ボンゴレファミリー所属の千束とたきな   作:たきな大好き0802

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真実

 

 

「――――というわけで私の寿命はあと2か月ちょっとなんだ」

 

 

ツナが覚悟を見せた次の日、千束は店が閉店した後にリコリコの店員(ツナ達を含む)+了平とリボーンを集めては自分の寿命について話だした。

それを全員静かに聞いていて話が終わった時には暗い雰囲気になって沈黙していた。

 

「あれ?思った以上に暗くない?」

 

「そりゃあ、そうですよ。仲間の寿命の話を急に話されては。しかも守護者には今まで人工心臓について話していませんでしたから」

 

「あー……それについてはタイミングがね……」

 

たきなに人工心臓のことを指摘されて、バツが悪そうな顔をする千束。

 

「……なんで自分のことなのにそんなにへらへらしてんだよ!!」

 

「ひっ!」

 

そんな沈黙を破ったのは獄寺だった。獄寺は怒りを表すように近くに机を拳に強く叩いた。その態度に驚いて小さく悲鳴を上げるツナ。

 

「へらへらなんかしていないよ。ただ、いつか来るかと思って覚悟していただけだよ」

 

「だからっていくらなんでもあっさりしすぎてんだろ……!」

 

「……まあ、落ちつけよ、獄寺。それにこう話をしたっていうことは何か解決策があるんだろ?」

 

怒りを露わにしている獄寺をなだめながら山本は千束の方に顔を向けて訊ねていた。それを聞いて彼女は軽くうなずいた。

 

「うん。それは大丈夫。ツナがボンゴレに頼んでくれたから」

 

「それならよかったぜ。……でもよ、人工心臓のことくらい事前に話して欲しかったな」

 

「……それについては本当に悪かったてば!」

 

「そんじゃあ、いいな。オレ達は仲間だからな!何かあったら言ってくれよな!」

 

千束の答えを聞いては山本は笑顔で返す。内心割と怒っているようで千束もそれを察して謝罪するのであった。

 

 

 

「うおおおおおおおおおっ!!!」

 

 

 

「うわっ!」

 

「うるせぇ!!」

 

「頭に響きます……」

 

いきなり大声で叫び始めた了平の声に周りには困惑していた。中には頭を押さえる者がいた。

 

「つまり、千束の寿命が少ないから今、その情報を持っている奴らを探しているということだな!!!」

 

「……珍しく黙っているかと思ったら今の今まで理解していなかったのかよ……」

 

「しかもそれだけの情報量……」

 

「まあまあ、一回で理解してくれたからまだいいじゃん。これで未来みたいに5時間話すよりずっといいじゃん」

 

「それもそうですが……」

 

千束の言葉にたきなは少し納得しない顔しつつも納得するのであった。

 

「真相を作った元を捕まえて同じものを作らせればいいということだな!!!」

 

「うるせっ!分かり切ったことを大声で言うじゃねぇ!!」

 

「落ち着いて!獄寺君!!」

 

大声でここにいるメンバーが理解していることを嬉し気に語る了平。そんな彼に突っかかる獄寺をツナは宥めるのだった。

そんな姿を心配そうな顔をしてミズキとクルミが千束とたきなの傍に寄る。

 

「本当にこんなやつらで大丈夫か?」

 

「さっきの空気はどこえやら……」

 

「そんなに彼らだからこそ今まで色んな困難を乗り越えてきたんですよ。だから、今回もきっと……ですよね?千束」

 

「えっ、あ……うん!そうだね。きっとツナ達が何とかしてくれるよね!!」

 

千束は少し惚けていたが、すくに反応したためにたきなに怪しまれることはなかった。そうこうしていると獄寺と了平の言い争いは激しくなっていく。

 

「そろそろ止めに行こっか」

 

「ええ」

 

たきなは千束の言葉に相槌をうっては彼女と一緒に獄寺たちを止めに行くのだった。

 

「…………」

 

元気そうな千束の顔を離れている場所から見ていたミカは浮かない顔していた。それを近くにいたリボーンは見逃さなかった。

 

+++++

 

その日の夜、外はあいにくの雨で雷も鳴っている悪天候だった。

そんな中で店内ではミカがカウンターでタバコを吸っていた。その近くではリボーンとコーヒーを乗せたトレーを持ってきていてはカウンターに置くクルミの姿があった。

 

「吸うんだな」

 

「……罪悪感が覚えると吸いたくなる。自分を痛めつけるには丁度いい」

 

「相当珍しいがな。あとまずそうな顔しているならやめておけ」

 

無理してミカが吸っていることをリボーンが指摘してそれに応じるように近くにあった灰皿にタバコを置いた。

 

「調べたぞ。もっと早くに相談しろ」

 

「何か分かったか?天下のウォールナットは」

 

「今んのとこお手上げだな。アラン機関…吉松シンジ…ネット上には彼らの情報が消された形跡しかなかった」

 

「ここまで情報を残さないと考えるとやはり相手はやり手だな」

 

「……だろうな」

 

クルミとリボーンからの報告を聞いてもミカは驚きもせずに落ち着いた態度で対応するミカ。どうやらこの結果を予想していたようだ。

 

「で…直接知る人間から聞こうと思って慣れない茶など淹れたわけだが」

 

「オレも手伝ったからな。特別サービスでタダにしておいてやる」

 

「……いただこう」

 

ミカは出されたお茶のカップを躊躇することなく手に持って口付けた。その姿を2人は静かに見ていた。

そんな時にツナとたきながそんな雨の中から裏口からリコリコに入った。

 

「うわぁ。本当に凄い雨だったね……」

 

「ええ……」

 

(いつも冷静に振舞っているけど千束のことかが心配でたまらないんだろうな……)

 

雨に濡れながらその場に俯いて立ち止まっているたきなを見ながら心配していた。

平然としているようで千束の心臓の件は相棒であるたきなにとって不安げであることは確かであった。

 

「お前もわかっているんだろ?裏で吉松が動いているのを。いや、知っているな?」

 

(誰かいるの……?)

 

ツナ達が声が聞こえて店内を見るとミカとクルミとリボーンが話し込んでいるのが見た。

ミカがお茶を飲んで置いた後に口を開いたのはリボーンだった。

 

「……10年前の話だ」

 

ミカは静かに語り始めた――――

 

吉松は千束のことを知ってミカに近づき、千束が心臓か悪いことを知っていてアラン機関の才能の結晶の一つである拍動がない完全置換型の人工心臓を殺しの才能を世界に届けることを条件に受け取ったらしい。

 

「お前も千束を道具として見ていたか……」

 

「オレはお前の殺し屋時代を知っているから千束をそう見ていたことは想像がつく」

 

(この赤ん坊一体、実年齢は何歳なんだ……?とりあえず、今は置いておくか……)

 

「いつ変わった?」

 

クルミは疑問を思いつつ、とりあえず今問題すべきことをミカに問う。ミカは再び話をし始める。

 

それはミカがホテルで吉松と一緒にバスルーム姿でいては、彼が千束が倒れる動画を見ながらお互いにベッドに座り今後について話をしていた。

 

『なぁ、ミカ。手術後この子が才能を生かせるように助けてやって欲しい』

 

『勿論だ。DAが責任をもって育てる』

 

『キミに頼んでいるんだ。もう私達の娘じゃないか』

 

吉松は曇りなき顔でミカに対して言い切った。

 

『だめか?』

 

『……こんな任務は初めてだ』

 

『任務じゃない約束さ。キミと私の』

 

「おい、おっさん同士の惚れ気なんて誰も聞きたくないねぇぞ」

 

話に水を差したのはリボーンであった。話の本筋とズレを感じてとうとう我慢ならずに口を出したようだ。

 

「……余分な話が交じってしまったな」

 

「いや…奴の人となりも手掛かりになる」

 

「クルミ、気を遣わないっていいゾ。それより続きを話せ」

 

「……分かった」

 

ミカはリボーンにせかされて話を続きを話し出す。

それは手術前に幼い頃の千束が車椅子に乗って病院内に駆け巡る中で彼女は椅子に座っている吉松に話しかける。

 

『あなたでしょ?私を助けてくれる人!』

 

『……人違いだよ。私はここの職員で……』

 

『ウソ!ここにはそんなカッコイイスーツを着た人いないよ!』

 

『ハハッ、ありがとう』

 

『ううん。ありがとうは私の方』

 

そんな微笑ましいやり取りをミカは近くで静観していた。

 

『どうお礼すればいいの?』

 

『キミには大きな使命がある。それを果たしてくれ。そのために私は…救世主になったんだ』

 

『救世主かぁ……カッコイイなぁ……』

 

千束はつぶやくと吉松に法務歩き出しては抱き着いた。

 

『…ありがと。私もなるよ、救世主』

 

その言葉を聞いて吉松は「ハッ」となりながらも千束を引き離して彼女から離れた。ミカとすれ違いざまに「……すまない」と謝られる。

 

『救世主さん!はい、チーズ!』

 

『!』

 

千束は振り返る吉松を古いカメラで記念に撮っていた。

それから千束の手術はミカと吉松が行って言って、無事に成功した。

手術後に病室のベッドに寄りかかった状態で千束はミカからアタックケースに入った銃とアラン機関からのフクロウのネックレスが渡されていた。

 

『お祝い?……誰から?』

 

『………救世主からだ』

 

『なら、これは人を助ける銃だね』

 

千束はそう言って目の前にある銃を優しく撫でた。

 

「シンジはそれ以来、私の前から姿を消した。私の前からも」

 

「千束が殺しをしないのはそういう理由か……皮肉だな」

 

(確かに……)

 

話を聞いていたツナはクルミの言葉に同意した。吉松は千束に殺しをさせたかったようだが、自分したことで想定したことは真逆なことをしだしたのは本当に皮肉である。

 

「ツナを狙った殺し屋やリングを用いた殺し屋が現れたのも吉松の仕業だろうな。恐らく、追い詰めて殺しをさせるように。自分を狙うよりは周りを狙わせた方がまだ本気になる」

 

「……恐らくな。ツナはボンゴレ10代目だが急に殺し屋が差し向けられるのを考えたら何かしらの動きがあったのを考えるのが普通だろう」

 

「…近いうちに奴から接触や何かしらの動きがあるだろう。吉松は千束に対して強い執着があるからな」

 

 

 

「それって吉松を見つければ千束の心臓について分かるっていうことですか!」

 

「ちょ、ちょっとたきな!」

 

 

リボーンの言葉を聞いていても立ってられずにたきなはドアを開けてフロアに入っていった。ツナの静止も聞かずに。

 

「たきな、ツナ!?聞いていたのか!?」

 

「はい」「うん…」

 

「「ミズキさんも」」

 

「わっ、私は今来た所よ!!……というかハモんな!!」

 

後から出てきたミズキは同時に言ってきたツナとたきなに対してツッコんだ。

 

「吉松の奴は千束に殺しの才能を開花して欲しいみたいだから。ちょくちょくこちらに干渉してくるほどだ。焦って更に接触して来るかもしんねーからな」

 

「だけど、あっちは千束の心臓の今の状態とか知らないはずじゃ……」

 

「……さあな。あっちもなにかしら情報得られる手段があるかもしれねぇな」

 

「そんな適当な……」

 

(……そういえば前にヴェルデ博士が盗聴に対して仄めかすことを言ってましたね……)

 

情報漏洩に対して周りが色々と話している中、たきなは忘れていたある事実について覚えだしていた。その頃にリボーンにそのことを報告していたがリボーンからは――――

 

『わかった。混乱などを避けるためにこのことはオレだけの中にしまっておく。対処はこちらでしておくから後は任せろ』

 

――――と言われて、それ以降触れることはなかった。たきなはリボーンのことを信頼しているためにそれについてこの場で話す気はなかった。

 

「……そんで吉松について千束にオレから伝えておくか?」

 

「いや、私から言おう」

 

リボーンから尋ねられてミカは即答で返した。ミカも自分から吉松のことははっきり伝えなければならないと分かっていたかもしれない。

 

その日はそこでお開きで解散となった。

 

+++++

 

ミカがリボーンたちに過去を語ってから数日後の昼頃に彼は|人気(ひとけ)が無いリコリコに1人でいた。

そして奥の部屋にある絵をどかす。そこには幼い千束が描いただろうミカと千束と吉松のえがあった。それぞれ「せんせい」「わたし」「きゅうせいしゅさん」と名前が書かれていた。ミカはそれを懐かしむように静かに見ていた。

 

「先生~?箱ってこれのこと?武器倉庫の棚の上にあったけど……いつから触ってないのよ…?」ホコリガ…

 

歩いてきたのは縦に長い木製の箱を抱えている千束だった。ミカに呼ばれてきたようで埃で少し咳き込んで小言をぼやいていた。

千束の声を聴いてミカもフロアの方へ歩き出す。

 

「あぁ、すまん。それで間違いない」

 

「ライフルか何か?」

 

「お前のだ…開けてみろ」

 

ミカにそう言われて千束はテーブルに置いた箱を開けると――――

 

 

 

 

 

――――そこには成人式の着物…黄色の振袖が綺麗に畳まれて入っていた。

 

 

 

 

 

それを見た千束は驚きのあまり言葉を失っていた。

 

「お前の晴れ着だ。成人式にはかなり早すぎると思うが……こんな時だ」

 

(ツナとボンゴレを信じていないわけではないが万が一もあるからな……)

 

「私はこういうのよくわからんからな…ミズキも一緒に選んでくれて――――」

 

ミカが話し終える前に千束は背中から彼に抱きついた。

 

「んん~~っ」

 

「おっ、おい!……着てみるか?」

 

抱き着いてきた千束に困惑しながらも彼女に尋ねた。千束はすぐに「うん!」と返事をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「先生!どうどう~?」

 

「あぁ、ちゃんと撮れてるぞ」

 

振袖に着替えた千束は嬉しそうな表情でミカに見せつけていた。

ミカの方は畳の方に座って千束に向かってスマホを向けていた。

 

「そうじゃなくって!先生の感想を聞いているの!」

 

「ああ、勿論素敵だよ。すっかり大人の女性だな」

 

「いやぁ…ありがとう!先生!ビビッ」

 

ミカに褒められた千束は満面の笑みを浮かべては弾んだ声で答えた。

それを聞いたミカは複雑そうな表情で彼女を見ていた。

 

「お前に感謝されるようなことなどなにもできていないさ」

 

「またまたぁ。……私に名前を付けてくれたのも先生だし。銃を教えてくれたのもこの店を始められたのも…それにたきなやツナに出会えたのも」

 

懐かしむような表情をして千束の脳裏には色々な思い出が過っていく。

本部で走り出してミカを困らせている時、銃を撃つ練習で困っている時、リコリのメニューを考えて見せている時……など千束にとって切り離せない日々が蘇っていった。

 

「なにより私のためにヨシさんを探してくれたのも先生じゃん?」

 

「あ!さっきの写真、ヨシさんに送ってよ」

 

「そうじゃないんだ!!」

 

ミカは千束との会話の途中で大声を出す。その声を聞いて彼女は唖然としてしまう。

 

「な…なに…先生?大きな声を出して……」

 

「千束…シンジことで話すことがある」

 

その前置きからミカは吉松との昔の会話を語りだした。

 

「あの時、私がシンジにオペを頼んだのは司令官としての利益のためだ……少なくてもあの時はそうだった」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

とあるバーで吉松とミカは酒を飲んでいた時のことをミカは思い出していた。

 

『リコリスの現役期間だけ生きればいい』

 

『そういうことなら引き受けよう』

 

『……だが、これだけ約束してくれ』

 

吉松は持っていたコップをテーブルに置いてはミカの方を向いた。

 

『彼女を最強の殺し屋として育てると』

 

吉松はミカを真剣な眼差しで見つめてはそう言い切った。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「ウソ……」

 

ミカの話を聞いた千束はあまりのショックに言葉を失ってその場に立ち尽くしていた。ミカも俯いてこの反応を予想していたかもしれない。

千束はそこから数秒間唖然として立っていた。

 

「ウソウソ!だって、自分は人を助ける救世主だって…ヨシさん……」

 

なんとかミカの話を否定しようとするがそのための材料が千束の中にはなかった。吉松とのことをあまりにも知らなかったからだ。

そうして呆然と立ち尽くしていた千束はなんとかして口を開く。

 

「じゃあ……どうして?」

 

「言えなかった……!!」

 

頭を抱えて胸の内を明かすミカ。顔からは苦痛の表情であるのが見て取れた。

 

「お前の中でどんどん大きくなるシンジに対しての憧れはいつか終わるか分からない命を支える力となっていた。それはとても眩しくって…儚い…」

 

「言った方が良かったのか!?『お前の生き方は間違えだ』…『殺しを重ねればシンジはまたお前を助けてくれる』……と!!」

 

「言えば…よかったのか…教えてくれ、千束……」

 

顔を下に向けながら頭を抱えるミカに千束は顔を見せず背を向けて少し離れる。

 

「ありがとう、先生」

 

ミカはその言葉にハットする。千束は相変わらず背を向けていて表情は伺えない…が声は恨みや憎しみなどではなくあっさりしているものであった。

 

「私に決めさせてくれてありがとう。それを聞いていたら…多分、私は負けてた」

 

「そんでとする仕方がなくリコリコの仕事をしていたと思う…嫌なこととかつらいことは全部先生やヨシさんのせいにしてさ」

 

「それは嫌だわぁ…うん、ないない」

 

「私の仕事もこのお店を始めたのも全部私が決めたこと。それをさせてくれた先生とヨシさんへ感謝は今の話を聞いても全然変わらない」

 

そう答える千束の目はまっすぐで曇りなく揺ぎ無かった。そしてミカの方に顔を向ける。

 

「2人とも私のお父さんだよ。それが一番うれしいって感じがする」

 

「すまない…すまない……」

 

「ほ~ら、先生泣かないでよっ。先生こそどうなの?」

 

「……?」

 

「この千束はどお?好き?」

 

笑顔で着物を見せつける千束を見たミカの視界がぼやける

 

「…あぁ…あぁ!!自慢の娘だ……」

 

ミカはその場に泣き崩れるのだった。




本当は1話で終わらせるつもりでしたが、2つに分けました。
色々言われるでしょうが、千束とミカの掛け合いは原作通りが一番と思って

読んでいただきありがとうございます。
感想と評価をお待ちしています。
アイディアや質問を募集しているのでよかったらどうぞ。
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