胡桃とのハロウィンでの妄想文です

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胡桃とのハロウィン

 街は今ハロウィンで染まっており往生堂もハロウィンに染まっているが俺は往生堂で店番をしていた。別に友人は恋人と楽しむということで独りぼっちなった俺は一人寂しくハロウィンを楽しむよりお金を稼いでいる方がいいと持っているから何の不満はないが、今年のハロウィンは今食べている期間限定のカボチャ味の飴だけなのも何とも切ないな。

 するとしょぼくれている俺を吹き飛ばすかのように扉がバーンっと開かれる。

「たっだいまー!!ハロウィンなのに店番ありがとうね、お兄さん」

「おかえり」

 ここの堂主の胡桃が袋を片手に元気よく帰ってきた。彼女は鍾離さんと共にハロウィンに乗じて霊たちが人に混じって騒いでいるから彼らに会い成仏させるために出かけていた。

 胡桃はカウンターに座り、俺は声を掛ける。

「収穫はどうだった?」

「上々だね。今日だけでも20以上も出会ったよ」

「そういえば鍾離さんはどうしたんだ、一緒に出掛けていただろ」

「帰っている途中で鍾離さんの友人と出会ってその人にお酒をぶっかけられてたから、怒って鬼ごっこを始めちゃったきり分かんない」

「あの人が怒って鬼ごっこ?」

 俺は普段の鍾離さんから想像は出来ない彼らしくない行動に驚き、胡桃の言ったことを反復してしまう。

「あんな鍾離さんは初めて見たよ」

「鍾離さんも人だったということだな。友人の前でそういう姿を見せるんだろうな」

「お兄さんは鍾離さんをなんだと思っているの?」

「あぁ、達観しているところがあるし仙人とか?」

「あはは、本当だったらそれは面白いね。」

「ところでその袋は何が入っているんだ?お菓子でも貰ったのか?」

「これね」

 胡桃はトレードマークの帽子を外しカウンターに置き、袋から猫耳の髪飾りを取り出し頭につけて本日の合言葉を言う。

「お兄さん、トリックオアトリート」

 俺は特に用意をしてなかったが、とりあえず胡桃に飴を一粒渡す。

「これでいいか?」

「えー、一粒だけ。じゃあトリックだね」

 胡桃は俺から飴を受け取るが量に不満だったみたいで、彼女は袋からまた同じ猫耳の髪飾りを取り出して俺につける。

「結局トリックされた」

「いいじゃん、これぐらい。んーおいしい」

 胡桃は先ほどあげた飴を食べご満悦のようだった。しかし、俺もこの髪飾りをつけたからには俺にも権利があるだろう。

「胡桃、トリックオアトリート」

「えっ?」

 胡桃は少し驚いた顔をし顎に手を当てる。彼女はその様子からきっと用意してはいないんだろう。俺は彼女にどんな仕返しをしてやろうかと考えると、唐突に口の中にかぼちゃの味が広がり、そして目の前には胡桃の顔がある。何が起きたのかわからず呆然としている俺から胡桃の顔は離れていき、彼女はそんな俺の様子を見て満足げに「にひひっ」と笑い帽子を持って去っていく。

 俺はそれから頭がうまく回らず何がされたか理解できないで混乱していると、がちゃりとドアが開く音と共にやっと理解する。

「只今帰った。おや、顔が赤いが風邪か?」

「・・・そうみたいですね」

「ならば必要なら家まで送っても構わないが」

「いえ大丈夫です、気遣いありがとうございます」

「そうか、気をつけて帰るといい」

 俺は今の顔を見られたくないためにそそくさと逃げるように往生堂から出る。家に帰るまで何度も先ほど胡桃にされたことが頭の中で何度も思い出してしまい、真っ赤な顔で街の中を歩く羽目になった。

 


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