ゼインとの戦いの終わり。
それは、この世界での俺の役割の終わりでもあった。
現状、ハンドレッドの姿はなく、ディアボロス教団に関しては、以前よりも規模がかなり縮小していた。
俺自身も学園を退学し、紅の騎士団からの脱退している。
「それにしても、まさか同じ世界に二度も来る事になるとはな」
呟きながらも、俺はここでの出来事を思い出す。
本当に、長い日々だった。
けれど、振り返ってみると、1年にも満たない。
それでも確かに、俺の人生を大きく変えさせてくれた。
それがこの世界だった。
「まぁ、少し寂しくなるがな」
ディケイドとしての旅を行う以上、この世界にもう一度来れるかどうか分からない。
特に一番の想い出は、この世界で大切な奴らが出来た事。
その旅の日々は、決して長い期間ではなかった。
それでも。
「もう会えないのか」
この世界にいる大切な奴らに。
この世界に残した家族や友人に。
別れを告げずに行かねばならない。
その事を思うと胸が痛い。
そして同時に、今更になって後悔し始めた。
もっと色々な事があったはずなのに。
もっと大事な言葉を伝えておくべきだった。
もっと笑顔で過ごせばよかった。
もっと楽しい思い出を作っておけばよかった。
もっと優しく接すれば良かった。
もっと信頼してあげれば良かった。
もっとちゃんと向き合ってあげればよかった。
今更になって感じる寂しさと後悔。
それが今になって重くのしかかる。
だけど、行くしかない。
「・・・さて、それで、お前達は良いのか?」
すると、デルタ、ゼータ、イータに問いかける。
俺が、この世界から旅立つ際、3人もついて行く事になった。
それに対して、まずは。
「えぇ!ボスはデルタと一緒に旅をするのが嫌なの!?」
何時ものようにデルタは大声で叫びながら話していた。
その表情はとても悲しそうにしていたが。
「いや、この世界に帰ってくる事がもうないかもしれないだろ」
「えっ、別に問題ないです!だって、楽しかったのはボスと一緒にいた時だけだから!!」
デルタの言葉に対して、俺は思わず苦笑いしてしまう。
確かに、その言葉には嘘偽りはないだろう。
デルタにとって一番大切なものは自分自身の欲求であり。
そして、それ以外の全ては価値観から外れていて関係無いのだ。
「それにボスと一緒にいたほうが楽しいですよ!デルタもそう思います!」
そう言いながらも、デルタの表情はいつもより明るかった。
その明るさの中にどこか不安のようなものを感じたが、気にしない事にする。
そして次に視線を向ける相手へと話を振る事にした。
「ゼータも本当にいいのか?」
「・・・私はむしろこの世界に残っても良いのか分からないからね。色々と罪を重ねたからね。弟の事も、アルファ様達に頼んだからね」
ゼータは、少し困ったような表情を浮かべたまま答えた。
ゼータの過去はあまり知らないが、きっとそれなりに重たい物なのだろう。
それでもこうして今ここに存在しているという事は、彼女なりに何かしらの区切りを付けた結果だ。
ならばそれを尊重するべきだと俺は考えていた。
「それに、そこの馬鹿犬と同じだけど、私はツカサと一緒に居るのが一番性に合っている」
「そうなのか」
ゼータを聞いた後。
イータは。
「そのイータは」
「異世界の技術。とっても楽しみ」
「・・・うん」
イータが異世界に行くという事については特に抵抗はなかった。
「・・・そうか、それじゃ、行こうか」
それと共に、俺はオーロラカーテンへ歩き出す。
そして、俺達はこの世界から旅立つ事になった。
今回の話にて、無事に最終回を迎えました。陰実自体は未だに未完という事で、アニメの二期までを基本に書かせて貰いました。また、ディケイドでの活躍やその可能性を広げられた本作をここまで書けて、本当に良かったです。
そして、ここまで応援してくれた皆様には、本当に感謝しています!
本作は最終回を迎えましたが、ツカサ達の旅に関しては2期のような感じで、別の世界での戦いを描く予定です。
現状、アンケートが明日の19時頃まで見て、票の多い原作を予定としています。
ここまで、本当にありがとうございました。