須事項だろう。
「じゃあ、俺こっちだから。じゃあな、また明日なアポロ、サクラさん」
どうやら、話していくうちに別れ道に到着してしまったようだ、レオはここでお別れだ。どうやら、俺とサクラさんの家はほぼ同じ道を使うらしく、途中の話で盛り上がっていたこともあって一緒に帰ることになった。
「ってさ、あの時レオを抑えるのは苦労したよ」
「ふふっ、レオさんらしいですね。――それにしても、本当にレオさんのことが好きなんですね」
「まあな」
別に恥じらったりもしない、特にBL趣味などはないが、それでも頼りになる親友だ。
「――レオさんもアポロさんのことが大好きなんて、相思相愛ですね!」
「まあ、小学校の時から一緒だからかなあ――なんやかんや、いつも彼奴と一緒にいる気がする」
前の休日も、アイツとカラオケ行ったし、その前もボウリング――前はサッカーに付き合ったっけ?
「あれ?最近ずっとあいつと遊んでいるような――」
俺ってこんなに友達のバリエーションが少なかったのか。
「でも、いいと思います男同士の信頼しあった友情は!実は、アポロさんがいるときに話しかけたのは、レオさんあなたがいないところだとものすごく冷たいんです――」
「え?そうなの?」
確かに、俺とレオは一緒にいることが多い。俺が、アイツに場所を特に言わず、どこかに行っても気づいたらいる。最初の方はなんでいるか恐怖したものだが、慣れてしまっていた。
「それに、アポロさんと私が話してるときレオさんものすごく私を睨んできていましたからね!気づきませんでした?」
「マジで、全然気が付かなかった――!!」
こうして、3人以上で帰る事なんてほぼなかったからか全く気が付かなかった。
そういえばと――時刻を確認する。
今の時間は16:44分。なんとも、縁起の悪そうな時間だが――。
(そういえば、ここら辺だよなぁ――例の強盗が出たのは)
その時、目の前の家の塀が崩れ、男が現れる。
驚きのあまり、俺とサクラさんはその場に固まりその男を注視する。
「あっ――」
その時、アナウンサーが言っていたニュース映像が頭の中で流れ出す。
『犯人の特徴はペルソナ召喚用のディスクを左腕に長髪、男性、そして――』
目の前の男は、左手にペルソナ召喚用のディスク、長髪
「十字の――傷」
ニュースでやっていた、岬町の宝石店に強盗入った男と全く同じ特徴を持つ奴が、家の壁の塀を崩しながら現れた。
「あ?男と女か――ちょうどいいな、片方人質にすりゃあ逃げられるか!」
「ひっ」
その目を見て、思わず声が漏れる。初めて見る、常人では行きつかない領域まで行った人間の目、その目で見つめられるだけですぐ逃げたくなる。
(――じゃないだろ!それよりも、どうやってここを乗り切る?相手はディスクを持ってる、確実にペルソナを使えるんだ、たいしてこっちは――え?)
サクラさんの方を見ると彼女の手には、ディスクが装着されていた。
「アポロさん!ここは私が食い止めるので、逃げてください!」
「に、逃げてくれって――」
地主の娘だ、護身用に持たされているのだろう、ペルソナは下手なSPなんかよりも優秀だから。
だけど、逃げるということはサクラさんを置いていくということだ――いいのか?
心のうちから良心が訴えかけて来る。そのせいで、足は動かずにいた。
「やるのかぁ!女ぁ、そいつを付けて気が大きくなったのか!」
「――大丈夫です。私が、アポロさんを守ります、来て!『ペルソナ!』」
彼女体から光が漏れ収束していく、その光を掴むとカードへ変わり、それをフィールドに召喚した。
それも、最初から二体も――。
「私は二体のペルソナでオーバーレイ!エクシーズ召喚!『LL―アセンブリ―・ナイチンゲール!!』」
二つのペルソナが混ざり合い一つのエクシーズモンスターが現れる。羽と腕が一体化し、まるで鷹を思わせる爪、美しさだけでなく強さも兼ね備えたサクラさんのペルソナ。
「――なんだてめぇ、特異点か。――甘いな、そんな程度で俺を倒せると思ってんのかぁ!来い!『ペルソナ!』」
ディスクにカードを置き、二体のペルソナが召喚される。
(こいつ、特異点!?)
「それだけじゃねぇ!二体のペルソナでオーバーレイ!来い!『No.14強欲のサラメーヤ!!』」
現れたのは、三つ首を持つまるで地獄の番犬ケルベロスを思わせつつ、その体には炎が巻かれ、その恐ろしさを全身で表したような姿だった。
それよりも――
「な、ナンバーズ!?」
特異点の中でも、更に特異世界に100体しかいないとされるナンバーズのペルソナ使い。
1~100までのナンバーズがいるとされ、一体一体が強力な力を持つペルソナ。
「俺はナンバーズ特異点だかなぁ!!」
そのような者を人々はナンバーズ特異点と呼んだ。
「――負けません!!行って、私のペルソナ!!」
ナイチンゲールが突撃していく、その羽から放たれる一撃は――。
「遅ぇ!!消せ、ペルソナ!!」
光が、否炎がナイチンゲールを直撃する。それだけでわかる、圧倒的な戦力差が。
(勝てない――)
「きゃあっ――!」
ナイチンゲールは消滅したが、サクラさんはディスクのシールドのおかげで無傷のはずなのだが、あの一撃によってサクラさんは壁に叩きつけられた。
その衝撃で、ディスクが外れ俺のもとにやってくる。
「ッ!」
(逃げれば、助かるかもしれない――そうだよ、サクラさんを差し出せば――俺は――)
サクラさんの顔を見てしまった。
「なんだ、てめぇやんのか――?」
俺はディスクを持って強盗犯の前に立っていた。
(何やってんだ俺!!何で、逃げればよかったのに!)
「あ、ぽろさん?逃げてっていった――のに」
震えすぎている足、思いっきりぶっ叩いても直ってくれない。
(――何で、何で逃げたい!逃げたい!逃げたい!――だけど)
見ちゃったんだ、見てしまった。知ってたんだ、サクラさんの足が震えてたことも、俺がビビってるのも全部わかって逃げてと言ったのも。
「来い!強盗野郎!!『ペルソナ!!』」
俺も二体のペルソナを召喚する。ガガガマジシャンとガンバラナイトの二体、だがいくら頑張ってもエクシーズすることはできず、ここ止まり。
「――おい、エクシーズはどうした?てめぇも特異点だろ」
「――ッ行け!ペルソナ!!」
ガガガマジシャンの火炎がサラメーヤを攻撃する。
「無傷――」
「――まさか、聞いたことあるぜ!岬町に一人特異点なのにエクシーズできねえ欠陥品がいるってよ!それ、お前だろ!」
「ッ」
腹を抱えて大笑いする強盗野郎。
「だ、だったらなんだ!」
「はははは!こりゃあ傑作だ!こんなのがいるなんてな!中途半端が一番残念なんだぜ!――ああ、もういいや散れ」
振り下ろされるそのかぎ爪、その一振りで俺のペルソナは霧散しダメージが俺にフィードバックする。
「がっ、ぐっぁあ」
サクラさんの時とは異なりディスクのシールドのエネルギーがないためそのまま、もろに食らう。
(血だ――)
頭から血を流す俺、たいして相手は無傷。これが、欠陥品とナンバーズ特異点の差だ。
「あーあ、さっさとどっちか人質に取って逃げるか」
頭がぼーっとしてきた。
男は、俺じゃなくてサクラさんの方に向かっている。
このまま、倒れていればこんな欠陥品は置いて、サクラさんを人質に連れていくだろう。
(人質に連れていかれたらどうなるんだろう――)
そんなの決まっている、生きていたとしてもサクラさんの心の中には一生消えない傷が刻み込まれる。最悪の場合、命もないかもしれない。
「い、いやっ!」
サクラさんの声が聞こえる。
でも、体が動かないんだ、仕方ないじゃないか――。
(俺は欠陥品だから)
『本当に動かないつもりか?』
声が聞こえた。
『情けないな、それでも特異点なのか?今、彼女を救えるのはお前だけだ』
(うるさいな、俺は欠陥品なんだ――俺じゃ救えない)
『ああ、本当に欠陥品だ。自分で欠陥品だと認めているのだから、貴様はこれ以上のない欠陥品だ』
(何が言いたいんだよ、実際俺はエクシーズはできないんだ)
『それが関係あるのか?今、それを理由にして動かないことが一番の欠陥品たるゆえんだ』
(―――)
『貴様の周りを見ろ!お前を信じたものは、本当に貴様を欠陥品だと思っていたのか!』
(違う――)
一番最初に思い浮かんだのはレオだった。俺が欠陥品と呼ばれるとすぐ駆けつけて、俺が止めないと相手に数個はたんこぶ作るまで暴れ続ける奴だ。
アイツは、俺が欠陥品じゃないと信じ続けてくれた。
(なら、立ち上がれ!貴様が、欠陥品ではないと証明しろ!)
「うぉぉぉぉ!!」
勢いよく飛び出した俺は、サクラさんに手を伸ばす男に思いっきり頭突きをかます。
「ぐっ、何だ――欠陥品が!」
「うごぉ!」
反撃の横蹴りが俺の腹に食い込む。だが、俺は再び立ち上がって、拳を握る。
相手の顔面にめり込んでいった拳、だが男は多少よろめいただけで、ダメージは全く入っていない。
「――うぜぇな。てめぇから先に殺してやるよ!来いペルソナ!!」
No14.強欲のサラメーヤ現れる、その咆哮で思わずちびってしまいそうだ。
「覚悟は決めた――後は、勇気と根性で進むだけだ!!来い!ペルソナぁ!!」
再び召喚するガガガマジシャンとガンバラナイト。
(どうする、どうする?どうすれば、こいつを倒せる!――ぐっ)
考えていると、猛烈な頭痛が俺を襲う。
『よく言った、今貴様の行動は確かな道につながった。その勇気を今、示すときだ』
俺の声が、頭の中を反響する。
『我は汝、汝は我――星の海内からいでしもの。今、和が名を叫べ!』
「行くぞ!俺はガガガマジシャンとガンバラナイトでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!!」
今までは現れなかったエクシーズの渦が目の前に現れる。二体のペルソナが今、ひとつになる。
「俺の戦いはこれから始まる!白き翼に希望を託せ!来い!『No39.希望皇ホープ!』」
左肩に39と書かれ。黄金の鎧を装着した戦士、その翼はまるで人々の希望を集結させたかのように眩い輝きをはなっている。
「うそ――」
呆然と、そのペルソナを見上げる。
「――な、ナンバーズだと!欠陥品じゃなかったのかよ!」
「俺は欠陥品なんかじゃない!信じてくれる友達がいる限り!行くぞ!ホープ剣スラッシュ!!」
ホープが大剣を抜き、強欲のサラメーヤに向かって振り下ろす。
「なめるな!つぶせ、ペルソナぁ!!」
先ほどナイチンゲールを葬った炎を出す、しかし剣は止まらず、そのままサラメーヤを真っ二つに切り捨てた。
「――はあ、はあ」
今、俺は何をした。ペルソナ――そうだ、エクシーズをしたんだ。それもナンバーズ、俺はナンバーズ特異点になったのか。
「アポロさん!!」
サクラさんが膝をついた俺に駆け寄って両手を取る。
「え、え!ちょ、まだは、早くないです「行きましょう!」――え?」
「行きましょう!!ペルソナ高校に!!」
そうだ、エクシーズが目覚めた今、俺には権利がある。
「行きます!」
即答した、ずっと行きたかった。テレビの向こうにいた憧れの存在、成功した人々を見て、俺もこうなりたいと思った。
この日を俺は忘れることはないだろう。その胸には確かに眩い希望が宿っていた。
試し書きです。
好評なら、続きを書くかもしれないし、書かないかもしれない。
他に書いているゼンレスゾーンゼロ・聖剣の気分転換なので、あんまり期待しないでください。
(好評ならこっちを優先して書きます)