なので、以前0話の方を読んだことある方は今後のネタバレ祭りになるので、なんか上手く初見を装って感想ください。
カスみたいな内容なので、ブラウザバック推奨。
01.始まり(Zero)はいつも突然に。
【西暦2016年 2月16日】
─────少女は、逃げていた。
逃げる気なんかないのに、もう助けが来ないことなんて誰よりも解っていたはずなのに。
どうしようもなく、生きたいと願っていた。
瓦礫の世界。
この旅を始める前は、映画だとかでしか見たことがなかった非現実が、人喰いの化け物つきで迫ってきていた。
そう、人喰いの化け物。
白い袋のような見た目の、空から落ちてきた巨大な怪物。
アレが、なんなのかは未だに解らない。
けれど、奇跡の連続で成り立っていたこの旅も、もう直ぐ終わりを迎えようとしているのは間違いなかった。
(いや………いやだ……食べられたくない。生きていたい……っ!)
遠目ではあるが、何度も見てきたから判る。
この距離と、自分の速度────そして、『獲物が自分ひとりしか居ない』という状況が、あまりにも致命的だった。
死は、一直線に来る。
……なんで、こんなことになったのか。
あの化け物達が、外に居ることなんて解っていたことだったのに。
きっかけは単純に、食料不足だ。
寡黙なお父さんはあの化け物たちが現れてから暫くして、四国に向かう途中の物資調達中に帰ってこなくなった。
優しかったお母さんも、半年前に今の私と同じように食料を集める為に仮の拠点から出ていって、二度と戻ってこなかった。
だから私は、両親がいなくなってから独りで生きていかなければならなかった。ひとりだけで、この地獄と化した世界で。
そう。
─────世界は地獄に変わってしまった。
× × ×
─────生きたい、という誰かの声が聞こえた気がした。
その瞬間。瞬時に気のせいかもしれない、という可能性を捨てる。
ソラを駆けるマシンの速度を速める。
それだけでいい。
この身体を動かすのは、誰かの明日を守りたいという願いのみ。
この地獄と化した世界で、それだけが俺の出来ることだった。
────化け物が居る。
ソラから降りてきた白い袋のような怪物。
天の神、実在する御伽話。
人をただただ喰い殺すためだけの生物兵器であり、世界を破滅に貶めた天の尖兵。
バーテックス。
その中でも、星屑と呼ばれる個体が遥か前方で小さな生命を根絶やさんと向かっている。
間に合うか?
いや、間に合わせる。
─────この顔に、仮面はない。
かつて、TVの向こう側にいたヒーローのように、素顔は隠せず。
あの日手にしたこの力は、
だが、ならばせめて────。
─────空を駆けるレールをアクセル全開で突き進む。
目標まで数十メートル。一気に霊力(オーラ)を燃料に、瞬間的な強化を果たした鉄機の牛角(ゼロゼロホーン)が力無き少女を喰い殺さんとする化け物に向かい、今、爆速でレールから解き放たれる──────ッ!
「いよおおおおしっ!!! ノーヘルライダーお家芸・轢き逃げアターーク!!!」
『■■■■■!?!?!?』
「へ?」
少女の瞳に、純白と深緑の────美しい花を刻んだミニスカの着物を着た、『ベルトを腰に巻いた黒髪の少女』が化け物を全てバイクで轢き殺し、そのまま非現実的な急ブレーキをキメながら、サムズアップを向け─────まるで少年のようにニカっと太陽のように笑ってみせた。
「よし! そこの少女よ……全てを救う日ノ本の勇者! この俺─────桜井 侑香さまが来たからにはもう大丈夫だ!」
「……え?」
コスプレのような出立ちをした─────嵐のような少女が起こした奇跡に、篠原 要石(しのはら かなめ)はただただ呆然としていた。
× × ×
始まり(Zero)はいつも突然に。
× × ×
気がついたら俺は、幼稚園児の女児になっていた。
幼馴染であるお隣さん家のお孫さんともう一人追加で幼馴染の計三人で元気におままごとをしていたので、かなり心配された。めっちゃフリーズしてたので、優しく見守ってくれてた、きみこ先生にも心配された。大丈夫、その後おままごとはちゃんと最高に盛り上げた。
そして……皆んなが知りたがっているであろう、肝心の俺の名前は『さくらい ゆうか』。
名前の漢字は『俺』の記憶を思い出す前まではよくわかってなかったので、家に帰った後、夕飯を作ってくれていたピチピチのエプロンがはち切れそうなムキムキのパパンに早速教えてもらった。
名字は『桜井』。
名前は、侑ける香りと書いて『侑香』と書くらしい。なるほど、俺に相応しい良い名前だ。名付け親らしいママンは大変良いセンスをしている。
……ん?
まてよ、なんか引っかかるな……。
何が引っかかるのか、パパンの自慢のデリシャスパーティ花丸ハンバーグを小さなプリティハンドで掴んだカチドキフォークで口に運び、豊満な肉汁に舌を打ちつつ、汚れた口の汚れを世話焼きなパパンに拭ってもらいながら考える。
そのまま心底真面目な顔をしつつ、もう寝る前ということで食後の風呂場に連れていかれ、かなり若々しい美人ママンの豊満で美しい山脈を眺めながら、いつものように湯船に肩までしっかり浸かってからママンと一緒に数を100まで数えながらこの重大なテーマの真実に、パパンの立派な僧帽筋ベッドに頭を預けながら絵本を読んでもらい、アマゾォォォン! の秘境に我々はついに辿り着いた。
(桜井侑香……桜井、侑……???)
─────電王じゃねーか!?!?!?
× × ×
『ミルクディッパー』
『人型の怪物』
『空を飛ぶ電車』
『ユーラル出版』
『鷹山グループ』
『魔犬』
『アオトグループ』
『私立星城高等学校』
まず真っ先に作中に登場するあの喫茶店のことを調べたが、実際に存在したのはロケ地である埼玉のレンストランだけ。東京都中野区に存在する店の一覧を調べても、そんな名前の喫茶店は存在していなかった。
その後もこの2ヶ月間、定期的に両親に必死に旅行をねだりながら、思い付く限りのキーワードを頼りに電王に関わる人や場所、企業などを探してみたものの一切引っ掛かりもしなかった。
唯一この世界にも例の高校の方は存在自体はしていたものの、元々あの世界固有の場所ではないし、現実にも存在している場所なので、行って調べてみても、案の定、在学生に原作主人公が居た気配すらしなかった。
─────つまり、この世界は原作の世界ではないが、俺という存在が居る以上……『原作主人公達が存在しなかった場合のリマジ世界線』ということになる。
……ふむ、マジで???
(とすると……仮にもし、原作と同じ、もしくは似たような出来事が現実でも起こるとすると……)
①俺が桜井さん枠なので、高校生〜大人(天文学者になった後)になる頃にゼロライナーに乗った未来人が時の列車とベルトとカードの作成方法を押し付けてくる。拒否したら世界が滅亡するので拒否不可能。
※ついでに言うと、婚約者が居なくてもこの世界の何処かに居る誰かが分岐点という名の核爆弾である可能性もある。
②未来から大量のイマジン襲来(ざっと3000体以上)
原作と違い、分岐点が誰であるのかが一切不明なため、イマジンと戦いながら一人で見つけなければならない可能性がかなり高い。
見つけれなかった場合、世界は滅亡。
③仮に原作主人公達が現れなかった場合、つまりはゼロノス以外の追加戦力が見込めず、更に言えばあの弁慶イマジンも味方にならない、もしくは存在しない可能性すらあるので、味方イマジン排出を必死に祈願しながら戦うことになる。
なお、手に入れられるゼロノスカードは本来の桜井さんが使用した枚数が不明だが、仮に過去の自分に渡した予備カード10枚に加えて、どれだけ多く見積もって30枚くらい手に入れられるとしても、ライダー作品の中でも一体だけで街一つ短時間で破壊可能な怪人が3000体以上軍隊で襲ってくると考えると普通に死ねるし、仮になんとか生き抜けても戦っている最中に分岐点を殺された場合、世界滅亡。
……ふむ、なるほどなぁ。
……失礼、俺逃げていいですか、これ???(逃げたら世界が滅亡するので逃げられないドン☆)
というか、よくよく考えたら原作の登場人物達が存在しない可能性がある=特異点という名のクソベルト保険機能が一切存在しない可能性があるということは、当然ながらゼロノスカード全部使い切る訳にはいかないし、使い切ったらゼロノスの変身者である俺自身が消える可能性が普通にあるんだよなぁ……。
─────どういうことか説明すると、ライダークソベルトランキング個人的1位のゼロノスベルト君は、使い続けると変身者の存在が忘れられていき、後日談の小説で触れられたように幾ら学校に通っていようとも、学歴が強制的に自動消滅し、最終的に世界を必死こいて無報酬で救ったお礼として、社会的に働けなくなるホームレス生活と、カード残機0枚による事実上の死亡が約束された勝利のクソベルト様なのである! クソがよ。
(えーっと、ということは……アレか? 実際には
○『高校を卒業するまでに分岐点をなんとか見つけないと事実上世界滅亡の可能性大』であり、
○『仮に30枚ゼロノスカードを得られたとしても、実際には29枚で世界を救わないと自身が強制的に死亡確定』、
○『ホームレス化を回避する場合は、28枚以下のカードの使用で3,000体以上のアホつよ怪人共を瞬殺しなければ人生RTAで詰む』
ってコトかぁ……)
……え、俺泣いていい?
× × ×
あれから暫くして。
ことの重大さを漸く受け止めた俺は、早速身体を鍛え始めた。
自分が今女児であることを根拠に未来の過労死確定の社畜ヒーローになる可能性を考えてみたものの、「……そういえば、劇場版に出てきた幼少期の子役、女の子を使ってたっけ……」という、俳優ネタでTSした世界線である可能性が有るにはあることに気付いてしまい、泣く泣く現実を受け入れたのだ。仕方ない、東映だし。
という訳でムキムキパパンの指導を受けながら将来の社畜戦士に備えて毎日元気に鍛えまくって猛士を目指している。目標は最低でも山で和楽器リサイタル開けるようにならなきゃな!
……え? 身体を鍛えてどうにかなるものなのかって? ならねぇから鍛えないといけないんだよ!!
─────そもそもゼロノスは原作主人公達が変身するライダーと違い、本人の素質がかなり高くなければ強さを発揮出来ないタイプのライダーだ。
(キャンディー配布おデブちゃんが居ない可能性すらあると考えると、当然ながら総合的な身体強化に使うオーラは自分オンリーってことになるし、フォームチェンジが売りのライダーなのにフォームチェンジ強制封印な可能性大なの、普通に死ねるな! うむ!)
それに加えて、原作や小説の方を読んでみると解るように、『桜井さん』は普通に超人な部類である。
分かりやすく例を上げてみると、
①高校卒業後の時点で、生身で大剣を振り回し、更に筋肉モリモリマッチョメンのデンジャラスゾンビィ……が勢いよく投げつけた鉄製の錨をそのまま両断する(※大剣の性能が高いとはいえ明らかにおかしい)。
②怪人が疲れたと文句を言う長距離(戦国時代の山道)を1時間以上(計4日)普通に歩き続ける現代人(※高校の時点で特に運動系に入らずにそのまま趣味の天文学部に通っていたことを考えると、明らかにおかしい)。
パッと思い出せる範囲で挙げてもこれなのだ。
つまり、俺はこれから高校ぐらいには上記の二つを最低限生身で普通にこなせるようになっていなければ、原作開始後に普通に初戦で死にかねないのである。何その無理ゲー。
とりあえず、最低でも高校生になる前には生身で鋼鉄を斬れるくらいにはならないと話にもならない。3000体以上の化け物を一人で戦わねばならないのだ。とにかく鍛えるに限る。
(そのためにも、余計な思考はもう一切挟まない。お母さんとお父さんが死ぬのは嫌だし、俺が高校生になったとしても普通に生きててほしいし)
よーし、そのためにも隣の家に住んでる豪邸のおばあちゃん家に剣を見てもらいに行くぜ!
「おーっす! わかば! ひなた! 今日も張り切って修行していこうぜー!!」
「ゆうかはあいかわらず元気だなぁ」
「ふふふ、そうですね……二人とも今日もかわいいです」
……ん? なんか引っかかる気がするけど……まぁ、中学に入るまでに最低限イマジン50体は倒せるようなっておかないといけないし、やっぱ修行に全集中しないとな! 俺たちの戦いはこれからだぜ!(なお、メンバーソロ予定)
【単語解説(という名の分かりにく過ぎる小ネタ)】
◾️劇場版の子役【単語】:主人公が言っていた通り実は女の子であり、本作を書くに至った発想元。現在は引退されているが、中性的な美人。
◾️きみこ先生【単語】:原作で幼稚園児時代の若葉ちゃんの先生をやってた人。
本名は山崎君子らしい。原作の世界線では天災後も生きていた。優しい。ここだけの出番の人。生かすかは正直作者の気分次第。
とりあえず、勢いだけで書き直したので続くかは微妙(息抜き枠だし)
感想でニトロチャージするので、その場でミラクルペンライト振っておいてください。それでは。