「俺を‥‥‥‥強くしてください‥‥!!」
一人の少年がある男性に頭を下げて懇願した
自分を強くしてくれ。と
その男は誰にでもフランクな対応で優しく接してくれる。
その上、周りからは修行相手にもなってくれると評判な男性だ。
強くなるにはうってつけだと考えたのだろう。
「駄目だ。」
___だが、男性からの返答はNoであった。
時は流れ、我々のA組達はヒーローネームも決め、職場体験の日が間近までやってきていた。
職場体験のオファー数は歴代でも最多らしく、特に僕とかっちゃんには世界から注目が浴びていることもあってとんでもない数になっていた
僕とかっちゃんの場合は3000以上のオファーが来ていて
耳郎さんや葉隠さん、尾白くんに轟くん。今名前を挙げた人達もオファー数が1000を超えてたらしい
ちなみにベスト8に入ってない峰田くんだったけど彼にも100ほどのオファーが来ているらしく皆驚いていた
これだけのオファーの中、行く所も迷ってしまいそうになるけど
実は僕が行こうとしている職場体験先は決まっている
それはグラントリノという方の元だ
どうやらオールマイトの師匠をしていたらしくそんな偉大な人からのオファーを受けたら承諾しないわけがない
オールマイトはその名前を聞いたら凄い気まずそうな顔をしてたのがちょっと気になったけど‥‥
そんな僕は放課後になると体育祭から一緒に行う人数が増えた日課の修業を行っている。
「死ィィねェェェッッ!!!」
「うわぁぁぁッ!!??あぶなぁぁぁぁぁぁあっ!?!?」
「チィッ!!!避けンな透明女ァッ!!」
「今の避けれなかったら割と大打撃なんですけど!?」
かっちゃんとは体育祭を終えたら一緒に鍛え合うようになっていた
今じゃ修業組のメンバーと組手までするようにもなっている
ちなみにかっちゃんが現在行っているのは気を探知する授業と個性無しで組手する修業だ。
葉隠さんが相手してるけど凄いことに葉隠さんはほとんどの攻撃を避けてみせてるらしい
「いいかい?轟君、飯田君、麗日さん
気ってのは身体の中にある個性と同じようなエネルギーなんだ。
でも決して個性と同じってわけじゃない
似たようなエネルギー‥‥その力をハッキリ把握出来れば制御は簡単だよ」
「‥‥‥‥‥あまりピンと来ないな‥‥」
「氷も炎も"外へ出す力"‥‥対して気は“内から巡らせる力”……確かに似てるようで似ていない‥‥用途がまるで違う。」
「ウ、ウチも全然わからん‥‥‥」
僕はこの三人に気に対する基礎を教えてるんだけど‥‥‥轟君は体育祭でコツを掴んだとはいえほかは初心者に近いから少し難しそうだ
「上鳴も私や爆豪みたいに力を制御したりすればいいんじゃない?
すくなくとも‥‥‥プッ‥‥あ、あのアホ面になることはないだろうし‥‥‥ふふ‥‥」
「いや、頑張ってんだけどよ〜?どーしてもむっずいんだよな〜‥‥
やっぱ俺も気って奴教えてもらおうかな?
そうした方が近道っぽそうだしよ?」
「学んでおいて損は無いでしょう。
私も緑谷さんの手が空いたら是非教えていただきたいと考えていますわ」
別の場所では個性伸ばしの特訓をしている者達も居たり
「おっしゃァァァァァッ!!!思っきし殴ってこい!尾白!!」
「それじゃあ遠慮なく!!」
「ぐへへ‥‥オイラとの組手が激しいぜぇ〜?ありとあらゆるところを揉み________ぶべらっ!?」
「ナイスだよ梅雨ちゃん!!」
「ケロッ‥峰田ちゃん、私達も強くなってるのよ。
貴方をぶったたける程にはね」
激しく組手‥‥?を行ってるグループもあったりした
峰田君はハンデということで変な顔をしながら二対一をしてやると名乗り出たけど
蛙吹さんと芦戸さんの二人は峰田君が相手する前から僕の方で色々と教えていた
二人の飲み込みは速く予想以上に成長したのもあって割と真面目にやらないと相手にならない程には強くはなっているはずだ
‥‥‥‥それを差し引いても峰田君のほうが強いはずなんだけど‥‥なんであそこまで一方的にやられているのだろうか‥‥?
後々知るであろう峰田の煩悩に疑問を抱きつつ、彼らの修業は日常へと溶け込んでいく
「飯田天哉、だっけか?オメェのイインチョーって奴をやってんの」
職場体験が次の日にまで迫ったある日のこと
悟空さんが朝の修業を行っている際に飯田君について尋ねてきたんだ
「?飯田君がどうかしましたか?」
僕は今ではかなり楽になってきた指一本での逆立ちを行いながら聞き直す
すると悟空さんには珍しく険しい表情をしていた
「一緒に修業してるみてぇじゃねえか。
調子とかどうなんかなって思ってな」
「ええ、一緒に修業するようになって個性の応用や格闘術なんかは成長していってますね。
ですけど、職場体験前に気の習得には至らなかったって感じですね‥‥ですけど、きっとこの期間を終えたら使えるようになると思います!」
「そっか」
僕がそう答えても表情が変わらない
僕にも飯田くんには少し引っかかることがあった為どうしたのかと聞き直すと悟空さんは真剣な表情を崩さないまま口を開く
「あのイインチョーの兄貴、最近襲われたんだってな」
「‥‥えぇ‥‥脚がもう‥‥‥ダメらしいです‥‥」
少し言葉に詰まりながらも僕はそう返した。
僕の感じてる不安も悟空さんはどうやら感じ取ってくれてるみたいだ
「出久、オラはオメェの師匠だけんどよ。
オメェらの先生でもねえし保護者でもねえ‥
‥‥多分、そういうのはオメェらの役目なんだと思う」
「‥‥‥僕らの‥‥‥」
「だからよ出久、オメェらがしっかり見てやってくんねえか?イインチョーのこと」
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僕の兄さんは、ヒーローであり
僕の憧れのヒーローでもあった。
そんな兄さんが、ヴィランに襲われた。
僕が体育祭から帰宅した頃には、兄さんは病院で横たわっていた。
______ごめんな、天哉。兄ちゃん、負けちまった。
パーティの招待が学校から届いた。
どうしても僕はこのパーティに参加する気になれなかった。
だが、母さんや兄さんまでにも行けと言われては頷くしか無かった
パーティへと足を運ぶと、僕が真っ先に目が行ったのは大量のご馳走を物凄い勢いで平らげていく緑谷君と、その隣に居る男性の姿だった
話を聞けばこの男性は緑谷君の師匠であり、緑谷君よりもずっと強い人物らしい
_________僕にも、力があれば‥‥
そう思った僕の行動は速かった。
男性に相談を持ち出し、深々と頭を下げた。
「俺を強くしてください。」と
すると、問が飛んでくる。
___おめえは、なんで強くなりてえんだ?
そんなの決まっている。
倒したいヴィランがいる。
捕まえたいヴィランがいる。
そのヴィランに、思い知らせてやりたい
兄さんがどんな思いをしたのかを
どれだけ悔しい思いをしたのかを、
どれだけ辛い思いをしたのかを、
その身体に刻み付けてやりたい
思い知らせたい。
その為に強くなりたい。
「兄さんの、仇を討ちたいんです‥‥!!」
そんな強い思いを乗せながら僕は再び頭を下げた。
‥‥だが、男性からの返答はNoだった。
その男性からは断られはしたが、僕は諦めなかった
緑谷君の師匠から学ぶことは出来ないけれど、緑谷君本人から学ぶことは出来る
僕はただただがむしゃらに修業を積んだ。
同級生であるA組の者達と‥‥
‥‥‥だが、今すぐ強くなれるようなものではないと即座に気が付く
それはそうだ。
積み重ねた努力によって気のコントロールや個性の使用運用等練度等が変わってくる
‥‥‥‥だから僕はある一部の技能に集中して習得することにした
それは『気の感知』
緑谷君は言っていた。
「気の感知は出来るようになればすごく便利だよ。
人は邪念や殺意等を込めればそれに伴った気を込めることになる
つまり、これを使いこなせるようになればヴィランの犯罪を事前に防ぐことが出来るかもしれないんだ!」
これさえ抑えておけば、ヒーロー殺しの特定がすぐに出来るかもしれない。
職場体験当日、
僕は体験先を保須市に事務所を構えるノーマルヒーロー・マニュアルさんの所を選んでいた
各自、新幹線や電車等で体験先へと移動する
僕も他の者達同様に移動しようとしたのだが
緑谷君が僕へと話しかけてくる
「飯田君!!」
‥‥緑谷君、君は本当に凄い。
今ではもう世界中が知ってるような事実であり誰も疑いようがない現実だ。
‥‥そう、世間は皆
だが、その話題はすぐに流れていってしまった
‥‥‥彼らの活躍が、僕の兄さんをも過去にしてしまうくらいの活躍を世界中に轟かせているからだ。
「本当に、どうしようもなくなったら言ってね。 友達だろ。」
‥‥もしもの話をずっと考えてしまう
もしも、僕にも君のような力があれば‥
もしも、僕にもあの男性のような強い師匠が居れば
もしも、僕にも世界中を轟かせるほどの力を持っていれば‥‥
‥‥僕がやろうとしてること、君なら簡単に出来てしまうんだろうな。と
‥‥‥緑谷君、確かに僕と君は友達だ。
‥‥‥だが、すまない。
これは自分のエゴだとわかっている。
どうしようもない自分勝手な感情だと分かっている。
そうだと頭でわかっていても
「あぁ。分かってるよ、緑谷君。」
今の僕は君が嫌いなようだ。
職場体験編スタートです。
と言ってもあと2話か1話で終わらせます
短いですがすぐに続きを出すつもりなので許してください
あとハーメルンの機能を勉強し直しなり文章なども直したいと考えているので他の話に修正が入るかもしれません