【リメイク版】不遇な朝田詩乃に寄り添いたい。   作:ヤン詩乃ちゃん( _´ω`)_

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本日2話目。

休みだから筆がのりますなぁ。


朝田詩乃とスクワッド・ジャム開始。

 SJ(スクワッド・ジャム)の待機会場は冷え切っていた。B.o.B(バレット・オブ・バレッツ)本戦の待機会場よりも。なんで?そんな疑問が浮かぶが、そもそもSJはチーム戦大会。言い方は悪いが要は「ソロじゃB.o.B本戦に出れないくらいの人がスコードロンを組んで大会に出ている。」というチームが多い。実際、俺達のチームを除き第3回まであったB.o.Bの本戦出場者は片手で数えられる程しかいない。

 もちろん、B.o.Bは個人競技、SJは団体競技なので、それぞれの良さがあるのは分かる。俺達5人チームは全員第何回かは問わずB.o.B本戦出場経験があり、エンフォーサーに至っては優勝もしているが、ことチームプレイにおいては絶望的だ。それは以前確認済み。チームプレイのイロハぐらいは分かるが、頭で分かるのと実際やるのとでは雲泥の差がある。

 本物のソロの寄せ集めと、普段からスコードロンを組んでチームプレイを行っている面々。まともに()り合えば勝率は低いだろう。ただでさえ俺達のチームは我が強い奴が多い。比較的冷静枠なシノンちゃんやパストが後方支援に回ってくれるから、なんとか勝率を五分まで引き上げている、という感じだ。

 個人競技のB.o.Bではどんな外道な方法を使っても、誰になんと言われようとも、実力と実績でねじ伏せられる。しかし、団体競技のSJでは「アイツのせいで負けた。」「アイツが居なければ勝てた。」という言い訳が出来てしまうので、好成績を残せたとしても叩かれる可能性が高い。

 そういった理由から個人競技(B.o.B)で実績を残した連中はあんまりSJに来ていない。MMTM(メメント・モリ)のリーダー、デヴィッドのように実力もあってチームプレイも出来る輩も居るが、極小数だ。

 

「浮いてるわね。私達。」

 

 シノンちゃんの言う通り、俺達は浮いている。そりゃそうだ。チーム対抗戦のSJにおいて「B.o.Bの猛者を適当に集めました!」という俺達のチームは他と比べ名が通っているプレイヤーが多い。特に俺、シノンちゃん、エンフォーサーは直近にあった第3回B.o.Bでチームプレイをしていた。SJ1(第1回スクワッド・ジャム)開催者(スポンサー)は第3回B.o.Bの最後の俺達のチーム戦を見てSJの開催を決定したらしいしな。

 

「まぁ仕方ないだろ……ん?」

 

「よっす。」

 

 さっき話に出てきたメメント・モリのリーダーデヴィッドくんが挨拶に来てくれた。彼は俺の辛い時精神的支柱になってくれた恩がある。

 

「ようデヴィッド。彼女は出来たか?」

 

「出来てねぇわ舐めんなカス。」

 

「カスって言うな殺すぞ。」

 

「 「あ゛ぁ゛ん゛!?」」

 

「仲良いわねぇ。」

 

 誰がこんなヤツ……!*1

 

「で、結局出場すんのか。」

 

「モヤモヤも解消したしな。」

 

「シュウさん!参加するんスカ?」

 

 後ろからぞろぞろとメメント・モリのメンバーが集まってくる。ジェイク、ケンタ、サモン、ボルド、ラックスの5人。デヴィッドを入れれば6人MAXのフルパーティだ。恐らく、チームプレイにおいてはSJ最強。少なくとも知り合いのスコードロンの中では1番上手い。開けた場所が苦手という性質はあるが、基本的に何処でも戦える。

 

「もち。コイツのせいで悩んだけどな。」

 

「うっ。」

 

 ペイルライダーを指差すと、フルフェイスマスクが少し傾く。

 

「なんかあったの?」

 

「話せば長くなるし解消した事だ。もういいだろう。」

 

「ふぅん。」

 

 ジェイク以下5名はデヴィッドから俺達の話を聞いていたのだろう。何かSJに「ワケあり」らしい事。まぁ上記の通り解消した事だ。話すつもりは無い。

 他にも見知った顔がいくつかある。挨拶するべきだろうか……あっ。

 

「レンちゃんじゃん。」

 

「シュウさん!」

 

「大会出んの?大丈夫?」

 

「ど、どういう意味ですか。」

 

「いや……普通に気になって。あんまり大会出るイメージ無かったから。」

 

「本当は神崎エルザのライブに行きたかったんですけどね。当たらなくて。」

 

「神崎エルザ?誰?」

 

「え!?シュウさん神崎エルザ知らないんですか!?神崎エルザは━━━━」

 

 出るわ出るわ神崎エルザのオタクっぷりが。話を聞くに、どうやら歌手のようだ。メジャーというには人気過ぎず、マイナーというには人気過ぎる、という絶妙なバランスらしい。レンちゃんはもっと大きい会場で歌って欲しいと思っているそうな。

 

「へぇ。今度聞いてみるよ。」

 

「はい!是」

 

「シュウ?」

 

 ビクッ!と俺とレンちゃんが震える。ブリキの人形のように後ろを向くと、笑顔で青筋を浮かべたシノンちゃんが居た。

 

「誰?その女。」

 

「い、いや!ほら!この前話したじゃん!レンちゃんだよレンちゃん!」

 

「あぁ……あの砂漠のPKプレイヤーね。」

 

「わ、私の評判って……」

 

 レンちゃんが自分の評判に打ちのめされている……しかし、彼女が砂漠のPKプレイヤーと名を馳せたのもGGOの歴史から見たら昔の話だ。MMOとは良くも悪くも流行り廃りが激しい。

 

「そういえばシュウは会ったとか言ってたわね。」

 

「は、はい。」

 

「女とも聞いてたわね。」

 

「言いましたね。」

 

「で、なんで仲良いのかしら?」

 

「……」

 

 な、なんと言えば丸く収まるだろう……こわいですぅ……なんでレンちゃんと仲がいいかと言われると、まず出るのは「そんな仲良くないよ。」という言葉。しかしこれは男として言ってはいけない気がする。何故なら女を傷付ける言葉だか

 

「私に隠し事?」

 

「そんな仲良くないよ!」

 

「えぇ!?」

 

 女を傷付ける言葉だから言わない?知るか。俺はシノンちゃん至上主義なんだ。例えシノンちゃん以外の全人類と天秤にかけられても俺はシノンちゃんを選ぶぞ!

 

「まぁフレンド登録して……るな。うん。」

 

「アウトォ!!」

 

「許してぇ!!」

 

「あはは……」

 

 俺達の夫婦漫才を暖かい目で見つめるレンちゃん。今更だがこれはまるっきり茶番……だと思う。シノンちゃんも6割くらいは冗談だろう*2

 

「そ、そういえばシノンちゃんと俺と武器見に行くって話してたよね。アレから色々あって連絡出来なかったんだけど、武器とか決まったの?」

 

「あ、はい!決まりました!ピトさんと一緒に選んだので大丈夫です!」

 

「へぇそうなんだ……ピトさん?もしかしてピトフーイ?」

 

「ピトさんと知り合いなんですか?」

 

「知り合いっつーか腐れ縁っつーか……GGO初期の日本勢は大体友達かな。」

 

「凄い!」

 

「いやいや、これは年の功って奴ですね。」

 

「ちなみに決めた武器は」

 

「待ちなさい。」

 

「待て、レン。」

 

 レンちゃんが武器をストレージから取り出そうとするのを、シノンちゃんとレンちゃんの背後に居た巨漢が同時に声で静止させる。

 

「あらごめんなさい。」

 

「……いや、大丈夫だ。助かる。レン、これから戦う相手の前で武器を出すな。」

 

「あっすいません……シュウさんには見せたくて……」

 

「?」

 

 レンちゃんがどんな武器を使うかは気になるが、それはSJで邂逅した時に確認すればいい。しかし俺に見せたい?以前のスコーピオン二丁拳銃スタイルから変えたのは自明の理だが、何か「これ!」という武器を見つけられたのだろう。しかも一緒に選んだのはあのGGO屈指のガンマニア、ピトフーイなのだ。ハズレはなかろう。

 

「ま、そういうこって。そろそろSJが始まる。レンちゃん、それじゃ戦場で。」

 

「はい!……あ、そうだ。名前!チーム名なんて言うんですか?」

 

 ん?あぁ、そういえばまだ言ってなかったか。

 

「【BoB5】だよ。5人全員B.o.B本戦出場経験者って意味。よろしくね。レンちゃん、巨漢さん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「妙に気合が入ってるな。」

 

 SJ待機ロビーの2人きりの空間で、巨漢……M(エム)がそう言う。

 

「神崎エルザのチケットが取れたらここには来ないつもりだったけど。」

 

「さっきも言ってたな。つまり取れなかったんだな。」

 

「だから、やってやる!」

 

 レンは自分の愛銃……ピンク色に染められたPー90を握りしめる。

 彼女の名誉の為に言っておくが、別にシュウに感化されてPー90を使っているわけじゃない。確かにレンはシュウの使うPー90(P)を見て「かわいい!」と思っていたが、自分の師匠ピトフーイ曰く「アレはユニーク武器だから特別よん!」と言っていたので諦めていたし、それの進化ver.*3のPー90があるなんて考えたこともなかった。

 しかし、ピトフーイに連れられたアングラなプレイヤーショップにて入荷された高レア武器【Pー90】を見て諦めていた熱が再熱し、「なまらかわいい!」と言って購入、愛用するのを決めた。今ではPー90(P)よりPー90の方がお気に入りだ。

 

『それでは〜!スクワッド・ジャム!ゲームSTART!!』

 

 ジャキッとコッキングし、弾を薬室に込める。

 

 

 レンとエム(チームLM)が降り立ったのは森。

 

「不利だな。」

 

「エムさんの狙撃が活かせなくて私が目立つから?」

 

「そうだ。これを被っていろ。Pー90はポンチョ越しに撃って構わない。」

 

 エムはそう言って森用のポンチョをレンに被せる。マップを確認するが、B.o.Bの基本ルールに則っているこのSJにおいて四方1km以内に敵はいない。北と東はマップ外なので無視していいとの事。

 

「真南へ向かう。10m感覚で着いてこい。」

 

 そう言って行動を開始するエム。言われた通り10m後ろを走りながら*4エムに気になっている事を聞く。

 

「ねぇエムさん。」

 

 10m離れているので、通信機越しに話す。

 

「なんだ。」

 

「危険なチームとかある?」

 

「……そうだな。SJはまだ今回初だ。今まで運営公式のチーム対抗戦は無かった。チーム対抗戦はあったとしてもスコードロン同士のちょっとした小競り合い程度で、公の場で戦う機会はない。」

 

「むぅ。何が言いたいの?」

 

「チームとしての情報が少ないという事だ。こういうゲームだしな。横の繋がりはあまり広くない。」

 

「へぇ……」

 

「ただ、レンが待機場で話していた2人の居るチーム。確か【BoB5】と言ったか。あのチームは危険と言えるだろうな。」

 

「確かに!みんなB.o.B本戦出場経験者なんだもんね!」

 

「あぁ。だがその分彼らの情報がある。共有しておこう。

チームリーダーのペイルライダーは三次元立体機動を得意とするプレイヤーだ。メインアームはアーマライト AR17。近代的セミオートショットガンだ。彼女については第3回B.o.B本戦の戦いしか記録が残っていないから、基本的な戦術と強さしか分かっていない。何故チームリーダーをやっているのかも不明だ。それだけ指揮能力が高いのかもな。」

 

 レンは走りながら喋るエムの内容を頭に叩き込んで行く。

 

「次にシュウ。レン、お前が話していた男だ。メインアームはPー90(P)。レンの持っているPー90のプロトタイプだが、その希少性故にユニーク武器にカテゴライズされ、性能はPー90より高い。彼はAGI(アジリティ)超特化型のビルドだ。全世界のGGOプレイヤーの中でも近距離戦なら最強と名高い。正面戦闘になればまず勝ち目はない。レンが奔走し、俺が狙撃してもシュウ1人を相手にどこまで戦えるかわからん。もし初撃で1人だけ狩れるとしたら彼だな。」

 

「(シュウさん、そんな凄い人だったんだ……)」

 

「次にシノン。シュウとタッグを組んで【不言実行】という2つ名もある狙撃手だ。あの話していた水色の髪の女性プレイヤーだな。」

 

「エムさんとどっちが強い?」

 

「……はっきりいってシノンだろうな。彼女の狙撃スキルはプロにも負けず劣らずだ。俺と同じ弾道予測線を出さない射撃が出来る。」

 

「弾道予測線を出さない射撃!?なにそれ!ズルい!」

 

「システム外PS(プレイヤースキル)だ。本人の努力の賜物だな。メインアームはウルティマラティオシリーズのへカートⅡという対物ライフルだ。四肢以外に喰らえば全損必至。」

 

「そんな弾が弾道予測線なしで飛んでくるの!?」

 

「そうだ。どんな時でも後方注意(チェックシックス)だぞ。まぁ、見えた所で発射されたら死ぬしかないがな。」

 

「うぅ……」

 

 先程話したシノンというプレイヤーを思い出す。今思い出しても怖い人だった。というより、何故か私に当たりが強かった気がする。

 

「シノンはシュウと似ていて恐らくAGIーSTR(ストレングス)型だ。シュウ程すばしっこくは無いし、鈍重なへカートⅡを持てるSTRを持っているからな。スナイパーな時点で発見されたら終わりだから、まず見つかるような場所には出ないだろうな。はっきり言って、シュウとシノンのコンビでSJに来られたら負け濃厚だった。」

 

「だった?」

 

「あぁ。今回彼らは5人チーム。しかも全員B.o.B本戦出場者の猛者だ。ペイルライダーが余程頭の回る司令塔じゃない限り、まず御しきれない。弱点を突くなら彼らが【多い】事だ。」

 

「多ければいいんじゃないの?」

 

「そういう訳でもない。シュウとシノンは長年コンビを組んでいるGGOの古参プレイヤーだ。それが強いのも偏にお互いの癖、特徴、戦法を理解しきっていて、心と銃を預けられる信頼関係あっての事だからな。しかし今回は5人。シノンの負担も単純に4倍、しかも彼らがチームを組むなんて見たことも聞いたこともない。恐らく即席パーティだ。いつものPSが出せるかは分からない。」

 

「そっか。」

 

「続けるぞ。次にエンフォーサー。彼は第3回B.o.Bの優勝者だ。レンは見ていたんだよな。」

 

「うん!ピトさんと会場で。」

 

「なら分かると思うが、奴はチームプレイは壊滅的に下手だ。そもそも精神性もチームプレイに向いてない。」

 

「最後の最後に裏切ってたもんね。」

 

「奴のメインアームはcoral48。左手に付けられた2mを越える大きさのエネルギー武器だ。主な攻撃方法は飛ぶ斬撃だが、銃より射程も短いしスピードも遅い。レンならエンフォーサーが態々狙わない限りしゃがめば当たらないだろう。ステータスの情報は無いが、恐らくSTRーVIT(バイタリティ)型。レン、奴を仕留める時はしっかり撃ち込むんだ。」

 

「了解!」

 

「最後にパスト。彼はアメリカで行われた第1回B.o.Bの準優勝者。つまり2位だ。」

 

「シュウさんもシノンさんも第3回B.o.B準優勝なんだよね?同じ準優勝じゃないの?」

 

「ランク的には同じだが、価値が違う。第3回と違って第1回はGGOの初期も初期に行われた海外の大会だから、現地で、しかも超やり込みプレイヤーしか手に入れられない栄光を手にした男だ。」

 

「……つまり、パストさんは外国人なの?」

 

「あっちからしたら俺達の方が外国人だろうが、まぁそうだな。何故日本のSJに来たのかは不明だが、恐らく知り合いがチームに居るんだろう。」

 

 レンは第3回B.o.Bの本戦の時、ピトフーイに連れられて入った個室でパストを見かけたのを思い出した。あの時、パストはシュウのPー90(P)について熱弁していた。知り合いとはシュウの事だろうか?

 

「パストは謎が多い。メインアームは基本的にナイフとデザートイーグルだが、SRも使うしARも使う。PDWも使うしSMGもLMGも、DMRも使う。所謂何でも屋だ。今回どんな武装で来るか分からん。」

 

「ピトさんもそんな感じだよね。」

 

「ステータスは恐らくSTRーVIT型。しかもエンフォーサーよりも高レベルだ。何より彼は世界2位の徒手格闘使い。ナイフ戦になったらまず勝ち目はない。」

 

「徒手格闘2位?1位は?」

 

「サトライザーというアメリカのプレイヤーだ。第1回B.o.Bにてパストとラストバトルを繰り広げ、ナイフとデザートイーグルを使うパストに対しサトライザーはナイフ1本で応戦し勝った。」

 

「すごっ!」

 

「絶対に近付けさせるな。奴がシュウと共に前線に出張ってきたらチームプレイ関係なくその戦場に立っているのはシュウとパストだけになるだろう……止まれ。」

 

 銃声が聞こえ、エムがレンに静止の声を出す。

 

 SJはまだ始まったばかりだ。

*1
ツンデレ。

*2
逆に言えば4割本気。

*3
GGOにおいてはプロトタイプの方が性能が高いので進化ver.とも言えないが後継機という意味ではあってる。

*4
とは言ってもアジリティの差でレンの方が速いので、少し足を緩めながら。




一応再度告知。
Rー18ver.Rを投稿しています。目次か作者ページからどうぞ。

感想くだせぇ!

【小説情報】
 今話から1話までほんの少しだけテコ入れをしました。
 とは言っても改行したり句読点入れたりしただけで、展開や設定は何も変わってないです。

SJオリキャラの武器悩んでます。候補からアンケ取ります。

  • Thunder.50
  • デザート・イーグル.50AE
  • .500 S&W Magnum
  • .460 S&W Magnum
  • Raging Bull
  • Magnum Research BFR
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